小日向未来

登録日:2019/10/20 (日曜日) 03:36:58
更新日:2019/10/26 Sat 22:17:29
所要時間:約33分で読めます





八千八声、啼いて血を吐くホトトギス…


小日向未来(こひなたみく)

戦姫絶唱シンフォギアシリーズに登場するヒロイン。


【データ】

CV:井口裕香
年齢:15→16(GX以降)→17(XV)
イメージカラー:緑/紫
聖遺物:神獣鏡(シェンショウジン)

本作にとっての日常の象徴というものを体現する少女。

肩口に掛かるぐらいの黒髪に、後頭部に結んだ大きな白いリボンが特徴的な少女。
主人公・立花響の幼馴染で、彼女の世話を焼く保護者役でもある小学生時代からの大親友、ということだが、実際のところ響に対しては友情以上の感情を抱いている(公式)。本編でもわかるレベルだが、しないフォギアでは全く自重していない。
どれぐらいかというと、お風呂を一緒に入るのは当然で、二段ベッドの上で二人で毎晩一緒に寝ているぐらいに大親友。
(XDのイベント「キズナで紡ぐ奇跡の歌」で語った処によると、曰く「女の子で幼馴染同士では普通」の感覚とのことである。
これを聞いたとある猫好きの少女は割りとガチで「え…」みたいな反応だった当たりお察しください。)

中学時代は短距離の陸上選手であったが、記録が伸び悩んだことで引退している。
好物はかき氷。これを金子のおっさんが忘れてたことを元にしたエピソードもしないフォギアにある。


響にとっての「陽だまり」であり、日常の象徴であり、帰る場所でもある。
それと同時に未来にとっての響は「お日様」…太陽である。とお互いに本当に大切に思いあっている。

本編開始の二年前、響をツヴァイウィングのライブに誘ったのは彼女であり、いうなれば響がシンフォギア装者となる原因や、彼女が重傷を負いいじめや迫害の対象とされ、
心無い嫌がらせを受け続けたことの原因を作ったのは彼女であるともいえる。
にも拘わらず自分は家庭の事情でライブに行くことができなかったという
「親友を死地に送り出してしまった」負い目があるからか、響に重度に依存している節がある。
後述する彼女の歌う曲は、そんな響への想いを前面に押し出した曲が多い。というかそういうのしかない。

…そんな響の愛は彼女より重いといわれることも多い。つまり重依存ではなく、「相互重依存」である。
この二人は互いに一方的に愛を押し付けあうのではなく、重すぎる愛を互いに全力投球しているのだ。
そんな響と未来だって場合によってはすれ違う。そんな彼女たちの軌跡もまた、本作の醍醐味の一つである。

またそんな重い愛の持ち主ではあるが、シンフォギア作中では珍しく、「戦場」を「いくさば」ではなく
「せんじょう」と呼ぶ一般人でもある。


【各期概要】


戦姫絶唱シンフォギア(第1期)】


逢いたいよ…もう、逢えないなんて私は嫌だよ…響ッ…!

一期は冒頭に記した、雨に濡れた彼女の「八千八声、啼いて血を吐くホトトギス」のセリフから始まる。
つまり本作で最初に話すキャラクターは彼女である。
この台詞と響の墓前で泣き崩れた姿が印象に残っている人も多いのではないだろうか。

前述のとおり、響と未来は幼馴染同士であり、わからないなんてことはないぐらいに仲良しな親友同士だったのが、
響がシンフォギア装者として覚醒したことで「隠し事」ができてしまい、そのことに気づかない彼女ではないため
二人の間に少しずつ溝ができてしまう。
一緒に見に行くと約束した流れ星もそれが理由で見に行くことが出来なかったり、
食事に行く約束も守れなかったりするなど、多くの約束を響は破ることになってしまい、
そして守秘義務から響は事情を話すこともできず……そして、ついに響の隠していたことを知ってしまう。

これ以上、私は響の友達でいられない…

そんなこんなで大きくすれ違って響と仲がこじれてしまい、
しかも友人にうまく言葉をかけれない、何もできない無力感も相まって仲違いした数日後、
一人で登校していた未来は雨の中、倒れていた雪音クリスと出会う。

傷だらけのクリスを看病する中で不器用な励ましを受けたことでいろいろと吹っ切ることに成功。
直後に彼女を追ったノイズの襲撃に巻き込まれるも、その際に響に協力してふらわーのおばちゃんを助ける為に
ノイズを囮となって引き付けるという出来事をきっかけに漸く和解。

