ゴーストバスターズ(映画)

登録日:2024/02/15 Thu 17:45:15
更新日:2025/04/13 Sun 21:40:25
所要時間:約 12 分で読めます




ややや(If There's Something Strange)

ケッタイな(In You're neighborhood)

誰を呼ぼう?(Who You gonna Call)

ゴーストバスターズ(GHOST BUSTERS!)を!


『ゴーストバスターズ(原題:GHOST BUSTERS)』は、1984年に公開された、米国のSFホラー・コメディ映画。
製作・監督はアイヴァン・ライトマン。
脚本をダン・エイクロイドとハロルド・ライミスが担当した。

出演はエイクロイドとライミスの他、ビル・マーレイ、シガニー・ウィーバー、リック・モラニス、アーニー・ハドソン等。

既にキャリアを固めていた者も少なくなかった彼等だったが、本作の成功により更に時代を代表する名優、名バイプレーヤーとして活躍していくことになる。

レイ・パーカーJr.によるメインテーマ曲『GHOST BUSTERS』も、その余りのキャッチーさから一度聞いただけで忘れられなくなることは請け合いで、同年の全米ヒットチャート1位を獲得。(日本でも同年のオリコン洋楽ヒット1位。)
世代を経ても色褪せない、映画史に残る名曲中の名曲の一つとして記憶されている。
そして、日本ではお馴染みの戸田奈津子女史による“やややケッタイな”という古風でカオスな和訳歌詞により長年に渡りネタにされると共に親しみを持たれ続けている。



【概要と歴史】

一つの映画の中にSF&オカルトホラー&コメディの要素を満遍なく詰め込んだ、80年代を代表するエンタメ作品の代表格であり、作品の大ヒットと共に玩具やアニメといった多方面へのメディア展開を遂げて、当時を代表する人気IPとなったことでも知られている。

1981年に公開された、同じくアイヴァン・ライトマン監督作品で、ビル・マーレイとハロルド・ライミスが主演を務めた『パラダイス・アーミー』からの流れを汲む縁から誕生した作品である。
そこに、マーレイ、ライミスと同じくコメディ集団“セカンド・シティ”の出身で、マーレイと共に人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の出演者として活躍していたダン・エイクロイドが自らの企画を持ち込む形で合流したことが本作の誕生のきっかけとなった。

中心的な活躍をしたライトマン、エイクロイド、ライミス、マーレイ等は、後に“ライトマン一家”と呼ばれるチームとして認識されるまでになる。

本作の大成功によりライトマンはハリウッドにて確固たる地位を築くこととなり、以降はヒットメーカーとして、当時の一番人気俳優であったであろうシュワちゃんのコメディ路線映画にて監督を務めたことでも知られている。

続編として、1989年に『ゴーストバスターズ2』が公開。
……こちらもヒット作となり更なる続編も期待されていたのだが、複雑な事情もあってか長期間に渡って企画が迷走してしまったことでも(悪い意味で)有名。
そして、遂には絶対に外せない中心人物の一人であるライミスが2014年に逝去してしまったことで、待望されていた“ライトマン一家”が再集結する形での企画の実現はついぞ果たせなかったのを惜しむ声は止まないが、下記の紆余曲折を経て実はシリーズは再起動に成功している。

2016年に複雑な経緯を経て、リブート版『ゴーストバスターズ(2016年版)』が公開。
……が、オリジナルシリーズの続編を待ち望んでいたファンからは失望の声が挙がり、女性チームにアレンジされたことで色々と面倒な論争まで起きてしまうことに。
その一方で(続編の実現の最大の障害となったと思われていた)ビル・マーレイが特別出演したことがファンの間で大きな話題となった。

