ごきんじょ冒険隊

登録日:2020/05/24 Sun 21:46:00
更新日:2020/05/31 Sun 23:11:07
所要時間:約 37分で読めます




ごきんじょ冒険隊とは1996年5月24日にパイオニアLDCが発売したスーパーファミコン用ゲームである。
ジャンルはロールプレイングゲームだが、パッケージには「子育てシミュレーション+RPG」と書かれている。
プロモーションビデオでは「可愛いだけのRPG」と紹介されていた。
一度ゲームをプレイした人からすると「ウソだ!」とツッコみたくなること請け合い。
脚本は黒田洋介氏、キャラクターデザインは漫画家の須藤真澄氏。

ゲームの発売よりも1年ほど先に須藤真澄氏による同名のマンガが
竹書房ゥァア゛ーッ 竹書房の「まんがくらぶ」で連載がされ後に単行本化している。
発表はマンガ版の方が先だが開発はゲーム版の方が先だったようで、単行本の描き下ろしコーナーには
「ごきんじょ 元祖はゲーム」「実はテレビゲームのコミック化」と紹介されている。

また、開発段階からゲームとマンガは分けて考えられていたようで主要なキャラが共通するくらいで
設定やストーリーなどは大幅に異なる。

以下は記載が無い限りゲーム版においての説明となっている。


もくじ

●ごきんじょぼうけんたいのがいよう

主人公であるまなとなり、平日は幼稚園に通い日曜日はごきんじょの平和を守るために冒険に出かける。
RPGではあるが戦闘に勝利しても経験値やお金はもらえない。
そのため幼稚園で授業を受けてキャラを成長させていくという育成SLGのような要素があったりと
独特な要素が多い。

現実に近い世界が舞台のRPG、回復アイテムの多くが食べ物でなおかつ種類が豊富、ななめに移動可能
…などなどMOTHERシリーズを思わせる点もちらほら見られる。
なお、マンガ版の作者の須藤真澄氏はMOTHER2を「この世の中で、一番好きなゲーム」と語っている。

主人公が幼稚園児たちで須藤真澄氏の手掛けた可愛らしいキャラデザイン、デフォルメの効いた敵キャラたち、
ゲーム内のメッセージはひらがな、カタカナのみ、と一見低年齢層向けにも見えるし
ストーリーもコミカルなやり取りが多いが、中盤以降はシリアスだったり、
トラウマになりそうな少し恐ろしげな雰囲気のイベントも見られるようになる。

キャラデザインや「可愛いだけのRPG」というキャッチコピーから
ライトなイメージを持ってプレイすると驚くかも。


●ごきんじょのストーリー

幼稚園の帰りに偶然、神様と出会ったまな。神様が話すにはまなの住む町が悪いやつに狙われているとのこと。
まなは同じように神様の姿を見ることの出来るおともだちを探して、
ごきんじょ冒険隊を結成し町の平和を守るために立ち上がるのでした。


●ごきんじょにとうじょうするキャラクターたち

なぜか氏名の設定されていないキャラが多く親や教師にもあだ名で呼ばれている。
冒険隊のメンバーとゆずは名前(ニックネーム)をプレイヤーが名づけることが出来る。

冒険隊のメンバーなど主要キャラ

まな

このゲームの主人公でぱいおにあ幼稚園に通う年長組に進級したての5歳の女の子。
フルネームはさいとう・まな。
黒髪でおかっぱ。なぜか日曜日でも制服(スモック?)を着て黄色い通園帽を被っている。
プレイヤーの分身ということもあってか一部イベントを除くと選択肢のはーい、いいえと
戦闘中の掛け声くらいしかセリフが無い。
家族に絵本作家の母、雑誌編集者の父、小学生の兄と飼い猫のゆずがいる。

戦闘では攻撃技や回復技など使い勝手のいい必殺技をバランスよく覚え、攻めでも守りでも要となるキャラ。
ぶっちゃけ、終盤の戦闘はまな無双と化す。


シクシク

まなのクラスメートで最初に仲間になる男の子。説明書に「超気の弱い」と書かれておりいつもメソメソしている。
薄茶色の短髪。まな同様日曜日でも制服を着て青い通園帽を被っている。
背はまなに比べると低くい。少し太っちょで本人も気にしている。
ななこには事あるごとにいじめられておりシクシクという名前もすぐ泣きだす性格からななこに付けられたもので
本人も嫌っていた。まなと知り合ったことで勇気を持つようになった。
家族は主婦の母、スポーツ店を営む父とペットにワニのワニこがいる。