わたし、響が黙っていたことに腹を立ててたんじゃないの
また、響が大きな怪我をするんじゃないかって心配してた

…つまるところ、本当に響が心配で心配でたまらなかったのだ。
すれ違ってしまったものの以前よりもこの件を経て強い絆で二人は結ばれるのであった。
この時から事情を知ったことも含めてか、二課に「民間協力者」として所属することになっている。

その後は、響たちとフィーネとの戦いの中、クリス・翼が次々と倒れていく中で
心を折られてしまった響を立ち直らせるために声を届けることを提案し、
フィーネに今まさに止めを刺されようとしていた響に対してリディアンの校歌という形で皆の声を届け、
結果的にシンフォギアのエクスドライブを発現させる切っ掛けを作るなど、戦うことこそなかったが重要な役割を果たした。
そして響がデュランダルを振るう際、制御できずに飲み込まれかけた時にも
意識を取り戻す最後の切っ掛けにもなっている。

だから私は、響が闇に呑まれないよう応援したいんですッ!
響ぃーーーーーーッ!!!!

そして月の欠片を砕くため絶唱し行方不明になった響を墓前で思い涙するが、
エピローグにて再会を果たし、二人が「流れ星を共に見る」を果たすことで一期は完結する。
しないフォギアにこの時のエピソードもあるが、非常に微笑ましいものになっている。必見。)

ノイズの脅威は尽きることなく人の闘争は終わることなく続いている
未だ危機は満ちあふれ、悲しみの連鎖は留まることを知らない
だけど、うつむかない、諦めない
だってこの世界には、歌があるのだから――







戦姫絶唱シンフォギアG(第2期)】


一期エピローグで響と再会を果たしてから3か月後。
響との絆は深まったものの、ノイズとの戦いに身を置く響のことは依然として心配の種であり、
響を直接助けられない自分の無力さに、複雑な想いを抱いていた。

そんなある日、学校からの帰り道で響含むクラスメイト達とふらわーに行った際に、ウェル博士と遭遇。
ノイズに襲われることになるのだが、その中で未来が目にしたのは、

生身のままでノイズに触れて問題がない響の姿だった。

嫌だ……響が遠くに行っちゃうなんて……!

そして響に促され一度はその場から離れるのだが、不安を感じた彼女は再び響の元に戻った。
戻った先で未来が目にしたものは

恐ろしいほどの高熱を放ち、胸の部分から結晶化した物質が生えている響の姿だった。

そして未来は、武装組織「フィーネ」との戦いの中で響のガングニールの融合が深刻化してしまったことで、
響がこのままでは遠からず死を迎えることを弦十郎から聞かされることになる。
そして響のガングニールの融合による侵食への対抗策は、二課には存在しなかった。
その為弦十郎は、侵食を止める唯一といってもいい手立てとして日常に響を置くことを判断。
「響君を守って欲しい」と頼まれ、響を託された未来は守ろうと強く決意する。

しかし…

そうして響を守るよう託された未来は、久しぶりのデートとしてスカイタワーっぽい施設の水族館に二人きりで遊びに来ていた。
そんな遊びに来た場所がノイズに襲われてしまい、すぐにでも駆けだそう響を必死に止めることには成功するも、
二人で崩落に巻き込まれ脱出の道を失ってしまい、さらには響が崩落によって生まれた崖に落ちかけてしまう。
今まさに落ちようとする響を必死に繋ぎ止めようとするも…

未来ッ! ここは長く持たないッ! 手を離してッ!

ダメッ!わたしが響を守らなきゃッ!

いつか本当にわたしが困った時、未来に助けてもらうから

わたしだって……守りたいのに……ッ!

そうして響が選んだ道は、自分から繋がれた未来の手を離すことだった。
離れていく二人の手と手。
このことは未来にこれ以上ないというほどの無力感・絶望を与えてしまう。
しかもそんな中で未来は爆発に巻き込まれてしまい、二人は離れ離れになってしまう。

しかし、偶然にもその手を離された数秒後、ちょうど脱出しようとしていたマリアと遭遇。
彼女に助けられたことで命こそ助かるものの、武装組織「フィーネ」に拘束されることになってしまった。

そうして「フィーネ」に拘束された未来に、とある囁きが掛けられる。


少しお話でもしませんか?
きっと、あなたの力になってあげられますよ――

わたしの…力…?




そして、米国の哨戒艦艇をノイズが襲う戦場に、新たな聖詠が鳴り響く。

Rei shenshoujing rei zizzl...

