バイオハザード ヴィレッジ

登録日:2022/02/19 Sat 21:20:14
更新日:2025/05/02 Fri 13:42:57
所要時間:約 22 分で読めます





His story comes to a close.

ある男のストーリーが結末を迎える




バイオハザード ヴィレッジ』(Resident Evil Village)とは、カプコンが発売した『バイオハザードシリーズ』の本編タイトル第10作目。
「ヴィレッジ」は「VIl_l_AGE」と表示され、前作の『7』同様、色の異なる部分が『8』であることを現している。
2021年5月8日発売。

基本的なゲームシステムは前作を踏襲しつつ、『4』に寄せたバトル要素の強い作品へと変更。クリア後にはマーセナリーズも用意されている。

RE:3』と同様にオンライン対戦ゲーム『バイオハザード RE:VERSE』が同時収録されており、本編から遅れること2022年10月28日にサービスが開始された。
また、同日から16年後を舞台に成長したローズが主人公となる追加シナリオ「Shadows of Rose」、待望の三人称視点で本編をプレイできる「サードパーソンモード」、ザ・マーセナリーズに大幅な追加要素を加える「ザ・マーセナリーズ アディショナル オーダーズ」を収録したDLC「Winters’ Expansion」が配信された。

前作を購入しなかった理由が「怖すぎるから」ということで、「俺らこんな村いやだLv.100」だの「今度のバイオハザードは怖くな〜い」だのプロモーションがネタ成分多め。



◇あらすじ

ベイカー家の悪夢から3年後。
BSAAによってヨーロッパへ移住したイーサン・ウィンターズは、ミアと共に静かな生活を送り、二人の間には愛娘ローズが生まれていた。
しかし、突如としてクリス・レッドフィールド率いる謎の部隊の襲撃を受ける。

「クリス…どうして!?」

「悪いなイーサン」

その言葉と共に容赦なくミアの身体に銃弾を撃ち込むクリス。
イーサンは気絶させられ、ローズと共にどこかへ移送されてしまう。

イーサンが目覚めると、車は横転しており、ローズの姿はなくなっていた。
雪道を捜索するイーサンの前に、その場には似つかわしくない城を擁する寒村が姿を現す。
謎の老婆にローズがここにいると聞いたイーサンは、ローズを救出するため化物だらけの村に歩み出す。


◇システム

●アイテム管理

『4』のアタッシュケース式に変更され、前作や『RE:2』などに比べて持てる容量が最初から多めになっている。
後述のデュークから購入することで所持枠の拡張も可能。
前作では調合用の素材やキーアイテムが枠を圧迫していたが、今作では専用枠に変更されているため自由度が向上した。『4』同様に各地で入手できるトレジャーも用意されている。
なお、『4』と違ってナイフも通常アイテムとなっているため枠を圧迫するが、クリア後に解禁される上級の近接武器と入れ替えられる。

●調合

前作や『RE:2』同様、ガンパウダーやハーブ、薬液などを組み合わせて回復薬や弾薬を調合することが可能。
レシピを入手すれば今まで作れなかった弾薬や、パイプ手榴弾に地雷などの爆発物も生産可能になる。

●武器のカスタマイズ

『4』同様、拡張パーツを装備したり、デュークの店で各性能を強化可能になった。

●商人

謎の男デュークが商人として登場。
『4』の商人同様にアイテムを売買してもらえる他、各地で入手できる食材を持っていって料理を作ってもらう事で能力を強化してもらうことも可能になった。
今作では弾や調合レシピといった商品も扱うようになっている。

●ガードの仕様

敵の攻撃をガードした直後にガードボタンを押すと、敵を押し返すことが出来るようになった。
敢えて攻撃を受けて押し返すことで道を開くことが可能に。

●フォトモード

好きな場面でスクリーンショットを撮るためのモード。
画面フィルターやレンズの設定などを行える。スクショ自体は各ハードの機能で撮影する。
一部使用が制限される場面も存在する。