戦闘では回復技や味方の攻撃力などのステータスをアップさせるバフ技を得意とする回復、アシスト要員。


やわら

まなのクラスry。柔道師範の娘で彼女も柔道の稽古に励んでおり、
普段から柔道着(下はスパッツっぽい半ズボン)を着ている。性格もエネルギッシュ。
オレンジ色の髪を頭頂部位に近いところで結んで小さくポニーテールにしている。
説明書曰く「超貧乏な道場の一人娘」で水道の通っていない(川から水を汲んできている)
つぎはぎの目立つ木造の自宅兼柔道場で父親と暮らしている。母親は他界したとのこと。
境遇もあってか玉の輿を狙ってロレンスと仲良くなろうとするが、後にやわら自身も純粋に好意を持つようになる。
実は作中のトップ子役アイドルに瓜二つらしくあるイベントでは彼女の代役も務めた。

戦闘では各種柔道技で敵にダメージを与えるパワーファイター。
空手だったり柔道と関係の無い必殺技も多くノリは総合格闘技なのかも。
イベントのすすめ方によっては仲間にならないこともある。


ドクター

まなのry。説明書に「超天才少女」紹介されているだけあり賢く幼稚園児でありながら
パソコンを使いこなせ様々な発明品を作り上げる。
メガネをかけ茶色(薄いオレンジ?)の髪を2つの三つ編みにしている。
あだ名通り普段から白衣を着て移動中であっても本を読んでいる。
行方不明の父親を探すために転校を繰り返しており、ペットのサルのサリーと共に一人(と一匹)暮らしをしている。
自分から他人に接する姿はあまり見られないが、話しかけてくれるまなに嬉しそうな笑顔を見せたりすることも。

戦闘ではメカタイプの敵への特攻技の他、各種ステータス異常技、敵のステータスを調べる技など
バリュエーション豊かな必殺技を覚える。
ただメカ以外の敵に対しての攻撃性能はあまり高くは無くどちらかというとアシスト要員。
ある必殺技ではICBMをぶっぱなすことも。どんな園児だよおいw
イベントの進め方によっては仲間にならないこともある。


ロレンス

世界的大企業ロレンスコーポレーションの社長の息子でフルネームはロレンス・F・さがみおおの。
説明書曰く「超お金持ち」。6月末にまなのクラスに転入してくる
海外での生活が長かったせいか言動がどこかずれているところも。
金髪で碧眼。ブランド物のスーツを着て帽子を被っている。
貿易商の父と女優のような恰好をした母がおり、自宅には執事兼教育係のパーカーとメイドのマリアンがいる。
キザでナルシスト性格でななこの怒りを買い拉致られる羽目になるが、
冒険隊に救出されその後彼も冒険隊の一員となる。

戦闘では主に敵の防御力などを低下させるデバフ技やステータス異常技を得意とするが攻撃性能は低く、
また登場が遅いため意識して育成しないとうたれ弱いところも。


ななこ

まなのクラスメート。フルネームはわたべ・ななこ。世界的大企業ワタベグループの社長であるたかしの一人娘。
母親は他界しており他に兄弟もいない様子。ななこ隊と呼ばれる親衛隊をいつもそばに置いている。
ピンク色のふんわりとしたロングヘアーにリボンを付けやっぱり日曜日であっても制服を着ている。
説明書曰く「超ワガママ」でプライドが高くタカビーな性格とテンプレ的なお嬢様キャラ。
シクシクをいじめていたところを注意されたことでまなに対しても嫌がらせをするようになる他、
シクシク以外のキャラも皆ななこに何かしらのイジメや嫌がらせを受けることに。
まなたちを敵視しており事あるごとに様々な嫌がらせを行い、
父親自作のロボット「ななこメカ」をけしかけてくる。序盤から中盤にかけてのライバルキャラポジション。

イジメや嫌がらせの内容はおもちゃを取り上げる、嘘をついてまなの印象を悪くするなどから始まり、
冒険隊を崖の上から突き落とす、地下室や工事現場に監禁する、水族館にウイルスをばら蒔く
まなたちが中にいる洞窟の入り口を爆弾で壊して閉じ込める
……などなど子供のイタズラレベルでは済まない物もちらほら。
舌が回らず「~でしゅわ」とさ行を上手く発音できない。本人もそれを気にしている。



ゆず

まなの飼うオスの猫。ストーリーテラーを兼ねており各話はゆずの語りから始まる。
自身も冒険隊の一員のつもりのようでまなの後を付いてくるが、猫ゆえの気まぐれからか
時々いなくなったり屋根の上で昼寝をしだすことも。
戦闘では自分で行動するNPCとしてまなの戦いをサポートする。敵をひっかいたり、体当たりしたりと
攻撃手段は豊富だが、踊りだしたり遊びに行ってしまったりとやっぱりきまぐれ。
行動パターンが豊富なのでぬこ好きでなくても見ていて飽きないかも。
モデルはキャラクターデザインの須藤真澄氏がかつて飼っていた同名の猫。