そして、2021年にはライトマンが製作総指揮、息子のジェイソン・ライトマンが監督をする形で『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が公開。
此方は、当初に予告されていたリブート版の続編ではなく、オリジナルシリーズである『ゴーストバスターズ2』の続編として製作されるという、完全に途絶えたと思われていた系譜の復活となった。
前作(●●)よりビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、シガニー・ウィーバー、アニー・ポッツというオリジナルキャストが再出演したことで話題となった。

そして、上記『~アフターライフ』の好評から、2024年に『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』が公開されることに。
当初は、前作に引き続きジェイソンが監督をすると予告されていたが、後にジェイソンは製作に回り、共同原作・脚本のギル・キーナンが監督を引き継ぐことが報告された。

……このように、現在では世代を跨いで“ライトマン一家”が手掛ける『ゴーストバスターズ』が完全復活しているという、ファンにとっては長年の懸念やリブート版公開時の論争が嘘だったかのような恵まれた状況となっている。

……さて、そうした本国の長期間に渡る熱狂と失望の歴史とは違い、アニメや玩具展開が積極的にはされていなかった日本では“当時の人気映画”止まりの認識と知名度なのだが、例外的に日本でも知られている本作の関連商品としてファミコンソフトがある。
同作は、理不尽な難易度とゲーム自体のつまらなさからクソゲーとして名高く、そっち方面では非常に知名度が高い。
なので、映画を知らない、見たことがないという世代や層にまで知られている程。
現在までには一応のクリア方法は確立されているのだが、設定ミスにより国内版のEDでは“りり”という、謎の二文字のみが表示されてしまうことでも有名である。


【物語】

大都会ニューヨーク……科学文明の発展を謳歌する世界的最先端の都市で、密かにゴースト達の目撃情報が囁かれるようになっていた。

超常現象を専門にしていると嘯き、コロンビア大学にてお情けの研究室を与えられている、
才能はあるが扱う分野がニッチかつ、研究がマニアックすぎて世間には全く認められていない、
ピーター、レイ、イゴンの腐れ縁で結びついた三十路男三人組は、(引き気味のピーターを他所に)今こそ自分達の研究の成果を試す時とばかりにゴーストの目撃情報が出たというニューヨーク公共図書館へと出向き、視認出来る程に実体化していた“それ”と接触することに成功する。

初めての研究成果に掌を返したように大はしゃぎするピーターも交えて、喜び勇んで大学へと戻ってきた三人だったのだが、タイミング悪く待ち構えていた、予てより三人を心良く思っていなかった学部長より唐突に研究の打ち切りを通達されて強引に大学から追い出されてしまうことに……。

落ち込むレイとイゴンに対し、怒り心頭のピーターは自分達の才覚で商売を始めればいいと放言をかまし、先程のゴーストとの接触から得られたデータから幽霊の捕獲すら可能という結論に至っていたレイとイゴンを何とかその気にさせて説得。
遂にはレイに唯一の財産である邸宅を抵当に入れさせる形で軍資金を得ると、装備を開発して世界初の幽霊退治専門業者“ゴーストバスターズ”を開業するのだった。

当初は泣かず飛ばずで、このまま借金の支払いも出来ぬままに首を括るのかと嘆いていた三人だったが、最初の客として近所の高級アパートに住むディナが自室で起きた怪奇現象の調査の依頼の為に三人の元を訪問する。
ディナに一目惚れしたピーターはディナと親しくなるためにインチキ探査装置を持ってディナ宅を訪問。案の定で異常は見つからなかったものの、強引にディナを口説きまくり、いい意味でも悪い意味でも印象を残すことに成功(?)する。
しかし、タイミング良く(悪く)異常がみつからなかっただけで、ディナの部屋に起きた異変とニューヨークで突如として実体化したゴースト達の目撃情報が増えてきていたことは全てが関連した事象であり必然であった。