●ザ・マーセナリーズ

お馴染みのサブゲーム。クリア後に解禁される特典ショップで購入することでプレイ可能になる。
ステージを選択して敵を殲滅し、ハイスコアを目指していく。
本編クリア後に解禁される特典ショップで使用できるポイントを稼ぐことが可能。

◇登場人物

●村外の人間

前作から引き続き抜擢された本作の主人公。妻帯者で一児の父でもある一般人。
証人保護プログラムにより表向きには死亡したことにされ、ミアと共にヨーロッパへ移住した。
3年の間にクリスによる戦闘訓練を受けており、銃器の扱いも手慣れたものとなっている。
今作でも左腕の小指と薬指を噛み切られて三本指になったり*1、右手首を切断されたりと散々な目に遭う。
いい加減バイオ世界に慣れてきたのか、今回は前作より更に口が悪い。

  • ローズマリー・ウィンターズ
生後半年と生まれたばかりのイーサンとミアの娘。愛称はローズ。
突如現れたクリスによって連れ去られ、謎の村に拉致されてしまう。
DLCの追加シナリオでは16歳に成長。とある理由から菌根の記憶の世界を冒険することになる。

  • ミア・ウィンターズ
イーサンの妻。前作の事件のトラウマがいまだに根強い模様で情緒不安定。
過去の話をするとヒステリーを起こしたり、精神安定剤らしきものを服用する。
他にも不気味な絵本を愛読し、キノコが嫌いになったりしている。
冒頭でクリスに射殺されてしまうが…?

お馴染みシリーズ主人公で、前作でイーサンを救った恩人。
だが突如部隊を引き連れてウィンターズ家を襲撃、ミアを殺し娘を連れ去った。
イーサンとは別に村に潜入し、何かを調査しているようだが…?

●四貴族と支配者

今作の敵の親玉。鴉の羽根で作られた翼付きのドレスと仮面に身を包んだ謎の女。
村を支配する四貴族を従えており、彼らからは「お母様」「母」と呼ばれている。
村の宗教の教祖であり、人々からも強く信奉されている。
詳細は個別記事参照。

村の象徴となっているドミトレスク城の主で、3m近い巨体を持つ貴婦人。
日本で有名な都市伝説・八尺様を連想させる風貌をしている。
3人の娘たちと城に住み、他者の生き血を啜り猟奇的な行為を繰り返している。
詳細は個別記事参照。

人形師の一族であるベネヴィエント家の令嬢。パペットマペットではない
黒子のような姿をしており、心霊人形アンジーを操ってイーサンを翻弄する。
喋っているのはもっぱらアンジーであり本人は滅多にしゃべらない。
詳細は個別記事参照。

湖畔の地域を支配する醜悪な男。四人の中でもっとも人間を逸脱した見た目をしている。
ミランダを「お母さま」「ママ」と呼び、一番忠誠心が高いが一番出来が悪い。
そのため他の貴族にバカにされておりコンプレックスを抱えている。
詳細は個別記事参照。

工場を取り仕切る粗暴な男。歯車や機械部品を宙に浮かべる超常的な力を操る。
ドミトレスク夫人とは犬猿の仲で、顔を合わせるたびにいがみ合っている。
何かしら事情を知っている素振りを見せるが…?
詳細は個別記事参照。

●その他

・行商人 デューク
イーサンが村の中で出会った謎の行商人。彼のいる部屋はセーフルーム扱いでボスでさえ入ってこれない。
でっぷり太った巨体ながらあらゆる場所に先回りして、イーサンに商売を持ちかける。『4』の商人は『昔の友』らしい。
ローズを取り戻す方法を教えたりと何かと協力的。肝が据わった性格で、どんな時でも飄々とした物腰を崩さない。
料理の材料を集めたりすると喜び、それを使った郷土料理をイーサンに振る舞ってくれる。

・預言者
村の中を徘徊する黒い服と髑髏のついた杖を持った老婆。ローズが村にいると告げた張本人。
その後もたびたびイーサンの前に姿を現し、意味深な台詞を残していく。また、地面に謎の紋様を描いている。
ルイザ曰くとても献身的だとの事だが、レオナルドは「とっくにイカれてる」と苦笑していた。
怪物たちが跳梁跋扈する村の中で全く襲われる事がないが…?

