拘束具

登録日:2019/11/01 Fri 01:44:11
更新日:2021/01/28 Thu 15:48:34
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拘束具とは、着用者の自由を奪うためのアイテムのこと。


●目次

概要

自由にしておいてはいけない人(犯罪者・捕虜・知ってはいけないことを知った人etc)はいつの時代も存在するものだが、そんな人々を戒めるため、ないし無暗やたらに自由にさせないためのアイテムが拘束具である。
また、一部の変態は自発的にこの手のアイテムを身に着けることもある。
一口に手錠といっても簡素なものだけでも現代警察が使うようなあくまで両腕の可動範囲を縛るものから、片足に重りを付けて働くことはできても遠くへ逃げられないようにするもの、壁に括り付けてHな事を楽しむために尋問等をするためのものと使用用途によって様々。

現代社会では警察や軍隊といった法的機関が扱うもののほか、精神病患者や認知症の老人などを拘束する目的で病院や老人ホームなどに備え付けられていることも。

フィクションでは自由を奪われた奴隷の象徴として「あえて」強調して描かれる事が多い。
なぜなら人間扱いされないエッチなおもちゃとしてムフフするためだからだ
なかには特定の行動範囲内では支障をきたさない形で「修行のため」「暴走する危険な力を抑制するため」にあえて力を抑えつける目的で着用することもある。

代表的な拘束具たち

手錠

拘束具と言われて思いつく代表格。警察官の装備品の一つ。ちなみに警察用語では「ワッパ」という。
両手にかけることで両手を自由に使えなくさせる他、警察官と片輪ずつ繋いで逃走防止に使うこともある。

現代では金属製が主で、簡単な鍵が付いている。男女がお遊びでうっかり繋がれてしまい、鍵を紛失するのはラブコメのお約束。
近未来的なフィクションでは電子錠になり、居場所がわかる探知機能はもちろん、鎮圧のためのスタンガンや、脱走あるいは手錠を破壊しようとした場合に爆破する機能なんてものも。
時代を遡ると基本的にはロープで縛ることが多いが、木製の手錠も割と多い。*1
無論、木製であっても簡単に壊れては困るためしっかりした木で出来ており、暴動の際には手錠を付けたままダブルハンマー的に殴り付けることも。

ちなみにテレビ報道で手錠にモザイクがかけられる理由は、「逮捕時点では刑罰が確定していないので、犯罪者という印象を与えないようにするため」。でもモザイクの下に手錠があることはみんな知っているから無意味な気もする
これは三浦和義事件(ロス疑惑)で、最終的に無罪を勝ち取った三浦和義氏がマスコミによる過熱報道を名誉棄損として訴えたことが原因。

なお、踊るような足技が特徴のブラジルの格闘技「カポエイラ」は、手錠をかけられていた奴隷たちが手錠のまま看守に反乱するために編み出した格闘技とも言われている。

手錠を武器にするキャラクター

手錠使いの代表格。どれだけ距離が離れていても射程内であれば必ずルパンの手足に手錠をかけてしまう驚異の手錠投げ術を持っている。
ただしそれ以上にルパンの縄抜け術のせいで、捕まえても必ず逃げられてしまうのだが。
また、カウボーイの投げ輪のごとく長く伸びた特殊な手錠を使うこともある。
というより、ルパンに手錠をかけることにもはや執着に近いものを持っており、乗っている車や飛行機ごと手錠にかけるために特注の巨大手錠などを持ってきたりもする*2

  • デカレンジャーロボ(特捜戦隊デカレンジャー)
「ジャイロワッパー」という手錠を使用。戦隊ロボサイズなのでとにかくデカい。
何気に記念すべき第一話で最初にアリエナイザー戦の勝利を飾った武器でもある。

  • 谷村正義
龍が如く4の主人公の一人。
一部のヒートアクションの最後手錠を掛けることでライフ残量に関係なく敵を倒せる。ボス級の敵には使用できない。

基本的には金属製のトンファーを武器としているが、未来編の終盤にてボンゴレI世の雲の守護者アラウディの武器を模した「アラウディの手錠」を使用。
雲属性の炎の力により瞬く間に無数に増殖させ、強力な再生能力を持つ敵幹部・デイジーの再生よりも早くその全身を拘束、撃破した。

  • 鬼瀬針音(めだかボックス)
手錠メリケン の異名の通り、手錠を手で握りしめてナックルダスター代わりにして殴るという珍しいタイプ。

手錠を付けたキャラクター

格闘家。かつて恋人をその手で殺してしまった罪の意識から、手枷を付けて足技のみで戦うようになった。
手を使った技の方が圧倒的に強く、戦闘ではないという理由で解禁した際に、頑丈な鉄格子をいともたやすく破壊している。

第四話において、ダークザイドの犯行の容疑者として共に捕まってしまい、留置所から脱獄するも、追ってきたお巡りさんともみ合ううちに二人が手錠で繋がってしまい、繋がったまま逃げ回りつつダークザイドを追う羽目になった。

