シャドーハウス

登録日:2020/04/04 (土) 02:06:23
更新日:2023/11/02 Thu 22:08:24
所要時間:約 8 分で読めます







   "シャドー家はすばらしい貴族である"
   "生き人形はシャドーに仕えることが幸せである"
   "生き人形はシャドー家に対して忠誠以外の心を持ってはいけない"




「シャドーハウス」とは、「週刊ヤングジャンプ」にて連載されているファンタジー・ミステリー漫画。
2021年4月10日からアニメ放送も開始された。
作者は二人組の漫画家・ソウマトウ(原作・デザイン:のり、作画:ひっし)。
電子書籍やアプリではモノクロ版と同時にフルカラー版も配信されているという一風変わった作品。
作者曰く「モノクロ版が完成形。カラー版は別の方の手がかなり入ったもの」との認識だそうで、どちらを読むかは一長一短である。


この作品、ほかの漫画同様に公式のアオリ文句が存在するのだが、その文言はというと、なんと「類似作品不在」
巻が変わるごとに作風がころころと変わりつつ、それでいて黒を基調とした妖しげな空気感は変わらない独特の話運びが特徴。
アオリ文の通り特定のジャンルに分類するのが困難な作品である。

ゴスロリとも日常系ともファンタジーともミステリーともアクションともディストピアともスリラーとも、あるいは「全部のせ」とも呼ばれ、
原作者が「これはホラーじゃない」と言及していたり、とつかみどころのない内容だが……どうしても白黒つけたいという方は「ミステリもの」と思って読むとよいだろう。



そして、もう一つの大きな特徴として、この漫画の登場人物は大きく2種類に分けられる。

"顔をもたない"貴族である 「シャドー」
そのシャドー達に一人ずつ配され、その「顔」を代わりに演じる召使い「生き人形」

この二者は例外なく二人一組で行動し、そして全員が二人一組。話の本筋だけでなく、各ペアの関わり合いもまたこの物語の見どころ。
顔を持たない「シャドー」は言葉通り顔がなく、結果 登場キャラの半数は顔が黒ベタ塗りだけ(シルエットや髪型で区別はつくし、横顔で口元の表情はわかる) という見た目にも特異な作品。




~あらすじ~

来客のない奇妙な館。
ここには貴族の真似事をする『シャドー一族』が住んでいた。

影のような容姿をしているが故に、顔が見えない不可思議な一族。
そこで彼らは、『顔』の代わりとして『生き人形』を従えることにした。
その一族が住む屋敷こそが、“シャドーハウス” である。


生き人形エミリコとその主でありシャドー一族の少女ケイトもまた、“シャドーハウス”に住まう二人。
まだ成人の儀を迎えていない彼女達は自室を出ることを禁じられていたが、時がたち、その資質を試される成人の儀ーー通称「お披露目」の日がやってくる。
様々な試練を乗り越え、無事に「成人」を迎えた二人だが、同時に“シャドーハウス”の異常な実情を目の当たりにすることとなる……。




~登場人物~


~ケイトとその同期組~

エミリコ (CV:篠原侑)
本作の主人公その1。ケイトに仕える生き人形。
好奇心旺盛で底抜けに明るいお人好し。
そのため「お花畑」のあだ名をつけられてしまったが観察力や発想力に長けており、潜在能力は高い。
主人のケイトをはじめ、その明るさに元気づけられる者は多い。
学はあまりないらしく、文字もうまく読めないが、一方で身体が丈夫で裁縫が得意。

ケイトのことが大好きでそのためならいくらでも体を張るため、逆にケイトから心配されることも少なくない。

実は「館に来る前」の過去が存在する。
元はシャドーハウスの存在する島・すす島に公演に来ていたサーカス団の団員で、本編中にもお手玉をこなすシーンや細い壁面をすいすい歩いていくシーン等で伏線が張られていた。孤児の出のため自分の名前を持っておらず、名前はその都度適当な呼び名を付けられていた(本人の発言からするに、サーカス団以前にも職を転々としていた模様)。
公演中に演技を失敗したことでサーカス団をクビになり、途方に暮れていたところをジョン(現在のショーン)に誘われ、シャドーハウスに潜入し召使いとして雇ってもらうことを決意。
ちょうど同じころ、シャドーハウスへの潜入を考えていたケイトにダミーの生き人形として利用されたことで「生き人形のエミリコ」は誕生したのであった。

ケイト (CV:鬼頭明里)
本作の主人公その2。エミリコの主。エミリコ共々ツーサイドアップにした髪が特徴。がほかのシャドー同様全身がシルエットのように真っ黒なため、表情を読み取ることができない。
そんな彼女の代わりに笑ったり泣いたりして表情を再現するのがエミリコ達生き人形の仕事。

