SCP-2475-JP

登録日:2021/01/31 Sun 00:03:35
更新日:2025/05/23 Fri 16:08:19
所要時間:約 6 分で読めます




SCP-2475-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはSafe。
項目名は『トリッカーの化猫』。



概要

SCP-2475-JPは猫耳カチューシャである。耳がイエネコのそれと遺伝的に一致する結構ガチ目なやつ。
この猫耳カチューシャをつけると、その人は周りから猫と認識される。
財団世界、人が猫と認識されたりヒゼンダニが猫と認識されたり猫はねこと認識されたり猫の認識がいろいろ危険。
一応、つけている側は無意識に猫っぽい行動を取るようになるようだが、意識は残っているのである程度自由に行動可能。
他方で周囲は通常それを猫としか認識できなくなる。
その外見だけでなく、それを認識する時の体長と体重もイエネコのそれと認識するようになる。
ただし写真や動画は誤魔化せない。
なおこれは装着者の生死は問わない。

ちなみに写真や動画は誤魔化せないのだが、財団は視覚イメージを抽出するという方法で外見の映像を再現している。
財団すげぇな。

そんなSCPの発見経緯

財団は、インターネット上に投稿されたとある猫カフェの写真を見て不審に思い、東京にあった当該カフェ東京支店にお邪魔して回収された。
この際にカフェの従業員及び利用客など関係者には記憶処理を行っている。

……なんか悪い予感がしてきたぞ。

監視カメラ映像

というわけでこの店の監視カメラ映像も回収された。

<再生開始>

[重要度が低い為割愛]

店の裏口を映す、40代半ばの肥満気味の男性が入店する。

店員: いらっしゃいませ、本日はどのコースになさいますか?

男性: いつものコースで頼む。これ、会員カード。

男性が金色のカードを店員に見せる。

店員: これはこれは、ゴールド会員様でしたか。(手元のタッチパネルを操作する) ██様、コースS90分コース入りました。……ではこちらをご装着ください。

SCP-2475-JPを男性に渡す。男性はSCP-2475-JPを着用する。監視カメラを介しているためこちら側からは変化が見られない。

店員: ごゆっくりどうぞ、心ゆくまでご堪能ください。

映像が切り替わり、カフェ店内を映し出す。店員が男性を抱きかかえて店の奥から出てくる。

店員: うちのナンバー1、黒白バイカラーのシキちゃんが登場です!写真撮影は禁止されていますのでご理解ご協力の程よろしくお願いいたします。

男性が女性客に近づき、鳴き声をあげる。

女性客: [悲鳴] すっごい可愛い!撫でてもいいですか?

店員: 勿論ですとも。

女性客が男性の顔から腹部にかけてゆっくりと撫でる。

男性が女性客の手の甲を舌で舐め、その後指を咥える。

女性客: なんなのこの子!やばいしか言えない程可愛い!

男性が女性客の鼻に自らの鼻を擦り付ける。女性客の耳を甘噛みし、顔を舐める。

[以下同様の行動が続くため省略]

店員: 時間となりましたのでシキちゃんとの触れ合いを終了させていただきます。

店員が男性を女性客から引き離して抱きかかえ、店の奥に戻る。

<再生終了>

……これはひどい。

余談

どうでもいい話ではあるが、認識を猫に置き換えてしまうこのカチューシャをつけた40代のデブを、カフェの店員はどうやって猫ではない存在として認識しているのだろうか。
あと東京支店ってところに引っかかりを感じる。
怖いから私はクマのぬいぐるみを愛でます……。

項目名は上海アリス幻樂団『燕石博物誌』内楽曲タイトル『シュレディンガーの化猫』のパロディ。
Voila氏は東方楽曲の楽曲名からインスピレーションを取ったオブジェクトを書くコンテストの主催者である。
なお、楽曲名だけがパロディ元であり、元ネタとして東方を扱っているわけではない。

非常に短い記事であり、この手の記事に普通ならありそうな関係者(40代のデブ、女性客、店員)へのインタビューとかが存在しない。
またこのカチューシャがお店の自作アノマリーなのか、どっかから買ってきたのかなどの来歴調査もない。
なんなら映像記録も結構シンプルであり、無駄に唾液を女性客に掛けたりするような生理的嫌悪を齎す描写もない。
このため、ディスカッションでは「いろいろ削ぎ落としてる気がする」対「むしろ入れたら蛇足だろ」で割と賛否両論

SCPで「可愛い猫の正体は実は…」という記事というと、番号が近いSCP-2472-JPを思い浮かべる人も多いだろう。
どういうわけかSCP-247X-JP代は猫関連の記事が集まっており、70~79までの全てで、何らかの形で猫が深く関わっている。

関連アノマリー

今回は認識を別のものに置き換えるシリーズ。

SCP-2478 - Ordinary Japanese People (一般的日本人)

7つの頭、7対の手と7対の足、7つの内蔵セットと7つの生殖器を有するホモ・サピエンス・サピエンスの異なる表現型。
しかし日本人が見た場合には、「巨人症なだけのふつうの人間」にしか見えない。
なのでこの7対の手にそれぞれなにかを持っている状態を見ると日本人からは「超能力?それとも手品?すごいね!」で終わる。

いろいろな意味で悲劇なはずなんだが、SCP-2478はそれによって日本人から同胞と見られることに喜びを感じており、
サーキックの儀式に似たような『ゐおん祭り』という祭りを行う。

闇寿司ファイルNo.303 "ジーコ"

特定のスシブレードの見た目だけを別のスシブレードに置き換えるという、
ドクター・トラヤーによる恐るべき技術。
マグロに偽装したラーメンとか、カレーに偽装した唐揚げとかそういう概念偽装により、
スシブレードに一種の読み合いをもたらす。寿司ってなんだっけ

SCP-2159 - Head-"Kannon" (ヘッド-"カンノン")

見る人それぞれの認識が変わる謎の物体。
なお、「それを認識しようとすればするほど」かえってその認識に外見が引きずられるという特徴を有する。

SCP-1082-JP - 母犬のために

こちらは押し付けるとその人物にポールギャグを装着し、美少女に変化させ、周りからは人間ではなく犬にしか認識できなくなるという設計図。
犬も猫も人間だ。


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最終更新:2025年05月23日 16:08