かみさま

まながある日空き地で出会った神様。老人のような見た目だが体は透けている。
左右に大きく伸びた白いひげが特徴的。説明書曰く子供にしか姿が見えないらしい。
空き地の地下にごきんじょきちと呼ばれる空間を作ってそこに待機している。
話しかけることでパーティ編成やセーブ、ロードが出来る。


主要キャラの家族など

まどかママ

まなの母親で絵本作家。普段は自宅の執筆室で締め切りに追われながらワープロを叩いているが、
おやつや夕食の時間になるとまなを迎えに来てくれる優しいお母さん。
……が、まなが下水道の中、工事中のビルの屋上、はては海の真ん中や過去の世界にいようが
迎えにやって来るというものすごい行動力を見せてくれる。
二児の母親だけど若々しい美人で意外とグラマー(特にマンガ版)。
娘とは違い(染めているのかもしれないが)オレンジ色で少し癖のある髪をポニーテールにしている。


しゅん

まなの兄で小学生。サッカーが好きでよく親友のひろしと球技場でサッカーをしている。
ぶっきらぼうでまなに対しては冷めた態度を取りがちだが根は優しい。
終盤にとある形で冒険隊の手助けをしていたことが示唆される。


シクシクママ

シクシクの母親。主婦。やっぱり名前は不明で自分から「シクシクママ」と名乗る。
バカボンのパパやバーバママじゃあるまい……
息子同様、常に涙を浮かべており事あるごとに泣き出す。
シクシクの「ダンジョン脱出」(いわゆるリレミト)の特技を使うと下水道や山の上の洞窟の中にいようが
泣き叫ぶ息子の元へ駆けつけ外に連れ出してくれる。
まどかママほどではないにしてももの凄い聴力+行動力かも。


やわらパパ

やわらの父親で柔道場「スーパー柔道センター」の師範。弟子が二人いるが経営状態はよくない様子。
やわらが仲間にいる場合、乱取り稽古と称し練習生とのバトルを持ち掛けられ勝つとやわら用の武器防具がもらえる。
らんどりふぁいと れでぃごー!
特訓モードにも登場しまなを鍛えてくれる。


たかしさん

ななこの父親で大企業の社長で彼女同様庶民を見下している。
娘のことを溺愛しておりお手製の高性能ロボットななこメカを与えており、ななこの各種悪行に用いられている。



その他登場人物

ゴジリン

まなの隣のクラスに通うガキ大将。小太りだが大柄で腕っぷしは強い。
ゴジリンズと呼ばれるハニワのお面を付けた子分たちを率いている。
ななこほどではないが何度か冒険隊の前に立ちふさがることもありその腕っぷしを活かした
強力な必殺技の数々で攻撃してくる。特にスーパーゴジリン戦に泣かされたプレイヤーは少なくないかも。
肉屋を営む母親がいるが彼よりも気が強くお仕置きが過激なようで頭が上がらない。
そのあたりも某国民的マンガのガキ大将似。走る際はなぜか丸まって転がるように移動する。


カジオ

ゴジリンのクラスメートで彼の右腕的存在。お金持ちの息子でどこかイヤミな性格。スネ○ポジション。
戦闘ではゴジリンのサポートを主に行い、その高い攻撃力をより上げられてしまうことも。
某ゲームのラスボスとは無関係。


こころ

ゴジリンのクラスメート。心優しいがおどおどしており口数は少なく話す時も間をおくように話す。
あばら家で内職を営む母親と共に暮らしている。父親は星になったと話す。


レポタ

情報通を自称するまなのクラスメート。イベントの際には話しかけることで
次の目的地などのヒントになる情報を教えてくれることも多い。一部イベントは彼の情報がきっかけで始まることも。


ひろし

しゅんの親友で同じくサッカー好き。まなに対しても優しい。まなは彼に恋心を抱いており、
ひろしに褒められるたびにまなの心臓はビックバンを起こしている。
サッカー仮面Jを「かっこいい…」と語ったりと年齢相応な面も。


ナッキーせんせい

まなのクラスを担当している幼稚園教諭。が、本人は自分を保母と語っている。
可愛らしいグラフィックとは裏腹に教育に対しての思いは熱い。「あなたは腐ったミカンじゃないのよ」が口癖。
園児思いであるイベントでは冒険隊に協力もしてくれる。
なぜか、走りだすと一瞬で体操着に変る。


