ミートソーススパゲティ

登録日:2011/12/12(月) 22:43:37
更新日:2020/05/26 Tue 19:56:38
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ミートソーススパゲティとは、日本で最も普及しているパスタ料理である。

イタリアのボロネーゼと混同されるが、正確には別物。

ボロネーゼは、肥満の街、ボローニャで産まれたパスタ料理であり、トマトは最後の風味付け程度に使われるのみなのに対して、
ミートソースはトマトピューレで素材を煮込んで作る。
また、ボロネーゼは、タリアテッレ(平麺パスタ)に和えるのが普通。現在はイタリア国内でもスパゲティに和える事もあるが、これは海外からの影響である。
ボロネーゼの方が、トマトの酸味が強い。

日本のミートソースは、じっくり煮込んであるので、その分、挽き肉の旨味がしっかりと引き出され、トローンとした触感が楽しめる。
ニポンジンならミートソースやろー。

ミートソースは、アメリカに渡ったボロネーゼが形を変え、更に日本に来た料理である。
ここまで日本に広まったのは、メーカーによる缶詰商品の影響が強いと言われる。

家庭でも簡単に作れるので、本場イタリアでは、ボロネーゼが「マンマの味」であるように、ミートソースが「お袋の味」と言う人もいるかもしれない。

給食に出てきたと言う人もいるだろう。
妙に柔らかいソフト麺にかかる、赤いミートソース…。

あんまり美味しくて、ソースだけ食べてしまい、後は味の無いソフト麺だけを食べる…。
これもまた青春か。


■大まかな作り方
それほど難しい工程はないものの、ちゃんと作ろうとすると結構面倒で手間がかかる。コゲとの戦い。
食材を長時間炒めたり煮込んだりする必要があるため、原則その場を離れることができず、しばらくトイレに行け手が放せなくなる。
手抜きで時間短縮のために煮込む時間を削るなら、トマトの酸味を抑えるためにズルをして砂糖やみりんなどを加え、甘味で酸味を中和する手もある。
(飴色にすることが前提だが)タマネギの量を増やすことでも同様の効果が得られる。

1.湯を沸かす
よくたっぷりのお湯で茹でろと言われるが、プロならともかく、家庭ではあまりこだわらなくてもよい。
お湯を少なめにすればそのぶん濃い茹で汁が得られるので、後々ソースを乳化させるために使うことを考えれば、
あえて少なくしても一向に構わないというか、むしろ多少少ないほうが望ましいくらい。
の量はおすまし(お吸い物)の濃さが基本。
麺および茹で汁にしっかりと味がついていれば、ソースの塩加減も調整しやすくなる。

2.ソフリットを作る
ソフリットとはタマネギ、ニンジン、セロリを飴色タマネギ(オニオンペースト)の要領で、とにかく焦げないように注意深く炒め揚げしたもの。
使う油はバターまたは(ピュア)オリーブオイル味がない素材の風味を殺さないサラダ油やグレープシードオイルでも問題ない。このへんは好みで。
量は適当目分量で構わないが、基本的にはひき肉と野菜(の総量)を同量にして作る。
各野菜の比はレシピによって異なるが、タマネギ:ニンジン:セロリ=2:1:1や1:1:1という人もいれば、
タマネギ>ニンジン>セロリさえ守れば全然アバウトでおkという人までさまざま。
また、ニンジンとセロリは必ずしも入れなくてもよい。
ただしタマネギだけは必須で、甘さとコクを出すだけならタマネギだけでも構わないといえば構わない。
タマネギが茶色く色づき、各野菜の"かさ"(体積)が減り、シャキシャキ感がなくなればおk。軽く塩を振っておくと水分が出やすくなる。
水分を飛ばし野菜の旨味を濃縮することとソースに馴染みやすくすることが目的なので、面倒だが時間をかける価値はある。(30分~1時間程度)
事前に冷凍しておいたものを炒める、レンチン後に炒めるなどするとかなりの時短になる。(10分~20分ほどで仕上がる)
一応、一から火にかけた場合と比べて、若干だが味・風味・食感は変わるが、どうせ煮込むんだからわからんて。
ある程度までは中火で炒めてもいいが、最後のほうは弱火でも油断するとすぐコゲる。トイレに行きたくなっても行けない。

3.ひき肉を焼く
塩・胡椒で下味をつけてから焼く。焼き色を肉の両面にしっかりつけるのがポイント。
このとき、肉をひっくり返すとき以外は極力肉に触れてはならない。
押したり引っかき回したりすると肉から肉汁が漏れて油の温度が下がり、焼き色がつきにくくなる。
肉汁をコゲ焼き色で閉じ込めるようなイメージ。
焼き色がついたら赤ワインをぶっ込んで煮詰め、アルコールと水分を飛ばす。
量は適当で構わないが、多過ぎると飛ばすまでに時間がかかる。
水の音がなくなり油の音だけになるまできっちりやる。でないと酒臭くなってしまう。誤って入れ過ぎると面倒臭い。
ワインを飛ばした後は、少量の水を入れ、底にこびりついたコゲ肉とワインの旨味をヘラで削ぎ落としつつ水に溶かし込み、鍋に加えるとよい。
そのままフライパンで作る場合は、トマト缶を入れる段階でコゲ旨味を回収してもよい。

