裏バイター(裏バイト:逃亡禁止)

登録日:2021/01/30 (土曜日) 12:53:00
更新日:2025/04/02 Wed 14:18:15
所要時間:約 35 分で読めます







※この先には『裏バイト:逃亡禁止』の重大なネタバレが含まれています。※




裏バイトの心得


1.想像もし得ない事が起こると心得るべし

2.情報収集を欠かしてはならない

3.可能であれば、協力者を求めるべし

しかし、いざという時は…


非情な決断も必要である


この項目はマンガワンにて連載中のWeb漫画『裏バイト:逃亡禁止』に登場する、裏のアルバイターたちの解説を行う。



概要

裏バイターとはその名の通り、「表沙汰にできない闇のアルバイト・裏バイト」に手を染める者たちの総称。日雇い労働者と言い換えても問題はない。
日給1万円などはザラで、中には1つの短期バイトを完遂するだけで数百万円の報酬を獲得できるなど尋常でないほどに破格の収入を得られるため非常にお得。
…というのはあくまで表向きの顔に過ぎない裏だけど
今作に於ける裏バイトとは「この世界に蔓延る怪異が関わってしまった案件に対する人柱」と同義。
怪異に悩む雇用主や逆に利用しようとする雇用主、怪異を表沙汰にせず隠匿したいと考える雇用主が何も知らず金に釣られてやってきた裏バイターを生贄に捧げるべく呼び込んでいるのが、今作における裏バイト業界の実態である。
それでも状況の改善や悪化防止のためならばまだ大義があると言える。
しかし裏取りがかなり甘く、最悪のケースだと怪異自身が目的達成・存在維持のために募集をかけている場合があり、このケースにおいては知らずにやったとはいえ最早斡旋所がやっていることは人類への敵対行為と言える。

裏バイト業界では「裏バイターの死は表沙汰にしないこと」が暗黙の掟となっているため、どれだけ裏バイトで犠牲者が出ようとその死は隠蔽され、決して表沙汰になることはなく業者側も罪には問われない。要は死んだ奴が悪い。
八木は「生き馬の目を抜く外道連中が跳梁跋扈する世界」と例えている。

主人公2人は協力して毎回数十万〜数百万単位の儲けを稼ぎ出しているが、それ相応の命のリスクも背負っている。
「自分の命の値段」を決められるならば挑戦するのも悪くないかもしれない。
作中の描写からすると楽に死ねるだけでも極めて運が良い方なのでオススメはしかねるが。

一応主人公達以外でも生還の目が全くないわけではなく、バイトによっては無事生還したケースも少なからずある。
また、作品の性質上怪異案件ばかり遭遇するだけで、一応怪異と無関係な裏バイトも無いわけではない。
そんな裏バイター達が裏バイトに手を染める理由はのっぴきならない事情であることが殆どなようで、生還したゲストが後のエピソードで再登場することもそこそこある。
とは言え大抵の場合はろくでもない目に遭っており、名前付きのゲストであっても割と容赦なく犠牲になるのだが。



人物

主要メンバー

白浜(しらはま) 和美(なごみ)


ハイ(・・)リスクハイ(・・)リターンのワケあり裏バイト!
ユメちゃんの力でリスクを回避すれば、ロー(・・)リスクハイ(・・)リターンだ!


何らかの理由で世界中を隈なく見て回りたいらしく多額の金を欲している主人公その1。21歳。
金髪のショートカットが特徴のスレンダー美人。身長は170cm程。ユメからはハマちゃんと呼ばれる。
度胸があり、割り切りのいいサバサバした男勝りな性格だが欲に弱くガサツな一面を持つ。飲酒の誘惑にも弱い。
裏バイトに手を染めているため命よりも金を優先する面はあるものの、何だかんだで面倒見が良く性根は善人。
異能の類は一切持っていないが、持ち前の胆力と行動力によって度々窮地を脱している。

偶然同じ裏バイトを受けた黒嶺ユメと共に働き、追い込まれた場合はあわよくば自分だけ助かろうとするも、実はユメとは中学時代にクラスメイトだったことと自分をギリギリで助けてくれていたことを知ったため揃ってバイト先から脱出。
以後はユメの異能を見込んで「ローリスクハイリターン」で裏バイトを攻略すべくコンビで裏バイトを受けるようになり、数多の裏バイトを経験する中で互いに絆を深め合っていく。
…とはいえ、そんなユメの異能を以てしても毎回命の危機に直面しているため裏バイトは早々甘くない。