ディナからの依頼も不発に終わったとして、最後のなけなしの金で豪華なディナーを楽しんでいた三人だったが、そこへ老舗の高級ホテルからゴーストの出現情報が寄せられ喜び勇んで初出勤する三人。何もかもがぶっつけ本番のゴースト退治だったが、どうにか捕獲に成功して報酬を得る。
その後、街ではゴーストの目撃情報や怪事件が急増。一転してゴーストバスターズは昼夜を問わずに出動を強いられる人気商売となる。
世間からの注目も上がりまくりだったが、余りの過酷さから三人は新たに海兵隊上がりの黒人青年ウィンストンを雇い入れるのだった。
そして、忙しい日々の中でも除々に、しかし確実に距離を縮めていくピーターとディナ。

……しかし、ディナの部屋に起きた異変は遂に形を成し始め、一方ではゴーストバスターズの存在に懐疑的な市のお偉方(環境保護局)のペックが訪問。
ペックの高圧的な態度に腹を立てたピーターが売り言葉に買い言葉で抵抗したこともあってか、完全に睨まれてしまうことに……。

そして、いよいよピーターがディナとの初デートにこぎ着けたタイミングでイゴンが懸念していた、ニューヨークに迫りつつある巨大パイ=古代メソポタミアの邪神ゴーザを復活させようとする門の神と鍵の神はディナとルイスに取り憑く。
そして、プライドが傷つけられて怒り心頭のペックはゴーストバスターズが違法行為を働いているという適当な罪をでっち上げると電力会社と警察を引き連れて本部を急襲……。
強引に容量いっぱいになりかけていたゴースト保管庫をピーターやイゴンが止めるのも聞かずに止めてしまうのだった。

そして、解き放たれたゴースト達がニューヨーク中に混乱を引き起こす中、遂に“審判の日”がやって来る……。


【主な装備】

『ゴーストバスターズ』がヒット作となった要因の一つには、主人公達が使用する魅力的なコスチュームとオリジナリティの高い装備品の数々がある。
コスチュームに関してはぶっちゃければただのツナギなのだが、そこにプロトンビームのバックパックを背負えばゴーストバスターズ以外の何者でも無くなるという強烈な説得力が生まれてしまうのである。


■プロトンパック(ビームパック)

イゴンの理論により完成した、ゴースト捕獲用の陽子(プロトン)ビームを放つトンデモ装備。
普通の物質に向けた場合には危険極まりない破壊光線以外の何物でもないが、実体が存在しない、かつ同じ陽子的な活性化により存在が安定して見えるゴーストに対しては、その霊体を捕らえて動きを封じることが可能(……なので、早くゴーストを捕まえないと作中のように時間がかかるだけ周囲への被害が甚大になる)。
なお、ビームの軌道は真っ直ぐではなく、うねる・たわむ・オマケに反動もあるため狙って当てるのは難しく、余計に周囲への被害が広がりかねない。*1
非常に強力だが、更に厄介なのはビーム同士を交錯させると陽子反転が起きてしまうことで、この状態となると接触した物質は陽子崩壊を起こして消滅してしまう畏れがある。……が、最後の戦いでは「他に手はない」として、ゴーザの神殿を四人の合体ビームで強引に消滅させることで勝利している。
何処からこれだけのエネルギーを生み出しているんだ、とツッコミたくもなるが、実は背中に背負ってるバックパック自体が超小型原子炉であり、其処から莫大な電力を生み出しているのである(……寧ろ、そっちで特許を取ったほうが大儲けできるよイゴン……)。
なんなら次回作では「電池は5000年持つはずだよ」とさらっと言われてる。凄くない?*2

■ゴーストトラップ

ゴーストを捕獲する際に使用する小箱。これを開くと特殊な力場が発生し、そこに先述のプロトンビームで拘束したゴーストを巻き込み、そのままトラップ内部へと呑み込ませることで一連の捕獲作業が完了する。作動時に発する閃光は非常に強烈なため、直視は禁物。
理論的には陽子的特性(+)を持つゴーストとは反対の電子的特性(-)により脱出不可能にする……というものらしい。