閃光とともに、神獣鏡(シェンショウジン)のシンフォギアを纏い未来は戦場に降り立った。



「つまり、あなたのLiNKERによってあの子は何もわからぬまま無理矢理に――」
「LiNKER使ってホイホイシンフォギアに適合できれば誰も苦労はしませんよ。装者量産し放題です」

「なら、どうやってあの子を…」

「愛、ですよッ!」



「LiNKERが『これ以上級友を戦わせたくない』と願う思いを神獣鏡に繋げてくれたのですよッ!」


"響を失いたくない" "響をこれ以上戦わせたくない"
そんな想いを歪められる形で洗脳された未来は、神獣鏡の特性も相まってクリスや翼を撃退。
そうして響と未来は、戦場にて、敵と味方に分かれて対峙することになる。

響が闘わなくてもいい世界を作ると、想いを歪められながらも語る未来。

「わたしの一番好きな世界は未来が側にいてくれるあったかい陽だまりなんだ」と、
その世界は暖かくないと否定する響。

例え未来と戦ってでも――そんなことさせないッ!

私は響を戦わせたくないのッ!

かくして親友同士の二人は再びすれ違い、お互いの想いをぶつけ合う戦いが繰り広げられることになる。
そして戦いの中で響のガングニールの侵食された姿を見た未来は「響を助ける為の力で響を死へと進ませている」
ことに気づき正気を取り戻す。
そんな自分を救うために戦う響に抱きしめられた未来は涙とともに叫ぶが…


離してッ!

嫌だッ!離さないッ!!もう二度と離さないッ!!

響ぃーーーーーーッ!!

離さないッ!!!


一度は離された手は、二度と離さないと叫ぶ響の全力で、
二人はシェンショウジンの輝きの中に飲み込まれるのであった…


未来が放った閃光を収束させた光の中、彼女は「好き勝手にしているモノ」(by響)から解放される。
そして目覚めた後、その輝きは響の体を蝕んでいたガングニールを消し去ったことを知るのだった。
シェンショウジンが彼女の想いに答えたのか…確かに響のことを彼女は救うことが出来たのである。

こうして再びすれ違ってしまった響と未来は、さらに強い絆で結ばれたのであった。

そして最終決戦において、辛くもバビロニアの宝物庫から脱出するも傷つきすぎた響達は、
ラギュ・オ・ラギュラネフィリム・ノヴァの一兆度の爆発が、こちらの世界に影響を及ぼす前に宝物庫の扉を閉じる必要があり、そのためにソロモンの杖を使う必要性があったものの、
それを実行できない状況下。もはやこれまでか――と、思われたその時。


お願いッ!閉じてぇぇぇえッ!!
もう響が、誰もが戦わなくていいような――世界にッ!!


「心強い仲間」として、陸上をやっていた時の足の速さを生かして響たちのところにやってくると、ソロモンの杖を宝物庫へ投擲。
かくしてその思いは届き、バビロニアの宝物庫は閉じられ…戦いを終結させるのだった。
この投擲がネタにされ、ファンからまことしやかに世界が狙える強肩と言われたりするようになったが








戦姫絶唱シンフォギアGX(第3期)】


フロンティア事変の収束後、死線を響と共に潜り抜けたからこそ、心の結びつきは一層強くなった。
そのことを端的に表すのは「響の趣味の人助けだから平気だよ。むしろ、お腹すかせて帰る方が心配かもね」という言葉だろう。
第二期まではなんのかんので心配しすぎて仲がこじれたりしていたことを考えたら「すれ違ったからこそ結ばれた強い絆」である。

陽だまりとして響を支えていたのだが、そんな中で錬金術師の少女・キャロルが現れたことで響は再び戦いに巻き込まれることになる。

人助けの力で戦うことへの嫌悪感や他人を傷つけることに恐怖した響が聖詠が浮かばない、
という事態に陥った後の雨の日の二人きりの帰り道で(そして当たり前のように相合笠である)
悩んだ答えを響は出せないまま、再び自動人形たちの襲撃を受けることになってしまう。

聖詠が浮かばず、戦うことが出来ない響。
そして、響を本気にさせるために容赦なく未来へと牙を剥くアルカノイズとミカ。

そのために逃げ回るも、ついに追い詰められてしまった未来は叫ぶ。


あのね、響ッ!響の歌は誰かを傷付ける歌じゃないよッ!
伸ばしたその手も、誰かを傷付ける手じゃないって私は知ってるッ!
私だから知ってるッ!!だって、私は――響と戦って、救われたんだよッ!!
私だけじゃない!響の歌に救われて、響の歌で今日に繋がってる人、たくさん知ってるよ!
だから、怖がらないでッ!!