サッカーかめんJ

窮地に陥った冒険隊を助けた謎のヒーロー。サッカーボールを模した仮面を被りマントを付けている。
自称「愛と正義のV戦士」仮面を付けた某美少女戦士巨大化する仮面のヒーローとは無関係
以降は一部イベントで登場する他、戦闘時にまなのHPが減った際に助っ人として現れる。
戦闘中はゆず同様オートで行動。キックやヘディングなどサッカーにちなんだ強力な技で敵を攻撃する。


ラスボスとその周辺



◆育成モード

幼稚園生なので平日(月曜日~土曜日)は幼稚園に通い授業を受けることになる。
月曜日にその週に受ける授業を2種類選択する。授業は体操や工作、お遊戯など5種類。

1つの授業は3日間行われ、1日ごとに授業に応じて特定のステータス2つに経験値が入る
(体操なら力とスタミナが上がるなど)
経験値が32ポイントに達するとそのステータスが1レベルアップする(初期値はいずれも0レベル)

授業は1日ごとに成功と失敗の判定がされ成功した場合はより多くの経験値が得られる。
授業の様子はカットインで描かれる。キャラの個性が表れている他、
成功時と失敗時でも変わるのでバリュエーションも豊富。


力を伸ばすと攻撃力が、スタミナを上げると防御力が上がったりとステータスが上がると
戦闘に関係するパラメーターも上昇する。どの授業でも最大HPが上昇し一定値に達するごとに必殺技を習得する。
まなの特定のステータスが一定のレベル以上(賢さがLv1以上など)の場合に発生するイベントも多く、
一部仲間キャラは特定のイベントを発生させないと仲間に出来ない。
ただし条件を満たせない場合は別なイベントが発生することもあり、
全てのイベントを見るには最低でも2周はする必要がある。


3日間×2=6日間の授業が終わると日曜日になりRPGモードに移行する。


◆RPGモード

ゲームのメインとなるパート。探索や戦闘を行いイベントを進めていく。
朝、まどかママに起こされるところから始まり、一週間分のお小遣いがもらえる。
ごきんぎょ基地でパーティを組み、町を探索する。パーティはまな+任意の仲間2人の3人パーティ。

下水道や工事現場、迷いの森など特定のダンジョンに向かうことも多い。
ダンジョン内にはモンスターが徘徊している(一部イベントでは街中にも現れる)。
シンボルエンカウント制で倒せば消滅し画面切り替えなどでも復活はしない。
そのためゲーム中の戦闘回数はある程度限られている。
回避も可能だがモンスターはこちらを察知するとまっすぐ突っ込んでくる上速度も速いので難しいことも多い。

イベントをクリアするとまどかママが迎えに来てそのままRPGモードが終了。
月曜日になり育成モードに移行する。その繰り返しでゲームは進行していく。


・戦闘シーン


オーソドックスなターン性。MPは無く必殺技はHPを消費する。強力な技ほど消費量も多い。
戦闘終了後はHPは全回復し戦闘不能を含めステータス異常も全て治癒される。
ボスも含めて全体的に敵のHPは抑え目で長期戦はあまり起こらない。
ただ戦闘後にHPが完全回復するためもあり攻撃力が高い敵もちらほら。

まなのHPが0になった場合は全滅となり特訓モードに移行する。
やわらパパに特訓してもらいまなの攻撃力、防御力、素早さのいずれか1つを上げることが出来る
。特訓後は全滅前に戦っていた敵との戦闘前に戻してもらえる。
そのため全滅しても先ほどよりも強くなった上にすぐに再戦が可能。
ただし消費したアイテムなどはそのままな上、特訓モードを受けたイベントの翌週のお小遣いが半額になってしまう。


・説得コマンド


戦闘時には女神転生シリーズのTALKコマンドのように「せっとく」というコマンドを選択することが出来る
敵キャラに対し「なかよくしようよ」と和解を呼びかける。成功すると敵は
「これからは ともだちだね」と言いながら去って行き戦闘を終えることが出来る。
説得に成功した場合でもモンスターのシンボルは消滅する。
失敗すると敵に一方的に攻撃されるが次のターンには再び説得が可能。
相手がいじめっ子だろうが、モンスターだろうが、火を噴くメカだろうが説得し和解することが出来る。
凄まじい対話能力かもw
説得はボスキャラに対しても有効でその場合も倒した時と同じようにイベントが進行する。
メカの場合は倒した時と同じように爆発する。説得(物理)

