SCP-077-JP

登録日:2020/12/07 Mon 22:57:33
更新日:2023/05/19 Fri 10:09:24
所要時間:約 6 分で読めます




SCP-077-JPとは、SCP財団日本支部が収容しているSCPオブジェクトである。
タイトルは「過去への暴走」
オブジェクトクラスはSafe。

特別収容プロトコル


SCP-077-JPは、8m四方の耐爆収容室に収容することとなっている。
また、オブジェクトそのもの、及びSCP-077-JP-1への接触は、タイムパラドックスを引き起こす可能性があるため、いかなる理由があっても禁止されている。

…うん、タイムパラドックス?

仮に重大な収容違反が発生した際は、山火事或いは土砂災害のカバーストーリーを施行することとなっている。

説明

SCP-077-JPは、サイト-8177の収容室に28秒間だけ出現する半径3.2mの金属製のドーム。
ドームにはドアとのぞき窓があり、内部の様子を確認することができる。
SCP-077-JPの内部には未知の機器類と、人型実体SCP-077-JP-1が存在している。
SCP-077-JPは防音性が高く、内部の音声は聞き取れない模様。

SCP-077-JP-1は、Dクラスの服装をした、日本人男性と思わしき人型実体。
…ただ、現在のDクラスの服装とは若干ながら相違点がある模様。
またSCP-077-JP-1と身体的特徴の一致するDクラスは、今までの財団記録には存在していない。

特別収容プロトコルの「タイムパラドックスの危険性」といい、なーんか変な感じがするぞ?

SCP-077-JPは、19XX年に某県のとある神社で起こった謎の爆発事故により、財団の目に止まった。
爆発の規模に反して、原因と見られる物体は何も発見されなかった。

だが。
さらに19XX年代、「神社の境内に放電するUFOが現れ、消えた」との宮司の目撃談が財団に報告された。
財団が調べてみたところ、この神社のある山は狐火や鬼火の伝承が多数あり、神社はそれに関係して建立されたものだということが判明。

財団はこれらの関係性を考慮し、継続的な監視を始めることとした。
ちなみに神社は土砂災害の危険性があるという名目で麓に移転、関係者には(いつもどおり)記憶処理が施された。

その後、監視任務にあたっていたエージェントから、SCP-077-JPの出現報告があった。
SCP-077-JPは激しく放電しており、内部には黒煙が充満し、黒煙と火花以外は何も確認できなかった。
出現から約30秒後、SCP-077-JPは一切の痕跡を残さず消滅。
直ちにサイト-8177が建設され、特別収容プロトコルが設定された。
「何、職員、出たり消えたりするから収容室に持ち帰れない?
 逆に考えるんだ、『出現地点に収容室を作っちゃえばいいんだ』って」

サイト完成以降、SCP-077-JPは不定期に出現している…と思ったが、一定の周期で出現することが後に判明した。

以下は出現の記録のログである。
日時 結果 内部の状況
19██年2月18日 激しい放電。28秒後に消失。 散発的な爆発。黒煙が充満し始めている。SCP-077-JP-1は激しく咳き込み、覗き窓から消える。
19██年7月11日 連続的な放電。28秒後に消失。 散発的な爆発。SCP-077-JP-1は全身血だらけになっており、覗き窓を叩き続けている。
19██年4月8日 連続的な放電。28秒後に消失。 内部で爆発が発生。SCP-077-JP-1の姿は確認できず。
19██年5月27日 断続的な放電。28秒後に消失。 装置から火花が出ている。SCP-077-JP-1は覗き窓を必死に叩き続け、何か叫んでいる。映像解析により、日本語で「もう逃げないから助けてくれ」と発言しているのを確認。
19██年5月11日 散発的な放電。28秒後に消失。 SCP-077-JP-1はレバーらしき断片を持っており、内部の装置に対して懸命に作業をしている。
19██年5月14日 金属的な破壊音を確認。28秒後に消失。 SCP-077-JP-1は呆然としている。右手に何かのレバーらしき断片を所持。
20██年5月14日 異常は発見されず。28秒後に消失。 SCP-077-JP-1は内部を見回し、装置の一部を操作しようとしている。
20██年5月14日 異常は発見されず。28秒後に消失。 SCP-077-JP-1は歓喜の表情で小躍りしている。
20██年5月14日 異常は発見されず。28秒後に消失。 SCP-077-JP-1は歓喜の表情で小躍りしている。

…うん?
たぶんあの、長野のハイパーデンジャラスブラックホールに関わった職員なら、何が起こっているのか、一体こいつがなんなのかが大体でも想像がついたはずだ。
SCP-077-JPは、恐らくは財団が未来に作り上げた、或いは何らかの手段で確保したタイムマシンであり、
それを未来のDクラスがなにかの拍子に奪うことに成功し「逃走」に用いようとしたのだろう。
だが、試作機か何か故に不安定だったのか、或いはDクラスの扱いが手荒だった、もしくは知識のない状態で誤った操作を行ってしまい、この「タイムマシン」=SCP-077-JPは故障し過去に向かって「暴走」を始めた…というところなのだろう。

…ちなみに、サイト-8177の建設中に、周辺調査で地中に不自然な金属反応が確認されたようだ。
発掘の結果、数百万年前の地層から、酸化した金属製の人工物が多数発見された。
SCP-077-JPとの関連は調査中だが、十中八九SCP-077-JPを構成していた部品なのだろう…。

ちなみに、次回の出現は、20██年5月14日と推測されている。

ともすれば財団におけるインシデントで片付けられるかもしれないSCP-077-JPとその周辺の出来事だが、
少し考えてみると結構危ういかもしれない。
何しろこいつは未来の財団のタイムマシンを、これも未来のDクラスが乗っ取って「脱走」に用いようとしたことが発端である。
出現地点である神社も、遡れば暴走中のSCP-077-JPを鬼火や人魂と認識した当時の人間が、恐らくはそれらを鎮めるために建立したものであるというのは可能性としては濃厚である。
それどころか、数百万年前に行き着き、SCP-077-JPの残骸と思わしきものが地下に埋まってしまっているのだ。
SCP-077-JPは今や「歴史の1ページ」になってしまっている。

もし、未来の財団がこの報告書が「予知」した、Dクラスの脱走を阻止すればどうなるか。
それだけで歴史が変わってしまうのである。
神社は?地層は?何より、SCP-077-JPのためにわざわざ建設されたサイト-8177は?
そして、それがどんな結果を引き起こすのだろうか?

財団の昨日は、そしてSCP-077-JPの報告書の明日はどっちだ。
あとDクラスの明日もどっちだ。

時をかけるSCP

最後はSCP-077-JPのようなタイムパラドックスの引き金になりかねないSCPの紹介で締めくくろう。

長野県某所で発見された、あらゆるものを飲み込む時空間異常。
時間が経つごとに直径が縮小しているが…。

未来や過去に向かって射撃できる、タイムスリップ機能のついた拳銃。
だがこの銃の機能は飽くまで「タイムマシン」のみであり、過去改変能力は持たない模様。
過去改変のできない、純粋なタイムマシンの脅威とは…



過去へ向けての追記修正をお願いします。



CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-077-JP - 過去への暴走
by shinjimao
http://ja.scp-wiki.net/scp-077-JP

SCP-280-JP - 縮小する時空間異常
by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-280-JP

SCP-710-JP - タイムマシンリボルバー
by yanyan1
http://ja.scp-wiki.net/scp-710-JP

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最終更新:2023年05月19日 10:09