数多くの裏バイトを引き受けながらも五体満足で生還を果たし、白銀神山での事件からユメ共々生き延びて裏バイトに勤しんでいる事実から注目されており、裏バイト業界内では「不死身の白浜」というまるで杉元佐一のような異名で呼ばれるようになった。
そのご利益に肖ろうとバディを組みたい裏バイターが増えているそうだが、和美本人は断っている。



黒嶺(こくりょう) ユメ


でも今は、私一人じゃないのよね。 二人なら、裏バイトだろうが乗り切れるかもって。


蒸発した両親が残していった借金*1の返済、そして弟妹である(のぞむ)ミライの学費や生活費を稼ぐため多額の金を欲している主人公その2。21歳。
詳細は個別項目を参照。



篠月(しのつき) (だいだい)


わ、分からないッス…レンジで卵温めてたら急に大きな音が…


和美とバディを希望していた女性裏バイターで、水族館スタッフのエピソードにて初登場。
口癖は「〜ッス」。身長は150cm弱*2
詳細は個別項目を参照。




ゲスト

西本(にしもと)


代わりの人間が入りましてね…、私はもうお役御免なんです。


ビル警備員のエピソードで登場した、顔の染みが目立つ中年男性。
厳密に言うと裏バイターかどうか不明で、夜間帯担当の本職による警備員の可能性もある。


受け子たち


何が入ってるんだろうな?


個人向け配送業のエピソードで鞄の受け渡し場所にて待機していた短髪の男、長髪の男、身長の割に頭のデカい小男からなる3人組(ちなみに長髪の男の本業は豆腐屋)。
短髪の男がリーダー格なようで、タイムリミット十数秒前になって到着した主人公2人に「ギリギリだぞ」と苦言を呈しつつもきっちり報酬を支払った。
鞄の中身への問いに「そんなに知りたければ教えてやる」と答えたが、誰も中身を知らなかったため結局鞄の中身は謎のままに終わった。
余談だが短髪の男は「今回は俺じゃない」と述べており、これが初めての裏バイトではないことがうかがえる。


石見(いしみ) 絵里(えり)


私は彼氏から〜「三百万貰えるからお前行って来い」って。


治験のエピソードで参加した裏バイター。21歳。
主人公2人以外では初の裏バイト参加者として描写された。
豊満でグラマラスな体つきをした長髪の女性。乳の大きさはユメにも劣らない。
かなり受動的な性格だったのか彼氏の口車に乗せられて裏バイトに参加した。
しかし4人の中では真っ先に追加報酬の得られる『扉』を開けてしまったことで存在そのものが世界から消え、忘れ去られた。


崎村(さきむら) ゆう


目の前に大金ぶら下がってんのに、尻尾巻いて逃げろって? それでも同業かぁ〜!?


治験のエピソードで参加した裏バイター。22歳。
石見同様主人公2人以外では初の裏バイト参加者として描写された。
当初は大人しく人の良さそうな素振りを見せていたが本性は「他人は出し抜くために存在する」と考え他人を一切信じず、金と他人を利用することしか頭にない守銭奴。
当初は和美とユメの裏バイトを潜り抜ける術を言葉巧みに聞き出そうとしていたが、2人が裏バイトを危険視し始めた途端に掌を返して毒づいていた。


シャーロット天ノ崎(あまのざき)


アナタ達は完璧。私もアナタ達みたいに美しくなりたい。


人形供養のエピソードで参加した裏バイター。
ゴスロリファッションを着用した陰気な痩身の女性で、人形に偏執的な愛情と執着を見せるが同時に激しい人間不信を患っているドールマニア。
曰く付きのレアな人形欲しさに裏バイトへ参加し、開始早々人形を奪って仕事をバックれようとするも裏バイト先の邸宅で監禁されていることに気付けず失敗。
同僚の主人公2人を忌み嫌い部屋に引き篭もって供養対象の人形を愛で続けていたが、ずっと傍にいたためか人形から“気に入られ”、目に見えて衰弱していく。そして一度昏倒し、2人に助けられる。
自分のために食事を作ってくれた2人に対して一度は心を開きかけるも、人形が柱に縛り付けられているのを見て再び心を閉ざしてしまい人形と共に部屋へ立て籠もる。


未帆(みほ)真琴(まこと)