説得成功率はまなのステータスと敵の態度が大きく影響する。強気な敵キャラは成功率が下がるが、
成功率が0になることは無いので絶対に説得できない相手以外はどんな敵であっても説得が可能。
運も絡むが成功率が上がると普通に戦闘するよりも早く終了することも。
かっこいいボス戦BGMをバックに不気味なボスが登場→戦闘開始と同時に説得→説得に成功しそのまま戦闘終了、
という流れはなかなかシュールw


●ごきんじょのみりょく


◆ゲーム内に収録された豊富なメッセージの数々

住人たちと会話したり、町中にある掲示板などを読んだりAボタンで対象を調べることで読める
メッセージがとにかく豊富なため会話をしたりあちこち調べたりするだけでもなかなか楽しめる。

登場キャラは主人公たちやその家族や友達といった主要キャラだけでなく、
町を歩くモブキャラにまで名前やあだ名が用意されておりとても個性豊か。
話しかけるメッセージもゲームの進行状況や発生イベントによって都度変化していく。
また、特定の仲間キャラを連れていると会話に反応をしてくれることもあり、
怖い話に泣き出すシクシクや冷静にツッコミを入れるドクターなど仲間キャラの個性が表れた反応が楽しめる。
特定のイベントでしか聞けない会話に対し特定の仲間キャラがいると聞けるセリフなどもあり、
全てのセリフやメッセージを見ようとなると相当な手間になること請け合いかも。

調べられる物なども豊富。家の中の家具や町中の看板などオーソドックスな物から
ゴミ捨て場のゴミバケツ、放置自転車など様々。
例えばマンションの各部屋は基本的に同じ作りで家具の配置なども一緒だけど、
几帳面なシクシクママのいるシクシクの部屋の家具はみんなピカピカだったり、
超天才少女ドクターの部屋はキッチンが全自動キッチンでテレビはテレビ電話だったりと
調べることで住人の個性や暮らしぶりがうかがえるメッセージがきちんと用意されている。

調べた時のメッセージも「おいしそうなものがたくさんある」
「スーファミのゲームがたくさんたくさんある」といったように
やや漠然とした内容になっていることもあり幼稚園児が主人公であることが活きている。
一目で輪島塗と七宝焼きだと判断できる審美眼も持っていたりするが。


◆ゲームを盛り上げる良曲の数々

BGMはワンダープロジェクトJやミスティックアークなどの作品でもおなじみの
MINTの森彰彦氏が手掛けておりいずれも良曲揃い。
特にザコ敵との戦闘BGMは町中で幼稚園児が戦っているというライトでどこかほのぼのした内容とは裏腹に
ジャズ風でどこか大人びた雰囲気。そのインパクトに驚かされるがワンループがやや長めな割に
曲の展開が多様で聞いていて飽きない。動画サイトなどでも人気が高い。

戦闘BGMは他に中ボス、ラスボス関係のボスキャラ、ラスボス戦と4曲用意されておりいずれもクオリティが高い。
特にラスボス関係のボスたちの戦闘BGMは熱く戦闘シーンをとても盛り上げてくれる。
戦闘以外のBGMももちろん良曲が多い。建物内やダンジョンなども種類が豊富。
あまり長居することが無いような場所にも専用BGMが用意されていることも。


◆豊富なキャラグラフィック

会話時は主要キャラだけでなく町を歩くモブキャラにまで顔グラフィックが用意されており、
テキストウインドウの隣に表示される。特定のイベントのみのキャラにも専用グラフィックが
用意されていたりと種類は豊富。

主要キャラは笑顔や泣き顔、怒った顔など何種類か用意されている。
拳を前に突き出して今にも殴り掛かりそうなやわらや普段読んでいる本を閉じて微笑むドクターなど
キャラクターの個性が表れている。まなはセリフこそない物の主人公ということもあってか顔グラフィックは豊富。
戦闘時に必殺技を使用した際もカットインとして同じサイズ顔グラフィックが表示される。

キャラデザインの須藤真澄氏のファンならこれらキャラグラフィックが目当てでも十分楽しめるかも。

通常のキャラグラフィックも泣いたり怒ったりする際の差分がいくつかあり細かいが、
特に凝っているのはダッシュ時のグラフィック。まなを先頭にしている際に
Y(もしくはB)ボタンでダッシュが可能だが、単にそのまま早歩きをするので無く専用のモーションで
ちゃんと走っている様子が表現される。両手両足をバタバタ動かしながらマンガちっくにダッシュするが、
壁などにぶつかると「ドカーン」という音と共にペチャンコになる。
しばらくするとひょいと起き上がり帽子を直したりと細かい。コミカルな動きは見ていて飽きないかも。
まな以外のキャラもダッシュ時のグラフィックが用意されている。
エンジン付きキックスケーターのような乗り物に乗るドクターなど、こちらもキャラの個性が表れている。


