破裏拳ポリマー

登録日:2020/03/11 Wed 12:26:11
更新日:2023/02/05 Sun 19:32:08
所要時間:約 12 分で読めます




破ッ!

裏ィィィ!

拳ェェェェン!


ポリマー!!



この世に悪がある限り 正義の怒りが俺を呼ぶ

破裏拳ポリマー ここに参上!!


1974年10月4日から1975年3月28日にかけて全26話まで放送されたタツノコプロ製作のテレビアニメ。


●目次

特徴

『科学忍者隊ガッチャマン』、『新造人間キャシャーン』に続くタツノコSFアクションヒーロー作品であり、当時ブームだったブルース・リーをモチーフにしている。前2作は終盤で仲間が死亡したり、守るべき人間達から迫害を受けるなどシリアスな展開があったが、今作は打って変わってギャグ・コメディ路線が強く、登場する悪の組織も統一されていないなどこれまでのタツノコヒーローの中ではある意味異色作となっている。また、今作のアメコミ感溢れるコメディな作風は後のタイムボカンシリーズなどに受け継がれている。


ストーリー

アメホン国ワシントウキョウ市、国際警察庁本部の向かいには、自称二代目シャーロック・ホームズの三流ヘボ探偵・車錠を探偵長とする『車探偵事務所』があった。そんな探偵事務所で働く探偵見習いの鎧武士には二つ秘密があった。
一つは国際警察庁のトップ・鬼河原長官の息子・武であること、もう一つは赤いヘルメット・「ポリメット」で超人破裏拳ポリマーに転身できること。
鎧武士こと破裏拳ポリマーはポリメットの力と独自に生み出した拳法「破裏拳流」を駆使して、平和と正義のために悪党共と戦うのだ!!


キャラクター


  • 鎧武士/破裏拳ポリマー
CV:曽我部和行
本作の主人公。
車探偵事務所で働く新米の助手で普段は冴えないが、悪人達と戦うときは破裏拳ポリマーに変身する。
実は国際警察庁の鬼河原長官の息子であり本名は「鬼河原武」。本編開始前に国際警察が動かなかったオレガー・スッテル博士の身辺調査を行っていた中、犯罪結社鬼トカゲの襲撃に出くわし救い出した瀕死のオレガー博士から新発明『ポリメット』を託される。
この時の独断行動を父から咎められ勘当されるも、オレガー博士の遺志を受け継ぎポリマーとして悪と戦うことを決意する。
自身の正体は探偵事務所のみんなや父の鬼河原にも知られないようにしているが、男爵(犬)に偶然変身するところを見られている。ただし、男爵は犬だから武士の秘密を喋れない。
いつも身につけている赤いヘルメット『ポリメット』はオレガー・スッテル博士が発明した高分子重化合物『ポリマー』で作られており、持ち主の声紋に反応して強化服ポリマースーツに転身する。
ポリマースーツ以外にもポリマーマシンやポリマードリル、ポリマーローラー、ポリマーグランパス、ポリマーホーク、ポリマーローラーの5つの形態に転身可能である。

しかし、ポリマー最大の武器は、柔道3段空手3段の腕前を持っている武が編み出した我流の拳法「破裏拳流」
それは空手と柔道を融合させ、回転や遠心力を利用した動きで大勢の敵を相手するのに適しており、悪党に隙を与えず効率的に倒しまくるまさに悪人たちのである。
その攻撃パターンは型にはまらず、金的・目潰し・首コキャといった禁じ手も使う。善人を泣かす悪党にはルールも情けも無用といったところか。
おそらく初めて視聴した人はポリマーのこれでもか!と言わんばかりの執拗な虐待攻撃の嵐(ハリケーン)に腹筋崩壊してしまうだろう。*1
アクションゲームで言えばベルトスクロールアクションの名作『ダブルドラゴン』が近いだろう。
ヒーローが大勢いる雑魚敵を倒していくなら一撃で薙ぎ払っていくような戦いをすることが多いが
ポリマーは同一のザコ敵を捕まえて 何度も執拗に殴る蹴るを繰り返す のが特徴。

例を挙げると14話の敵であるネズミ団のボスに対し
  • 逃げるボスを後ろから掴んで顔面にパンチ2発
  • 足払いを掛けて地面に押さえつけてから頭が床にめり込む威力でパンチ6発
  • 髪の毛を掴んで引き上げた後に地面に放り投げて、また引き上げてもう一度地面に転がす
  • トドメにハイジャンプからの全体重を乗せたストンピングを3回くらわしている
以上のように、これでもかといわんばかりのオーバーキルぶりである。
いやまあ、悪人も盗んだ王冠を手放そうとしないからしょうがないんだけどね…。