・ゾイ・ベイカー
前作の登場人物でベイカー家唯一の生き残り。
表向きは毒ガスによる災害として事件を処理されたことを不服としており、真実を訴えるため新聞記者となった模様。
本編には登場せず、DLC「トラウマパック」を導入すると彼女が纏めた前作のレポートを読める。

・イングリド
前日譚にあたる体験版「MEIDEN」で登場したドミトレスク城の牢獄に囚われている少女。
体験版では彼女が主人公となり城からの脱走を目指す。だがその末路は…?

・エヴァ
ミランダの実の娘。1909年6月生まれ、スペイン風邪によって1919年8月に命を落とした。

エヴリン
前作ラスボス。「とある世界」で再会する事になる。

●村人達

・グリゴリ・スタン
イーサンが村で最初に出会った村人である老人。ハンチング帽を被りショットガンで武装している。
自宅で何かから見付からぬよう隠れ潜んでおり、イーサンを「それら」と勘違いして銃撃してしまった。
彼の家で拾えるナイフと手渡された拳銃は、丸腰であったイーサンの大きな助けとなった。

・エレナ・ルプ
イーサンが村の中で出会った生き残りの女性。
初めてまともに交流がとれた村人であり、怪我を負った父親と共にルイザの元へ避難しようとしていた。
だが誰も門を開けてくれなかった為、納屋で息を潜めて隠れていたところでイーサンと出会う。
排他的な村の中では話が通じるまともな人で、助けてくれたイーサンも屋敷の中に入れてくれるよう頼んだ。
余所者であるイーサンのことを友人と呼び、イーサンとローズの身を案じてくれている優しい女性。
だがいざという時はショットガンで怪物を撃退する姿をみせる。

・レオナルド・ルプ
エレナの父で髭面のワイルドなイケメン爺。銃は持っておらず右手に鉈を握りしめている。
出会った当初は他の村人同様排他的で、イーサンを「余所者」と嫌っていた。娘曰く「人を頼るのが苦手」。
他の村人を助けようとして怪我を負ってしまい、内臓もやられているのか激しく咳き込み、すでにまともに立てない。

・ルイザ
村の北東に大きな屋敷を構える初老の女性。放送設備を使ってラジオから生き残りに避難するよう呼び掛けている。
村人達の為に自宅を開放、大扉を開くためのアイテムを託されるなど、村内での地位が高いことが窺える。
村の中では珍しく車(かなり年代物のトラック)も所有しており、家には電気・水道も通っていてキッチンには割と綺麗なオーブンも備えてある。
他の村人と違い余所者のイーサンの事も受け入れ、ヴァシレという夫がいるが行方不明。それでも気丈に振る舞っている。

・セバスチャン、ロクサーナ、アントン、ユリアン
ルイザの屋敷に避難してきていた村人達。
頭に包帯を巻いて松葉杖をついてたのがセバスチャン、頭巾をかぶって泣いていた若い女性がロクサーナ。
酔っ払い親父がアントン、ハンチング帽を被りショットガンを持って見張りをしていたのがユリアン。
ちなみにロクサーナの夫はソファーで横たわっているが、すでに死んでいるのかピクリとも動かない。

・エルネスト
名前だけ出てくる村人。太った行商人(デューク)から外の世界の古新聞を買っていた。
はるか昔、村に滞在した男の事を憶えているので高齢と思われ、イーサンが村に訪れる前に行方不明になっている。