◆舞台が(発売当時の)現代であることが活きたアイテムの数々

舞台が現代の日本で主人公が幼稚園児ということもあり剣や鎧などは当然なく、武器はヨーヨーや野球ボール、
防具は幼稚園の制服を始めとした衣類などありふれた物となっている。
駄菓子屋で売っているピコピコハンマーが武器になったり、デパートの衣料品コーナーで洋服を買ったりと
入手手段も舞台にあっている。

回復アイテムはコンビニで買えるおにぎりやおでん、肉屋で買える骨付きチキンなど種類が豊富。
マンガ単行本の描き下ろし漫画でも「回復アイテムは居酒屋並みに充実しています」とも紹介されていた。

買えるアイテムの価格はゲームバランスの関係もあってか現実より安めなものも多いが、
比較的現実に近い価格設定になっている。90年代半ばらしく自動販売機では110円でジュースが買えるが、
ドライブインにある自販機は「こういうところは少し高いから」という理由で200円だったり、
逆に路地の中にひっそりと置かれた自販機は80円だったりとこちらも価格設定に雰囲気が出ている。
(設定ミスなのか自販機で購入できるジュースは表示価格よりも少し安めなことも)

戦闘でお金は手に入らないため、毎週日曜日にまどかママからもらえるお小遣いが主な資金源となる。
資金に限りがあるのがお小遣いという決められた額の中で欲しい物をあれこれ考える楽しさもあり
子供が主人公であることにあっている面も。ちなみに幼稚園児だからか所持金の上限は9999円までと諭吉涙目仕様。


●ごきんじょのきになるてんなど


◆アイテム売買関連に不備が目立つ

店で買い物をする際は、品物を選ぶ→値段が表示され購入するかどうか決定する、
という手順を踏む必要があり同じ品物をまとめて買いたい場合などにとても手間がかかる。
物を売る場合も同様。96年発売のゲームとしてはちょっと使いづらいインターフェイスかも。

手に入れたアイテムはメニュー画面から簡単な解説を見ることが出来るが、
売られているアイテムに対して説明が一切ないので購入してみるまで具体的な効果は分からない。
説明書には解説がされているがごく一部のみ。
資金源が限られており余計な買い物がしにくいのがその不便さに拍車をかけているところも。

アイテムを売りたい場合は買取をしている店に行く必要がある(駄菓子屋やスポーツ用品店など)
他のRPGのようにどの店で売れるわけでもないのは地味に不便なところも。
ただし買取をしてくれる箇所は意外と豊富。もっとも現実的に中古品を扱っているわけでも無ければ
普通の店が不用品の買い取りをしてくれることなんてまずないけど。

また、店で買い物をしない場合は一部店主から「用が無いのなら帰ってくれ」と不満を呟かれることがあるが、
物を売っただけの場合は買い物としてみなされないためやっぱり不満げな対応をされる。
人によってはちょっとイラっとくるかも。逆を言うとどの店でも決まったシステムで済まされるだけではないので、
買い物1つとっても店主の個性が表れている部分でもある。


◆戦闘関連の気になる点

・戦闘のバランス調整が大味

いきなり強敵とぶち当たったり、逆にボスが大して強く無かったりと戦闘のバランス調整は全体的におおざっぱ。
他のRPGと違い勝てないようならその辺のザコ敵を倒してレベルを上げてから再挑戦、ということが出来ないので
育成の仕方次第では明らかに苦戦を強いられる展開になることも。
チュートリアルを除くと最初の戦闘で戦うことになるザコ敵「ななこ隊」からして
回復アイテムを準備していなかったり、戦い方を誤るとあっさり負けることもある結構な難敵だったりする。

ボスも軽減が困難な強力な必殺技を連発してくるスーパーゴジリンなど強敵もちらほら。
ただ逆にザコ敵の方が明らかに手ごわかったりすることも。
複数体で現れるザコ敵と違い、ボスは大体が1体だけで登場する上、行動回数は一回のみなので
強力な技があっても回復しつつ戦えば一部を除きそれほど脅威になることもなかったり。
ただし、前述のように戦闘に負けてもゲームオーバーにはならず
特訓モードでまなを強化した上で再挑戦が出来るので詰みが発生することはほぼない。