何度も響に助けられ、そして戦いまでした未来の言葉を受け、遂に響は再起。
漸く再びシンフォギアを纏えるようになる為に大きな切っ掛けを果たした。上げて落とされたが


そうして響達がイグナイトモジュールを用いてキャロルを打ち倒した後に、
皆で海に特訓という名のバカンスに行くことになるのだが、
響とコンビニに買い出しに行った際に蒸発していた響の父、立花洸と遭遇することになる。

かつてとはまるで異なるダメ人間となり果てていた洸に対し、和解を諦めてしまい、
奇しくもそのダメになった洸の「へいき、へっちゃら」と同じ使い方をして、笑ってごまかすなど
対話を自ら遠ざけようとする響に対して「へっちゃらじゃないッ!」と叱咤するなどの実に正妻らしい姿で
響に再び正面から向かい合うことを決意させる。そして、勇気づけようと未来は語り掛ける。


――響。へいき、へっちゃら。響の口癖だよ


そうして、(丸侭2話分出番が無かったが)世界の分解を試みようとする復活したキャロルとの
最終決戦が終わった後。重傷を負ったエルフナインへのお見舞いへ響達と一緒に向かう。
明るくこそしているものの、「拳で自分に救えるものの少なさ」に悩み、些細なことしかできなかったと涙する響。
未来はそんな響の拳(手)を優しく包み込み、肯定する。


だけどね、響が正しいと思って握った拳は特別だよ。

世界で一番優しい拳だもの。いつか、きっと――嫌なことを全部解決してくれるんだから

こうして、陽だまりにその拳をまっすぐに肯定された響は笑顔を取り戻すのだった。

無印でのすれ違いからの和解のエピソードや、Gで響のためとはいえ敵に回るエピソードのように、
目立つ出番は少なめで、前期までより出番こそ少なくなってしまったが、
話の最後で悩む響を救うなど、正妻ポジションは今まで通り健在である。
CMで「本当にプロデューサーの推しキャラなの?」や出番が少ないことをぼやいていたのは禁句。
また、シンフォギアを破壊されて全裸を晒した調に対してマリアが「男どもは見るなッ!」と言ったときについ響の顔を隠してしまうなど、ちょっと嫉妬深い所もみせたりしている。








戦姫絶唱シンフォギアAXZ(第4期)】


しないフォギアの話やあらすじからによると、
流しそうめんやお祭り、アレキサンドリア号事件があったりした、響や皆と楽しい夏休みを過ごす。
そんな夏休みの登校日。宿題という最強の敵に心を折られそうになっている響との会話でAXZは幕を開ける。


お願い未来ッ! 手伝ってッ!

たしかにこのままだと始業式も通り越して響の誕生日までもつれ込みそうだもんね。手伝うよ


…と、家でやれというようなイチャイチャを開幕から見せられた適合者一同は
いきなり砂糖を吐いたりしなかったり。

やはり響の陽だまりであり、日常の象徴そのものなわけでGX同様に出番は少なめ。
何よりGXで響のほうも自分の精神的な面で抱える問題があらかた片付いてしまったのもあり、
精神的な成長という意味では殆ど完成した部分すら出てきたわけで、ある意味当然の流れともいえる。
そんなわけで響が戦場へ赴く時のやりとりももう熟年夫婦みたいなやり取りである。
また、いままで語られていなかった中学生の頃の二人のエピソードも語られた。

というわけで新たな敵・パヴァリア光明結社の錬金術師が現れたことにより、
相手にも正義があり、その実現のために動いていることに悩む響の相談に乗ったりするなど、
あくまでも日常で響を支える立場として帰りを待つことが多かった彼女だったが、

響の誕生日が間近に迫り、誕生日パーティーを開くことを約束した夜。
そんな響が戦いの中、原罪を持つ人間には宿せない筈の神の力の器として取り込まれてしまう。


そうして48時間が経過した、響の誕生日当日。
取り込まれてしまった響を救出すべく、S.O.N.G.は作戦を決行。
その作戦のエースインザフォールとして未来も呼ばれるのであった。

先んじた先遣隊の攻撃で目覚めてしまった、神の幼体とも言うべきモノ…
「DIVINE WEAPON type2_Hibiki」、破壊神ヒビキに対し、神の力とシンフォギアの類似性から、
適合計数を引き下げるAnti_LiNKERを大量に注入することで引きはがそうと試みられる。

しかし、その作用を逆用して更に適合率を引き上げてしまう破壊神ヒビキ。

だが、真の狙いは、この予測済みであった適合係数上昇で、融合深度が高まった際にマイクを通して電気信号化した未来の声を声を届けることだった。



響が同じ世界に生まれてきてくれたから、わたしは誰と並んで走れるようになったんだよ…

未来…私の陽だまりッ!!