4.ソースを作る
フライパンor鍋にバターor(ピュア)オリーブオイルを入れ、刻んだorすりおろしたニンニクを炒める。油の量はニンニクが浸る程度。
色がついたら2.と3.を入れて(ホール)トマト缶を投入。あればローリエを投入。その他ハーブ類も入れるならここで。
ただし香りが飛びやすいものについては仕上げの段階でかけること。ちなみに"追いオリーブ"なる手法でEXVオリーブオイルを仕上げに使うのも同じ理由。
それから、これまた長いこと煮詰めて水分をきっちり飛ばす。
この工程には水分のほか酸味を飛ばす意図もあり、煮込み方が甘いと酸味が残りやすい。酸っぱさは砂糖等で誤魔化しが効くが水っぽさは誤魔化せない。
ヘラにくっついて落ちなくなる程度までひたすら煮込む。だいたい15~30分はかかる。面倒臭い。
タマネギほどではないが、油断すればやはりコゲる。トイレに行くタイミングがつかみづらい。
作り置きのトマトソースや市販のトマトソースを使う場合は、2.と3.と馴染ませて温めるだけでおk。必要なら多少煮込んでもいい。

5.パスタを茹でる
どちらかというと太めの麺と相性が良い。冒頭で挙げた平麺系やリングイネ等の麺とよく合う。
(味付け次第ではあるが)主張の強いソースなので、あまりにも細い麺を使うとソースに負けてしまいがち。
袋に書いてある茹で時間よりも1分程度早めに上げるのが基本。麺の硬さはお好みで。
煮込み時間を削ったせいでソースの水分量が多い場合には、ある程度までなら水分を麺に吸わせることで誤魔化す調整することもできる。
このとき、ザルは使わずに直接ソースに麺を移すといい。
ただのものぐさに思えるかも知れないが、麺についた茹で汁を落とさずにそのまま加えることでソースの乳化に利用する。
あとはソースに絡めて、最終的な麺の硬さと塩加減は茹で汁を加えることで微調整する。

6.皿に盛る
EXVオリーブオイルを回しかけて完成。やんなくてもいいけど。


■ミートソースに入れると美味しいもの

チーズ
パルミジャーノ・レッジャーノを使うのが常道であり王道。
(できればおろし器を用いて)出来立てアツアツのパスタにこれでもかというほどたっぷりとかけるとよい。
しかしナチュラルチーズとなると手が届かないほどではないとはいえ、日本では結構いいお値段をしているので財布に優しくない。日欧EPAに期待。
お手頃なクラ○トのエセパルメザンチーズでも十分食える。特に質より量にこだわるのであれば。
ラザニアやドリア等のソースに使うならスライスチーズでもある程度は代用が利く。
いくらチーズとはいえ、ベビーチーズは使い勝手が悪く(筆者は)あまりおすすめしない。もし使うなら適当にカットしておいたほうがいいだろう。

◆キノコ類(マッシュルーム、しめじ、エリンギ等)
これまた定番の具材。
食用のキノコ類の多くにはグルタミン酸という旨味成分が含まれているため、肉のイノシン酸と合わせることで旨味の相乗効果が得られる。
なお、味の素の主成分であるグルタミン酸は、トマト、チーズ、バター、固形スープにも含まれている。
余談だが、グアニル酸は乾燥キノコ類(ほぼ干し椎茸と言って差し支えない)に多く含まれる旨味成分で、生キノコには含まれていない。
グアニル酸はドライトマトにも含まれているため、余ったのがあれば適当にソースに加えておいてもいい。

ベーコン
挽き肉に忍ばせるように入れてみましょう。旨味とコクが出ます。挽き肉との触感の落差が気になる人は、味だけ出たら取り出すのも良いかも。
もちろんちゃんと食べてね。

◆オレガノ
香り付けの香草。
ブーケガルニにしてもいいが、めんどくさい方は、これ一択で充分。
香りがついたら、ソースをまさぐって取り出そう。

◆ナスビ
ミートソースと最も相性の良い素材と言われる野菜。
みずみずしいナスは、ミートソースの旨味を吸い込みやすく、独特のクセにも良く合って、絶品。
ただし、ソースが水っぽくなるので、量は考えよう。

◆ブラックオリーブ
丸ごとでも輪切りでもみじん切りでも如何様にでもすればいい。ブラックオリーブが嫌いという人以外はとりあえず入れておけばいい。
ソースの味をさほど邪魔しない具材なので入れても不味くはならない。入れろ。…入れなさい。……ぜひ入れてみてください。

◆果実類(チャツネ、ジャムなども含む)
隠し味としてソースに入れることにより、砂糖を直接加えるよりも露骨ではないやさしい甘さとフルーティーな味わいをプラスできる。
砂糖や飴色タマネギと同様にトマトやうっかりして入れ過ぎたワインの酸味を低減させまろやかにする効果がある。
(すりおろし)リンゴや梨、バナナ、パイナップル等を使ったレシピも存在する。
入れる量によっては、果実の香りが芳醇に感じられ全然隠れてないがこれはこれでおいしい。
無論、好みが分かれる組み合わせなので、苦手な人は無理に入れなくても一向に構わない。

◆味噌
これも隠し味要素。旨味の塊である味噌は入れるだけでコクが増す。
入れるときはあらかじめ水またはワインであるいは面倒なら煮汁をすくって溶いておくとスムーズに混ぜられる。
煮込む過程で味噌独特の風味が飛ぶので、ミートソースの風味を損ねることはない。
どうしても味噌風味で食べたければ仕上げに"追い味噌"でもしたらいい。つかそれもうミートソースじゃなくて肉味噌パスタになってそうだが。
欲張ってあまり入れ過ぎないのがミソ。なんちって。


※追記募集


追記、修正は、ミートソースをおかわりしてからお願いします。

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