・ヨーゼフ・シモン
ベネヴィエント家の庭師。楽器職人宅に貼り紙を残している。

・オイゲン
赤い煙突の家の住人と思われる。ミランダと四貴族がローズに何をしたのかを目撃していた。


◇登場クリーチャー

ライカン

今作のメインクリーチャーであり旧作におけるゾンビガナード、モールデッドに相当する存在。
後述の寄生虫「カドゥ」を植え付けられ特異菌に感染し、適合できなかった村人たちが変異した姿。
ギリシャ語で「人狼」を意味する『ライカンスロープ(Lycanthrope)』と言うだけあり、鋭い牙と爪を持ち、獣のような素早い動きで獲物を襲う。
ある程度の知能はあるらしく、武器を振り回すだけでなく弓で火矢を射かけるうえ、イベントシーン限定だが馬を乗りこなす姿まで見せる。
多少の例外はあれど基本的には緩慢だったゾンビやモールデッドとは異なり、まさに獣同然の俊敏な動きが特徴。
ステップを織り交ぜた動きで巧みに銃弾を回避し、身長を超える段差を飛び越えるうえに垂直の壁を苦も無くよじ登る身体能力を備えている。
加えて本作のライカンは文字通り数の暴力で襲い掛かってくるため、イーサンは村に着いて早々に手荒い歓迎を受けることになった。
動きが早くて狙いにくい徒党を組んで集団で攻めてくる一部は弓矢などで遠距離攻撃を仕掛けてくる等…
雑魚敵ポジションとはいえかなり侮れない強敵となっており、数多くのプレイヤーを苦しめた。
一方で見掛けた程度では即座に襲ってこずに隙を見計らうなど実際の獣っぽい挙動をしているが、ヘッドショットでもしない限り怯みもしない。
ちなみに難易度が上がるほど攻撃力と耐久力、そしてなによりも素早さが上昇し、脅威度は異常にあがる。
最高難易度では冗談抜きで一瞬視界から消えるほどのステップを繰り出すうえ、ハンドガン程度ではほとんど怯まなくなるため注意が必要。

  • ライカン(大型)
その名の通り、通常より一回り大きい体格のライカンで頭部に防具、両腕に鉤爪を装備している。
非常にタフであり、おまけに防具を装備した状態ではヘッドショットも効かない。
そのため防具を弾き飛ばさなくてはまともにダメージが通らない。ただし装甲の施されてない胴体や脚部は問題なく攻撃が通る。
最低でもショットガンやパイプ爆弾がないと対応が難しいので、弾薬に余裕がない時は素直に逃げるのもひとつの手。

  • ウリアシュ
5』の処刑マジニを彷彿とさせる大男のライカン。序盤から登場するのも一緒。名前はルーマニア語で「巨大な」を意味する。
巨大なハンマーを装備し、パワー溢れる攻撃を繰り出す。鈍重な見た目に反して大ジャンプで長距離を移動したり、雄叫びでライカンを呼び寄せる。
ちなみに素体となったのはこの村の村長。他と違ってカドゥへの適合性が高かったが知性や自我は結局ぶっ飛んだ。
普通にプレイしていれば初登場時点では倒せないものの、周回プレイで強力な武器を持ち越していれば倒すことは可能。
実績『ジャイアント・キリング』が解除されるが、ストーリーに変化等はない*2

  • ウリアシュ・ストレージャ
ウリアシュの亜種。村長の兄が変異した姿。ストレージャとはルーマニア語で「門番」という意味。
巨大なトゲ付き鉄球棍を振り回し、正面からの攻撃を弾き返してしまう難敵。
仲間の空爆を背中の弱点に当てなければまともなダメージを与えることができない…と思われがちだが、実は地道に背中に弾丸を撃ち込み続けることでも撃破は可能
もっとも銃だけでは時間が無駄にかかってしまうので、通常は銃撃でチクチク削りつつ敵の動作後の隙を狙って素直にロケーターも併用するのがベター。

