Code:Realize 〜創世の姫君〜

登録日:2019/12/22 Sun 01:42:53
更新日:2023/12/28 Thu 00:05:59
所要時間:約 52分で読めます





猛毒の少女はを求めた






『Code:Realize 〜創世の姫君〜』は2014年にオトメイトより発売された乙女ゲーム
対応ハードはPlayStation Vita。愛称はコドリア。

舞台は1863年、機鋼都市ロンドン。
所謂スチームパンクものであり蒸気技術に関しては本来の歴史よりも高いという設定。
登場人物たちはアルセーヌ・ルパンやヴァン・ヘルシングなど19世紀を舞台とする作品の登場人物をアレンジしたキャラクターになっている。
有名どころがモチーフになっている者もいれば、かなりマイナーなものがモチーフになっているキャラもいる。
全く別の作品の登場人物たちが設定レベルから絡み合うというスパロボみたいなことになることも。
このような設定から乙女ゲーム版リーグ・オブ・レジェンドとも呼ばれている。

シナリオの特徴としては恋愛よりもストーリー性を重視しているところか。実際13章中共通ルートが8章分になっている。
ストーリーは1章で確実に話が何か進んでいくため、飽きることなく結構楽しく読み進められる。


乙女ゲームの醍醐味ともいえるルートによるストーリーの分岐を最大限に利用し、ルートごとに全く別の物語展開になることは評価が高い。
特に真ルートでその別であったはずの物語がひとつに絡み合う展開は見事。
良くも悪くもストーリー展開を重視しているゲームである。

このような作風から人気は結構高い……というかオトメイトとしてはおそらく『薄桜鬼』以来の大当たり枠。奇しくも時代設定は薄桜鬼と同時期である。
既にファンディスク・移植作が多めに作られており、コンテンツの羅刹化が危惧されている。

そんな恋愛抜きにしても面白いシナリオや魅力的でかわいらしい主人公の存在から男性諸兄でも十分楽しめる作品と言えるだろう。

2017年10月よりアニメ化された。



【あらすじ】


主人公・カルディアは触れたものを融解させるという性質を持つ自らの肉体に絶望し、とある田舎の屋敷に引きこもっていた。

ある日、とある目的から現れた『英国軍』を名乗る男たちによって捕らわれ、連れ出される。

そんな彼女を救いだしたのは泥棒紳士と名乗る青年・アルセーヌ・ルパンであった。
彼の手により彼女は英国軍から【盗み】出されてしまう。

そしてルパンは自身の目的を語る。カルディアの父・アイザックの野望を自分は止めなければならず、そのためにはカルディアが必要だったと。

カルディアは父に会い自分のことを知るために、ルパンは目的のために、それぞれの理由から共に行動をすることになる。


【用語】


◆ホロロギウム
カルディアの胸に埋め込まれた美しい青色の宝石。
高いエネルギーを持ち欠片でも使えば莫大な熱量を生み出す。
何故埋め込まれているのかはカルディアも分かっていない。
実は賢者の石の前段階の物質。


◆機鋼都市ロンドン
本作の舞台。
天才科学者アイザックが開発した巨大都市。入口一帯は数十メートルもある高い壁で覆われている。進撃の巨人って言ったやつ出てこい。
高精度なガス灯やオートモービルなど本来の19世紀よりも高い技術力がある。その反面アイザックの発明は蒸気技術だけだったため電気系統の技術は逆に本来の18世紀よりも低い。
壁に囲まれているという異様な都市ではあるが、内部に住む人間は貧民層から富豪まで多くの種類が存在し、割と普通に暮らしている。
現在都市を治めているのは最も優秀な女王とも言われるアレクサンドリナ・ヴィクトリア。
また都市の中央にはテムズ川が流れている。


◆黄昏
イギリスの諜報機関。ヴァンも一時はここに所属していた。
全員がカラスに似た仮面を身につけている。主な装備はサーベル。そんな凝った仮面つくるくらいなら剣じゃなくて銃持たせろとはみんな思っているはず。
英国軍の裏のエリートとでもいうべき存在であり、特に後ろめたい任務を任されている。場合によっては非合法な活動も平気で行う。そのこともあり一般人には存在を知らされていない。
総帥が本作の黒幕の表向きの黒幕であるフィーニスということもあり、ルパン達とは対峙し続ける存在。要するにモブ敵。


◆アイザック・ベックフォード
カルディアの父であり、天才科学者。
様々な発明からイギリスの科学を数十年進めたと言われている。
現在は行方不明。


◆オートモービル
現代で言うところの自動車。ガソリンではなく蒸気で動いている。
操縦はある程度練習すれば出来るようになるらしく、結構早い段階でカルディアも操縦できるようになっていた。