エミリコとは対照的に知的で落ち着いたクールな才女だが、若干内気で気難しいところもある。
エミリコのことは大事にしており、主人でありながら逆にエミリコに対してしょっちゅう世話を焼く。
放出するすす量はシャドーの中でも多いほう(=出世が期待される有望株)だが、それゆえに部屋に付くすす汚れも酷いため本人にとってはコンプレックス。
「お披露目」から覚醒していただけあってすす能力は子供たちの中でも際立って高く、文字通り自在にすすを操ることができる。
生き人形を自らの所有物または分身として扱うことが常識であるシャドー一族において、生き人形自身の個性を尊重する珍しい人物。アニメ版でも唯一、主と生き人形で声優が異なる。

本名は「ケイト・ミラー」。現在シャドーハウスと呼ばれている洋館の真の持ち主「ミラー家」の当主の娘である。
ローブ様から「特別なシャドー」と呼ばれていた彼女だが実際はシャドーではなく人間であり、見た目が黒いのは母・キャサリンがケイトを身ごもっていた際にモーフに襲われた結果、ケイトにまで見た目が黒くなる症状が伝播してしまったため。エミリコが洗脳された際に巻き添えを喰らって洗脳を受けなかったのも、物語開始時点からシャドーハウスに忌避感を抱いていたのも、ケイトとエミリコだけ声優が別々なのも、彼女だけは館の外からやってきた人間であり、擬態妖精モーフではないからである。
ある意味彼女は後述する「一体化」を生まれながらに果たしており、すす能力の高さもそれに起因するところが大きい。
当然ながらエミリコとケイトの間には他ペアのようなつながりはなく、背格好が似ているだけの赤の他人である。(顔のシルエットも異なり、ケイトのほうが鼻が高い)。
当初はエミリコすら洗脳が掛かっているという理由から信用しておらず、エミリコの洗脳が解けるタイミングを見計らって真実を打ち明けた。その最終的な目標はシャドーハウスの奪還にあり、ケイトが生まれたてのシャドーを装って館に潜り込むところから「シャドーハウス」の物語は始まった。
エミリコがケイトと同じタイミングで館に潜り込んだこと、字の読めないエミリコがケイトに貰ったハンカチのサインを名簿に書き写し「ケイト」として館に潜り込むという二つの偶然が重なり、図らずもケイトは本名のまま潜入することができたのだった。


ルウ (CV:佐倉綾音)
ルイーズに仕える生き人形。顔立ちの整った美少女。
物静かで無表情のことが多く、自らの顔とルイーズ以外には(自分の体調も含めて)無頓着であることが多い。
主人・ルイーズに一から十まで従うことが自らの役目だと信じており、それゆえか自分で判断することが苦手。……と本人は語るが、実はけっこうしっかり者で優れた観察力の持ち主。

本作における「理想的な生き人形」とは彼女のような存在を指し、周囲からは模範的な存在として見られている。


ルイーズ (CV:佐倉綾音)
ルウの主。ケイト同様「お披露目」が済んでいない。
おしゃべりで遠慮をしないナルシスト。自覚はないようだが一言多く、無意識に棘のある発言をして敵を作ることが多い。
それと同時に他人に取り入る能力も高く、また予想外の状況に対しても慌てず答えを出すなど、普段の立ち振る舞いとは裏腹に聡明な一面を持つ。
自身の生き人形・ルウのことを心底愛しており人形のように扱うが、彼女が愛するのは「ルウの顔」「ルウの声」であってルウ本人ではないため、顔以外が傷ついても無関心。
実際、ルウを無意識に過労に追い込み、マリーローズらに咎められている。
とはいえルウ自身が「疲れた」と漏らしたときには素直に休憩しており、鈍いだけで冷酷というわけではない。

彼女のすすは「柔らかく、手触りがいい」らしい。

自身の"すす"を吸わせた生き人形の感情を操る精神操作系のすす能力を持っており、たびたびこの力をルウに使って遊んでいる。


ショーン (CV:酒井広大)
ジョンに仕える生き人形。冷静で正義感の強い性格だが、一方で頑固かつ生真面目な堅物でもある。
眼鏡が無ければ生活に支障が出るほどの近眼。それを案じた主人・ジョンに眼鏡をするよう指示されるも「見た目をあなたに合わせるのが仕事なので拒否します(意訳)」と突っぱねるあたりにその気質が表れている。

下手に常識人なせいで奔放なエミリコやジョンに振り回されることの多い苦労人。
ジョンが子供っぽい性格なためか、彼のお目付け役のようなポジションに落ち着きつつある。


ジョン (CV:酒井広大)
ショーンの主。ケイト同様「お披露目」が済んでいない。
自由奔放な変わり者。
アホ疑惑があり、普段の振る舞いは完全に小学生男子そのもの。

ケイト同様生き人形自身の意思を尊重する稀少な人物だが、ショーンよりも彼のほうが個性的なためむしろショーンを振り回したり付き合わせたりするほうが多い。
ケイトに一目惚れしたらしく、ある時いきなり現れて「婚約者になれ」と求めて(このときの強気な態度は「緊張してた」らしく、本人も恥じている)以降、たびたびケイトに求婚するようになった。
ケイトからは煙たがられているが、ジョンのストレートな性格に助けられている面もしばしば。
ちなみに「顔」がないシャドーに一目惚れというのもおかしい話だが、本人曰く内面に惹かれたらしい。

