パラサイト 半地下の家族

登録日:2020/02/19 Wed 22:43:37
更新日:2025/05/18 Sun 17:52:59
所要時間:約 5 分で読めます


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幸せ少し いただきます


全員失業中の一家が目指す、高台の豪邸。
最高の就職(パラサイト)先には、誰も知らない秘密があった――。





概要

『パラサイト 半地下の家族(原題:기생충、中題:寄生虫、英題:Parasite)』とは、2019年製作の韓国映画。
日本ではビターズ・エンド配給・PG12指定で2019年12月27日から東京と大阪の映画館2館で先行上映された後、2020年1月10日より全国公開された。
監督は『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『スノーピアサー』等、多彩なジャンルの映画で活躍するポン・ジュノ。
監督とジャンル的に、同邦題のモンスター映画を連想させるが、SFでもホラーでもない。

ビルの半地下で暮らす貧しい一家が、ひょんなことから高台の社長一家に接近していくというストーリー。
しかし、今作ではそこから全く予想だにしない物語が展開されていく。
本作のテーマとなるのは「貧困層と富裕層の差」。貧困層の一家が富裕層の一家に近づき、徐々に侵食していく物語かと思いきや、後半からは物語の主軸が一変。
「計画」の綱渡りといったサスペンス描写だけでなく、貧富の埋まらない格差を描いた社会問題描写、さらに金持ち一家と貧乏一家の「ズレ」をシニカルに描いたブラックジョーク的な笑いを織り交ぜ、怒濤の展開の連続となっている。
ことに、貧富の格差については、ここ数年では日本の『万引き家族』、アメリカの『ジョーカー』、イギリスの『家族を想うとき』などで注目されつつあった題材だ。
なお、ポン・ジュノ監督自らが「兄妹が家庭教師として潜り込んで以降の物語は秘密にして欲しい」とネタバレ戒厳令を敷いているため、それ以降からの物語は本項目では触れないこととする。

今作が世界に与えた影響は計り知れないものだった。
公開前に出品された第72回カンヌ国際映画祭では、審査員の全員一致で最高賞であるパルムドールを韓国映画として初受賞
この高評価を得て、韓国での観客動員数は1000万人を超え、2019年度の動員数で第2位(国内映画)を記録。
北米で公開された際は、興行収入は3600万ドルを超え、非英語映画の興行収入では歴代6位となった。

更にはゴールデングローブ賞、ニューヨーク映画批評家協会賞といったアメリカの権威ある映画賞を多数受賞し、製作にハリウッドの映画会社が一切関わってない作品でありながらも賞レースで存在感を放った。
そして遂には、世界で最も有名な映画賞の第92回アカデミー賞で、『ジョーカー』や『1917 命をかけた伝令』を抑え、韓国映画、ひいてはアジア映画としては初の作品賞を受賞したのである
その他にも、国際長編映画賞、監督賞、脚本賞の最多4部門を受賞している。
アカデミー賞の歴史において作品賞と国際長編映画賞を同時に受賞した作品は本作が初となったこともあり、皮肉にも韓国映画のこれからの将来が期待される作品となった。


ストーリー

韓国市街地のビルの半地下の家。
そこには父・母・二人兄妹の四人で暮らすキム一家が住んでいた。
キム一家は大黒柱の父だけでなく、二人の子供すらもフリーターで一家全員が失業中。
スマホの回線も契約できないから他所の弱いWi-Fiを家の中で探す有様だった。
ある日、長男のギウは、友人の大学生から、自分の後任としてお金持ちのお嬢様の家庭教師をやって欲しいと頼まれる。
妹のギジョンの力を借りて偽造書類を作った彼は、エリート大学のアメリカ系韓国人として、その社長一家のパク家に潜り込むことに成功。
パク家の面々に気に入られ味を占めたギウは、パク家の長男が芸術肌であることを知り、美術の家庭教師を斡旋する。
その家庭教師とは、またしても身分を偽ったギジョンだった。
しかし、キム家の「計画」はこれだけでは終わらなかった。そして、そこに思いもよらない落とし穴があったことを、彼らはまだ知らない…。


登場人物

日本語吹替キャストは映像ソフト版 / 金曜ロードショー版 / BSテレ東版の順に記載

キム家

下町のビルの半地下*1で暮らしている全員フリーターの一家。ポスターでは全員裸足になっている。

キム・ギテク

演:ソン・ガンホ/日本語吹替:山路和弘
図体はデカいが、甲斐性もやる気もまるでなしな大黒柱。
運転手や台湾カステラの屋台など職を転々としていったがほとんど続かずフリーターになった。
自分からはほとんど動かないものの、子供たちのことは信頼している。