「はーい皆、お茶とお菓子よ〜ん」

「未帆は、いい子だけどその分危なっかしくて…何か、危険なことがあったら助けてやってください」


助勤巫女のエピソードで参加した裏バイター。
長年失踪していた挙句に数百万もの借金を抱えた状態で帰ってきた父親の借金返済のため参加した未帆と、その付き添いで参加した真琴によるコンビ。
未帆は献身的で面倒見が良く、真琴は主義に反することが許せず妥協できない性格と、裏バイターの中では2人とも真っ当。


前任の学校用務員


いざ辞めてみると気になって気になってしょうがないんだ。
あのまま続けていたら何があったのか…。


学校用務員のエピソードで登場した、頭部がやや寂しくなり始めた中年男性。明言されていないが恐らく裏バイター。
学校の教師たちの演出による怪異の恐怖に耐えかね、6日目で退職。
あのまま勤めていたら何が起きたのか気になって仕方ないと語り、主人公2人に何が起こるのか教えてくれるよう頼むが「1週間仕事を続ける」といういちょうさんとの約束を破ったことにより、いちょうさんに胸を抉られ死亡。


緑澤(みどりざわ) 由紀(ゆき)


すみません私で…、嫌ですよねこんな根暗女と。 私もまさか二人きりになるなんて…、でも私だって好きでこんな仕事…


探偵助手のエピソードで参加した裏バイター。
礼儀正しいものの常にオドオドしている小心な性格で、挙動不審気味なクセの強い陰気な女性。アシンメトリーヘアが特徴。
その性分故まともに仕事ができず何度も職をクビにされて気付けば借金まみれになっていたため、多額の金を欲している。
真性のネガティブ気質で自分を「凶星の下に生まれついた」「どうしようもない人間」と卑下し、隙あらばグチグチ自虐に走るめんどくさい一面を持つ。
一方で根が明るくポジティブな和美とは案外相性が良く、業務の中で絆を深め合い友人関係になった。


田所(たどころ) 塔子(とうこ)西(にし) (こずえ)

ブライダルスタッフのエピソードにて登場。
主人公2人と一緒に『オールスターウェディング』で働くブライダルスタッフ…と思われていたが実は2人とも裏バイター。
黒髪でおかっぱの方が田所、髪を染めている方が西。


青木(あおき) 広瀬(ひろせ)黄崎(きさき) リサ


「僕ら、この仕事が終わったら結婚するんです」

「お嬢~ちゃん。 もう変なおじさんは行ったから怖くないプー」


ファミレス店員のエピソードで参加した裏バイターのカップル。ブライダルスタッフのエピソードの後に「結婚」とか嫌な要素にしか聞こえない。
青木は「広瀬」という名字のような珍しい名前で、リサは不審者に怯える子供相手にお面を被って飴をあげるなど優しい性格。
など多少の問題点も無いわけではないが、色々人格的に問題の多い裏バイターの中では比較的まともであり2人の関係も良好。S●Xしていたことを主人公2人には隠せていると思っていたようだが、実際は和美には匂いでバレバレであった。イカクッサ!
とある理由で100万の借金を抱えたらしく、借金返済及び結婚資金を確保するため裏バイトへ参加した。
実はリサは広瀬との子を妊娠中。

バイト中の休憩時間にS●Xしたことを除けば特に問題も起こさず勤務していたが、爆龍真拳の襲撃を受けて一時は恐怖でバイトをバックれようとするも「仲間も助けられないヤツが父親なんかなれない」と勇気を奮い立たせ逃亡しないことを誓って踏み止まり、そして同じタイミングで主人公2人が爆龍真拳の撃退に成功して主人公共々脅威から逃れることに成功した。
その気概は、父親絡みに色んな感情を抱くであろう和美からも「アンタ良い親父になるよ」と認められる程。


高階(たかしな) 朱美(あけみ)


知ってた? この町って今…


空き地探しのエピソードで参加した裏バイター。面長でタレ目気味。
怪異が関わる裏バイトはこれが初めてらしく、ムッキーの姿を一目見てパニックに陥っていた。


崎村(さきむら) えり


ね、良かったら一緒に探さない?