■ゴースト保管庫

ゴーストバスターズの本部に設置されている、現場から持ち帰ったゴーストをトラップから移して封印状態にしておくための装置。
……“保管庫”と名付けられていることからも解る通りで、あくまでもゴーストを留め置いておく機能しかない──つまり、強制的に霊体を分解するとか昇天させるとかでは無いため、捕獲したら捕獲した分だけ拡張でもしない限りはいつか限界が訪れるという、中々にリスキーな設備である。
そして、そのせいで映画終盤のゴースト再発生が起きることに。

■PKEメーター

霊的エネルギー(Psychokinetic Energy)を感知できる装置で、ゴーストバスターズ結成以前からイゴンが自作して冒頭の図書館での調査でも用いていた。
人気のガジェットとして商品化もされている。

■ゴーグル

特別な名称は付いていないものの、ゴーストバスターズ結成以前からレイが使用していた。
遭遇したゴーストの位置を追跡出来る暗視ならぬ霊視ゴーグル。

■ECTO-1

古い型の救急車(1959年型キャデラック・コマーシャル・シャーシ)の手頃な中古車をレイが改造したゴーストバスターズの専用車。
事件が発生すると昔懐かしくもけたたましいサイレンを響かせながら発進していく。
……単なる中古車なのだが、カラーリングやアレンジされたデザイン共に非常にキャッチーで人気が高い。


【主要登場人物】


ゴーストバスターズの関係者


■ピーター・ヴェンクマン
演:ビル・マーレイ
心理学と超心理学の(自称)権威。
全く学者らしくない位に軽薄だが、それだけに高いコミュニケーション能力を持つゴーストバスターズの対外交渉役。口八丁手八丁で相手を丸め込むさまは下手すりゃ詐欺師レベル。
尚、普段のおちゃらけた態度とは裏腹に本当に危険なことや異常な事態については冷静な学者の目で分析と判断を下す。

■レイモンド・スタンツ
演:ダン・エイクロイド
物理学者。通称は「レイ」。
高い技術力を誇るゴーストバスターズのリーダー(とピーターに勝手に紹介される)。
超常現象オタクで、様々な超常現象の記録に詳しい。
子供っぽい性格の持ち主で、古い消防署を改装したゴーストバスターズの本部を購入する際もピーターとイゴンが何とかケチを付けて値切ろうとしていたのに、レイがはしゃぎ回っていたせいで言い値で購入する羽目になった。
古い救急車を改造した「ECTO-1」や、ゴースト保管庫の管理と設備を引き受けている。
何かと損な目に合うプチ不幸体質だったり、肝心なところで凡ミスをしでかしてしまうところがあり、そのせいで終盤大変なことに……。

■イゴン・スペングラー
演:ハロルド・ライミス
物理学者。
レイとはまた別のタイプの超常現象オタクで、徹底した実地調査とサンプル回収に拘るタイプ。
また、検索好きで様々な故事から必要な物事を調べ上げる能力に長けている。
ゴースト捕獲用の装備はイゴンの理論と開発により製作されている。
朴念仁の変わり者で、初代となる本作では散々にジャニーンにモーションをかけられていたのに全く気付く様子がなかった。

■ウィンストン・ゼドモア
演:アーニー・ハドソン
ゴースト騒ぎで多忙になったため雇った新人隊員。
アフリカ系の黒人青年で敬虔なクリスチャンの模様。
初代では少し影が薄く*3、映画本編では語られていないが元海兵隊員という設定がある。本当に初代では影が薄く例のファミコンソフトではハブられている。*4
とはいえ他三人がどこかズレてたりマイペースだったりなのに対し、唯一世間一般的な目線で物を見ることができる人物でもある。

■ジャニーン・メルニッツ
演:アニー・ポッツ
ゴーストバスターズの秘書で本部の電話番。
当初は閑古鳥が鳴いていた為に暇そうにしていたが、忙しくなってからは忌々しげに電話を見つめていた。
イゴンのことが好きなようで積極的にアプローチしていたのだが、全く相手にされていなかった。


