SCP-023-JP

登録日:2020/12/08 Tue 23:54:50
更新日:2025/04/13 Sun 02:49:06
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本列車をご利用頂き、誠にありがとうございます。終点までお付き合い下さいますよう、お願い致します。

SCP-023-JPとは、SCP財団日本支部が確保しているSCPオブジェクトである。
項目名は「影の鉄道路線」


特別収容プロトコル

SCP-023-JPの完全な封じ込めはオブジェクトの性質上困難とされている。
そのため、全国の鉄道会社の協力の下、全ての鉄道駅は常時監視されており、
SCP-023-JPの「入り口」の出現が確認される=収容違反の発生の際は即座にSCP-023-JPの監督官及び機動部隊い-28「駅の工事作業員」に報告される。相変わらずハイセンスな部隊名だ。
機動部隊い-28は、SCP-023-JPの入り口を工事現場に偽装することで封鎖を行う。
また監視映像から、SCP-023-JPへの封鎖前に一般人の誤侵入が発覚した場合、それらは全て記録される。
仮にSCP-023-JPからの生還者が居た場合、SCP-023-JPでの体験を聞き出した後にA~Bクラスの記憶処理を行う。

過去何度もの大規模な収容違反に対して、鉄道会社と協議しカバーストーリーを用意してきました。SCP-023-JPは早急に無効化されなければなりません。 - 日本支部理事"██"

オブジェクトクラスといい、理事の言葉といい、あまりにも不穏すぎるが…。
なにしろ確保収容保護ではなく、明確に早急な無効化というGOC張りの発言までしているのだ。
のっけから「生還者」、「Keterクラス」、「大規模収容違反」、「SCP-023-JP無効化すべし、慈悲はない」と不穏な言葉が連発されている、このSCPは一体なんなのか。

説明

SCP-023-JPは運営者不明の謎の鉄道路線。
SCP-023-JPは日本各地の営業中の鉄道路線の駅になんの前触れもなく干渉し、未知の方法で自身の路線への連絡通路・連絡階段を突如として生成する。
その規模や場所に規則性は見られない。もしかすると、あなたの街の最寄り駅にもSCP-023-JPの入り口が、もうできているのかもしれない。
増設の経過は確認されていないどころか、監視映像においては瞬間的に出現している。

「入り口」や、プラットフォームの様式は、出現した駅の様式に沿ったものとなっており、元々の駅の構造を知らなければ見抜くことは困難。同様に通路内の案内表示も、まるで昔からそこにあったかのような表記となる。
但し、これはSCP-023-JP内のみの話。
既存の表示などは書き換えられることはないため、注意深く観察すれば「こんな通路や路線なんてあったっけ?」と気づくことはできる。

駅の外観に変化はないが、構内はSCP-023-JPとその連絡口の分だけ空間が広がっており、それに合わせて周囲の空間が歪むことも確認されている。

SCP-023-JPの駅への干渉は短くて数分~数時間、長くて数ヶ月~数年で終わり、駅は元通りとなる。
また、SCP-023-JP(の入り口)が、同じ駅の構内で移動することもある。
最も長く干渉が続いている例は、19██/██/██から現在まで現在進行形で続いている某県の某駅らしい。
…まさか、鉄ちゃんから和製サグラダ・ファミリア呼ばわりされているあそこじゃないだろうな?
SCP-023-JPの最初の観測例は1800年代にまで遡ることができる。新橋-横浜間に日本最初の鉄道路線が開業したのが1872年のことなので、日本の鉄道の黎明期からあると言えるだろう。
現在の日本支部の前身の一つである団体が、当時は対処していたとのこと。

SCP-023-JPの「ホーム」には、既存の路線を走るものと同型の列車が発着する。
ただ、この車両の所属は不明。
この列車に乗車した人間は、本来存在しないはずの駅に到着するなどの怪現象に遭遇する。
そして最終的には行方不明となるか、もしくは何らかの悲惨な形となって発見される。

神出鬼没で収容不可能、入ったら怪現象や悲惨な目に逢う、不特定多数の一般人を餌食にする危険性もある、そりゃ納得のKeterだ。

ただし、SCP-023-JPを走る列車が再び通常の駅に乗り入れる例も報告されており、これまでの生存者は全てその様な状況で降車し、助かっている。
列車にまつわる都市伝説の幾つかに、SCP-023-JPと類似するものがあることから、財団がまだ把握できていないSCP-023-JPへの乗車例がある可能性も指摘されている。

手短に言うならこのオブジェクトは、「SCP版きさらぎ駅である。

実験記録





次は…

2011年の実験の映像記録を確認中、実験を担当した博士は映像内の電光表示機の表示が当初と異なっているのに気づく。
電光表示が、

次は オマエダ 

となっていたのだ。
この様な変化は今回の件が初めての模様。
似たような変化を確認した職員は、SCP-023-JPの監督官に報告せよとの通達がでている。

余談

最後の電光表示は元ネタがある。
秩父鉄道に「小前田駅」があるが、この駅に接近する際にカナ表示になると、
次は オマエダ と出てくるのだ。

…初見だとちょっとギョッとするかも。

現在、中国語訳とフランス語訳のバージョンも存在するが、
これについては脚注で「"次はオマエダ"とは、"次はあなたの番です"という意味にもなる」(意訳)と解説されている。


あなたの街の駅、あなたがよく利用する駅、何かおかしなところはありませんか?
急に階段が増えたとか、知らない新線が開通したとか。
それ、もしかしたら、この世ならざる路線の始発駅かもしれませんよ?

追記・修正をお願いしm…

あれ、こんなところに地下鉄乗り場の階段なんてあったっけ?
俺の地元の駅なんて地下鉄自体走ってないはずだけどな。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-023-JP - 影の鉄道路線
by Kwana
http://ja.scp-wiki.net/scp-023-JP

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最終更新:2025年04月13日 02:49