空き地探しのエピソードで参加した裏バイター。
先述の朱美とは名前で呼び合っているため、顔見知りと思われる。
今までに何度も裏バイトを搔い潜ってきたようで、怪異と遭遇するのも恐らく初めてではない。
ムッキーが現れても平常心を保てる和美以上の胆力や、パニックを起こした朱美へ咄嗟に指示する冷静さを兼ね備えている。


(みや) 香織(かおり)


ブキミ。 エビス葬もだけど…この村の人達。 皆、不自然に笑顔で気味悪いわ。


葬儀屋スタッフのエピソードで参加した裏バイター。26歳。
既婚者で、旦那がカルトに心酔して家中の財産を全て差し出し無一文になってしまったため裏バイトへ参加した。
冒頭のセリフは鉢巻石村の人々に対して抱いた印象で、教祖様に貢献できたと嬉しそうに吐かす旦那と村の人々の不自然な笑顔がオーバーラップしたらしく、気味悪がると同時に蔑視していた。
裏バイト自体が初めてということもあってか、村での転落死を目の当たりにして頽れていた。


大熊(おおくま) 重子(しげこ)


喜んでもらって、お金も貰えて、ちょっとした罪悪感で済むなら全然いいでしょ。
私たちの「本当の」家族のためにさ。


人材レンタルのエピソードで参加した裏バイター。ちょい足しによると年齢は主人公2人より4つ程上。
食事を共にし快活に会話するなど、主人公2人との関係も良好。
この人材レンタル以前にも二度の裏バイトを経験しており、「家族みんな私が養ってるような感じ」というユメと似た理由で裏バイトへ参加している。
本編ではバイト先で依頼人の遊び相手や、死別したであろう母親の代わりを演じていた。
幸運にも主人公2人と組めたことで、社用端末に仕込まれていた解脱猫の存在に気付けたため消滅を免れる(この時に端末を「クサイ」と反応したユメを不思議がって実際に自分でも匂いを嗅いでいた)。
こうして主人公2人と橙以外では本当に久しぶりの生還者となった。両親・弟の慎司・妹の和江が待つ家へ帰り、家族揃って賑やかな食卓を囲んでいた。


大家(おおや) 睦美(むつみ)



絶対違うよ! 普段こんなことしないもん! きっと何か、よからぬ理由があるんだよ!


工場作業員のエピソードにて初登場。20歳。外見は橙に少し似ているが、中身は常識人寄り。
当時はこれといった台詞無しのモブ的な扱いだったが、雪まつりスタッフのエピソードにて本格的に主人公2人と共に裏バイトへ挑むこととなる。愛称は「ヤムちゃん」。ヤムチャしやがって…
ユメの作った一瞬怪異かと多くの読者を勘違いさせた人間の雪像に対して「ぜっ…前衛的だね、私は好きだよ」と精一杯のフォローをした。


蔵内(くらうち) (あい)


仕事を続けないと、アナタ達もああなります。


軍手落としのエピソードで参加した裏バイター。29歳。
主人公2人が属した班のリーダーで、他メンバーが怪異に殺されても仕事を熟すことを優先するなど裏バイトに対する理解は深い人物。


安村(やすむら) (わたる)


この図書館に、「ムダイ」って本ありますー?


図書館スタッフのエピソードで参加した裏バイター。18歳。
大学の学費を稼ぐため裏バイトへ応募。学費を全て自分で負担することになっているらしく希少価値の高い本とされている「ムダイ」を売り、その足しにしようと考えていた。


白田(しろた)


イカれてるんだ…このスーパー…


スーパーマーケットのエピソードで参加した裏バイター。目の下の隈が印象的な大人しめの青年。
母がスーパーマーケットで殺されたことからスーパーマーケットの怪人が関与しているのではと考え、正体を知るべく裏バイトに応募した模様。
主人公2人よりも年下のようで、和美がビールを飲ませずコーラを勧めたことから未成年と思われる。
ユメには母と似た雰囲気を感じており、懐いていた。




関連業者

赤川(あかがわ) 京子(きょうこ)


触んなっち! 全部私のだっち。


助勤巫女のエピソードにて初登場。
主人公たち裏バイターに様々な裏バイトの斡旋を行う仲介業者。
眼鏡をかけた長髪の女性で、家政婦のエピソードにて年齢的には更年期だということが判明した。
極度の甘党らしくコーヒーシュガーのみを浴びるように飲み続ける変人であり、自分のコーヒーシュガーに他人が手を伸ばしただけで激昂する*7
そのためデスクには、堆く積まれたコーヒーシュガーのパックが山のようにある。