◆オーソニプター
こちらは飛行船。オートモービル同じく蒸気で動いている。
一般化されているらしく、中盤ではマフィア主催で飛行船レースが行われた。


◆吸血鬼
この世界では亜人と言う扱い。
血を神聖なものとしており常人を超えた力を持っているが、不老不死ではないし太陽をはじめとした弱点は特段存在しない。あと血も飲まない。
数千年の歴史の中で混血が進んでおり、純血はかなり少ない。ただ純血は一般的な吸血鬼を超える力を持つ。
温厚な種族であり人類に進んで干渉はしないが友好的であった。
だが2年前、人類を超えた力を危惧した英国が武力抗争を持ち掛け、吸血鬼戦争と呼ばれる戦いになる。最初こそ吸血鬼側が優位であったが、最終的に新兵器・ジクテリウムを使った英国軍に敗北。現在は一部を除き絶滅状態である。
戦争を起こしたヴィクトリア女王及びフィーニスはそこまで吸血鬼を危惧していなかった。他国にイギリスの戦力を見せつけたいがだけに行った戦争。


◆錬金術
化学を超える化学技術。
本作では中世に流行った錬金術を科学的に見直そうという狙いのものであるとされている。
ホロロギウムやジクテリウムは錬金術によってつくられた。


◆ジクテリウム
ホロロギウムの前段階となる鉱石。
固体・液体であれば無害であるが、気化すると非常に高い毒性を持つ。
この性質は吸血鬼戦争に使用され、英国側を勝利に導いた。


◆ヒドゥン・ストレングス
黄昏でつくられた強化人間の総称。「人間の潜在能力を引き出す」ということをコンセプトにしており、黄昏の人体実験じみたいくつもの非人道的な研究を経て完成した。その研究の成果のためか、彼らは吸血鬼にも匹敵する筋力を持つ。
特筆すべきはコンセプトのひとつが「人間のリミッターが外すのは恐怖・憎悪」となっているため、ヒドゥン・ストレングスたちは薬品や暗示によって強制的に自身のトラウマを思い出させられるということ。本人たちは「常に悪夢にいるような感覚」と表現している。
そのため彼らはほぼ正気を失っており、戦力にはならないと廃棄された。

◆ノーチラス号
ネモが製作した超巨大飛行船。インピールート及びルパンルートに登場する。
ロンドンの姿を隠すほどの巨大さであり、同時に戦力も高く英国の誇る空軍が全勢力をもってしても大敗を喫するほど。
いくら史実よりも高い科学力を有する本作の世界観としても、この大きさの飛行船を空に浮かべることは不可能なはずだが……。
名前の元ネタはジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』のノーチラス号。


【登場人物】


◇メインキャラクター



「悲しくはない。これも私だから」


◆カルディア
CV.早見沙織(アニメ版のみ)
本作の主人公。大体10代後半くらい。人形のような端正な顔立ちの少女。
胸に埋め込まれたホロロギウムという宝石の影響で頭髪以外の全身が触れたものを腐敗・融解させる*1猛毒に満ちている。一部例外を除き彼女の触れた殆どの物質は融解し、人間が触れようものなら肌が爛れ落ちる。彼女の吐息もごく微量だが毒性を持ち密室に数日間いると危険であり、血を飲めばまず助からない。……というように主人公としてはかなり物騒な性質を持つ少女。おかげで彼女は恋人とキスどころか触れ合うことも出来ない。あと枕が溶けるのでうつ伏せで寝られない。
この力のせいで他人を傷つけてしまったことは少なくなく自身のことを「怪物」と自称し、彼女を恐れる者からもそう呼ばれている。そんなこともあり表情は乏しく口数も少ない。父親に「お前は怪物なのだから孤独でなくてはならない」と言われたことと親しかった人間を毒殺してしまったトラウマから人とのかかわりをあまり好んでいない。
また一般常識はあるが世間の事情に疎いところがある。実際序盤では埋め込まれたホロロギウムを見せようと自分から胸をはだけた。そのスチルもあるがカメラさんが上すぎるためせいぜい鎖骨しか見えない。
2年以上前の記憶を失っており、父・アイザックの言いつけでルパンと出会うまでの間ずっと片田舎・ウェールズの屋敷に引きこもっていた。しかし【怪物】として英国軍に捕らわれ連れ出される。だがその道中ルパンによって盗み出され、自身の正体・父親の目的を知るためにルパン達と協力して様々な事件に立ち向かうことになる。
ちなみに結構飲み込みが速く学習能力が高い方。序盤ではルパン達に「生き残るための術は知っておいた方がいい」と言われ様々なことを学んだため、付け焼き刃とはいえ最終的に……