その他の人物


■ディナ・バレット
演:シガニー・ウィーバー
歴史あるオーケストラに所属する女性チェリスト。
自宅の冷蔵庫の中に空中に浮かぶ神殿を目撃したことからゴーストバスターズに相談を持ちかけたことをきっかけとしてピーターに一目惚れされることに。
当初は袖にしていたが、どんどん有名になっていくピーターを見ている内に気になる存在となっていったようで、経過報告という名のデートを受けたタイミングで“門の神ズール”に取り憑かれてしまう。リプリーのイメージが根強いので意外な気もするが、当時の中の人は普通にか弱い女性も演じていたのだ。

■ルイス・タリー
演:リック・モラニス
ディナの向かいの部屋に住む会計士。
独立して4年目の風采の上がらない小男。
KYで打算的な性格の持ち主で、ディナに気があるものの避けられ続けていた。
自宅に大勢の顧客を招いてパーティを開いていた所で出現した“鍵の神ビンツ”に取り憑かれてしまう。
しかし、そのお陰で念願だったディナと結ばれてゴーザを降臨させることに。

■ウォルター・ペック
演:ウィリアム・アザートン
NY市の環境保護局の第三支局部長。
予てより世間を賑わせていたゴーストバスターズの活躍に懐疑的であったようで、単身での抜き打ち調査を行った際に似た者同士のピーターに侮辱されたと感じたことから、後に実態を調べてもいないのにゴーストバスターズが違法行為をしているとして強制的に営業を停止させようとした。
自身のプライドと思い込みのみで行動する無能であり、ゴースト保管庫を停止させた際の混乱も強引にゴーストバスターズの責任にして勾留させた。また高圧的な性格かつ有無を言わせぬ性格でもあり、自身が連れてきた業者がゴースト保管庫の停止の反対を提案した際には一喝した。だが今度は連れてきた警官にゴースト保管庫の停止を命令すると「いちいち指図するな」と強く反論された。
しかし、事態が混迷を深める中で市長により追放されるざまぁな結果を迎え、更に運の悪いことにゴーストバスターズがマシュマロマンを倒した(より正確にはゴーザの神殿を破壊した)時に真下にいたことで大量の溶けたマシュマロを浴びた。
尚、中の人は今度は『ダイ・ハード』『ダイ・ハード2』にて、イエロージャーナリズム全開の無能レポーターという嫌われ役を演じることになるが、本作を含めて映画が大ヒットするのに反比例して、プライベートにて子供から石を投げられたりバーで絡まれたりと辛い目にも遭ってしまったのだとか。
一方で、上述の大量のマシュマロを浴びるシーンでは非常に危険な撮影だったにもかかわらずに快く引き受けている役者魂の持ち主であることはもっと知られてもいい。(最新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』でも復活しているぞ!)

■市長
演:デヴィッド・マーギュリーズ
NY市長。
ゴーストの解放後の異変について、当事者からの事情としてゴーストバスターズとペックの双方から意見を聞き取り、ペックを追放してゴーストバスターズを釈放する。『2』にも登場。

■イヴォ・シャンドア
演:無し
破壊の神ゴーザが顕現することになった元凶。既に故人。
オカルティスト兼建築家兼医者という経歴の持ち主だが、イゴンによれば「不必要な手術を行っていた」らしい。
彼の設計したビルはこの世と霊界をつなぐ扉となっている。つまりゴーストを集めるために意図的に建てられたもの。
1920年にゴーザを崇拝する秘密結社を組織し、第一次大戦後に多数の信者たちと共に自身が設計したビル(即ちディナやルイスの住んでる建物)の屋上で儀式を行い、世界の破局を祈ったとのこと。
今作ではレイやイゴンから言及される程度の人物だったが……。

