ゴブリン(デュエル・マスターズ)

登録日:2020/02/02 Sun 22:56:38
更新日:2024/04/27 Sat 13:40:54
所要時間:約 5 分で読めます






ランドヴェルト・ゴブリン紛争の複雑な内部関係は、しばしば無政府状態と混同される。だが、その混沌は雷雲の混沌であり、荒々しくも突然のうちに、その矛先は現れる。パシャリク・モンスと彼の略奪隊は、まさにこの嵐を導く雲の切っ先である。



ゴブリンはデュエル・マスターズの種族である。




概要――そういやDMってゴブリンいないよね

デュエル・マスターズがTCGとして生を受けたのは2002年。
そして、種族ゴブリンがデュエル・マスターズに登場したのは…なんと2020年。
実に18年も、ゴブリンなんて種族はデュエル・マスターズに存在しなかったのである*1
しかも、該当カードは《モンスのゴブリン略奪隊》1枚のみ。
このカード名を見て、TCGプレイヤーならすぐにMtGのカードの輸入であることに気がつくであろう。
そう、あくまでDMEX-08『謎のブラックボックスパック』におけるMtGコラボの一環である。
他に登場したカードは《セラの天使》《溶岩コイル》《引き裂かれし永劫、エムラクール》《Black Lotus》の4枚。

MtGでは(特にドミナリアのストーリーは)西洋ファンタジー世界をモチーフにしているため、
エルフ、ドワーフ、オーク、ノーム、コボルドとファンタジー世界ではごく一般的な種族が多く存在する。
しかるに、デュエル・マスターズではこれらの種族は登場していない。
デュエル・マスターズではウィニー種族としてはドラゴノイドビーストフォークがこれらの役割を担っていた。
せいぜい、マーフォークツリーフォークなどが被る程度である。

MtGにおけるゴブリンは、まあ一般的なゴブリンのイメージに相当する存在であり、
知能はやや低めだが器用で野蛮。知的好奇心旺盛だが、アホなので失敗してよく死ぬ。
流石にゴブリンスレイヤーのゴブリンよりかは結構頭いいけれど。

ドラゴノイドと対比したように赤ウィニーの顔役種族であり、【スライ】なんかではよく登場していた。
今回コラボでやってきた《モンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders》もその一体である。

性能

モンスのゴブリン略奪隊 P 火文明 (1)
GRクリーチャー:ゴブリン 1000
見ての通り1コストバニラ……なのだが、デュエル・マスターズで1コストバニラでP1000はやりすぎなのはDMPならおわかりいただけると思う。
MtGでは1コストバニラも多く、しかも場合によっては1コストでそこそこメリット能力を持つクリーチャーも多いので、
《モンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders》も黎明期こそ使われたものの、今では使われない程である。

Mons's Goblin Raiders / モンスのゴブリン略奪隊 (赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
1/1

しかしデュエル・マスターズではそのスペックをそのまま採用すると、
かの名クリーチャー《凶戦士ブレイズ・クロー》の上位互換になってしまう。
ブレイズ・クローは勝舞時代から赤単で使われるだけでなく、勝太とバサラにも使われてライバル対決でミラーになるほどのクリーチャーであり、
現実でも黎明期の【赤単速攻】から、【赤単レッドゾーン】【赤単ビートジョッキー】にいたるまで使われ続ける18年間前線のクリーチャーである。
DCG『デュエル・マスターズ プレイス』でも18年活躍し続けるポテンシャルで殴り込み、やはり活躍している。
これを上回るカードパワーはデザインしてはいけないレベルである。

そこでDMでは、GRクリーチャーとして再現することにしたのであろう。
GRクリーチャーは、MtGでいうところのトークンに近いものの、「何が出てくるかランダム」であるトークンカード。
これなら、1コストバニラでも許される。

そのGRでは、当然コストとかは踏み倒しで出てくる以上どうでもいい部分のため単独では数多くのGRの下位互換となる。
しかしバニラGRクリーチャーであるため、【バニラオーラ】デッキでは《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》メタで活躍できる。
《愛魂憎男》や《シザー・アイ GR》ともども、GRのメイン種族メタをされてもすり抜けられるのも嬉しい。

余談

DMの《モンスのゴブリン略奪隊》はWizards of the Coast社のMons Johnson氏の写真が使われている。
モンス繋がりかと思いきや、そもそもジョンソン氏はゴブリン愛好家であり、
それを知っていたリチャード・ガーフィールド氏が彼の名前をつけたのがこれである。
ちなみにモンスには「山」という意味があるので、山からマナを得る赤には向いた名前である。

ブレイズ・クローと違い上位互換が多いといったが、そもそもMtGはカウンターやインスタント除去が多いため、
1マナで出来ることがDMよりも多い傾向にある。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》あたりを見ればわかるだろうが、DMの1コスト獣と違い、
MtGの1コスト獣はメリット能力を何かしら持っていても不思議ではないのだ。
DMの1コスト獣でそのままの能力でMtGでもそれなりに仕事させてもらえるのはせいぜい《ベイB ジャック》くらいであろう。
そんなモンスのゴブリン略奪隊だが、それでも黎明期のDCI認定大会で決勝卓に乗り込んだ実績がある。

ちなみにこのクリーチャーのいちばんのセールスポイントは、明らかにやりすぎたフレーバーテキストだったりする。
カードパワーと見合わない雄々しいフレーバーテキストは、DMでいうところの七英雄に近い人気を誇っている。



追記・修正はランドヴェルト・ゴブリン紛争の無政府状態と混同されがちな複雑な内部関係に雲の切っ先として現れた方にお願いします。

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最終更新:2024年04月27日 13:40

*1 ただしもともと漫画DMはMtGの販促漫画なので、ゴブリンには触れられており、神殿編の案内役はゴブリンというあだ名をつけられていた。