「裏バイトのススメ」というガイドブックも発行しているが、最近は斡旋した裏バイターたちが悉く失敗(・・)し、収入源である仲介料が減っているため焦りを隠せていない模様。
作中の世界に於ける裏バイトの実情を鑑みると、「失敗」した者たちは全員碌な末路に至っていないのは察しがつく。
自身が仲介していないケースだと仲介料が入らないことで暴走した挙句の果てに「サポートは一切無いから…そのつもりでな」と言う割には普段から裏バイターのサポートに努めている様子はこれといって見受けられず、役に立っていない悪質な業者なのでは?と考察せざるを得ない。
後のエピソードで藍川時子と知り合いであることが発覚し、さらに時子がQのメンバーというのも把握しているのが判明。だが何故か時子とは非常に不仲で、時子の言動にいちいち小学生のようにキレ散らかしていた*8



八木(やぎ) 琢磨(たくま)


尾行は絶対見つかるなよぉ。 見付かったら死ぬと思ってね! アッハッハ!


探偵助手のエピソードにて初登場。
「八木探偵事務所」の所長を務める中年男性。
無精ひげと痩せこけた頬が特徴的な風貌で阿部寛に似ており、自由奔放な雰囲気を纏っている。ただし重度の競馬狂い。
事務所で暇を見つけては喘いでいる女の子のような声を出しながら競馬を聴いているがそのセンス自体はあまりないようで、本編では尺の都合上カットされたが計195万円をスッたりしている*9
温泉宿スタッフのエピソードでも主人公2人にばったり遭遇したりと、順調に準レギュラーポジションへ着き始めている。
詳細は個別項目を参照。


小松(こまつ) 茶々(ちゃちゃ)


プライバシーの侵害ですか? 推理小説なら反則ですか? しかし、これはミステリーではない。


キャンプ場バイトのエピソードにて初登場。前髪の一部分だけ染めているかのように色の異なる黒髪が特徴的。
同業者である八木曰く「優秀な探偵」らしく、理論及びロジックを用いての推理を得意とする。
ミステリーなら反則となる手段も満遍なく使い容疑者を追い込める辺りも含めて、普通の推理物なら文句無しに優秀。
その一方で自身が処理しきれない非合理な事態に発展すると、汗水垂らして動揺していた。
八木と同じくお酒にはめっぽう弱く、和美の作った酒である「ハマちゃんスペシャル」を飲んだ末に酔い潰れて危うく漏らしかけた。
探偵助手2のエピソードラストにて、「ユメの義父母を捜索中に失踪した」と語られた。



藍川(あいかわ) 時子(ときこ)


不用意に空を見上げてはいけないよ。 心を、持っていかれちゃうかもしれない。

気象観測のエピソードにて初登場。
〇〇県に位置する藍川気象研究所の所長・藍川(あいかわ) (ただし)の実娘。好物はカレーライスの模様。
本エピソードまでに登場したキャラとは一線を画す、謎を秘めた空気感を纏う美貌の持ち主。一部の読者からは「ミステリアス美人」「過去最高に正統派美人」「今までのキャラにないセクシーさでクセになりそう」「僕は藍川さんに心を持っていかれました」など人気もひとしお。
それもあって正の見た夢での恐ろしき姿や、神出鬼没めいた登場シーンに「彼女も怪異なのでは?」「既に犠牲になっているのでは?」といった疑念も持たれていた。
ちょい足しでの作者曰く当初の名前は「夢子」の予定だったが、既にユメがいるため変更した。ちなみに白衣の下は暑がりという理由からタンクトップ着用。ありがたや…


黒岩(くろいわ)


でも調べるのも大変だからねえ、うん、タダじゃできないよねぇ。


赤川さんが営む仲介所とは別の裏バイト斡旋業者。
黒い服に虚ろな目、所々抜けて歪な歯並びになった口と見るからに不気味な女性のような風貌だが性別は秘密らしい。
自傷癖もあるのか、腕には無数のリストカット痣がある。
和美の父も黒岩からバイトの斡旋を受けたという。

彼女(?)が斡旋する裏バイトは「黒岩案件」と称され、業務を1つ達成すると専用のスタンプカードに黒岩の顔を模したスタンプが押される。
カードは4×3のマスとなっているが、1つの時点でもそれに見合った情報を和美に与えている。貯まった個数次第でリストカットショーや黒岩ダンスなるものを見せてくれるらしい。
作者によると「ちょっと珍しい職種のアルバイトを扱う特殊案件」とのこと。



依頼人など

黒柳(くろやなぎ) 翔平(しょうへい)