  • 時間をかければ縄抜け・ピッキングできる怪盗術
  • 油断していれば大男でも手刀一発で気絶させられる格闘術
  • 応急手当や薬品の調合くらいならできる科学知識
  • 多少複雑な機械を取り扱える機械知識
  • ロンドン中の地理・風土などの社会知識

を兼ね備えたスーパーガールが誕生した。特に序盤以降は自身の毒も割と躊躇わず使うようになった上、元の身体能力もかなり高いため喧嘩は結構強い。
守られ系ヒロイン……? 一応言っておくと本作の敵キャラは基本的に人間を辞めているためカルディアが攻略キャラに守られるという構図は成立している。
周囲の人間と交流を重ねていくうちに少しずつ明るくなり、人間らしい表情も見せてくれるようになった。初めて微笑んだ時は周囲に驚かれていた。
なおそれに従って天然の気も見せるようになり、たとえばヴァンに格闘術を教わった時には「このまま格闘家になるのもいい気がしてきた」と真面目な顔で言いだしていた。
乙女ゲームでは珍しい天然クーデレ主人公、トラウマを持つが仲間たちと触れ合う中で少しずつ前向きになり明るい笑顔を見せてくれるというギャルゲのヒロインみたいなキャラクター性から人気が高く、FDの人気投票では第3位を記録した。さらにガールズゲームアワード主人公部門では第1位を獲得した。





「安心しろ。涙も、笑顔も、全部俺が盗り返してやるよ」


◆アルセーヌ・ルパン
CV.前野智昭
本作のメインヒーローである泥棒紳士。所謂真ルート枠であり、他4人を攻略するまでルートが解禁されない。
カルディアを屋敷から盗み出した張本人。フランスで活躍していたが「とある目的」のためにインピーと共にロンドンに訪れた。
世間を騒がしている大泥棒であり、悪人から金品を盗み出しそれを公表するという義賊じみたことをしている。そして手間賃として少々お金を拝借している。
非常に明るく、楽天家にして自信家。言動は常に大胆不敵な男である。また面倒見が良い兄ちゃん気質であり、精神的に不安定になりがちなカルディアの状態を的確に察し、アドバイスをし続けていた。
『泥棒というのは入念な準備と機を待つ忍耐』をモットーとしておりどこぞの三世みたいな用意周到さからへまを踏むことはほぼ無く「失敗する確率は常にゼロ」と自称している。
盗みのテクニックはずば抜けており、作戦立案、逃亡術、声真似、行動力、アドリブ力、手癖の悪さと泥棒としての大体のものが揃っている。「盗む」だけでなく「入れる」技術も一流であり、油断していたとはいえヴァンを出し抜いたこともある。しかしその技術は「黄昏」のものとどこか似ているなど結構謎が多い。
泥棒紳士としては明確なポリシーを持っており、他人のために行うこと、悪人だけをターゲットにすることのふたつを絶対の決まりとしている。自身がどんな危機的な状況に陥ろうともその信念を破ることはない。
また『紳士』であるので暴力はあまり好まない。万が一戦闘になった場合は手持ちのステッキに内蔵された死ぬ程苦しい催涙ガスで相手を無力化するという紳士的な戦いをする。……紳士的? なおヴァンやサンが化け物過ぎるだけであり身体能力は普通に高い。
ちなみに実質的なリーダーということで忘れられがちだが攻略キャラの中では最年少の24歳である。
カルディアには怪盗としての逃亡術を教えた。カルディアが捕縛されても落ち着いて自力で逃げ出し、さらにしっかり痕跡も消してしまうようになってしまったのはコイツのせい*2
元ネタはモーリス・ルブランの小説『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン』の主人公であるアルセーヌ・ルパン。