・通常攻撃が役に立ちにくい

MPが無いのでHPを消費するが戦闘の度に全回復するので比較的使う機会が多いが反面通常攻撃は影が薄い面も。
必殺技の威力は武器を装備していない状態での攻撃力が参照されるため必殺技の使用機会が増えると
武器がいらない子になりがち。終盤はHPにだいぶ余裕が出てくるので(特にまな)
戦闘のたびにとりあえず強力な全体攻撃をぶっ放すだけのワンパターンゲーになりがちな面も。


●ごきんじょのそーひょー

アイテムの売買関連の問題点や大味な戦闘のバランスなどRPGとしては荒削りな部分も目立つが、
経験値が無く育成SLG要素を兼ねた成長システムなどの独特な点や、
須藤真澄氏の描く可愛らしいキャラグラフィック、良質なBGMの数々などの魅力も兼ね備えており
まさに「隠れた名作」という言葉がふさわしいゲーム。
惜しいのは発売が96年とスーファミのゲームとしては遅く、出荷本数も少なくややマイナーなところかも。
中古価格も高くカセットのみでも1万越えということもザラ。現行機種でのリメイクに期待したいところかも。


●よだんだよ

  • PVを始め解説ではまながごきんじょ冒険隊を結成したかのように説明されることが多いが、
    ストーリーテラーであるゆずの語りでちらほら表示されるくらいで、
    まなたちがごきんじょ冒険隊を名乗ることは無い。
    ストーリー内で最初に「ごきんじょ冒険隊」の名前を上げるのはなぜかななこ。
    しかもまなたちとサッカー仮面Jを打ち負かしたななこが
    「タイトルも『ごきんじょ冒険隊』から『気高きななこさま』に変更でしゅ」
    と自惚れるというメタネタだったりする。

  • 説明書には須藤真澄氏の描きおろした2ページのゲーム紹介マンガが描かれている。
    後述のマンガ版の単行本には収録されていないので貴重かも。マンガ版と違いロレンスもちゃんと描かれている。
    ななこがいじめっ子たちを率いていたりとゲームとは微妙に異なる部分も。

  • やわらはあるイベントをクリアするともらえるアイテムを装備すると必殺技の代わりに
    アイドル技が使用可能になる。戦闘中に歌いだしたり、ファンを召喚して敵に突撃させたりと
    戦闘シーンが一瞬でカオスになること請け合いw

  • ロレンスにも同じタイプのアイテムがあり執事のパーカーが車に乗って現れる。
    デパートの中だろうが、過去の世界だろうが、異次元空間だろうがお構いなしにw
    車に搭載された機関銃を乱射したり、裸踊りをしだしたりとこちらも内容がカオスw




●マンガばんのごきんじょぼうけんたいについて

基本1話完結型で全14話。不思議な回覧板に導かれるように外に出たまなが友達や様々な住人達と出会い、
交流を通じて成長していく様子を描いている。ゲーム版との共通点はあまり無いが、
ごきんじょを舞台にしたゲーム版とはまた違う少し不思議でファンタジーな物語が魅力。


●マンガばんのストーリー

まなは人見知りな性格のため幼稚園では友達が出来ずしょっちゅう脱走しては先生やママを悩ませていた。
ある日、いつものように幼稚園を脱走し家でゆずと遊んでいたまなは、玄関に置かれていた回覧板を見つける。
描いてある絵がころころ変わる不思議な回覧板に魅せられたまなは怖いのを忘れて家の外に飛び出していく。


●マンガばんのとうじょうキャラクターたち

◆まな

「よいこな園児」
ゲームではプレイヤーの分身ということもあり最もキャラが異なる。人見知り性格で
他人と上手くコミュニケーションが取れず、幼稚園では友達が出来ないのもあり脱走の常習犯だった。
人見知りな性格もシクシクを始めとした友達との交流を通じて中盤以降はだいぶ収まってきており、
自分から積極的に他人に接する姿も見られるようになる。
困っている人を放っておけない面もあり、そういった意味ではゲームと同じく勇気や優しさを持ったキャラなのかも。
一人称はまな。


◆シクシク

「泣き虫なおともだち」
まなのクラスメートで初めての友達。やっぱり名前は不明で自分で「ボク、シクシクくんってよばれてるの」と語る。
性格が近いのもあってかまなとは仲がよく手をつないで歩く姿も。
単行本の表紙絵ではまどかママに抱かれておりその上にまなが描かれているので一見まなの弟のようにも見えるかも。


