ドナ・ベネヴィエント

登録日:2021/05/25 Tue 14:00:00
更新日:2025/05/07 Wed 19:15:20
所要時間:約 5 分で読めます






行かないで……行かせないわ……



ドナ・ベネヴィエントとは、ゲームバイオハザード ヴィレッジ』に登場する敵キャラクターである。

CV:佐藤美由希(現 佐藤みゆ希)

●目次

【概要】


ヨーロッパ辺境の地にある村の、霧深い谷に構えられているベネヴィエント邸に住む女性。
喪服のような装束を纏っており、顔はヴェールで覆われているため素顔は窺い知れないが、邸に飾られた肖像画を見る限り黒髪の美女らしい。
また、村を統治する教祖マザー・ミランダに仕える「四貴族」の一人でもあり、家紋は顔の付いた太陽と三日月。
なおドナの両親は既に没しており、彼女は両親の死後にミランダと養子縁組している。
その他、邸内の墓の墓碑銘には姉妹と思われる「クラウディア」という名前も見える。

実家は人形メーカー。その影響かドナ自身も人形使いで、父親の形見であるアンジーという人形を常に持っている。
しかし、子供の頃から対人恐怖症だったらしく、現在もアンジーに代弁させる形でのコミュニケーションしか取れない。
そのためか、ドナ自身が直接喋ったのはイーサンと実際に対面した際の冒頭の一言のみ。

英語版の方の庭師の日記によると幼い頃から顔に傷があったことが書かれており、これが対人恐怖症を抱えてしまった原因ではないかと考えられている。

【アンジー】



まだ生きてるなんてスゴイねえ

でも早く私を見つけないと
お友達にブッ殺されちゃうからね!


ドナが所持する、ウェディングドレスを着たビスクドール。顔がヒビ割れており、不気味な表情をしている。
同じく「四貴族」であるハイゼンベルクからは「ブサイクなサイコ人形」と唾棄されていた。
ちなみによく見てみると、家紋と同じように太陽と月の絵が彫られている。

そして、人形ながらドナの「代弁者」でもあり、まるで自我を持っているかのように独りでに動いて喋る。
これはドナ自身のカドゥを株分けしアンジーに組み込んだ事で、遠隔操作を可能にしている為。
醜悪な見た目にシンクロするかのように口も非常に悪く、無邪気な子供のような振る舞いにも見えなくもないが、性格は性悪。
同じ四貴族のモローを「ブサイク」呼ばわりしたり、主人公であるイーサンに対しても彼の娘・ローズを侮辱する言葉を吐いたりする。
あくまでドナの分身的な存在である事を踏まえると、彼女の口から出るこれらの言葉はドナの「本音」なのだろうか。

しかしローズを侮辱する一方で、イーサンと対峙した際には「あたしのパパになってよ」とも発言している。
義理とはいえ母であるミランダに愛されるどころか疎まれてすらいる自分と違い、父に愛されているローズに少なからず嫉妬しているのかも知れない。

【能力】


マザー・ミランダのカドゥを用いた実験により力を与えられてはいるものの、他の「四貴族」とは異なり見た目はほとんど変わらず、生身の戦闘能力は高くない。
その代わり特殊なシグナル物質を分泌・放出させる能力を発現しており、特異菌に感染した植物を操る力を持つ。
アンジーにも自身に移植されたカドゥの一部を株分けして与えており、ただの人形をまるで生きているかの様に動かしていた。
※アンジーが動くのは幻覚ではなくアルマデューラのようなもの

更にこの植物操作を応用し、ある特定の植物の花粉を吸引させた相手に「幻覚」を見せることができる
その効力は凄まじく、ドナ自身の姿を含めて知覚認識を自在に操作できる。逆に認識阻害で本来見えるはずのものが見えなくなったりもする。
幻覚で生み出した怪物に襲われれば本当にダメージを受けたように感じ、最悪死んでしまうほど。
これはプラシーボ効果の逆のノシーボ効果によるもので、強い暗示が掛かった状態で死を連想すると本当にショック死してしまう現象。
花粉を吸引しなければ効力はないが、彼女の住む邸宅の周囲にはこの植物の花が咲き乱れており、近付けばほぼ確実に幻覚に嵌ってしまう。
総じて前作のラスボスと類似した能力と言える。

【本編での行動】


マザー・ミランダにさらわれたローズを救うため村にやってきたイーサンの前に、2人目の刺客として登場。
彼に妻・ミアの幻影を見せて邸内に誘い込み、隙を突いて武器を全て奪い取る。

その後も謎解きの為にミアを模した人形を解体しなくてはならないという悪趣味な仕掛けを用意*1
赤ん坊を取り返しにきたイーサンに赤ん坊を模した醜悪な怪物ベビーをけしかける、などの精神攻撃を繰り返す。

だがそれらを突破され、遂にドナ自身がイーサンの前に姿を見せ、アンジーによる「死のかくれんぼ」が始まる。



チクタク……命がけで探しな!