「ある男を探している。何故かだと? 殺すためだ」


◆エイブラハム・ヴァン・ヘルシング
CV.諏訪部順一
吸血鬼戦争の英雄と呼ばれる吸血鬼ハンター。愛称はヴァン。
元は英国軍のエリート中のエリートが揃う諜報機関「黄昏」に所属していたが現在は諸事情で辞めている。ちなみにその時の活躍ぶりから「人間兵器」の異名を持つ。
「黄昏」の長であるフィーニスと因縁があり、彼の命を狙っている。彼を誘き寄せるため最初は「黄昏」の狙う少女・カルディアを攫おうとしていた。しかし利害が一致していることが分かり、戦闘の末ルパン達と手を組むことになる。……こんな経緯であるがすぐにルパン一味に馴染んでいた。
性格はクールな皮肉屋。ルパン達がやらかしたらまずツッコミを入れるのはこの人。もっともヴァンも変なところで抜けているため逆にツッコまれることも多いが。
しかし本質的にはめんどくさいツンデレであり、言葉にはしないが仲間たちのことを気にかけている。特に何かと危なっかしいカルディアのことを目にかけており、彼女が失踪した時には普段通りに振舞いながらも心配のあまり新聞が上下逆になっているという彼らしくない失態を見せた。
趣味は意外にも料理。ルパン一味の食事が予想以上に美味だった時には珍しく機嫌を良くしていた。だが作ったのがインピーだと知ってすぐに手のひらを返していた。実は料理が趣味と公言する割にはカルディアと同じ*3かそれ以上に不器用でロクな料理にならないのだが、それについては本人は気が付いていない。
得物は二丁のショットガン。この時代のショットガンと言えばある程度衝撃が強いはずだが、難なく片手で扱えている。弾丸の中身は基本的には岩塩弾を使っている。当たり所が悪くても骨折する程度という人道的な弾丸。……人道的? ただ飽くまでも基本であり、状況によっては実弾やグレネード弾も取り出してくる。
戦闘能力は本当に高く、エリート中のエリートである黄昏部隊×数十人、人間の数倍の筋力を持つ吸血鬼、ガチで人間を辞めているイデアの使徒といった本作の強キャラ達と互角以上で戦えるだけの力を持つ。間違いなくルパン一味の戦闘の要。
カルディアに格闘術を指南したのはヴァンである。……カルディアがピンチになっても焦ることなく奇襲の術を考える武人気質になったのは大体コイツのせい
元ネタはブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』の登場人物であるエイブラハム・ヴァン・ヘルシング。





「僕は逃げたんだよ。震えて……怯えて……最低なんだ」


◆ヴィクター・フランケンシュタイン
CV.柿原徹也
元英国政府お抱えの研究員。愛称はフラン。白衣を纏った気弱そうな眼鏡の青年。
ある出来事が原因で英国に大量殺人の濡れ衣を着せられており、逃亡中に偶然カルディア達と出会い利害が一致から協力を申し出る。
性格はやや気弱で穏やか。天才的な頭脳を持つにもかかわらずそれを決して鼻にかけることがないという優しい人間である。ただこんな彼が我の強いやつらが固まったルパン一味の中にいるため、振り回されてしまうことが多い。一番マトモそうということから一味の経理を担当しているのだが、ルパン達の杜撰な金の使い方に振り回され財布を空にしてしまった。もっともフランも薬品代にかなり使い込んでいたが。
ただ、怒るときには結構怒る。特に何か過去に因縁があったらしいヴィクトリア女王に対しては彼らしくなく激しい口調で対峙している。
科学や錬金術に関して天才的な頭脳を持っており、カルディアの生活を支えているのはもっぱら彼。彼女が身につける衣服や使用する食器などはすべて彼の手によって加工されており、毒の侵食を受けないようになっている。さらにルパンの怪盗道具の作成、ヴァンの弾薬の調合、インピーの機械道具の補助なども行っておりルパン一味への恩恵は計り知れない。
ちなみに診察のために定期的にカルディアのホロロギウム……というか胸元を覗き込んでいる。しかしフラン自身は割と朴念仁な上にカルディアはカルディアなので両者気にすることなく執り行っている。しかしお互いを意識した後はそれなりに恥ずかしがるようになった。かわいい。
学者肌ということもありあまり身体能力は高くなく、ルパン一味の中では弱い方。戦闘時には「黄昏」の兵士数人を一度に吹き飛ばせる爆薬を使って戦う。……弱い方? 中盤からは閃光玉や煙幕弾などバリエーションが増えた。
元ネタはメアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』の登場人物であるヴィクター・フランケンシュタイン。