  • ウリアシュ・ドラク
人喰い鬼と呼ばれるウリアシュの亜種。ドラク(DRAC)はルーマニア語で「悪魔」を意味する。
こちらは戦斧を装備しており、何故かライカンではなくモロアイカやサンカを従えている。
2体登場する中ボス格で戦うのは任意だが、それぞれ宝を護っている。
実は宝だけを回収してトンズラこくこともできる。
ちなみに一応隠しキャラであり、公式からその存在について一切触れられていない。

  • ヴァルコラック
全身が毛に追われた大型の牙獣型クリーチャー。モローの実験によって誕生したB.O.W.。名前はルーマニア語で「狼人間」を意味する。
ライカンにカドゥの寄生に加え脊髄に狼の血を注入した事で、凶暴な獣と化し「牙獣」と称されるようになった。
その姿はもはやライカン以上に人間の面影が無く、犬のマズルのように前に伸びた顔で肉食獣の牙が生え、骨格も変形。
知能もなくなり完全に化け物そのもので、モローでさえ失敗作として檻に閉じ込めていた。
銃弾に怯みもしないで突っ込んでくる高い耐久力と攻撃力を有し、高所から安全に攻撃しようとしても、軽々と屋根の上に飛び移ってくる機動力も持つ強敵。
しかしその巨体ゆえ狭い場所には入ってこれないのが弱点で、屋内へ逃げ込めば出入り口でしばらく腕を伸ばして引っ掻こうとしたのち戻っていく。

  • ヴァルコラック・アルファ
ヴァルコラックの強化型。特定の時期にしか戦えない隠しボス的なポジション。身体中に槍が刺さっている。
モローが最初に作って手に負えないと思ったヴァルコラックはこの個体であり、俗に言うプロトタイプ。
通常のヴァルコラックに輪をかけて凶暴で、アサルトライフルを撃ち込まれても一切ひるまない強敵。
弱点はグレネードや地雷などの爆発物だが、倒すには相当な弾数が必要なので、無理に倒そうとするとそれ以降で弾不足に悩まされることも。それ以外にはモローが用意していた特別な武器が、もともと高い威力を誇る上に狼人間へより甚大なダメージを与えられる。
弾数も少なめなので無駄撃ちは厳禁だが、ボス用前提と考えればここでの使用が非常に輝くシチュエーションの一つである。
見事倒すことができれば『狼よ静かに死ね』の実績が解除される。

モロアイカ

ドミトレスクによって幽閉された使用人の少女たちが変異した、ミイラのようなクリーチャー。
少女、つまり女性なので胸がある…のだが、手足は灰色で痩せこけ傷だらけ、そして目は隠れ歯はボロボロなので全く可愛くない。
多少知能は残っているのか手にした剣などを使って襲ってくるが、動きは緩慢で耐久力も低いので簡単に倒せる。
尚、モロアイカとはルーマニアの民間伝承に出てくる「女吸血鬼」を意味する*3
余談だが、ヴィレッジの発売前に配信された体験版「MAIDEN」では主人公のとある少女を操作し、ドミトレスク城からの脱出を目指すことになる。
そして本編のドミトレスク城の地下牢にて、彼女の成れの果てと思われるモロアイカが出現する。
MAIDENをプレイし、尚且つモロアイカが落としたあの首飾りを見て衝撃を受けたプレイヤーもいるのではないだろうか。
ちなみに先述の通り基本的には緩慢なのだが、このゲームに登場する他の敵の例に漏れず難易度が上がると極端に動きが早くなる。
そのため最高難易度ではノーマルと比較にならないレベルで素早くなり、一転して脅威となる。
とはいえライカンやハウラーと比較しても劇中では最弱なので、従来作のゾンビ的な存在と言える。
ちなみに火をつけると実績『火達磨』が解除されるが、ストーリーに変化等はない。