彼のすすは「固くてゴワゴワしている」とケイトからは不評だった。

拳から生みだした自身の"すす"を硬化させ放つすす能力に目覚め、これを使った「ジョンパンチ(自称)」は破壊力抜群だが、硬度を維持できる射程は2メートルほど。


リッキー (CV:川島零士)
パトリックに仕える生き人形。
高圧的で口が悪く、鼻にかけるような言動が目立つ嫌なヤツ。見た目も相まってどこぞのライバルを彷彿とさせる人物だが、その態度はパトリックに合わせてやっているフシがある。

主人であるパトリックには非常に忠実でひたすら真摯に仕えるが、パトリックよりもリッキーのほうが要領がよく頭も回るため、主人が考えてないことまで先読みして気を遣うこともしばしば。
ショーンとは犬猿の仲。


パトリック (CV:川島零士)
リッキーの主。ケイト同様「お披露目」が済んでいない。
リッキー同様高圧的で何かと見下すような物言いをするが、パトリック自身は繊細で傷つきやすいナイーブな性格。

前述の通りリッキーの方が頭が回るため、自身に気を遣うリッキーに乗っかって空気を読むシーンが多い。
リッキーに才覚で負けている上に「すす能力」が開花していないことを非常に気にしており、内心では焦っている。

ヘタレ気味な人物だが決して悪人ではなく、召使いのリッキーに頭を下げて頼み込むなど彼なりに筋を通すシーンもきちんとある。

彼のすすは「砂のようにきめ細かい」のが特徴。

のちに「すす能力を無効化するすす能力」というバトル漫画みたいなすす能力に開眼した。

ラム (CV:下地紫野)
シャーリーに仕える生き人形。憶病で口下手な、いかにもどんくさそうな性格。
要領も悪く周囲からは無能呼ばわりされており、虐めも受けている。リボンをつけた左手の人指し指をラミーと名付けて、自問自答をする癖がある。

仕事の要領は悪いが、実は完全記憶能力の持ち主で見たものを忘れることがない。またそのおかげか、計算が非常に得意。


シャーリー (CV:下地紫野)
ラムの主。ケイト同様「お披露目」が済んでいない。
無口どころか作中で喋るシーンが一切ない謎めいたシャドー。

召使いであるラムとも会話をしたことがない上に感情表現もゼロ。さらには身の回りの世話さえ必要としないなどコミュニケーションの取りようがない人物で、ラムからは「感情が読み取れない」と怯えられていた。
「ラム」という名前さえ、シャーリーが喋らないのでラム自身が勝手に名乗っているだけ。
ラムと同じように左手にリボンを付けている。

エドワード曰く「人格が未習得」なシャドー。無口で自己主張がなかったのは、主張するような自我がシャーリーに芽生えていなかった為。生まれたてのシャドーは皆シャーリーのような状態から生き人形との触れ合いを通して徐々に自我を確立していくのだが、シャーリーの場合はラムとの触れ合いが極端に少なかったせいで心を持てなかったらしい。

「お披露目」でとうとう限界を迎え、擬態を維持できずに肉体が崩壊し始める。
消滅の間際にようやく自我を獲得し、初めてラムの名前を呼び、力尽きた。

……かに思われたが、元のモーフの姿に戻りながらもかろうじて生きながらえていた。以降は「お披露目」に失格して「顔のない人形」にされてしまったラム共々シャドーハウスの内通者としてケイトを陰ながら支えることになる。
すす能力かモーフ元来の能力かは不明だが小さな物品に変身する能力を獲得しており、普段は黒いリボンとなってラムの左手に巻き付いている。
「シャドー」だった頃と同様、喋るシーンがないが、描写を見る限り割と陽気である様子。


~第四清掃班~
エミリコが大掃除に参加した時の班メンバー。生き人形同士でのつながりであり、シャドー側は単なる顔見知り程度の間柄。

ミア (CV:大西沙織)
サラに仕える生き人形。
ケイトの部屋の真上にある部屋に住んでいる。(サラの部屋がケイトの部屋の一つ上であるため)

陽気で面倒見のよい性格で、エミリコの世話をよく見ている。一方で本人に自覚はないが嫉妬深い。
お風呂好きであることを伺わせる台詞が時々あり、エミリコと一緒に入った時も気持ちよさそうにしていた。
生まれつき文字が読めるなど、自身曰く『優秀』。ただ、それが故にサラから過剰な期待をかけられている。


サラ (CV:大西沙織)
ミアの主。黄色いワンピースを着ている。
朗らかなミアとは似ても似つかないキツい性格で、出世欲求が非常に強く、"星つき"になって出世することを目標とする。
ミアのことは優秀だと認めているものの、上昇志向が行き過ぎるあまりにきつくあたっており、周囲の目の届かないところでミアに虐待紛いの体罰を加えている描写がある。
自己愛が強い者同士通じるものがあるのかルイーズを気に入っており、よく一緒にいる。


