ジョン・ウィック:パラベラム

登録日:2023/10/01 Sun 00:45:00
更新日:2025/04/30 Wed 01:51:13NEW!
所要時間:約 3 分で読めます






Si Vis Pecem Para Bellum


世界はお前を許さない




●概要

『ジョン・ウィック:パラベラム』(原題: John Wick: Chapter 3 - Parabellum)は2019年に公開されたアメリカのR-15指定アクション映画。
ジョン・ウィック』シリーズの第三作目となる。
監督は前作に引き続きチャド・スタエルスキ、主演も引き続きキアヌ・リーヴス。

今作ではタイトルに「Parabellum」という副題が添えられている。
由来は9mmパラベラム弾およびその弾丸の名前の由来である格言Si Vis Pecem Para Bellum(平和を欲するなら戦争に備えよ)であり、実際に作中の人物が口にするシーンがある。
ちなみに続編の『チャプター4』は原題では副題がないため、今作独自の要素である。

前作でジョンはコンチネンタルの掟を破り追放された為、何一つ支援を受けられない状況で世界中の殺し屋に狙われるという窮地に追いつめられる。
過去2作は個人的な復讐が話の軸だったが、本作からは『チャプター2』でも登場した世界の暗殺者達を束ねる巨大組織「主席連合」との戦いが主題となる。

時系列は前作からそのまま続いているわずか数十分後。
ちなみに『チャプター1』から五日後に『チャプター2』が始まるため、シリーズ通しての時間経過はたったの数週間程度である。

また本作ではコンチネンタル・ホテルでの殺しが許可されるシーンがあり、それまでは支援者だったウィンストンやシャロンと共闘する場面が見られる。

ジョンが終盤で披露したショットガンのクアッドリロードはこの作品を切っ掛けに知名度を大きく上げた。


●あらすじ

前作でコンチネンタルの掟を破り追放処分を受けたジョン。
現地調達の武器で襲い掛かる殺し屋を返り討ちにしつつも逃避行を続け、かつて所属していた組織である「ルスカ・ロマ」に助けを求める。
ジョンの目的は主席連合の上位である首長に話をつけることで追放処分を取り消しさせることであった。

組織の仲裁で首長の居場所を知っているはずの幹部に会いに行くジョンだが、一筋縄とはいかない過酷な道のりだった。


●登場人物


演:キアヌ・リーブス/吹替:森川智之
主人公。
かつて闇の男(ブギーマン)(殺し屋)を殺す闇の男」として「ババヤガ」の異名で呼ばれた伝説の殺し屋
前作で復讐を果たすも、コンチネンタルの掟を破ってしまい追放処分を受ける。
1400万ドルの懸賞金をかけられた為に次々と殺し屋に襲われる羽目に。
コンチネンタルという強力な後ろ盾を失ったため、暗殺稼業で同業者を助けた事で得た「誓印」を伝手に生き延びようと足掻く。

本作では序盤では武器が満足に手に入らない状況のため、博物館に飾ってあった骨董品の銃をニコイチして使用したり、ナイフで戦ったりと過去作以上に豊富な武器を使用する。
また、逃避行の中で過去や生い立ちの一端が語られており、ベラルーシ出身である事、犯罪組織「ルスカ・ロマ」で暗殺者として育てられた事、ジョン・ウィックが本名では無くジャルダーニ・ジョヴォノヴィッチが本名である事が明らかとなった。
ある意味では彼の行動そのものが裁定人の主張である「ルールが無ければ自分たちは獣と同じ」を体現していると言えるだろう。

コンチネンタル・ホテル

  • ウィンストン・スコット
演:イアン・マクシェーン/吹替:安原義人
あらゆる殺し屋達が利用する「コンチネンタル・ホテル」のニューヨーク本部のオーナー兼支配人。
前作に引き続き登場。前作にてコンチネンタルの掟に従いジョンを追放する。
しかしジョンを『チャプター1』の時のミズ・パーキンズの様に即座に殺さず、1時間の猶予を与えての追放処分としたことが問題視され、彼も裁定人からの処罰を受ける。

  • シャロン
演:ランス・レディック/吹替:堀内賢雄
コンチネンタル・ホテルのコンシェルジュ。前作に続き登場。
真面目ながらも友情を重んじる性格で、ジョンが追放処分を受けた後も敬意を以て接し続けた。
今作ではある目的のために銃を取って戦う事になり、銃器の深い知識と高い戦闘能力を見せる。

なお演者であるランス・レディック氏は続編『コンセクエンス』の公開前の2023年に病気で逝去されている。

  • ソフィア
演:ハル・ベリー/吹替:本田貴子
元殺し屋。現在ではコンチネンタルホテル・モロッコ支部の支配人。
ジョンには過去に借りがあって聖印を交わしてはいるものの、追放処分を受けた今では無効だとジョンを冷たくあしらう。
渋々ながら仲介役を引き受けるが…。

主席連合

  • 裁定人
演:エイジア・ケイト・ディロン/吹替:松井茜
主席連合から派遣された使者。短髪の女性。本名は最後まで明かされない。
かなり高い発言力を持つ様で、彼女が下す裁定は主席連合に連なる者は基本的に逆らえない。
ジョンの掟破りを問題視しており、かつジョンに協力したウィンストンとバワリー・キングに解雇宣告を告げる。
ゼロを雇い、裁定に従わない者、追放されたジョンが逃げる過程で協力した者にも罰を下していく。