人形供養のエピソードにて登場した雇用主。
〇〇県に位置する「博愛のココロ」においての人形供養部門長。
博愛のココロ自体は大きな看板を掲げているところから「表」の企業だと考えられ、「普通の」人形供養部門は日本全国から集められた人形を供養した後は寄付・リユースしているらしい。
普通じゃない(・・・・・・)人形を供養する「裏」の仕事として主人公2人とシャーロット天ノ崎を雇い、人形と一緒に過ごすことこそが供養になると捏ち上げて外から鍵を掛けられるよう改造を施した家へ3人を閉じ込める。3人が人形に肉体を供えたのを監視カメラで確認すると、最早人間であって人間ではない3人を駅まで送ろうと 迎えに赴いた。
家の中に残されたメモによると、今までも同様の手順で裏バイターたちを人形の生贄にしてきたようだ。


馬岡(まおか)

自然保護監視員のエピソードにて登場した雇用主で、メガネを掛けた青年。
白銀神山で裏バイターと共に整備・清掃・案内などを行っている。
地元住民からの評判も上々で、主人公2人が彼の名前を出しただけで警戒していた住民が態度を一変させたほど。
2人に実地調査との名目で立ち入り禁止区域の調査へ行かせたが、本当の目的は自らの仮説を立証できる確証を得るためにしらかみ様の映像を撮影すること。今までにも何人もの裏バイターを送り込んできたが、誰1人として帰ってこなかった。
なぜそこまでするのかという和美の疑問への答えは
「研究者であるが故に謎を謎のままにはしておけない主義だから」らしい。
悪人ではないだろうが裏バイターの犠牲を殆ど気に留めていない辺り、やはりまともな人間であるとは言い難い。
初めてにして唯一生還した主人公2人が持ち帰った映像でついにしらかみ様実在の証拠を手に入れるが、同時にしらかみ様の真の目的(ホテルに人が集まったタイミングでホテルを襲撃すること)に気付く。
自分だけこっそり車で逃げようとするが途中でしらかみ様に襲われ、ホテルの宿泊客・従業員および地元住民と共に生きたまま食い殺される最期を迎えた。捕食されている最中ながらも自身の研究内容を口にすることで気を紛らわせようという、研究者としての執念は確かなものではあった。
なお、白銀神山の怪談を話すシーンでは主人公2人以外にも複数名のアルバイトが確認できるのだが、それ以降は登場せず裏バイターかどうかも安否も不明である。

草津(くさつ)和田(わだ)

水族館スタッフのエピソードにて登場。
草津はバックヤードツアー担当の雇用主で、和田は草津とは担当が別の従業員。
エピソード開始時点で草津はマザー・フィッシュに魅いられており、マザー・フィッシュとの交信を済ませた後は数日ほど行方を晦ます。そして自身ごと橙をマザー・フィッシュの下へ引きずり込もうとするも現実への執着を思い出され、逃げられる。後に水族館の魚たちから食い尽くされ死亡した。
和田はバックヤードツアーには管轄外のためコメントを避けたが、分からないことがあれば現場に行けない代わりに写真を撮ってくることを指示し教えてくれるなど、人当たりがいい。バイトを終えたユメには嬉しそうに魚のことについて教えていた。和田のモチーフはおそらくさかなクン

宝潤(ほうじゅん)先生


罪の無い人間など、どこにもおらぬわい。

空き地探しのエピソードにて登場。
偉い霊能力者らしく、弟子を連れて〇〇県小坂井町付近に来訪した。
怪異対処の専門家、まさかの登場である。
ムッキーの真実を読み取り、空き地から「子供」の遺体を発見し供養するという対処法を役所の人へ授けた。
子供が虐待されていると知りながら、助けもせずに面白がって噂するだけだった住人に対して憤慨する人格者でもある。

役所の人


では皆様、ご健闘を…お祈りします。

空き地探しのエピソードにて登場した雇用主。
地味なビジネススタイルに身を包んだ地味な女性。役職としては「課長」らしい。
撮影すると空き地の住所が登録されるアプリ入りの端末を持たせ、裏バイターたちを〇〇県小坂井町での空き地探しに送り込んだ。

横尾(よこお) 正平(しょうへい)


私が主任だ! この中で一番偉いんだ!
私が最初に死ぬに決まってる!