◆やわら

「元気なおともだち」
ゲームと違いまなのクラスメートでは無い。ゆずを気に入り飼うためにまなとシクシクに襲い掛かろうとするが、
泣きじゃくるゆずをあやすまなの姿を見て諦め2人と和解する。以降はまなと同じ幼稚園に通うようになる。
ゆずと一緒にいる姿も多く、ゆずを胴着の懐に入れたりゆずを入れるための巾着袋を作ったりもしていた。
性格はゲームとそう変わらないが、比較的丁寧な口調だったゲーム版と違いどちらかというと男勝りな感じ。
マンガではまなに次いで出番が多い。


◆ドクター

「かしこいおともだち」
まなのクラスメートらしいが、幼稚園の中にある研究室にこもっておりまなは面識が無かった。
回覧板を見て研究室のロックを解除したまなたちに興味を持ち一緒に行動するようになる。
私服姿も多い他のキャラと違いなぜか白衣でいることがほとんど。
父親は登場しないが行方不明になっている様子は無い。
父親の開発したちびロボのような超小型の人型ロボットたちと一緒にいる。
やわらとは性格が正反対で反目することもあるものの仲が良く、一緒に行動したり表情がシンクロする姿も。


◆ななこ

「いじわるなおともだち」
終盤、まなの家の隣に引っ越してくる(というか、朝気が付いたら家が生えて 立っていた)
まなのクラスに転入してくる。仲良くなろうと声をかけて宝物のぬいぐるみを見せてくれたまなに対し、
「げせんのむすめ」とぬいぐるみの首を無理やり引き伸ばすという陰湿な嫌がらせをしてくる。
ゲーム版同様プライドが高く庶民を見下しているが、性格を隠す様子の無いゲーム版と違い
先生を始めとした大人の前ではいい子を演じ、さらには自分は仲良くなりたいのにまながいじめてくると
言いつけるなど計算高く大人を利用する狡猾な面が目立つ。


◆ゆず

ゲームと違いさすがに明確に喋ることは無いが感情や反応はセリフで表示される。
まなとの仲は良いが思いの擦れ違いからケンカしてしまい思わぬトラブルに発展してしまったことも。


◆まどかママ

締切に追われている姿が多くボロボロで鬼気迫る表情で執筆室から出てきてシクシクがギャン泣きしたことも。
まなに振り回されている面も多いがそんなまなの行動がきっかけで調子を取り戻したこともあった。


◆せんせい

ゲーム版と違い名前は明かされない。いつも笑顔だったゲーム版のナッキー先生と違い
まなが手を焼かすことも多いため怒り顔が多い。まなのこれまでの行い故もあるが
まなの言い分を聞こうともせずななこのウソに鵜呑みにしまなを叱りつけたりとあまりいい印象が無いかも……。


◆ななこのパパ

ゲーム版と違い名前は明かされない。やっぱりお金持ち。
1話しか登場しないのもありゲーム版に比べると影が薄いかも。


◆かいらんばん

キャラクターではないがここで紹介。ある日まなの家の玄関に置かれていた。
バインダーに1枚の白い紙が挟んでありクレヨンで描いたような絵が描かれている。
その絵のモチーフを見つけると次の絵が表れるという不思議な回覧板。
まなたちは描かれた絵のモチーフを探し回るうちに様々な人たちと出会っていく。
回覧板そのものも神出鬼没でどこからともなく現れたり、目的を果たしたら消えてしまうことも。
子供にしか見えないという点と、まなを冒険に導くというところはゲーム版の神様のような立ち位置なのかも。


●マンガばんのよだん

  • ロレンスは登場人物紹介のページに「もうすぐおともだち(?)」と紹介されているが結局登場することは無く、
    まなの家の近くに引っ越してくる転入生というキャラはななこに用いられている。

  • マンガ版の単行本には本編や描き下ろしマンガ以外にも、出版社の異なるゲーム雑誌である月刊じゅげむや
    月刊電撃NINTENDO64に掲載されたごきんじょ冒険隊関連の須藤氏のマンガも収録されている。

    他にも月刊コミックゲーメストに掲載されていた須藤氏のゲームレビュー
    「おこもり大王」シリーズも収録されており、スーパーファミコンの風来のシレン
    MOTHER2、プレイステーションの太陽のしっぽが紹介されている。
    各作品のキャラクターなどのイラストが描かれているので須藤氏のファンに限らず
    各作品のファンも必見かもしれない。

    風来のシレンは須藤氏の描くシレンや風来人の格好をした須藤氏風のキャラが描かれており、
    お約束(?)の泥棒をする様子も描かれていた。
    MOTHER2は作者が好きなゲームであることと合併号に掲載されたこともあってか2ページ分あり、
    ネスたち以外にも様々なキャラが描かれていたりとかなり気合の入った内容。


(PS)
ついきしゅうせいしちゃう?

ニア はーい
  いいえ

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