  • ゼロ
演:マーク・ダカスコス/吹替:三宅健太
裁定人の命令によって動く暗殺者。脇差と体術を用いた近接戦闘の達人。見た目はどことなくこの人っぽい。
表向きはニューヨークで店を構える寿司職人で、従業員は全員彼の(暗殺の)部下である。フグ毒寿司は出してない、と思う。
裁定者に指名されるだけあって実力は本物で、ジョンに協力した組織を部下達と共に次々と血祭に上げ、本作最強の刺客として立ちはだかる。日本語は片言だが。
一方で寿司屋のBGMがきゃりーぱみゅぱみゅの『にんじゃりばんばん』だったり、ジョンのファンを名乗る不審者などコミカルかつシュールな言動も多い。
本人の主張では猫派であるようで、実際に寿司屋のシーンでは三毛猫が登場している。かわいい。

  • シノビ
演:セセプ・アリフ・ラーマン(#1)、ヤヤン・ルヒアン(#2)
ゼロの寿司屋で寿司職人として働く彼の部下。
彼らもジョンのファンを名乗る不審者。

  • ディレクター
演:アンジェリカ・ヒューストン/吹替:萩尾みどり
主席連合の傘下の組織である「ルスカ・ロマ」の首領。
孤児達を引き取り、表向きはバレリーナ修行として暗殺術を叩きこんでいる。
ジョンの育ての親で、協力を求められた際は主席連合に目を付けられると苦言を呈しつつも、家族の契りと引き換えに助けた。
中の人は昔はおばけ一家のママ。

  • バレリーナ
演:ユニティー・フェラン
ディレクターが運営する養成学校の生徒。
「ルスカ・ロマ」のステージの上でバレエのレッスンをしている。
他にも生徒はたくさんいるが、レッスンの過酷さは見てすぐに伝わってくる。

彼女が主役のスピンオフ映画『バレリーナ(原題)』が2025年に公開予定。
主演は『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』のアナ・デ・アルマス。

  • ベラーダ
演:ジェローム・フリン/吹替:白熊寛嗣
主席連合の一員。「血の誓印」の鋳造所[管理人。
ジョンとソフィアから首長への仲介を依頼されるが……。

  • 首長
演:サイード・タグマウイ/吹替︰多田野曜平
主席連合の首長。即ち世界の暗殺者組織の頂点に立つ人物。
その地位故に会うのは容易ではなく、拠点としているモロッコの砂漠で「身心共に死ぬ寸前になるまで歩き続ける」事でしか見つけてもらえない。
自らに会うため彷徨い砂漠で倒れていたジョンを助け、彼のある行動を見た事で忠誠を認める。

その他

  • バワリー・キング
演:ローレンス・フィッシュバーン/吹替:玄田哲章
ホームレス達による地下犯罪組織の頭目。前作に引き続き登場。
前作にてジョンに武器を供与したことを問題視され、裁定人からの「7発の銃弾を提供した」事に準えた処罰を受ける。

  • ドク
演:ランドール・ダク・キム/吹替:根本泰彦
闇医者。ジョンとは面識があり、1作目以来の登場。
追放処分の時刻ギリギリにやってきたジョンに治療を施すが、施術中に時刻を迎えてしまったために中途半端な処置となってしまった。
主席連合にジョンを助けたと思われないために(急所を外させたとはいえ)自分を銃で撃たせる等、かなり覚悟の決まった人物。

  • アーネスト
演:ボバン・マリヤノヴィッチ/吹替:拝真之介
巨漢の暗殺者。
ルールを破り、まだ追放処分の時刻になる前の段階でジョンを襲撃するが、本で返り討ちにされた。
いくら相手が満身創痍とは言え、素手で挑んで本でバシバシ叩かれて最後は首の骨を折られて返り討ちにされるというのもいかがなものか。
ちなみに演者はNBAのヒューストン・ロケッツに所属するプロバスケットボール選手。身長は驚きの221cm。

今作ではジョンの飼い犬はニューヨークのコンチネンタルホテルのシーンにしか登場しないが、モロッコではソフィアの飼い犬が登場。犬種はベルジアン・シェパード・マリノア。
今までのマスコット的な扱いから一転して、戦闘要員として活躍する。
容赦なくタマタマに嚙みつく場面は本当に痛そうで見てられないものがある。


●使用される銃器


  • レミントン1875
ジョンが博物館で調達した骨董品のリボルバー。
そのままでは動作しなかったので、他のリボルバーからパーツを抜き取って組み上げている。

主席連合から派遣された特殊部隊の装備。
隊員は自分では手が届かない背中に弾倉を括り付けているが、これは味方が使う用の弾倉である。

  • ベネリM2
終盤でジョンが使用するショットガン
ジョンが行ったクアッドリロード(片手に四発のショットシェルを持って二発ずつ装填する行う高速リロード)を行う為には、ローディングゲートを削るなどのカスタムと専用のホルスターが必須となる。
軍や警察では使用されず、主に競技用で行われるリロードである。



追記・修正は砂漠を彷徨ってからお願いします。



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最終更新:2025年04月30日 01:51