葬儀屋スタッフのエピソードにて登場。49歳。右目付近の泣きぼくろが特徴的。
主人公2人と香織を含めた裏バイターたちに裏バイトの詳細を説明しており、恐らく最年長なのもあってか主任を任されている。
村長の家に男性陣のみが泊まりがけで宴会へ出席。その際に洗脳を受けたらしく、予定していた葬儀が完了した時には自分が早く死ぬことを何よりも優先するようになっていた。最終的には火葬炉に生きたまま入って焼身自殺を図ったか、同じく洗脳された人々と共に馬背崖から飛び降り自殺したと思われる。

佐久間(さくま)

映像編集のエピソードにて登場した雇い主。
〇〇県に位置する会社・映像制作ブルドッグに勤めるショートヘアの眼鏡を掛けた女性で、外見的な年齢は主人公2人よりやや上といったところ。
CM制作の仕事を受けており、2人に指示してなぜか映像に映り込んでしまう「覗き魔」と呼ばれる正体不明の男性の映像を消去させる。
映像業界の間では
「『覗き魔』の映像を消すと実体化した『覗き魔』に殺される」
という噂があるのだが、そんな噂は事実無根だと気にしていないような素振りを見せていた。
しかし、実は以前自分の指示に従って「覗き魔」の映像を削除した部下たちが皆行方不明になっているため、本心では噂を信じきっている。
そのため自分の代わりに「覗き魔」の映像を削除させる、つまり自分の身代わりにするため裏経由で2人を雇った*12
だが実はその噂は誤りであり、「覗き魔」の真の性質は「『覗き魔』が映っている間に、その視界から外れると襲われる」というものだった。
それを知らない佐久間は残っていた「覗き魔」の映像の視界外に出てしまい、「覗き魔」を実体化させた。
結果映像の中へ連れ去られ、CMの映像の中にて永遠に苦しむ姿を晒し続ける羽目になった。

織田(おだ) 慎司(しんじ)

農家手伝いのエピソードにて登場した雇用主。
主人公2人と橙を雇い、エヴァルスの宣伝及び収穫を行った。
橙にアヘ顔ダブルピース*13をやらせる*14辺りちゃんと宣伝する気あんのかとツッコみたくなるが、これもエヴァルスの味に絶対の自信があってのこと。
実際エヴァルスは瞬く間に評判となり、テレビで特集が組まれるほどになった。
だが実は本編に登場するのは織田の肉体を乗っ取ったエヴァルスであり、その目的はエヴァルスを出荷して畑──つまり生息範囲を拡大させること。
本物の織田の人格はエヴァルスを食べたことで猿と化し、エヴァルスの畑を彷徨い続けている。
何千年もの時間を過ごすうちに以前の自身のことは殆ど忘れてしまっているが、「エヴァルスを畑から出すな!」という強い使命感に従って必死に収穫を妨害していた。
余談だが、農家手伝いのエピソード連載時はサムネでの織田の笑顔によるドアップが並び、読者にシュールな笑いを齎した。

宮崎(みやピ〜)/ミョンミョン

人材レンタルのエピソードにて登場。
宮崎は○○都 静川区に位置する人材レンタル会社・宮崎レンタルを経営する雇用主であるジョイマン高木似の眼鏡を掛けた中年男性で、ミョンミョンはバカっぽい*15喋り方をする年齢不詳の女性。
宮崎はミョンミョン以外の女性をあからさまに侮蔑している。また、ミョンミョンはそんな彼をみやピ~と呼んでいる。
主人公2人以外にも大勢の裏バイターを派遣しているが実のところ人材レンタルというのは裏バイターを集めるための口実に過ぎず、本当の目的は解脱猫を使って裏バイターを消滅させ、残された財産や戸籍を真の顧客へ売り捌くこと。その対象である裏バイターたちを露骨に見下し、「バカ共」とまで呼んでいた。
だが危険を察知できる異能持ちのユメを雇ってしまったのが運の尽き。
解脱猫を社用端末から取り除いた3人は消滅せず、和美とユメの戸籍を売買する約束を交わしていたスキンヘッドの2人組*16からその責任を追及され、戸籍確保のために抹消された。

琉馬(りゅうま)三兄妹

料亭スタッフのエピソードにて登場。
〇〇県にある有名料亭「琉馬」の跡継ぎ候補である3人兄妹。
長男の太一、次男の秀二、長女の美三の3人でお互いが「自分以外の者が後継者にふさわしい」と謙遜し合っている。
常に笑顔で従業員や裏バイターへの気配りも上手。
後継者争いに熱を出すこともなく欲とは無縁の温厚な性格揃いで、「令和の平和な三兄妹」とも例えられている。