キム・チュンスク

演:チャン・ヘジン/日本語吹替:今泉葉子 / 津田真澄
口うるさく、働かない夫や子供たちに不満を垂れ流している主婦。
元ハンマー投げの選手で、キム家の中では一番の腕っぷしを誇り、喧嘩では誰も彼女に敵わない。

キム・ギウ

演:チェ・ウシク/日本語吹替:柳田淳一 / 神木隆之介 / 内山昂輝
大学入試に4回失敗している長男*2
機転が利き、ずる賢い性格であり、素の頭は良い方。
友人のミニョクからの紹介で身分を「ケビン」というアメリカ系の大学生と偽り、ダヘの新しい家庭教師としてパク家に潜り込む。

キム・ギジョン

演:パク・ソダム/日本語吹替:味里 / 近藤唯
現代っ子らしく年上は敬わない長女。
手先が器用で美術の才能があるが、美大には落ちている。
ギウの紹介で「ジェシカ」という美大生としてダソンの美術の家庭教師となり、ネットの受け売りのような授業を行う。

パク家

高台の豪邸で暮らす、IT企業社長の一家。基本的に全員「アメリカかぶれ」である。

パク・ドンイク

演:イ・ソンギュン/日本語吹替:堀川仁 / 東地宏樹
最先端を行くIT企業の社長。
身なりをきっちり整い、家族にも十分な愛情を注いでいる理想のような父親。
使用人等とはプライベートには踏み込まれない、一定の距離を置くことを望んでいる。

パク・ヨンギョ

演:チョ・ヨジョン/日本語吹替:折笠富美子 / 恒松あゆみ
優雅で貞淑な有閑マダム。
何事も穏やかだが家事は下手。
世間知らずなきらいがあり、ギウやギジョンの他人の受け売りのような「擬態エリート」ぶりに完全に騙され、彼らをすっかり信用する。

パク・ダヘ

演:チョン・ジソ/日本語吹替:松本沙羅 / 早見沙織
大学受験を控えた美人令嬢。
ミニョクと恋仲だった*3が、ケビン(ギウ)の魅力にすっかり惚れ込む。

パク・ダソン

演:チョン・ヒョンジュン/日本語吹替:松本沙羅(ダヘと二役) / 小林由美子
落ち着きがない腕白なお坊ちゃん。
「芸術肌」で通っており、前衛的な絵を描いたり妙な一人遊びに熱中している(ただし、ダヘは「フリ」だと指摘している)。
1年生の頃に何か「事件」を起こしたそうだが…。

周囲の人物

ミニョク

演:パク・ソジュン(特別出演)/日本語吹替:峰晃弘 / 花輪英司
ギウの友人でエリート大学生。
外国に留学することになり、恋仲であるダヘを預かるに足りる人材としてギウを選び、身分詐称を提案しつつ彼に家庭教師の後任を頼んだ。
叔父が石集めが趣味で、お裾分けとして軽石をキム家にプレゼントする。

ムングァン

演:イ・ジョンウン/日本語吹替:斉藤こず恵 / 田村聖子
パク家住み込みの家政婦。
パク家が豪邸に越してくる以前からのベテラン家政婦であり、主人に忠実ではあるものの、時折我が物顔で豪邸内を歩き回っている。

ユン

演:パク・キュンロク/日本語吹替:山本兼平
パク家のお抱え運転手。
若い男らしく、それなりに女に対し下心はある模様。














ナビを見たら8分で家に到着よ。
今からPCを点ければそれまでに追記修正できるわね、ファイト!

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最終更新:2025年05月18日 17:52

*1 半分だけ地上に出ている地下部屋のこと。元は北朝鮮からの攻撃を想定したシェルターとして建造された物を貧困層の住居として格安で貸し出している。なお、本来はこうした物件を貸し出す事は禁止されている。日光が満足に入らないためカビが繁殖しやすく酔っぱらいが立ち小便をするため不衛生で、トイレも普通の家のように床に置くと下水が逆流してしまうため頭より高い位置に設置されているなど、おおよそ日本では考えられない構造の家屋である。

*2 韓国は極端なまでの学歴社会であるため、浪人生も非常に多い。

*3 もっとも、ミニョクがそう発言しているだけで、ダヘの口からミニョクとの関係について言及するシーンはない。