双子のベル (CV:大久保瑠美)
イザベルとミラベルに仕える双子の生き人形。
この手の双子キャラには珍しいことにそれぞれの区別がつけられておらず、どちらも「ベル」である。
周囲からも「2体一組の生き人形」としてみなされており、彼女達には一人分の仕事しか割り当てられない。
当然時間は空くので、その時間を使って"星つき"に媚を売っているらしい。

ラムの班の班長だが、二人そろって意地悪で冷淡な性格をしている為、周囲からは嫌われている。
「亡霊騒ぎ」事件で何者かに操られ「喜びの会」で扱うすす入りコーヒーを割ってしまったため、すす管掃除の罰則を課されることとなる。その件で片方が壊れてしまったため、もう片方が2人分の顔を務めることになる。


イザベル&ミラベル (CV:大久保瑠美)
ベルの主。現在確認されている中では唯一の、双子のシャドー。イザベルが姉でミラベルが妹。生き人形と同様、二人とも意地の悪い性格で、「あの双子は心が醜い」と陰で詰るシャドーもいる。
星つきのスザンナに評価されているケイトが気に入らず、初対面でエミリコを操って侮辱した。
他人の肉体を操作する"すす能力"の持ち主で、狙った相手の体の自由を奪い、無理やり意図に反した行動をさせることができる。
後にすす管掃除の罰則を課されて双子のベルともども掃除をさせられることになるが、この時に失ったベルはミラベルの生き人形。


ローズマリー (CV:中原麻衣)
マリーローズに仕える生き人形。
生まれて初めて部屋の外に出たエミリコをサポートする先輩的存在。
のほほんとした性格で、話すときはたいてい語尾が「○○ねぇ」「○○よぉ」と独特なイントネーションで間延びする。

不幸属性持ちなのか、怪奇現象である「亡霊騒ぎ」が起こると、たいてい彼女が真っ先に襲われている。


マリーローズ (CV:中原麻衣)
ローズマリーの主。「お披露目」は通過済み。
タカラジェンヌの男役じみた服装が特徴的なシャドーで、立ち居振る舞いや喋り方も男性的。
基本的に明るく親切だが、胸倉をつかまれて凄まれても鷹揚としているなどどこか浮世離れした胆力の持ち主でもある。
ケイトらを花にたとえて呼んだり、踊りながら現れたりするなど芝居がかったクセの強い言動が目立つ。

生き人形のローズマリーとは頻繁に社交ダンスを踊っており、ローズマリーが女パート、マリーローズが男パートを担当する。
ケイト達が住まう『シャドーハウス別棟』に住むシャドーの中では最年長。年齢的な意味で、同い歳かつ最年長同士であるバーバラと対等に話せる人物……のはずだったが、どういうわけか現在の二人はお互いに距離を置いている。


~研究班~

アンナナンシー 

リディアリディ 

ジェレマイアジェレミ 

~第一班/風紀班~

ダグラスダグ 

ジェイムズジム 

ローレンスラリー 

ピーターピート 

~救護班~

ギルバートギル 

エヴリンイヴ 

バートラムバーティ 

~新人組~

ステラキャンディ 

オスカーオスカル 
ロロルルル 
ダニーダン 
マチルダマーチ 

~星付き~

バービー (CV:釘宮理恵)
バーバラに仕える生き人形。サメのようなギザっ歯と肌身離さず携帯しているハンドベルが特徴。
主のバーバラが「星付き」であるため、彼女もエミリコをはじめとする生き人形たちのリーダーを務めている。
いわゆる生徒会長的ポジション。

口が悪く、さらには殴る蹴るの実力行使に走ることも少なくない暴力的な性格。他の生き人形からは非常に恐れられている。
が、組織をまとめるリーダーとしての手腕は本物。トラブルが起きたときには混乱する生き人形たちを一人でまとめてみせ、居合わせたシャドーにさえ「私たちの出番はなさそう」と言わしめた。
主であるバーバラにさえ暴言を吐くこともあるが、それは彼女なりに主を案じてのこと。
前髪で隠しているが額に大怪我を負っており、そのことで「おじいさまと共にある棟」の住人・トマスから「顔の傷が治るまで"大人"にはなれない」と宣告されている。
普段のいかめしい態度はバーバラに頼まれて行っている演技。元々はエミリコと似たり寄ったりのわんぱくな性格。病弱なのもバーバラだけであり、バービーはエミリコ同様、運動が得意なアウトドア派である。


バーバラ (CV:釘宮理恵)
バービーの主。「星付き」の一人であり、ケイト達が住まう『シャドーハウス別棟』を取りまとめる責任者。
言動はバービーに比べれば丁寧だがちょくちょく「クソ腹が立つ……」と毒づいている。
バービー同様に「厳格で冷徹な指導者」として振る舞うが、「ある出来事」からそう振る舞うようになっただけのようで、元々は冷徹どころか虚弱体質で、何かにつけて「出来損ない」「落ちこぼれ」を自称するネガティブな性格。
リーダーとしての重責から心労が溜まっており、悩んでいるシーンが多い。