通常のボス戦とは異なり、屋敷の中で大量の人形の中からアンジーを探し出し、拾ったハサミで攻撃するという特殊な戦法を取ることになる。
ちなみに見つけるのに時間を要すると、仕込み武器を持った人形たちが遅いかかってきてダメージを受け(ガードはできない)、3回繰り返すとゲームオーバーになる。
ヒントは他の人形が黒い服を着ている中、アンジーだけは白い服を着ているということと、近くにいると声が聞こえること。

3回見つければこちらの勝利となり、アンジーの頭にハサミを突き立てたところで幻覚が完全に晴れる。
そこには傷つき右目からカドゥが露出したドナが横たわっており、やがて体が崩壊して消滅していくその素顔は肖像画通り美しかった。
この時イーサンの右手が血まみれになっているのだが、手にしていたハサミも幻覚なので素手で撲殺されたという事になる*2
武器はいつの間にかイーサンの手元に戻っており、同時に両足のフラスクをゲットできる。
加えてアンジーも換金アイテムとして手に入る。商人のデューク曰く「ビスクドールは人気がある」らしい……。
確かに現実世界でもビスクドールのコレクターは多いし、人気のあった工房が手掛けたものは高値で取引されているが。
ちなみに屋敷で手に入れたアイテムは全て幻覚であり、ドナを倒した後は消滅している。

余談だが四貴族の中で唯一結晶化しなかった為、デュークが本当の四貴族説」などがあがったりしている*3

なお撃破後は屋敷に入る際に手放した家族写真も取り戻せるが、この際裏面を調べると「ローズを守ってあげてね」という一文が書き記されている。
ドナ戦以前にこのメッセージは確認できないため、恐らく書いたのはドナと思われるが、彼女自身の口からは何も語られなかったため真意は不明である。
あるとすれば、幼くして実の家族と死に別れた身として、娘を取り戻すべく奔走するイーサンの姿に何か思うところがあったのか。
庭師によれば少なくともカドゥを植え付けられる以前は心優しい性格だったとのこと。

【余談】


  • 邸の庭園にはドナの家族の墓があり、一定の条件を満たせば中にある換金アイテムが手に入る。
    • ベネヴィエントの副葬品である秘宝「ベレンガリオの金杯」。

  • 幻覚を見せる花はドナに操られた庭師によって植えられており、更に彼を利用して効果を確認していたことが示唆されている。
    その後の庭師の消息は不明だが、後に庭園に彼の成れの果てと思しき怪物が出現する。
    • 二体しか登場しない巨人「ウリアシュ・ドラク」の内の一体がそれ。強敵だが倒せば「巨人の結晶戦斧」が手に入る。

  • 一方でベネヴィエント邸では敵性クリーチャーがほぼ登場せず、庭師以外に犠牲になった者はほとんど見られない。
    • そもそも能力行使条件が花粉を吸わせる事なので、花のある屋敷に近付いた者は無差別に幻覚に陥るものの、屋敷以外で能力を行使するのは難しい。

  • ドナのデザインコンセプトは死神を連想させる要素として喪服を着用している。
    一方でアンジーは対となるよう、生を連想させるウェディングドレスを纏わされている。

  • 名前の由来はアメリカ最恐とも謳われる呪いの人形「アナベル」の持ち主だった女学生ドナと、その友人アンジーからだと思われる。
    アナベルの呪いは非常に強力で、留守中に勝手に動くなどは序の口、赤い文字でメッセージの書かれた羊皮紙を残す、悪夢を見せるなど多種多様。
    挙句には「呪ってみろ」と自分を挑発した人間を事故死させるなどの数々の怪現象を引き起こした。
    もはや教会の神父ですら手に負えず、最終的に博物館に所蔵される事となった。
    ガラスケースに厳重に保管した上で絶対に開けるな(WARNING POSITIVELY DO NOT)という注意書きと共に。

  • 公式が病気の人形劇『バイオ村であそぼ♪』では、当初はアンジーのみが出演していたが、最終話では佐藤氏本人が演じるドナも 意外な形 で登場する。

  • 担当声優の佐藤美由希は『バイオハザード ヴィレッジ』の実況プレイをライブ配信しており、視聴者からの質問に答える形で収録の裏話を披露している。
    それによると、どうやらアンジーを演じるにあたり「とにかく気持ち悪く喋るように」と指導されたらしく、また「もっと気持ち悪く!」と何度もダメ出しも受けたとのこと。
    一方で、普段は使わない声音で普段は言わないセリフをたくさん言えたため「収録中はずっと楽しかった」とも語っている。

  • 実はエヴリンと違い幻覚を操れるだけであり、アンジーを操る以外で無機物に物理現象を引き起こすことはできない。
    …なので劇中で起きている幻覚以外の現象はドナが自分で演劇の黒子のように頑張って動いていたという事になる*4
    ちなみに武器が奪われたのはドナが奪ったわけではなく、武器を認識できなくされたせいで持っているのに失くしたと思わされていた。



追記・修正はアンジーを通してお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • バイオハザード
  • バイオハザード ヴィレッジ
  • 四貴族
  • 幹部
  • 人形
  • アンジー
  • ベビー
  • 恐怖の人形館
  • 幻覚
  • 対人恐怖症
  • 人形使い
  • 佐藤美由希
  • ドナ・ベネヴィエント
  • ビスクドール
  • 勝手にしゃべり出す
  • 本編より先に立った項目
  • 幽霊
  • みんなのトラウマ
  • ハイテンション
  • コミュ障
  • ブサイクなサイコ人形
  • 演者の怪演
  • デスゲーム
  • 声優の本気
  • かくれんぼ
  • カドゥ
  • 佐藤みゆ希
  • コメント欄ログ化項目
最終更新:2025年05月07日 19:15

*1 彼らの私物であり家にあるはずのオルゴールまで用意。もっともこれらをドナが知る由もないので、イーサンの記憶から生まれた幻覚であった可能性が高い。

*2 手に入るアンジーも傷ついておらず、逃走経路にはドナが出血したと思わしき血痕がこびりついている。

*3 ちなみに設定で「結晶化するのはより強い個体である」とされている。そう考えると素手で殴り殺される常人レベルのドナは、雑魚のライカンやモロアイカ以下であり、むしろ結晶化しなかった方が説得力があると言える。

*4 例えば停電中にアンジーが喋っている際に後ろの扉から鍵をかける音が聞こえてくるなど。アンジーが浮遊しているように見えるのも、自分の姿だけを幻覚で認識できなくして抱きかかえていると思われる。