■主なゴースト


■ライブラリー・ゴースト
その名のように、劇中で最初に姿が確認された図書館に取り憑いていた本好きの老女のゴースト。
元から取り憑いていたのかもしれないが、NY全体で霊的エネルギーが高まったことにより姿が見えるほどに実体化・ポルターガイスト現象まで引き起こせるレベルに達したのだと思われる。
強引に捕まえようとした三人組を恐ろしい姿になって追い返した。

■スライマー
老舗の高級ホテルの12階にて昔から存在が囁かれていたという緑色のブサイクな食いしん坊のゴースト。日本公開時には「オニオンヘッド」という名前が付けられていた。
人間離れしたジャガイモみたいな姿をしているのは余りに幽霊となった期間が長いからか、霊的エネルギーの活性化により完全に人間を止めたからか。
ゴーストバスターズの記念すべき(正式な)初仕事の相手となり、三人組は散々にホテル内を荒らしまくりつつも捕獲に成功した。
そのキモかわいいデザインから、マシュマロマン等と共に『ゴーストバスターズ』シリーズを代表するマスコットとなっている。
モデルとなったのはジョン・ベルーシというコメディアン。エイクロイド等と同じく“セカンド・シティ”の出身で、特にエイクロイドとはプライベートでの関係を反映したかのような『ブルースブラザーズ』に於ける義兄弟にして相棒であり、豪華メンバーを従えたバンドのメインボーカリストとしても知られる。前述の『サタデー・ナイト・ライブ』の伝説的な初期メンバーの中でも、更に別格的な人気を誇った天才的なパフォーマーであった。
彼は本作にも出演を予定されていたが、82年に薬物の過剰摂取で亡くなってしまっている。

■テラードッグ
“門の神”と“鍵の神”のこと。
角の生えた巨大なのような怪物の姿をしており、憑依相手として目を付けたディナとルイスを追跡した。
ルイスに取り憑く場面では周囲の人間には視認されていなかった。
一方、ゴーザの復活後はディナとルイスが変身する形で姿を変えているのでこの時には実体化していたと思われるがゴーザが倒されると共に死滅し、中からディナとルイスが救出された。

■ゴーザ
演:スラビトザ・ジャバン/声:パディ・エドワーズ
古代メソポタミア(ヒッタイト)の伝説に残る破壊の神。
前述のようにイヴォ・シャンドアと彼の率いる邪教集団に信仰されていたらしい。
そして、数十年を経て遂に蓄積された霊的エネルギーの飽和がニューヨーク全体でのゴースト騒ぎと、エネルギーの交差点に位置するディナの部屋とルイスの部屋での配下にしてゴーザを現世に降臨させる力を持つ“門の神(ズール)”と“鍵の神(ビンツ)”の出現と相成ったわけである。
本来は姿を持たないが故に様々な姿で顕現することが可能であり、過去にも敵対する者達の“最も恐れる姿”となって滅亡をもたらしてきた。
ゴーストバスターズの前に姿を現した時には角刈り女の姿だったが、いざ破壊の相を顕す段階にて「お前達(ゴーストバスターズ)に姿を選ばせてやる」と宣告。
意図に気付いたピーターに「頭を空っぽにしろ。何も考えるな」と散々に注意されていたにもかかわらず、うっかりと平和なイメージで誤魔化そうとする→子供時代の思い出を回想してしまう→\(^o^)/……という流れでレイの思い浮かべた巨大な“マシュマロマン”が出現した。*5

■マシュマロマン
上述の通りでゴーザがレイの思考を読んで変身した今回の“破壊の相”……余りにファンシーすぎやしませんかね。
その、キャッチーでカワイイが巨大なマスコットがNYを破壊しにかかるというインパクトから人気の高いラスボス。(神殿を破壊した巻き添えで消滅したので実際に戦う訳ではないが)
件のファミコンソフトではどうやって進めていいか解らない内に時間経過と共に出現して街を破壊してゲームオーバーにしたり、苦労して階段を上がって辿り着いたラスボス戦ではゴーザと戦っている間に下から迫ってきて、倒しきれずに屋上まで上がられるとゲームオーバーという仕様なので勘違いされている方もいるかもだが、映画本編ではゴーザ自ら(?)が変身した姿である。