足枷(鎖付き鉄球)

要は足につける手錠であり、逃走を防止する目的で使われる。
地面や壁から出ている金具に拘束するか、複数人を鎖等で繋ぎ合わせることで文字通り足枷として機能する。というかコレが語源。
腕は自由に使え、歩行も不自由ながら可能なため奴隷など労働を強制させる場合に使われやすい。

また、鎖の先に重量物としてかなり大きな鉄球が付いていることもあり、普通の人間では足枷に肉を抉られながら引き摺ることになるが、
もはや人類の範疇なのかも怪しい屈強な人物ともなると、ハンマー投げよろしく振り回したり投げつけたりと言った具合に、武器として活用されることのほうが多い。
施設を脱出して時間が経っているにも関わらず、ずっとその時の鉄球を相棒として戦うことも。その場合は囚人服もセットの場合が多い。臭そう。

鎖付き鉄球を付けたキャラクター

  • 黒田官兵衛(戦国BASARA)
諸事情あって、手に付けられた鎖付き鉄球で戦う羽目になった武将。
一見不自由そうだが、移動速度が多少遅いこと以外は、投げ飛ばしたり蹴り飛ばしたりぶん回したりと自由自在に操っているため特に不自由はなさそうである。BASARAだから仕方ない
ここまで来ると、フレイル/モーニングスターの一種かもしれない。

  • 火の巨人『エボン』(elona)
雪降る街ノイエルの見世物小屋に囚われている巨人。一体どういう存在なのか、そしてなぜ見世物小屋ごときに捕まっているのか謎は多いが、とりあえず足枷で拘束されているため話しかけても一切害はない。雪玉を投げつけても平気。
足枷で拘束されている限りは
一度コイツの足枷を外すと(なぜか鍵開けスキルがなくても楽勝で開けられる)、 ノイエルの全住人VSエボン の最終戦争が勃発する。
名前から想像できる通り、エボンは火のブレスを吐きまくって街を火の海にするため非常に危険。レベル80ととんでもない高レベルなのでまともに殴り合って勝機はない。
一応火耐性を完璧にしておけば、なんとかならなくもないが、興味本位で開けてしまうと間違いなく地獄が見えるので要注意。
なお、修正前は戦士ギルドに置いてある足枷を開錠するとノイエルのエボンが解放されるというとんでもないバグがあった。無関係な場所で足枷が開錠されたばかりにとばっちりを食らうノイエル住民の悲嘆やいかに

怪人や犯罪者と戦うヒーローだが、生粋の男好きのマッチョマン。男を襲ってしまうため犯罪者となり、現在は囚人で、片足には常に鎖付き鉄球がついている。
ただわざわざ囚人となっているのは、「一般男子を襲うのは許されない事だが、犯罪者男子だったら成敗も兼ねて一石二鳥!」と気づき、捕まえた好みのタイプの重犯罪者とともに自ら監獄入りしたため。その腕っ節と刑罰のディープキスの刑により監獄の王として君臨(結果的に監獄の綱紀粛正に一役買ってはいる)。
ニュースで好みのタイプの犯罪者を見つけてはその都度牢獄の壁をぶち抜きながら自力で脱獄してその犯罪者を捕獲して帰還し、自らのハーレムを築き上げている。


拘束衣

前述のように、現代社会でも使われる拘束具の一つ。
両手両足をベルトで厳重に固定し、自力では外せないようにした衣服。
主に他害・自傷の傾向がある人物を暴れさせないために用いられる。また皮膚感染症などでかきむしりを防止する目的でも使われる。
ただし、ほとんどの場合は人権的に多大な問題があるのも事実であり、何気ない寝返りなど常に動かすようにできている身体を強制的にすることが健康被害に繋がる可能性も指摘されているので、近年は極力使わない風潮になりつつあるようである。

拘束衣を武器にするキャラクター

完全防御の特性を持つ防護服の武装練金「シルバースキン」は、裏返しで相手に着せることで一切の行動を封じる拘束衣「シルバースキン・リバース」になる。

拘束衣を身に着けたキャラクター

なぜか美少女がやたら多い。度し難い性癖である。
拘束衣自体が腕全体を拘束する構造上、袖がとても長いので、拘束用のベルトを外すと萌え袖になるのもポイント。
中には 拘束衣を身に着けたまま戦う というとんでもないキャラもちらほらいる。

  • 匂宮出夢/理澄(戯言シリーズ)
殺し名一位、匂宮家所属の殺し屋&探偵。二人で一つの肉体を共有した兄妹。普段は拘束衣で両腕を縛っており、あらゆる作業を口を使って行っている。
探偵の妹、理澄は「弱さ」を担当しており、戦闘能力は一切ない。
殺し屋の兄、出夢になると、両腕を解放し必殺の平手打ち「一喰い(イーティングワン)」であらゆるものを粉砕する。単純な戦闘能力なら作中トップクラスで人類最強こと哀川潤に匹敵するほど。
ただし、「殺しは一日一時間」と決めているためそれ以外の時間は拘束衣である。