響ッ! 私のお日様ッ!!



こうして響は神の力から解放された。そしてサンジェルマン達という大きな犠牲を払い、反応兵器を無力化し、
そしてアダム・ヴァイスハウプトとの戦いの終結後、皆で遅れてしまったが響の誕生日パーティーを祝うのだった。

そんな中、結局はサンジェルマン達という自らの拳で救えなかった存在が居たことに悩む響。
分かり合うことが出来なかった以上、また同じことを繰り返してしまうかもしれない。そう悩んでいた。
だからこそ、未来はその悩みを優しく包み込む。


明日に私は、正義を信じて握り締められるのかな……

そんなのわからないよ。だけどね、響が自分を信じられなくても、私は響を繋いだ手は離さない
何があっても握り締めているから

そうして、陽だまりの言葉に、悩みを吹っ切った笑顔が戻った太陽は日常へと帰ってきたのだった。

しかし、そんな楽しいパーティーが行われている中、神の力を響が宿してしまった理由を探る為、
一人資料を閲覧していたエルフナインはとあることに気が付き、ある仮説を思い描いた。

その仮説とは、「魔を祓う神獣鏡の輝きに飲まれたその日、響の原罪…バラルの呪詛が解かれた」のではないかということ。そして、響がガングニールに改めて適合したのもこれが理由なのではないかということ。

その仮説を聞かされた弦十郎は、とあることに気が付いてしまう。
そう、確かに響は未来の放った神獣鏡の輝きに飲まれた。しかし、その輝きに飲まれたのは一人ではない。
もしその仮説が成り立つのならば、未来もまた、原罪から解き放たれているのだと…

『1期の頃から、陰る曇る、きっとラスボスなんて言われ続けてきましたが……そんなのあるわけないじゃない。だって私は、響の一番の親友だよ?ところで皆さん、哲学兵装ってご存知ですか?』






戦姫絶唱シンフォギアXV(第5期)】



そして数か月後。クリスが卒業後の進路を決めるなどもあった、雪が降るなどで町が冬の景色に包まれてゆく、そんな季節。
響の歌の居残りテストのためのピアノ演奏に付き合った帰り道、
クリスの誕生日プレゼントを買うためのデート…もとい街を訪れた二人は、観覧車に乗ることになる。
平穏な日常が続いていることをかみしめる響。
そんな響に対して、いっつも人助けばかりと言い、とある問いかけをする。


わたしが困ってても、助けに来てくれるのかしら?

そんなの当たり前だよッ!未来だったら超特急で行くよッ!!

じゃあ…もし私が誰かを困らせていたら、響はどうするの?


ほんの冗談のつもりで言ったはずだったこの言葉。
しかし、響は何時ものように即答することが出来なかった。

クリスの誕生日を祝ったりするなど、不穏な話こそあれど、穏やかな日が続いていた中。
暗躍していたパヴァリア光明結社残党「ノーブルレッド」、その一人、ミラアルクによって
翼とマリアのライブは、響を死地に送り出してしまったという負い目をずっと感じているあの運命の日のライブと
同じような惨劇となってしまい、否応なしに未来は心を穏やかでなくしてしまう。

そして、不穏な動きを見せていた風鳴訃堂による政治的な手腕によって、S.O.N.G.は一時的に動きを封じられてしまった中。
その間、手持無沙汰=休み、ということで響はライブの惨劇で落ち込んでいる翼を元気づけようと、
一期の時、遊びに行った時のように皆で遊びに行って元気づけようとするのだが…


響は勝手すぎるよッ!!翼さんのこと、わたしにも相談くらいしてくれても良かったじゃないッ!
それにもっと別の方法だってッ!!


響の悪癖、他人の地雷を無意識に踏み抜く癖が、未来の地雷を踏み抜いてしまった。
相談もせずに遊びに行こうと連れ出されたことで、ライブ会場の惨劇を見てから心中穏やかでなかった未来は、
あまりにも翼のことを考えない方法の励まし方に本気で怒ったのだった。
無論響も考えたうえでやったことなので、未来に反論し、二人はG以来のすれ違いを引き起こしてしまう。