【余談】


  • 主題歌『ゴーストバスターズ』は前述の通りで映画史に残るヒットナンバーとなると同時に、当時の人気グループであるヒューイ・ルイス&ザ・ニュースより彼等の楽曲である『アイ・ウォント・ア・ニュードラッグ』に“似ている”として訴訟を起こされている。(1995年に和解が成立するも、2001年には内情を暴露したとしてレイが逆提訴)
    尚、曲が似てしまったのは配給元のコロンビア映画がヒューイ・ルイスに本作のテーマ曲の製作、及び件の楽曲の使用を打診したがどちらも断られたことからレイ・パーカーJr.に“似た曲を作るように”との指示を出していたからである。
    尚、翌85年にはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌『パワー・オブ・ラヴ』を送り出し、こちらも映画史に残るヒットナンバーとして記憶されることになった。

  • 『2』から後の続編企画に於ける最大の障害と見なされていたビル・マーレイだが、授賞式のプレゼンターとしてバスターズのコスチュームで登場したり、特別出演した『ゾンビランド』でもゴーストバスターズのパロディを盛り込ませたりと最も思わせぶりな行動(ファンサービス)を取っていたのもビル・マーレイである。

  • 先に述べている通りで続編を関係者からもファンからも望まれていたが果たせなかった(期間が長くなりすぎた)本作シリーズだが、実は09年にアタリ社から『ゴーストバスターズ・ザ・ビデオゲーム』として、リアルな3Dモデルで見事に世界観を再現したアクションアドベンチャーゲームがPS3やXbox 360といったマルチプラットフォームにて発売されていた。
    日本では知名度は今ひとつだが、実はオリジナルキャストが(ビル・マーレイも含めて)声優として参加、シナリオも元々は続編の予告として出されていたものに近いということから、ファンの間では実質的な『ゴーストバスターズ3』と呼ばれていた作品である。
    2019年に再リメイクされており、日本でもSwitchとPS4にてプレイ可能である。





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  • 1984年
最終更新:2025年04月13日 21:40

*1 更に言うと、構造上の都合なのか腰だめで撃っている事、着弾時に火花や炸裂音が激しく飛び散りゴーストが移動したのも確認できず尚も撃ち続けてしまう事など、命中精度の低下に拍車をかける要因がこれでもかとある。

*2 原語だと「Power cells have a half-life of 5000 years.」で訳すと「パワーセルの半減期は5000年だよ」なので環境次第では5000年を越えてもまだ動くものと思われる。\すげえ/

*3 出番が少ないのはキャスティングや脚本の都合らしい。近年になって明らかになってきた話では、元々はダン・エイクロイドは『サタデー・ナイト・ライブ』の共演者であったエディ・マーフィにオファーするつもりでいたのが、当のエディには同年公開の『ビバリーヒルズ・コップ』の撮影が決まったことで断られてしまい、その後も何人かの候補が出る中でやっとアーニー・ハドソンに決定したとのことで、元々は初代の時点でもちゃんと存在感のあるキャラクターにするつもりだったのが上手くいかなかったのが不自然にも影が薄い原因だったらしい。その証拠かキャストが固定された『2』以降はウィンストンは重要な役回りのキャラクターとなっているのは周知の通り。

*4 まあ他三人も誰が誰だかさっぱりわからないけど。

*5 レイが子供の時にキャンプの時によく食べていた“ステイパフト・マシュマロ”(という架空のメーカー)のマスコットキャラクター。多分、元ネタとなったのはミシュランのマスコット「ビハンダム」(ミシュランマン)あたりか。