  • ミーシャ=クロイツェフ(とある魔術の禁書目録)
ロシア成強「殲滅白書」所属のシスター。ロリっ子体型でかなり際どい拘束衣に、拷問道具を多数ぶら下げているという非常にヤバイ外見をしている。
なお、拘束衣とはされているが、実質的には単なる革ベルトであり動きは一切阻害されていない。

  • フラン(ダンタリアンの書架)
「焚書官」ハルと行動を共にする謎の少女。なぜか全身をベルトで戒められており、首から上と手首から先以外は一切動かせない。
どうやら自発的に身に着けているようだが、その理由は一切不明。ハルを「女の子を縛って楽しむ変態」とからかうこともある。
その正体は主人公ダリアンと同じ体内に幻書を宿した「読姫」。しかし「壊れた読姫」とも称されており、ダリアンとはまた違う立場にいるようである。

「自由の無い自分にはお似合い」「世界に囚われている」と自嘲し、初登場時に着ていたブリタニアの拘束衣を普段から着用し続けている。
近年のアニメキャラとしては「拘束衣を着ているキャラ」の代表例の一人。
学園潜入時や外出時などで頻繁にコスプレを披露している他、黒の騎士団としての活動中は専用の制服を着ており、
拘束衣以外の服装をしているシーンも多い(R2では拘束衣姿のシーンの方が少ないくらいである)が、
やはり初登場時や一期前半のイメージが根強いのか拘束衣姿で商品化されるケースが多い。
ドラマCD「拘束衣の女」では、拘束衣を気に入っている理由についてルルーシュに語り、彼がC.C.用に服を買うことを決めるきっかけとなった。
彼女の私服の一つにロリロリにしてフリッフリなものがあるが、スタッフへのインタビューによるとルルーシュの趣味との事。

  • エヴァンゲリオン(新世紀エヴァンゲリオン)
エヴァの装甲は実際は防御のためのものでなく、暴走を防ぐための拘束具である…と劇中で語られている。

ロケット団によって生み出されたポケモンでロケット団の管理下におかれていた時に力を制御するための拘束具を付けられていた。
外見は鎧と言ってもよく、ゲームでは「アーマードミュウツー」と呼ばれる。
能力も下がっているはずだが、この状態でもシゲルのポケモン六体を倒せるくらいには強い。

第二部において、柱の男の情報をナチスに漏らさぬよう自殺を図ったため拘束衣を着せられる。

  • ダークロプスゼロ(ウルトラ銀河伝説外伝)
最初はかつてウルトラマンゼロが訓練用につけていた拘束衣「テクターギア」をつけてゼロの前に現れた。
これはダークロプスゼロの能力を制御可能なレベルにセーブするためにサロメ星人がつけたもので、この状態でもゼロと互角以上に渡り合っていた。


鉄仮面

名前の通り鋼鉄でできた仮面。口を使うことが非常に不自由になるため、食事や会話が制限される。
どちらかというと「顔を隠す」ことが主目的になるだろうか。

元はフランスのバスティーユ牢獄に収監されていたという謎の鉄仮面の男(その正体は現在も諸説あり)に由来するとされる。
実際に史実で拘束具として使われていたかは定かではないが、『宇宙忍者ゴームズ』『奇岩王』や『スケバン刑事』などちょくちょく登場している。

鉄仮面を武器にするキャラクター

鎖に半分の鉄仮面を付けた武器「覬相鋼怨面」を操る。
相手の頭で超磁力でくっつき、そのまま鎖で振り回される。


修行・トレーニングのための拘束具

「強くなるために自発的に付ける拘束具」というところが一般的な意味での拘束具とは異なる。
大リーグボール養成ギプスがその代表格だろうか。
「外すと急激にパワーアップ」というわかりやすい展開にできるためか、ちょくちょく出番はある。
バトルジャンキーキャラがあえて実力を落として勝負を楽しむために身に着けるパターンも。

また、「鉄下駄」「亀仙人の甲羅」「ロック・リーのリストバンド」のようにやたらめったら重いアイテムをあえて装備しているキャラも結構いる。もうその重量物で攻撃しろよ

変わったところでは、両目健在なのにあえて眼帯を付けるキャラもいる。更木剣八に至ってはそれには飽き足らず自分の霊力を無限に吸収する細工まで施していた。





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最終更新:2021年01月28日 15:48

*1 まな板くらいの木材に手首が通るだけの孔を開け、その孔を横に割る形で上下に分割し、手首を挟みこんで何らかの手段で固定する。一応、錠前が付く場合もあるが、カスガイ(コの字形の釘)が打ち込まれている場合が多い。

*2 飛行機に手錠は、第2シーズンのヴォーカルバージョンOPの中で見ることができる