SCP-1656-JP

登録日:2020/07/07 Tue 21:16:49
更新日:2020/07/21 Tue 05:28:03
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-1656-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は「隙間女とアンダーベッドマン」
オブジェクトクラスは「Safe」で、JPのコードが示す通り日本支部の管轄にある。

そもそも隙間女とアンダーベッドマンって何?

ご存じの方も多いだろうが、これはSCPができるよりはるか前から流布している都市伝説の一つ。

  • 隙間女
一説には原型は江戸時代からあるとされる非常に歴史の古い都市伝説。

ある日のこと、一人暮らしをしているある女学生が部屋の中でだれかの視線を感じた気がした。
もちろん、部屋には彼女(彼)の他にはだれもいない。気のせいかな……そう思って彼女(彼)はそのことを忘れてしまった。
ところが、その日以来彼は毎日のように部屋の中で誰かに見つめられているような感覚に襲われるようになった。
部屋はアパートの3階なので外から覗かれているとは考えにくい。
部屋のどこかに誰かが隠れているのではないかと思い家捜しをしても見たが、もちろんその努力はむだに終わった。
自分はおかしくなってしまったのだろうか……そんなことも考え始めるようになった時、彼女(彼)はついに視線の主を発見する。
彼女(彼)の部屋のタンスと壁の間にあるほんの数ミリの隙間の中に女が立っており、じっと此方を見つめ続けていたのだ。
(Wikipediaより引用)

  • アンダーベッドマン
英語で呼ぶよりも、日本語で「ベッドの下の男」と言った方がイメージしやすい人も多いだろう。
アメリカ発祥の都市伝説とされる。

マンションで一人暮らしをしている女性の部屋に友人が遊びに来た。
部屋にはベッドが一つしかないので、自分はベッドに寝て、友人は床に布団を敷いて寝させることにした。
夜も更けて寝ようとする女性に、突然友人は外へ出ようと誘う。
あまりにしつこく誘う(コンビニに行こうと言いだし、女性が「一人で行けばいい」と言っても、どうしても一緒に行きたいと強引に誘うパターンが多い)のでしぶしぶ部屋を出ると、
友人は血相を変えて彼女に「ベッドの下に包丁を握った男がうずくまっている」と言った、という話。
(Wikipediaより引用)


どちらの話も非常に古いものであるため、派生パターンもまた多く、細かいバリエーション違いにより種々噂されている。

概要

では、肝心のSCP-1656-JPについて。
モノ自体はとある特性を持った家具群である。本棚やタンスなどの「壁に密着する大型家具」のSCP-1656-JP-Aとベッドやソファなどの「足のあるタイプ」のSCP-1656-JP-Bがある。

で、異常な特性だが、コイツはオブジェクトとしては逆に珍しい直球の幽霊が関わるオブジェクトである。
それぞれの家具は一定の条件を満たすと幽霊が出現するのである。

その条件とは、「家具と床や壁の間に隙間がある」。これだけ。
出現する幽霊は、 隙間の厚みに応じてその厚さを変じさせる 。幽霊だからなんでもアリとはいえシュールである。

それぞれの家具群は出現する幽霊の傾向が異なり、-Aは部屋の中の住人を凝視して時折身じろぎして隙間から這い出ようとする女性型幽霊を出現させる。
家具と一緒に被験者を部屋に置いて実験したところ、およそ半数が幽霊の行動に苛立ちや焦燥感を覚え、残りの半数は好意・愛情を感じた。
一方、-Bは 凶器を持った害意を伴う男性型幽霊 を出現させる。-A同様に被験者と同じ部屋に置いて実験したところ、 被験者のほとんどは恐怖を感じた 当たり前だ

で、この幽霊たちは何をするかというと……






何もしない。





……うん、本当に何もしないんである。出現した幽霊は一定期間が経過すると勝手に消滅し、再び別の幽霊が湧いて出て同じ行動を繰り返す。
こちらからの問いかけなどに応じることもなく、ただ現れては部屋の中にいる人をビビらせるだけ……。
物理的に攻撃してくるわけでもなければ、別に呪いをかけてきたり、精神汚染を仕掛けてくるわけでもない。逆に生者に何かしらメリットをもたらしてくることも一切ない。
本当にこのオブジェクト、 隙間女とアンダーベッドマンを再現するだけ のオブジェクトなのである。なんだこのわけのわからん代物。
そりゃ納得のSafeだわ。

補遺

これだけだと本当にわけのわからんオブジェクトなのだが、補遺まで読むとようやくコイツの正体がわかる。
実はこのオブジェクトにはもう一つ特性がある。
それは「近づいた霊的実体を家具の中に吸い込む」というもの。
……まぁ普通の人には縁のない特性である。ゴーストバスターズなら欲しがるかもしれんが。
財団には霊的特性を持ったオブジェクトも収容されており、これらオブジェクトが勝手に吸い込まれたら「確保・収容・保護」の理念に反する、ということでSCP-1656-JPの収容されているサイトにはいかなる霊的実体も持ち込んではならないことになっている。

調べたところ、SCP-1656-JPの内部には青い燐光を伴う何かが塗布されており、どうもこれが幽霊を吸い寄せる効果を発揮しているらしい、と推測された。
こんなものが偶然できるわけもないので、「誰かが幽霊を吸い寄せる目的で作ったのでは?」と財団は考えている。


で、もう一つの補遺。
とある山中にて、財団のエージェント部隊が 投棄された霊的実体の付着した家具を発見 。すぐさま回収・調査された。
これはSCP-1656-JPと同様の特性を持っていたが、内部に 組成不明の粘着物が塗布されており、吸い込まれた幽霊をすぐさま拘束・無力化 するようになっていた。
そのため、これら粘着物が塗布されているタイプは隙間があっても隙間女とアンダーベッドマンを出現させることはない。
財団の追加調査で全国のゴミ捨て場や不法投棄現場で同様の特性を持った家具が発見されている。













……で、結局SCP-1656-JPって何?




誰かが作った幽霊ホイホイの未完成品。

以上。





追記・修正は家具の隙間を見つめながらお願いします。



CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1656-JP - 隙間女とアンダーベッドマン
by kyougoku08
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1656-jp

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最終更新:2020年07月21日 05:28