『ゴメン』って言葉、ずっと隠してきた。
それがきっとその人を困らせてしまうとわかってたから…


そして仲直りする間もなく、町にアルカノイズが出現。
響は戦うために、未来とエルフナインはそれぞれ別れるのだが…



「また、あとで。」
その言葉は、どこまでも遠いものとなってしまう。
実はS.O.N.G.の査察は、エルフナインを誘拐するために仕組まれたことであり、アルカノイズ襲撃はその陽動だった。
未来は口封じに殺されかけてしまうのだが、すんでのところで
「浄罪された神の器たる存在」であることが訃堂側…ノーブルレッド達に伝わり、誘拐されてしまうのだった。
それと同時に、未来は神の器たりえる存在として、最大限の警護が行われていたことも発覚する。

攫われた未来は、シェム・ハの腕輪を利用した術式の中に組み込まれてしまうのだが、
その中で…夢か現か。未来はどこまでも落ちていく。誰かから呼ばれて…

何とかしないと……響に心配かけちゃう……
そうだ……私は響と仲直りしなくちゃいけないんだ……。……あなたは……?

そうして、その「誰か」を受け入れてしまった直後。
かつて響が依り代となって顕現したのとそっくりな「神の幼体」が出現。
これを打倒して未来を救出しようと作戦が遂行されることに。

復活したキャロルの支援もあり、作戦行動に移っていた響除く5人の装者がXDモードを発現。
そして遅れるも、未来が遠くへ行ってしまうと無茶して参戦した響の神殺しの拳+アマルガムの力も相まって、
その幼体をぶち抜き、すべてが終わったと思われた。そんな時。
未来の肉体は神の幼体に吸収されるように消滅してしまう。


未来ゥーーーーーーーーーーーッッ!!

遺憾である。我が名はシェム・ハ。
ヒトが仰ぎ見る神が――我と覚えよ。


響が目にしたのは…漆黒の衣を身に纏い、目に赤い輝きを宿す…未来ではない、未来の姿だった。

シェム・ハの腕輪を利用した術式に組み込まれた未来は、アヌンナキの一柱にして
「統一言語」そのものと化し、全人類に組み込まれた存在…改造執刀医シェム・ハの依り代になってしまっていたのだ。
…その直後のCMでシリアスを思いっきりぶっ壊したのはご愛敬。「オッス!我、シェム・ハ!」

一度は訃堂によって操られた翼と、「神の拘束具」としての神獣鏡のファウストローブのシステムを利用して
未来の体を利用して改造されかけるも、制御が途絶えたことであっさりと掌握しなおしてしまい、
未来の体を依り代としたシェム・ハは、全人類の在り方を改造し、生体端末群としての
本来のあり方として使うための惑星環境改造装置、ユグドラシルシステムを起動する。

その完全に肉体を奪われた中でも、未来の意識はまだ残っており、
シェム・ハに抵抗しようとするが、不可能だった。しかも心の中の想いを覗かれてしまう。


腑に落ちぬ。そも我を受け入れたのはお前であろうに…

え……?

繋がりたい。想いを届けたいと悶えていたのは誰であったか…

違うッ!あれは、わたしは…ッ!!


未来は響に想いを届けたいからこそシェム・ハを受け入れてしまったのだった。
そしてそのまま未来の意識は闇の中へ沈んでいく…


地球がユグドラシルによって真っ赤に染まる中。
神に抗い、人類が人類であるために必死の抵抗が続く最中。
月遺跡に飛ばされ、人類とバラルの呪詛の真実を知った装者たちは地球へ帰還し、
バラルの呪詛が失われた世界で、6人の装者たちと一人の錬金術師VS神との最後の戦いが始まるのだった。

そして、戦いのさなか。一度は全人類がシェム・ハと化してしまうも、神殺しの力を持つ響はその影響を受けず、
未来を奪うという自分だけの「ワガママ全開」で戦った彼女の未来(みく)への想い、
バラルの呪詛から解き放たれたの、響の束ねる力で繋がれた人類の、共に描いた未来(みらい)への意志によって、
「神殺し」は書き換えられ……開いた手。2000年の呪いを超える響の愛と哲学兵装を以て、未来はシェム・ハの依り代から解き放たれる。


しかし、惑星の改造は止まらない。原因こそ発覚するも、
シェム・ハとの決戦でギアに深刻なダメージを受けた装者たちでは、その原因へと守る防御システムにも苦戦し、
万事休すか、と思われたその時。一つの聖詠が鳴り響く。



Rei shen shou jing rei zizzl...

わたし、これ以上、響の背中を見たくないッ!!
響が見ているものを一緒に並んで見ていきたいのッ!!