必殺技は敵を片手で持ち上げて、高速回転で真上に投げ飛ばす「真空片手独楽」と複数回のバック転で反動をつけ放つ「反動三段蹴り」、そして複数の幻影を生み出し四方八方の攻撃を繰り出す「幻影ハリケーン」。

  • 車錠
CV:青野武
『車探偵事務所』の探偵長。二代目シャーロックホームズを自称しているが実際はドジな三流ヘボ探偵。小洒落た格好をしているが、前歯は何本も抜けていて(牛乳の飲み過ぎが原因とのこと)、自前のピストルも実は水鉄砲。実家は酪農業を営むヒマダナー牧場。
プライドが高く、名を上げようとさまざまな事件に首を突っ込むが、事件をより悪化させてしまうトラブルメーカーでもある。
しかし、一度だけポリマーよりも強い「タイフーンホラマー」になったことがある。(夢の中でなんだけどね)

  • 南波テル
CV:落合美穂
『車探偵事務所』の電話番兼事務所のビル「No.1ビル」のオーナー。
家賃を3年も滞納し続けている車たちに支払いを迫ったりすることもあるが、冒険好きな女の子であり彼らに付き合っている。
ポリマーの大ファン。
実は見かけによらずセスナの操縦をこなせたり、敵の兵士とも互角に渡り合える格闘センスも持ってるなどかなりのチート。

  • 男爵
CV:たてかべ和也
元警察犬だった車錠の飼い犬。
年を取っているが頭が良く、三枚目の車を内心では馬鹿にしている。
劇中で唯一ポリマーの正体を知る人物(犬)。

  • 鬼河原虎五郎
CV:雨森雅司
国際警察庁長官にして武の父。通称鬼虎長官。
次々と出てくる奇怪な犯罪者たちにも臆さず、毅然とした態度で立ち向かうが、車錠と同じくコメディリリーフな立ち回りになることもしばしば。
息子の武を勘当したが、内心では家出した息子がどうしているか毎日心配している。
なお当の武は父親に出くわしそうになると逃げている。

  • オレガー・スッテル博士
CV:大友龍三郎
「ポリマー」を発明した科学者。
ポリマーの技術を悪用しようとする鬼トカゲたちに狙われ研究所を襲撃されてしまう。
瀕死の重傷を負うが、偶然そこに遭遇し自身を助け出した武に「ポリメット」を託して研究所と共に炎の中に消えていった。

  • 怪人達
今作の悪役たちであるが、ギャラクターやアンドロ軍団のように1つの組織に統一されておらず、1話ごとに悪事が異なる敵組織が登場する流れになっている。登場する組織は美術館に保管された芸術作品を盗む「怪盗ムササビ党」、アメホン国の現大統領を暗殺し裏で繋がっている副大統領を使って国中のダイヤを頂こうとする「暗殺鬼紅サソリ」、尋常ではない痒みを発症させる水虫に似た細菌兵器カイカイF2を使ったテロ行為を行う「メカギャング」などバリエーションは豊富。特に17話に登場した犯罪結社鬼トカゲは破裏拳ポリマー誕生のきっかけになった最初の敵であり、最終2話のウミガメ党はスパイを通してポリマーの正体を知った。


余談

1996年にOVAのリメイク作品「新破裏拳ポリマー」が2巻発売されており、2巻目ではオレガー博士が作ったものとは別系統のポリマーが登場しポリマー同士の対決が期待された。しかし、シリアスに振り過ぎた上にアクションのテンポもリアル寄りになったためかユーザーの受けはあまりよろしくなく、「キャシャーン」「ガッチャマン」のリメイクOVAに比べると人気も低かったため打ち切り。結局、3巻目が発売されず前二作のようにノベライズも出ることがなかった。
そして、2016年では実写版映画が公開。主演は溝端淳平でエロ監督坂本浩一が監督を務めている。
2017年のCGアニメ「infini-T force」ではポリマーこと猛は鈴村健一が担当。アメホン国ワシンキョウが消滅して現代の日本に現れたという設定で、若干ハードボイルド小説の主人公っぽくなっている。




この世に記事があるかぎり、追記・修正の怒りが俺を呼ぶ!
破裏拳ポリマー ここに参上!!


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • タツノコプロ
  • カンフーアクション
  • アニメ
  • ポリマー
  • コメディ
  • 無双
  • 怪人
  • アメコミ
  • 破裏拳ポリマー
  • 坂本浩一
  • 70年代テレビアニメ
  • オーバーキル

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年02月05日 19:32

*1 第一話ではラッシュで壁に激突させた戦闘員の後頭部に2回も飛び蹴りを追加して壁にめり込ませている。