シャドーハウスの "すす" の6割を賄う図抜けた "すす" 産出量を誇り、館の財政を支える屋台骨でもあるが、これには苦痛が伴うため時折大量の "すす" をまき散らしながら発作に苦しむシーンがある。

見た目はちんちくりんだが、『シャドーハウス別棟』の中では最年長のシャドーでもあり、マリーローズとは同い年。

「バービーの顔に傷があるから"大人"になれない」というのは"大人"側の口実であり、本当の理由は「すすを沢山放出してくれるバーバラが"一体化"の儀式に失敗して亡くなってしまった場合館は重要な資金源を失うから」というもの。
すすは館の資金源である「すす炭」の原料であり、これの産出が滞ると館の経営が傾くため、一人で半分以上のすすを賄っているバーバラとバービーを危険に晒したくないのである。

スージー (CV:豊口めぐみ)
スザンナに仕える生き人形。
気さくで温厚な人物だが、スザンナが自己主張の強いタイプの為、その後ろに控えていることが多い。
バービー不在時には彼女が陣頭指揮を執るが、決断が後手後手でリーダーには不向き。

スザンナ共々何かと頼りにされたがる性格で、スザンナがいる間は静かなものの、彼女がいない場では途端にお節介焼きと化す。


スザンナ (CV:豊口めぐみ)
スージーの主。「星付き」の一人であり、救護班の班長を担当しているシャドー。
また、すす能力を開花させたシャドーへの教育係も兼任している。彼女自身もすす能力に目覚めていて、体外に放出したすすの振動を感知できる。作中ではこれを身体や器物に設置しておいて、目の届かない場所を監視するセンサーのように用いている様子。
子供好きで、気に入った者の体を犬猫をなでるように激しくさする癖がある。

基本的に気さくだが、トラブルが起こるとパニックに陥る傾向にあり、自身の分身であるはずのスージーを怒鳴り付けたり自分の保身に走ったりする。


ベン (CV:日野聡)
ベンジャミンに仕える生き人形。
それで本当に子供なのかと目を疑うようなムキムキの肉体派。
実際、こびりつきを拳で叩き潰す、生き人形一人を米俵のように抱えるなどかなりの力持ちの様子。
いつも無口で無表情のため、ベンジャミンがいるときは目立たない一方、単独の時は迫力がすさまじい。


ベンジャミン (CV:日野聡)
ベンの主。
「星付き」の一人であり、書記を務める。
ほか三人と違って班を率いているわけではないため、空いた時間はベン共々自室にこもって筋トレに励んでいる様子。
上背があり、なおかつベン同様に寡黙でとっつきづらい雰囲気が漂う。
が、実際は肉体労働からフォローまでこなせる優秀な男。ただ、その価値観は若干ドライ。

すすを吸わせた生き人形を洗脳し高揚させるすす能力の持ち主。ルイーズと同系統の能力だが、彼の場合は数十人を一気に操ることができる。

のちに、ルイーズが美貌維持のために筋トレを始めたことをきっかけに彼女と(筋トレ仲間として)交流を持つようになった。
…なおシャドーが筋トレして効果があるのかは不明だが、一応ルイーズは他のシャドーを投げ飛ばせるほどには強くなっていた。生き人形を模倣するシャドーの性質を鑑みるならば、生き人形に筋肉が付くことで同じような運動能力を得ることが出来るのかもしれない。


オリー (CV:榎木淳弥)
オリバーに仕える生き人形。チェーン付きの眼鏡を掛けている。
通常生き人形は主人のことを様づけで呼ぶが、彼はオリバーの事を「オリバー様」ではなく「オリバー先生」と呼ぶ。

主人のオリバーに熱烈な好意と全幅の信頼を寄せており、会話もテンションが高い。
亡霊騒ぎで彼らの発明品を使って活躍したエミリコと意気投合したが、そのことでショーンから嫉妬を向けられているのには気づいていない様子。


オリバー (CV:榎木淳弥)
オリーの主。「星付き」の一人であり、研究班の班長を担当しているシャドー。
常に猫背だったり会議中椅子にL座りしていたり、おまけに機密事項をペラペラ喋ったりと、「貴族」を名乗るにはあまりにも不向きな人物。
が、感性自体はまともないい人。
知的好奇心の強いエミリコ&ケイトのことを高く評価している。

彼が指揮する研究班はガジェットを開発したりすす病など、何かしら研究するのが仕事で、その性質上オリバーとオリーは主人と従者であると同時に、発明家と助手としての関係性も持つ。
香水からすす回収機までさまざまなものを開発しているが、失敗作も多い。すすの糸を神経のように物体に這わせるすす能力の持ち主で、彼が開発したマシンに乗り込んでこの能力を使うことで、彼自身がメインエンジン兼パイロットとなってそのマシンを操縦することができる。作中に登場したすす回収機もそうした大型マシンのひとつ。