ウェディングドレス神獣鏡のファウストローブを纏い戦場に彼女は、自分の意志で降り立った。
そして、7つの音階が揃い、そのフォニックゲインをもってしてユグドラシルの暴走を止めることとなる。



バラルの咒詛……繋がりを隔てる呪いさえなくなればこの胸の想いは全部伝わると思ってた。
だけど、それだけじゃ足りないんだ…。



紡がれる歌の中、未来は想いを伝えるために、何が必要なのかを悟るのだった…

そしてユグドラシルの暴走を無事に止めるも、その爆発の余波に装者たちは巻き込まれてしまう。
そうして響と未来が垣間見たのは、問いかけるシェム・ハだった。


――答えよ。何故、一つに溶け合うことを拒むのか。


わたしたちは簡単にわかり合えないからこそ、誰かを大切に想い好きになることができる!
その気持ちは誰にも塗り潰されたくないッ!!

毅然とした姿で答えを返す未来。

それが原因で未来にまた傷付き苦しむことになってもか?


一度は響と分かり合いたい、その理由からシェム・ハを受け入れてしまった未来だった故に、
この反論を言われ、言葉を紡ぐことが出来ない。しかし、響はそれすらも受け入れ、
歩んできた軌跡をもって言葉を返す。


そして、二人の答えに…人類の答えに満足したシェム・ハは、人類にその未来を託す裁定を下し、消えていくのであった…















八千八声、啼いて血を吐くホトトギス。
人が人である以上、傷付け合わずに繋がることは難しい。
だけど、繋がれないもどかしさに流した血からは、たくさんの尊いヒカリが生まれている…


そしてユグドラシルの伐採により、アヌンナキの残滓がすべて消え失せた、人類が得た未来(あした)の世界。
ある日、二人で星を見に来た未来は、響に告げる。




あのね、響…ずっと、自分の言葉で響に伝えたいことがあったんだ。




ずっとキミに伝えたいことがあったと。
すると、響も未来に伝えたいことがあるという。


神様も知らない、人のヒカリが紡いでいく世界で……
いつかの流れ星の夜のような、銀河の降るような夜。
確かに繋がれた二人の言葉で、シンフォギアの物語は終幕を告げるのだった…



…この二人の言葉は、明らかにはなっていない。
…だが、その答えはここまで彼女たちの軌跡を見ていた者たちには明らかだろう。




【聖遺物】 神獣鏡(シェンショウジン)
ギアの形式番号は「SG-i03 Shenshoujing」。
元々は天羽奏の両親を含む発掘チームが発見したものだったのだが、
聖遺物を手中に収めるためにフィーネがノイズをけしかけたことで彼女の手に渡り、
F.I.S.に横流しされ、そちらでフィーネがシンフォギアに加工したもの。
だがF.I.S.内のレセプターチルドレンなどからこのギアに適合するものが居なかったことで、
米国の独自技術からF.I.S.のステルスシステムとして運用されていた。

が、ウェル博士によって目をつけられた未来をLiNKERに装者に仕立て上げたことで、
人の身に纏わせるシンフォギアとして登場することになる。


また、作中に出土された状態が映っているのだが、状態はかなり良く、原形が残っているレベル。
それゆえか、シンフォギアに加工されても欠片が余っておりこれがXVのファウストローブとして使用された。

特徴はいくつかあるが、まず特徴として、聖遺物としての格が
他のシンフォギアに使用されている聖遺物より低いせいなのか、他のシンフォギアと比べてワンランク下の性能であること。
実際に神獣鏡というのは存在するものなのだが、割とよく発掘されるぐらいのものであることから、
シンフォギアの世界でもそうなのかもしれない。

そして、凶祓いの力を持っていること。この特性は、「聖遺物なら何でも分解できる」という
とんでもない特性で、「聖遺物殺し」と呼ばれる。
その特性の絶対さは、曲がりなりにも月を破壊する砲撃をある程度まで受け切って、クリスの命も救ったイチイバルのリフレクターが全く歯が立たない程。
この特性と、XDモードにならずともシンフォギアの中で唯一、
「イオノクラフトによる自由な飛行能力」を持っているのが特徴で、公式直々に「最弱にして最凶のシンフォギア」と呼ばれる。

ちなみに本来はこれらに加え、分身やステルス能力なども所有しているのだが、
未来さんの適正ゆえかそこら辺の能力はオミットされている。

また、ダイレクトフィードバックシステムもこのギアの特徴。
これは「鏡」という特性から、脳内に戦闘に必要な情報を書き込むことが出来る、というシステムなのだが、
脳内に直接干渉できるということは、人にとっての都合のいい情報を書き込めるわけであり、
未来はこれで急造の装者にも拘わらずある程度クリスたちと渡り合うことが出来たと同時に、
意思を歪められる原因となってしまった。