「いつか世界中のみんなが笑える日が来るって、俺は信じてんだ」


◆インピー・バービケーン
CV.森久保祥太郎
一流の機械技師。ルパンと共にとある目的からロンドンにやって来た。
月が大好きであり、「将来月へ行く男」と自称している。
明るい、軽い、お調子者の三拍子が揃った男。ルパン一味のムードメーカーであり賑やかし役。同時にチームの中ではいじられキャラであり、毎回ひどい目に遭っている。インピーが何か調子に乗ったことを言って、それに対して仲間たちが辛辣な言葉を返すのがお約束。仲間になって1日目のヴァンすら便乗した。
子どもの時から機械の仕組みを調べるのが大好きであり、それが高じて技師となった。技師としての技術は高く、ルパンの泥棒道具のギミックから巨大飛行船まで材料さえ整っていれば大体の物は作成可能。運転技術も高くオートモービルからオーソニプターまで大体のものを操縦できる。また技師としてやっていく中で手先も器用になったのかルパン一味の食事を作っているのも彼である。かなり美味らしい。
カルディアのことは曰く「一目惚れ」でありかなり序盤から好意を明確に向けていた。しかし言動がストレートすぎることもあり仲間たちからは白い目で見られている。序盤で放った「カルディアちゃん! もう大丈夫だから! 今夜俺がきちんとなぐさめてあげるからね! もちろんベッドの上で!」はある意味迷言。ちんちん溶けるぞ?
カルディアもインピーのことを嫌ってはいないのだが、本人が基本的に恋愛に疎いため毎回無自覚ながらバッサリ切り捨てている。割とシリアスな場面で「俺の恋人に手を出した罪は……重いぜ!?」→「恋人になった覚え、ない」→「俺の恋人予定に手を出した罪は……重いぜ!?」→「その予定も今の所ない……」→「お、おれの大切な人に手を出した罪は……重いぜ!?」→「その言葉は、すごく嬉しい」という漫才じみたやりとりをしていた。
ルパン以上に暴力が嫌いなため戦闘では基本役に立たない。というか単純な潜入・奇襲であればカルディアの方が役に立つ
ただ身体はやたら頑丈でありヴァンの岩塩弾を真正面から食らったときも一瞬ひるんだだけであった。
機械技師であることからカルディアにはオートモービルの操縦や機械操作技術をレクチャーした。
元ネタはジュール・ヴェルヌの小説『月世界旅行』の主人公であるインピー・バービケーン。
嫌われているわけではないのだが賑やかな三枚目という所謂「恋人にするより友達にしたいキャラ」であるため人気投票では票が毎回伸び悩んでおり、本人は割と気にしている。『白銀の奇跡』ではついにFD攻略キャラ昇格組であるショルメに敗北した。





「私が信じられませんか? 構いません、私も同意見ですから」


◆サン・ジェルマン
CV.平川大輔
ルパン達が居を構える屋敷の所有者である貴族。所謂糸目キャラ。
物腰は柔らかく、常に丁寧な態度を崩さない青年。チームの中では最も穏やかで良識のある人物であり、多分ルパン以上に「紳士」という言葉が似合う男。そのためもっぱら我が強く熱くなりやすいルパン達のストッパーを務めることが多い。
同時に面白いことが大好きであり、根無し草でロンドンまでやって来たルパンとインピーに屋敷を貸し様々な支援をしているのは単に「面白そうだから」という理由からである。そのため一部キャラからは変人扱いされている。ただ、合計6人を居候させても金に困らない程度には富豪であるらしい。
ただし援助といっても一線を引いており、ルパン達が資金難に陥った時には「無駄遣いまで助ける気はない」とにべもなく断った。まあ最終的に一時的という約束でお金を与えはしたが。
趣味は骨董品集め。屋敷のあちこちに置かれている謎の品はサンのものである。本人はかなり思い入れがあるらしく、資金難からインピーが売ろうとしたときには珍しくキレかけた。
貴族だけあり社会状況に詳しい。その関係でカルディアにはロンドンの土地や風土について散歩しながら教えた。散歩も好きであるらしい。特に「最も変化が大きく、最も活気がある」という理由で貧民街を好む。
穏やかな物腰からは想像もつかないが、ルパン一味の中ではトップクラスに戦闘能力が高い。仕込み刀を使った戦いを得意としており、人間離れした身体能力で冷酷に見えるほど淡々と敵を切り捨てていく。正面からの戦いも得意だが最も得意なのは暗殺であるらしい。
自身の過去を一切話さず、ルパン一味の中でもどこか一歩引いているような言動から攻略キャラの中でも特に謎の多い人物。また自身のことを「年寄り」と自称しており、実際20代の青年とは思えないほど達観した発言も多い。まあ元ネタからして謎しかないが。
元ネタは18世紀から20世紀初頭まで200年間出没していた実在の人物であるサンジェルマン伯爵