オリーの洗脳が戻ったのをきっかけに自力で館の真実に辿り着いており、「生き人形が洗脳され記憶を消された人間の子供であり、シャドーがそれを模倣して造られた存在である」ことも把握している。が、自由に研究させてくれる環境を手放したくないという理由で、事実を知りながらあえて無視を決め込んでいた。
オリーも洗脳が解けてなお「外に居た頃はいい思い出がなかった」「研究に犠牲はつきもの(=だからオリバーとの一体化のために自分が殺されることになっても構わない)」と明言しており、館の外にあまりいい感情を抱いていないようである。


~「おじい様と共にある棟」一階の住人~

アンソニー (CV:小野賢章)
クリストファーに仕える生き人形。もじゃっとした頭の長身。
普段はクリストファーの「顔」に徹しており目立たないが、クリストファーが敷いた施策の数々は「アンソニーという影の主役の存在あってこそ」だったといい、クリストファーも才覚に負けている旨の発言をしていることから、リッキー同様、主人を先導するタイプの人物だった様子。
クリストファーともども、回想でしか登場しないが……。


クリストファー (CV:小野賢章)
アンソニーの主。現在の「星付き」達の一回り年上で、バーバラの前任。
歴代の生き人形の中でも際立ったカリスマと頭脳の持ち主で、生き人形たちの指導者的存在となっていた。
回想でしか登場しないため、現在分かっているのは「ケイト同様、生き人形自身の個性を大事にする人物」であることと、「気弱でアンソニーにサポートされがち」なことのみ。
現在は「お呼ばれ」されて「おじい様と共にある棟」に上がっているらしい。


ルイス
キング

~「おじい様と共にある棟」二階の住人~

エドワード (CV:羽多野渉)
ケイト、ジョン、ルイーズ、パトリック、ラムの「お披露目」の審査員を務める、自称「特別な生き人形」。
シャドーハウス本棟に住まう「お呼ばれ」されたエリートのシャドー……の、生き人形であるために地位は高いらしく、生き人形でありながらケイトらシャドーに高圧的な態度を取っている。

サラと似たり寄ったりの出世欲の権化で、昇格の手柄とするために動きの怪しいケイトを裏切り者に仕立て上げようと奔走する。
……のだが、物事を完璧にこなそうとする理想に能力がついてきておらず、よく見ると短慮でポンコツな箇所が散見される。なお、彼も「偉大なるおじい様」およびその側近たちから審査員としての適性を見られる立場。
そもそも「特別な生き人形」という自己紹介がウソであり、実際は生き人形・エドと一体化を果たした"大人"のシャドー。音を変換するすす能力を持っており、声帯模写をしたりピアノの音色を衝撃波に変えたりできる。
エドワードの思い込みは的中してはいるのだが、証拠を掴もうとしては空回りし続けているため、ルパンでいう所の銭形ポジションである。


ジェラルド、ソフィー

エドワードの同期。

トマス

エドワード以前に「こどもたちの棟」の管理者を任されていたシャドー。エドワードの策略にハマり失脚。

~「おじい様と共にある棟」三階の住人~

ソフィ、ライアン、ドロシー、ジョゼフ

「おじい様」の側近にあたるシャドー達。登場はほぼ「お披露目」の観戦のみ。

偉大なるおじい様 (CV:土師孝也)

シャドーハウスの長にして、『本棟』『別棟』問わず館に住まう全てのシャドーを統べる王で、通称「おじい様」。
徹底した階級制度と掟でシャドーハウス内に秩序をもたらす存在であり、ケイトをはじめ生まれて間もないシャドーと生き人形はまず第一に「偉大なるおじい様、そしてシャドーハウスに絶対の服従を誓う」ことを教え込まれる。
特に生き人形たちは「シャドー家を統率するシャドーハウスの王、生き人形の生みの親、偉大なる創造主様」と呼ばなければならず、その名前すら安易に口にしてはならないとされている。


~その他~

ローブ様

深夜のシャドーハウス内に出没する正体不明の人物。シャドーのようだが、一人称は名前ではなく「わたし」。加えてエミリコ曰く「変な声」であるため、性別さえも判別不能。
深夜の見回りでエミリコらと遭遇した際、自分のことは内密にするようにと言いつける。
シャドーハウス内で「亡霊騒ぎ」とよばれる怪現象が発生したのと同じタイミングで現れたことから、彼(彼女?)が怪現象にかかわっていると推測されているが……?