XVにてファウストローブも登場。
ヴァネッサがシェム・ハの腕輪を奪う時に神獣鏡の欠片を手にいれ作成。
元々はシェム・ハをダイレクトフィードバックシステムを利用して操る為のものだったのだが、
失敗し、シェム・ハの戦闘手段の一つとして本編では活躍することになる。
また、ラストに未来が響達を助ける為に戦場で纏ったのもこれ。
未来の心象に合わせたのか、形がウェディングドレスに変化している。


本編では通常ギアが一種類しかなく、また完全にシンフォギアが失われてしまったため出なかったが、
シンフォギアXDでは神獣鏡にもエクスドライブモードが実装されている。
他にも心象変化ギアも多数。

【必殺技】
『閃光』
範囲攻撃ビーム。広範囲を攻撃できるがギア時はそこまでの威力はない。
XV最終話でファウストローブ時に使用した技もおそらくこれだが、大量の防御システムを一瞬のうちに殲滅せしめる大火力になっている。

『流星』
大火力ビーム。単純火力と聖遺物特攻によりイチイバルのリフレクターを貫いた。

『混沌』
オールレンジ攻撃。ミラーデバイスからのビームや反射による火力集中、死角への攻撃など応用性の高い大技。
マリアはこれを用いてフロンティアへの道を開いた他、響が未来を抱えてダイブしたのもこの技の有効範囲。
この時に凶祓いの力を二人揃って大量に受けたことがAXZやXVでの事件に繋がった。

【楽曲】

陽だまりメモリア
本編未使用の楽曲。
陽だまりである彼女がどれだけ響が大事な存在であるのかを感じることができる日常の曲。
ちなみにGで響と未来の戦闘前に使用されていたのはこの曲のBGMである。

歪鏡・シェンショウジン
戦闘曲。また、展開の関係上唯一本編で使用された未来単独の楽曲である。
神獣鏡に意思を歪められながらも、響から離れたくない、響を守りたいのに守れない。
そんな彼女の無力感とともに響への思いを歌った「無垢にして苛烈なラブソング」。

かばんの隠し事
こちらも本編未使用の楽曲。シェンショウジンのカップリング曲として収録。
ひたすらに重いシェンショウジンとは真逆の明るい日常風景で響への愛情を押し出しているのと同時に、
未来がずっと響に対して感じている「負い目」。それをそっと隠していることを示唆した曲である。
後にXVの5話にてこのサブタイトルが使用された。

永愛プロミス
XDのイベント「翳り裂く閃光」で新規収録された、いわば未来のもう一つの戦闘曲。
彼女が自らの意思で闘うと歌う曲であり、どのような世界であっても響を救う、助ける。
正気でありながらシェンショウジンを遥かに上回る愛の重さを歌った愛の歌である。
初めてフルが披露されたのはシンフォギアライブ2018なのだが、そのあまりに重い歌詞に適合者たちは絶句したとかなんとか。

いつかの虹、花の想い出
本編未公開。また、「戦姫絶唱しないシンフォギア」、GX収録分以降のEDテーマでもある。
その曲は、「響と未来がひたすら仲良くしてる」とも言われ、二度すれ違いながらも仲直りした二人の絆を
これ以上ないほどに感じさせるほのぼのとした曲。聞く前にはブラックコーヒーの準備を忘れずに。
お互いのお互いへの思いが前面に押し出された曲である。

【余談】


+ネタバレ注意
本作にとっての日常の象徴たるキャラでありながら、都合上数度、戦場(いくさば)に立つ機会があったが、
実はこれには少々スタッフ側の事情が絡んでいる。
そもそも本作のシナリオ担当の金子のおっさんは、未来に戦わせる気が皆無だった。
(XVのラストは一期の時点で構想していたなど、大きく裏の設定を詰めるNot設定マニアではあるが、
未来の装者エピソードは話としては後付けである、ということ。)

しかし、Gの時、彼女がシンフォギアを纏って戦場に立つ、という展開を
スタッフ間でやりたいという声が多数上がり、最後までプロデューサー共々反対していたものの、
結局は多数決でその案を飲まざるを得なくなった。
そこで逆転の発想として、金子のおっさんはここだけでこの一件を終わらせるのではなく、
話としての意味を持たせるということから、未来(シェム・ハだが)がラスボスになる、という展開を考え付いたらしい。
その為、Gで響と戦わせた時からXVの展開は決まっていたということである。
より詳しい話はスタッフインタビューなどを見るとわかるだろう。


追記・修正は同性の幼馴染に友情以上の感情を抱いてからお願いします。




この項目が面白かったなら……\ポチッと/