◇サブキャラクター


◆シシィ
ルパン一味に飼われている飼い犬。
拾ってきたのはインピー。拾われた当初は悪意ある人間の手により左前脚を失っていた。その後インピーが機械義手を作ったため現在はある程度自由に動ける。しかしこんな経緯の割にはインピーには一切懐こうとしない。
その割にカルディアにはすぐに懐いた。カルディアの地肌に触れないよう器用に彼女のベッドに入り込んで眠っている。
名前はオーストリア皇后の愛称からインピーが名付けた。だがオスである。


「愚かなる人間ども、恐怖せよ!」
◆ドラクロワ2世
CV.石上美帆
若き純血の吸血鬼。愛称はドラちゃん。ショタ枠。厳めしく古臭い口調を意図的に使っている。
吸血鬼戦争の生き残りであり、同胞を滅ぼした人類のことを嫌っている。特に吸血鬼を裏切り、自身の父親を殺害したヴァンのことを特に恨んでいる。
奪われた吸血鬼の遺産を人間から取り返す中で仇であるヴァンと再会し、一騎打ちをするも敗北する。その後「全てが片付いたら私を殺せ」とヴァンと約束をし、「孤独」という状況にシンパシーを感じたカルディアに連れられ、ルパン達の屋敷の居候となった。
屋敷では塞ぎこんだ生活をしていたが、唯一シシィとは仲良くなる。シシィを傷つけた人間に憤りを覚えるも、「でもシシィを助けたのも人間」というカルディアの言葉に少しずつだが人間に心を開いていくようになる。
まだ子供であるが吸血鬼であるために戦闘力は十分高い。少なくともチンピラが数十人束になっても敵わない腕力を持つ。だが飽くまで筋力頼りであるためきちんと戦闘訓練を積んだヴァンのような人間には負ける。
子どもっぽくあざとらしいかわいさから全国に多くのショタコンを生み出した。しかしルートはない……。


「全ての物事は繋がっている。それが悪であろうと、善であろうと」
◆エルロック・ショルメ
CV.村上和也
スコットランドヤードの要請を受けた探偵。
冷静沈着でありどこか掴めない人柄である独特の人物。
探偵を名乗るだけあり推理力は高く、物事を一瞥しただけで論理的にその裏側にあるものを推理するという能力を持つ。なかなかチートでありルパン一味を何度も窮地に陥れた。
ルパンからは本気で嫌われている。自身の策を毎回速攻で対策してくる上に、煽っても涼しい顔で煽り返してくるような男なので当たり前といえば当たり前だが……。ただショルメはルパンのことをそこまで嫌っていない。
フラン逮捕のために英国側の戦力として加入する。フランが冤罪ということは早い段階から理解していたが、「たとえ悪法であっても、遵守されることで社会の規律が守られる」というポリシーから英国に従い続けた。またルパンの義賊行為に対しても「彼の行為を許し多くの者が模倣すれば、社会に混沌が生まれることになる」という正論で糾弾している。まあ悪政者が国の上に立てばそれはそれで社会の混沌が生じる可能性があるのでルパンもショルメも言っていることはどっちもどっちだが。
自分のポリシーを持ちそれを絶対のものと信じているという点では立場違えどルパンと同じであり、カルディアにどこか似ている存在と評された。
ただし法の味方でいるのは飽くまで仕事中だけであり、フランの濡れ衣が晴らされた際は、ルパン達の屋敷に遊びに行き、場所を英国に伝えることなく言いたいことだけ言って去って行った。ルパンはキレた。
元ネタはご存じコナン・ドイル著『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公であるシャーロック・ホームズ……のパロディ(という名目による姑息な版権無視)であるモーリス・ルブランの小説『ルパンVSホームズ』に登場する探偵エルロック・ショルメ。アナグラムである。
「もうひとりのルパン」とでも言うべきキャラクター性から結構人気が高く、FDの『祝福の未来』では専用ルートが用意され、攻略キャラに昇格した。



「姉さん。逃がさないよ。絶対にね」
◆フィーニス
CV.梶裕貴
「黄昏」の長である少年。
一見無邪気な口調の少年であるが、実際は自己中心的で傍若無人な悪漢。恐怖で相手を従わせることを好んでいる。
また外見こそ少年であるが、一切の経歴が不明である上に「殺されても生き返る」という噂があるために不老不死ではないかと疑われている
カルディアのことを「姉さん」と呼んでおり、彼女の身柄を狙っている。プロローグで英国軍を使ってカルディアを攫おうとしたのも彼の仕業であり、その後も「黄昏」を使ってルパン一味から引きはがそうと画作している。
基本的に他人には冷たくそもそも興味がほとんどないが例外的にカルディア、そして父であるアイザックのことはある程度の情を見せる。特に父のことは敬愛しているらしく、彼の行動原理は父の計画を成功させるためであるらしい。逆にカルディアに対しては言葉の端々で強い怒りを見せている。
本作の表向きの黒幕である存在。