「亡霊騒ぎ」の首謀者。その正体はシャドー一族のひとりであるマリーローズ。生き人形のローズマリーもグルであり、胃の中と服の中に仕込んでいたこびりつきをマリーローズが「こびりつきを操るすす能力」で操り、暴走させていたのが「亡霊騒ぎ」の真相であった。
シャドーハウスの何かを知っているようであり、館に対して明確な敵意を向けている。






~用語解説~





生き人形

シャドーのリーダーである「おじい様」によって命を吹き込んで生み出された生きた人形。見た目は人間そのもので、「生き」人形であるゆえお腹も空くし怪我をすれば血も出る。
通常は召使いとして『シャドー一族』の者一人につき一体ずつ配される。
仕事はシャドーの身の回りの世話のほか、自分の主人となるシャドーの『顔』を代わりに表現する役目、部屋にたまる煤を掃除する役目を持つ。とくに前者は重要視され、「お披露目」ではこれを十全にこなせているかチェックされる。
名前は自身の主につけてもらうらしく、ほとんどの生き人形は「ルイーズ→ルウ」「パトリック→リッキー」のように自身と似た語感の名前をつけるのがセオリー。が、ケイトとエミリコのように語感の重ならない名前を付ける者もごく稀にいる。

シャドーにとっては持ち物であると同時に分身のような存在であり、生き人形をどう扱うかは各シャドーの意思に任されている。
逆に言えば彼らを管理するのもシャドーの責務であるため、万が一自分の生き人形を壊してしまったシャドーは処分されてしまう様子。



シャドー

身体が塗りつぶされたように真っ黒な色をしている人々。全身真っ黒で表情、目線、顔つきにいたるまでの一切が見えないため「顔のない一族」とも呼ばれており、それを補うために生き人形をはべらせている。
当たり前だが、見た目は真っ黒な身体と服装と除けば体格から髪型まで自身の生き人形とまったく同じ。
また、異様な見た目をしているものの身体能力や食性も普通の人間と同じである。

一人称はかならず自身の名前になる。たとえば、ケイトなら「(ケイト)」、ジョンなら「(ジョン)」。


貴族のような服を着て、貴族らしい食事をし、貴族そのものな振る舞いをし、自分たちも貴族であると考えているが、貴族としての正式な爵位を持っているわけではないらしく、作中のモノローグでは「貴族の真似事をしている」と語られている。

悪い感情を抱いたり不安になると体から煤を放出し、またそうでなくとも常に体から煤を出し続けている(このため、触るものすべてが黒く汚れてしまうらしい)ため、これを掃除することが生き人形の仕事である。
この煤は自然と出るだけではなく、意識的に出して操ることも可能なようで、この煤を操る能力は「すす能力」と呼ばれる。

舞台である「シャドーハウス」は徹底した階級社会になっており、良く言えば誇り高く、悪く言えば陰湿な者が多い傾向にある。
階級は大きく分けて4段階あり、子どもたちの棟(別棟)に住まう「子ども」、おじい様と共にある棟(本棟)に住まう「1階の住人」「2階の住人」「3階の住人」で、順に地位が高くなる。3階の住人がおじい様の側近達であるため、シャドーがなれる最高の階級はここということになる。

彼らシャドーも「お披露目」では審査の対象なのだが、シャドーの場合、審査員にしか知らされていない「ある条件」を満たす必要があるらしく……?



"すす"

シャドーが身体から出す物質。現実の煤とほとんど性質は同じだが、シャドーはこれを自在に放出し、操る事ができる。

"すす"は焼いて固めることで通常の炭より性能のいい燃料「すす炭」にすることができ、シャドー家はこのすす炭を周囲の農村に提供することで地位と権力を確保している。
そのため、シャドー内ですすの放出量は地位に関わるほど重要。

また自然的に排出されるすす以外にも任意で多量のすすを出すこともでき、才能と訓練次第でそれを自由に操ることも可能になる。
そのままぶつける、物を動かすといった単純な操作は勿論紐状にして拘束する、薄い膜状にして周囲を探知する、声を吹き込み伝書鳩のように飛ばす、
生き人形の体内に取り込ませて精神や肉体をコントロールするといった芸当まで可能。
弱点は『』であり、例え大量のすすを固めようとも水を被るとたちまち溶けて流れてしまう。



シャドーハウス

シャドー家に属する者たちが住まう巨大な洋館で、本作の舞台。いかにも高貴な作りをしているが、館内にはトラップがあったり高い塀で囲まれて出入りができなかったりと謎が多い。
シャドーのリーダーである「おじい様」とその側近達が住まう本棟と、ケイトら年若いシャドーが住まう別棟の2つからなり、本棟は「偉大なるおじい様」が、別棟は「星付き」が管理している。

別棟で生まれたシャドーは、「お披露目」を通過することで構成員としての資格を手にし、優秀さが認められれば「お呼ばれ」されておじい様の住まう本棟にて仕えることが許されるという。



星付き

『シャドーハウス別棟』を管理する特別な役職。いわゆる四天王、あるいは生徒会役員。
バーバラはそのリーダーにあたり、『シャドーハウス別棟』では事実上のトップにあたる。
現在のメンバーはリーダーのバーバラ、研究開発班長のオリバー、救護班長のスザンナ、書記のベンジャミンの4名。