サトルーン

探偵助手3のエピソードにて登場した、自称(?)カリスマ動画配信者。一般人。
定食屋で食事をしていたユメ・和美らとたまたま居合わせており、その後をつけて所在地不明で伝説の心霊スポットと噂されていた木谷脳研にたどり着く。 
語尾に「~し」とつける喋り方をするが、所謂キャラ付けの模様。


花巻(はなまき)

図書館スタッフのエピソードで登場した、裏バイターの個人的な雇い主。
メガネを掛けた女性職員で、おそらく三十路。
本を読むのが好きなビブリオマニアで、その読書量は年間400冊くらいという筋金入り。


得体の知れない霊能力者

マンガワンのとある作品とのコラボで登場した正真正銘の霊能力者。なぜか日本人形を片手に持ち、助手らしき女子高生を同行させている。
この世の摂理そのものと言える存在を退治するなど頼りになるのだが、残念ながら普段は世界に存在しない。
あまりにも異質な存在であるためか、味方であるはずなのにユメは「白い匂い」どころか、普段の怪異による「嫌な予兆」とも異なる「匂い」を感じとった模様。「なんか…イカっぽいというか…」「クッサ…!」


余談

経緯が経緯であるためか社会不適合者に高額債務者、人格破綻者や悪意を持った人間なども多い(別の意味でおかしい橙は除く)。

裏バイトに参加するアルバイターの多くは名前に色が付いているのが特徴。
初期は名前に色が付いていると準レギュラーになる可能性があるため生存フラグに繋がる望みがあったのだが、最近では準レギュラーも固まってきており名前と関係なく裏バイトへ参加した時点で破滅フラグとなる。
加えてモブも怪異に巻き込まれてよく死ぬ。

また、仮に生き残っても再登場すると碌でもない目に遭う傾向がある。裏バイトに関わることがそもそもマトモじゃないので当然と言えば当然だが。


追記・修正は裏バイトでまともに死ねてからお願いします。


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最終更新:2025年04月02日 14:18

*1 その金額は、耳打ちで教えてもらった橙が絶句するほどの大金ということが描写されている。

*2 おまけページの身長比較表では52cm程の超厚底ブーツを履いて登場し、結局脱がされていた。

*3 勿論ユメが持つ異能を用いてのことだが、動揺した様子の睦美はタバコの臭さと勘違いした可能性も否定できない。

*4 余談だが、ユメが神社を燃やしに行く際において時間稼ぎを任された睦美は「だ、だから〜 か、可能な限りは参加するかも? でもこの宇宙に絶対って存在しないしだから…」などと支離滅裂なことを吐いて村の人々を呆れさせ注意を引くなど、ライターと併せて事態の解決に一役買っていた。

*5 作者曰く「主人公2人が裏バイトに対して耐性がつきすぎたため、あまり感じられなくなった恐怖感を煽ってくれる救世主」とのこと。

*6 花巻曰く「ムダイに関心を持つ人間は裏からの影響を受けやすいが、短期間でここまでなる人間は珍しい」とのこと。

*7 上記のセリフはその時のもの。

*8 8巻書き下ろしにて赤川と時子は学生時代からの因縁であり、同年代ということも判明した。

*9 おまけ漫画では大金をスッた放心状態からアヘ顔を晒し、橙と和美に無心するもやんわり断られマヨネーズを踏んづけてしまった。

*10 整合性が取れなくなり正の存在自体が消滅した。ちなみに、主人公2人が乗っていた気球も正が用意した物であったため消滅している。

*11 途中行方を晦ました研究員・立田は帰ったのではないかと思われていたが、彼が「帰った」のは榊原平原上空の「死後の世界」であった。

*12 一応、心の中で「ゴメンね」と身代わりにさせようとしたことを詫びていた。

*13 和美曰く「殴りたい笑顔」。

*14 橙は暫くの間アヘ顔から戻らなくなっていた。

*15 というか、人材レンタルの真のシステムを56回説明されても理解できない辺り真症のバカ。

*16 この2人は明らかに男性なのだが、買おうとしていたのは女性である和美とユメの戸籍、代わりに手に入れたのは宮崎とミョンミョンの戸籍であることからこの2人も仲介業者の可能性が高い。

*17 コメントでは前編の時点で同一人物ではないかと気付いた読者も多く、作者を驚かせていた。

*18 解脱猫による自己の分裂は上述した大熊にも発生していないが名前は挙げられていない。また、宮崎らの目論みが外れるという予想がなければ主人公2人を見張る必要がそもそもない。

*19 このまま父親が死んだ場合、ひとまずは太一が当主となるようである。