「気をつけたまえよ。人はいとも容易く死ぬものだ」
◆ジミー・A・アレスター
CV.小山力也
「黄昏」のNO.2であり実働部隊の指揮を担っている初老の男性。
物騒な組織にいる割には決して声を荒げることなく常に穏やかな物腰である紳士。
表の顔はロンドンの大学の教授であり、名物教授として愛されているらしい。
ヴァンの師匠であり盟友と言える存在。ヴァンを「黄昏」にスカウトしたのは彼であり、共に戦っていく中でかけがえのない友となった。また貧乏故に学のなかったヴァンに勉強を教えていた。
ヴァンと同じくフィーニスには個人的な恨みがあり、「黄昏」を内部から崩壊させようとしている。


「羨ましいわね。何も知らなければ、怯える必要さえないのだから」
◆アレクサンドリナ・ヴィクトリア
CV.飯田奈保美
英国の女王。フランやアイザックとも面識がある。というかフランを指名手配にした張本人。
愛国心の強い優れた為政者であり、常に国の強化・発展を考えている。その姿勢から多くの英国民に愛されている。
間違いなく有能な女王であるのだが、思想がやや過激であり発展のためであれば犠牲をいとわないという面もある。


「全ては女王陛下のために!」
◆ランパール・レオンハルト
CV.上田燿司
エリート中のエリートである王室近衛騎士長である英国軍人。ちょび髭ダンディ。
プロローグで部下を率いてカルディアをロンドンに連れていこうとした人物である。
真面目で正義感が強く、イギリスのためヴィクトリアのため、粉骨砕身で日々職務をこなしている。
……のだがやたらと声が大きかったり、ルパンに何度も出し抜かれ彼に明らかな私怨を抱いていたりなど作中ではネタキャラ的な扱いをされている。あと「ルパアアアアアアン! 逮捕だ!」とか「騙されるな! そいつがルパンだ!」とかどっかで見たことのあるやり取りをしたりした。あとルパンには「レオンのおっさん」というどっかで聞いたことのある呼ばれ方をされている。
……全体的にかわいそうなくらい踏んだり蹴ったりな目に遭っている人。
しかし本質的には真面目な正義の男。実際プロローグでカルディアの能力に部下が怯える中「レディに銃を向けてはならない」と窘め、彼女に敵対の意思がないことを推理したうえで、紳士的に同行を願うという有能っぷりを見せつけた。
また王室近衛騎士長の肩書は伊達ではなく、剣の腕についてはヴァンが冷や汗をかいて警戒した数少ない人物である。


「真の天才はァあああ! このワタシ、ただひとぉぉぉり!!」
◆ネモ
CV. 四宮豪
カルディア達が飛行船レースで出会った科学者。
インピーと同レベルの天才であるのだが、いつも奇声をあげるような喋り方をする変態であり、出会った人間の大半に敬遠されている。変な喋り方だったためにカルディアには「ネーモーさん?」と間違えられた。唯一インピーとは同じ天才として分かり合っている。
自らの崇高な研究のためなら、他の全てを犠牲にしても構わないという異常な倫理観の持ち主でもある。
また、いくら殺し・怪我ありのレギュレーションとはいえ、飛行船レースに出場したときには自分の機体に、尋常ではない数の大砲を積むなど異常性も見える。
何故かアイザックの研究資料に名前が載っているなど謎が多い。
元ネタはジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』の登場人物であるネモ船長。


「……私は、ただあなたを殺すだけ」
◆追跡者
CV.赤堀可乃子
大柄な鎧をまとった謎の人物。カルディアの命を狙っている。
鎧の耐久力は非常に高く、ヴァンのグレネード弾にも多少よろけるだけであった。


「いらっしゃい。あたたかい紅茶でもいかが?」
◆オムニブス
CV.和田みちる
車いすに乗った温和な老女。『イデア』の総帥でもある。
リリスという飼い犬がいる。
人間の深層心理の世界に入り込んだり、瞬間移動をしたりなど異能の力を持つ。