お披露目

シャドーと生き人形にとっての成人の儀。
社交パーティのような形で開かれ、参加するシャドーは貴族に相応しい資質を備えているか、生き人形はシャドーの『顔』となる役割を十分に果たせているかをチェックされる。
この「お披露目」を済ませていないシャドーは自室から外に出ることを禁じられる。

ちなみに、落とされたペアに待っているのは死。
お披露目においては、毎回一組は落とすことが暗黙の了解となっているらしいが……



お呼ばれ

シャドーと生き人形が「大人」となるための手続き。まぎらわしいが、先述の「お披露目」を経てからなる「成人」とは別のもので、ある種の資格試験であったあちらと異なり、こちらは(成否はあるが)試験というよりは儀式に近い。
シャドーハウス本棟に住んでいるシャドーは全員これを済ませた者たちであり、したがって「おじい様」の側で仕えるためには必ず受けなければならない儀式でもある。内容は不明だが、一人に付き一週間程度の時間を要することははっきりしている。



こびりつき

すすが集まり、悪意を持って動き出すことで生まれる怪物。大きさは子猫ほど。
すすが集合するような環境を作る、つまりシャドーハウスで掃除をサボってすすが一か所に溜まったりすると発生する。
生き人形を見ると顔めがけて襲い掛かり、体内に入り込もうとする。こびりつきに侵入された生き人形は激しい錯乱状態に陥り、運が悪ければ衰弱死してしまうこともあるため、生き人形の間では恐れられている。
なお、踏んだり叩いたりすれば退治できるため、一匹二匹なら生き人形一人でもなんとかしてしまえる。
一方でシャドーの方にはまったく害がなく、こびりつきの存在自体を知らないシャドーも存在する。



亡霊

上述の「こびりつき」の上位種。生き人形に襲い掛かる性質は同じだが、高さ3mはゆうにある巨体で、脅威度は段違いに高い。
倒すには一度粉々に砕いて「こびりつき」に戻し各個撃破していくか、水を直接浴びせるかのどちらかが必要だが、後者は「水を浴びせた部分のすすは売り物にできなくなる」という理由から極力行われない。
滅多に出現しないらしく、シャドーハウス内ではこの一件のことは「亡霊騒ぎ」という事件として扱われている。



以下重大なネタバレあり

シャドーハウスは間違っている。


ここは"生き人形"にとっても …シャドーにとっても

牢獄よ



モーフ
黒い小人のような姿をした妖精の一種。
他のものに擬態・寄生する能力を持つ。
本来は知性もほとんどない存在だが「偉大なるおじい様」はこのモーフに人間を模倣させ、人格を持たせた存在へと育成する計画を進めていた。

具体的には、シャドーハウス周辺の村から人間の子供を「屋敷で雇う」という名目で攫い、意識混濁作用のある「おじい様のすす入りコーヒー」によって記憶を消去・屋敷への忠誠心を植え付ける。
そうして「生き人形」となった「人間」をモーフのそばに置いて形状・人格を模倣させ、日々の交流の中でモーフが自我を獲得するのを待つ。そうして自我を得たものが、シャドーハウスに住まうお影様こと「シャドー」である。
シャドーハウスに住まうシャドーたちはいわばモーフが生き人形に擬態しつづけている存在のため、宿主である生き人形が抱く感情や精神性に強く影響を受ける性質がある。
これを利用し、シャドー成立後も前述のすす入りコーヒーを生き人形に飲ませ続けて洗脳を維持することで、影響を受けたシャドーも「偉大なるおじい様」を崇拝するようになる。



一体化/シャドーハウスの大人

すす能力を開花させ、成長したシャドーは、生き人形と「一体化」を果たせるようになる。
「一体化」とは具体的に言えば生き人形の肉体をシャドーが奪う行為であり、成功すれば生き人形の人格は完全に消滅、シャドーは「人の形」「顔」と「すす能力」を兼ね備えた「完全な存在」となる。
シャドーハウスにおいて、生き人形が散々「余計なことを考えるな」と指導されていたのはこの一体化をスムーズに行うためのものであり、「お披露目」では生き人形とシャドーの性格が乖離しているという理由で減点評価を喰らったシャドーもいる。

シャドーハウスの「大人」とは一体化に成功したシャドーを指す。
先述したエドワードもかつて生き人形「エド」との一体化を果たしており、立場が上のはずのシャドーたちを見下していたのはそもそも彼自身が高位のシャドーだから。
一方で「一体化」に失敗したシャドーは生き人形もろとも死ぬ。つまり成否にかかわらず「生き人形」は助からない。

すなわち「シャドーハウスの生き人形」とは「死ぬために集められた子どもたち」に他ならない。

「モーフ」「生き人形の正体」「一体化」はシャドーハウス内でも機密とされ、子どもたちには知らされていない。
ただし、稀にモーフの頃の記憶を覚えていられる「特別なモーフ」もいる。
そういう「シャドー」は「シャドーハウス」に疑問・反意を持つこともある。


追記・修正はおじい様のすす入りコーヒーを飲みながらお願いします。

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最終更新:2023年11月02日 22:08