  • サンカ
モロアイカの両腕がコウモリの翼のようになったクリーチャー。上空を複数で飛び回り、素早い動きで攻撃を仕掛けてくる。尚、サンカとはルーマニアの民間伝承で「女悪魔」の意。
コンセプトアートによると舌が長いのは敵の血液を吸うために変異したとのこと。要するに蚊である
目の周りはシワだらけで鼻は潰れており、もはや人間の顔ではなくなってしまっている。どんな変態でもこいつに舐められて喜ぶ猛者はいないだろう
耐久値が低く獲得できる通貨も多め、くわえて通貨の代わりに時折落とす換金素材は更に高値で売れるなど、慣れたプレイヤーにとっては空飛ぶアイテムボックス扱い。

ドミトレスクの娘たちで、ドミトレスク城における中ボス格。武器は西洋で主に麦の収穫に用いる鎌。(ソ連国旗にも描かれているアレ)
黒いドレスとフードを纏い、羽虫の群れを引き連れ、黒い霧状に姿を変えるなどの能力を持つ。
その正体は死体に埋め込んだカドゥから生まれた多数の羽虫が集まり、人の姿に擬態した姿。
羽虫自体が本体であり、攻撃しても一瞬で雲散するため、通常の方法では攻撃が通らない。
詳細はドミトレスクの項目を参照。


ゾルダート

ハイゼンベルクが生み出した、死体を改造したサイボーグB.O.W.。
なお「ゾルダート」とはドイツ語で「兵士」を意味し、ハイゼンベルクも「鋼の軍団」と称している。

  • ハウラー
ハイゼンベルクよって成人男性の死体から造られた、ゾルダートシリーズのプロトタイプである男性型B.O.W.。
心臓を切り取り、代わりにカドゥを移植、そして脳の代わりに電気信号を送る特殊なヘッドギア(バイザー状)を被せてある。
性質はモロアイカとほぼ同じだが、ヘッドギアのおかげでヘッドショットを一度だけ弾く。ハルバード状のガラクタが武器。
死体がベースのため知能は失われており、動きも緩慢で戦闘試験でも三分足らずでライカンにあっさり殺されていた。
実質失敗作だがハイゼンベルクには労働力としても扱われてる様で、せっせと岩盤を掘る個体もいる。名前の由来はドイツ語で「喚く者」。


  • ゾルダート・アイン
ハイゼンベルクによって改造された、ハウラーの改良版であるサイボーグ兵士B.O.W.。左腕に装備したドリルを振り回す。
見た目もモロアイカに似ているハウラーと違い、なぜか筋骨隆々のマッシブボディとなっている*4
ハウラー同様のヘッドギアだけでなく、電動ドリルを稼働させるためのカドゥ制御リアクターなる装置により出力・制御を向上させた。
たった一分でライカン3体を皆殺しにする戦闘力を持つが、追加された胸のリアクター自体が弱点にもなっている。
頭部制御装置により攻撃時以外は腕のドリルでガードしているが、ドリルを振り回しながら暴走する個体も存在する。
ゾルダートシリーズでは生産が最も容易なようで、工場内ではこいつが大量に生産、運搬される場面を見ることが出来る。
ちなみに運搬されているコイツを撃つと地下の湖底へと落下していき、実績『シュート・ダウン』も解除されるがストーリーに影響はない。
何十体落としても無限に運搬されているのでいくらでも落とせる。ストレス解消したプレイヤーもいるはず
「アイン」はドイツ語で数字の「1」を意味する。

  • ゾルダート・ツヴァイ
ゾルダートシリーズの一種。ヘッドギアではなく鼻と口を金属製のフェイスシールドで覆っている。
両腕がドリルになっており攻撃力が上がり、リアクターは背中に埋め込まれて狙いにくくしてある改良版。
もっとも怯むと背中を丸見えにするのであまり意味ないのだが
「ツヴァイ」はドイツ語で数字の「2」を意味する。

  • ゾルダート・ジェット
ゾルダートシリーズの一種。
ツヴァイにジェットパックと頭部飛行翼を装備したことで機動力を向上した個体。
短時間の飛行が可能になり、立体的に獲物を追い回せるようになっている。リアクターは右胸。
デザインヒントは『カブトガニ』。両腕のドリルを突き出して突撃してくる。
試作品なのかジェットパックが少数なのか、生産数はあまり多くない。