【コード・リアライズ計画】



【派生作品】


◆Code:Realize 〜祝福の未来〜(PSVita:2016年11月24日発売)
ファンディスクその1。
内容は
  • 前作のエンディング後を描く『After Story White Rose』
  • 新規のショルメルートを描いた『Extra Story Herlock Sholmes』
  • 新規のフィーニスルートを描いた『Extra Story Finis』
  • 前作の合間にあったマフィアとの交流を描く『After Story Rupin the Gang』
  • ドラちゃんの日常生活を描く『ドラちゃんのお部屋』
の5つになっている。


◆Code:Realize 〜彩虹の花束〜(PS4:2017年8月24日発売)
本編とファンディスクをひとつにまとめた移植作品。


◆Code:Realize 〜白銀の奇跡〜(PS4/PSVita:2017年12月21日発売)
クリスマスをテーマにしたファンディスクその2。
内容は
  • 攻略対象ふたりを選びデートができる『Triangle date』
  • ショルメルートのエンディング後を描く『After Story -Sholmès-』
  • フィーニスルートのエンディング後を描く『After Story -Finis-』
  • 本編の合間に出会った『カンタレラ』という少女との交流を描く『Another Story -Cantarella-』
  • 誰とも結ばれなかったIFの世界で初めてのクリスマスを楽しむ『If Story -First Christmas-』
の5つになっている。特にカンタレラのストーリーは評価が高い。


◆Code:Realize 〜彩虹の花束〜 for Nintendo Switch(Switch:2018年5月10日)
『彩虹の花束』の移植版。


◆戦刻ナイトブラッド 神牙を駆ける泥棒一味の冒険譚(ソーシャルゲーム:2018年5月25日)
オトメイト開発のソーシャルゲーム『戦刻ナイトブラッド』との自社コラボ。ナイトブラッド側の世界にルパン一味が転移してしまうという内容。
一部の地の文のモノローグがナイトブラッドの主人公である結月ではなくカルディアになるなどかなり優遇されている。


移植作品のさらなる移植というよくわからないことが起きているがオトメイトではよくあること。
流石にアクションゲームとか学パロとかは出さないと思いたい。


【アニメ版】


2017年10月より放送開始した。
カルディア役の早見沙織はイメージ通りとして好評を得ている。
キャラデザは流石にゲームよりは簡略化したが、というか登場人物の衣装がアニメーター泣かせすぎるアップではそこそこ書き込まれているなどオトメイトのアニメにしては頑張っている方。

シナリオは6話までは共通ルート、7話から最終話までの内容はルパンルートとなっている。
また原作でのサブタイトルはアルファベット表記だったが、アニメ版ではカタカナになっている。
何かとファンサービスが多く同時期に発売した『白銀の奇跡』のスチルや新規衣装をシレっと登場させていたりする。
ストーリーはやはり尺が足りなかったのか、全体的に駆け足気味。例えばフランは物語開始時からすでに仲間になっていた。
場合によっては、未プレイ組はやや分かりにくいところも。
特にルパンルートでカルディアがウェールズの村人にまた糾弾される話と、回想としてカルディアが怪物として恐れられるようになるまでの過去をほぼ同時並行でやったのは、正直かなり分かりにくい。


オープニングはMia REGINAの「kalmia」。最近の乙女ゲーム原作アニメにしては珍しく、ボーカルが原作に関係ない人物である*5。割と世界観に合った歌である。
6話までは本編流用+新規映像でそれ以降は完全新規映像。前期映像は先生の亡骸の前に佇む少年ルパン、全滅した吸血鬼たちの前で絶望するフラン、大砲クラブとして活動する少年インピーとやたらネタバレが多いことに定評がある。

エンディングは早見沙織の「twinkle」だがクレジットではカルディア名義であるので、実質的にキャラソンと言えるかもしれない。
キャラソンを持つ乙女ゲーム主人公は『薄桜鬼』の雪村千鶴、『うたの☆プリンスさまっ♪』の七海春歌、『明治東亰恋伽』の綾月芽衣などいることはいるがまだ珍しい方。
少しずつ人間らしい感情を取り戻していくカルディアの心を歌った良曲。










出典:Code:Realize 〜創世の姫君〜 アイデアファクトリー オトメイト 2014年11月27日発売

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最終更新:2023年12月28日 00:05

*1 ある特殊な工程でつくられた布は例外であり、彼女のドレスはこれでつくられている

*2 少なくとも作中でカルディアは精神的に疲弊している時を除けば大体自力で逃げ出している

*3 もっともカルディアは耐毒手袋を常につけていなければならないというハンデがあるが

*4 ただ作中の描写を見るにモリアーティとアレスターの役割を交互に行っていたという可能性もある

*5 原作主題歌のボーカルはMAO