  • ゾルダート・パンツァー
ゾルダートシリーズの一種。「パンツァー」はドイツ語で『戦車』以外に『鎧』という意味もある。
全身をアルミ合金製アーマーで覆うことで、弱点が露出しない最強の個体を目指して作られた。
3本の電動ドリルを左右それぞれの腕に装着し、その装甲はあらゆる攻撃を弾く。
だが重装化のせいで動きが鈍く、爆発物でアーマーを剥がされると弱体化する課題が残されている。
(ただし動きは多少素早くなるので、完全に全ての面で弱くなる訳ではない)
遭遇前に倒し方の説明書が手に入る不憫な敵。

  • シュツルム
ハイゼンベルクが改造したサイボーグB.O.W.の一体。工場内で度々イーサンの前に現れては追跡する中ボス。
劇中では三度出会うことになるが、一回目と二回目は逃げるしかない。「シュツルム」はドイツ語で『嵐』。
顔の前面に巨大なプロペラ(羽根はチェーンソーになっている)を装備しており、突進してバラバラにしようとしてくる。
頭部に高出力エンジンを積んだためパワーは圧巻の一言だが、自身で制御がきかないという致命的弱点がある。
こんな見た目ながら閃光弾で目が眩んで弱点を晒しやすくなり、さらに回転する羽根で自身の両腕を切り落としてしまうというドジっ子属性持ち。
ハイゼンベルク曰く「完全な失敗作」。いや、設計段階で気付けよ…
他にも長時間の稼働で熱暴走するなど問題が多い。当初はハイゼンベルクが実父を改造したものという設定があったらしい。
イベントでエンジンを震わせ興奮するシュツルムに、ハイゼンベルクが「おい静かにしてろ!」と怒鳴るのはこれの名残か。
弱点は排気口。赤い制御核は背中に着けられている。

なお、ゾルダートシリーズやシュツルムのデザインについて、リチャード・ラーフォースト監督の映画『武器人間』との酷似が指摘されている。


・その他

ベネヴィエント邸で襲ってくる本作最大のトラウマ。屋敷での中ボス格とも言えなくはない。
詳細は個別記事参照。

  • リビング・ドール
ベネヴィエント邸に大量に置かれたドナ手製のヴィンテージ人形。
中に多数の刃物を内蔵していて、かくれんぼで時間切れになると滅多刺しにしてくる。
演出に近い存在だが、後にある場所でザコ敵として登場する。

前作に登場したE型特異菌の原種であり真菌(カビ)の一種。村の地下にある菌根を中心に繁殖している。
菌根は赤黒く巨大な胎児のようにも見える不気味な姿をしており、そこから流れ出る「黒いもの」に触れた者の頭に膨大な「死者の記憶」*5を流し込む。
尚、E型はE型が取り込んだ者の記憶のみだが、原種はE型を含む特異菌が取り込んだ者全ての記憶を保存している。

特異菌に感染すると菌が体組織を養分として、徐々に細胞を特異菌へと置換されていき、異常な身体能力と再生力を得る。これにより老化も止まる。
この菌が最終的に脳幹まで達してしまうと完全に自我も消失してしまうが、適応者であればこのデメリットはない。
ちなみにE型は最終的にモールデッドのような変異体になってしまうのに対し、原種の感染者はあくまで人の姿を留めているのも特徴。
またE型ほどの精神支配ではないが意識操作をすることも可能で、村人達は普通の人間のまま信仰させられていた*6
村人全員が感染しているはずだが身体能力も再生力も向上しているようにも見えず、その辺も未だ謎に包まれている。
研究報告からE型と原種はDNAが99.95%一致しており、差分は人為的な加工のためと言われている。
E型には血清が存在するが原種にはなく、元に戻せるかどうかは不明。

尚、下記の寄生虫「カドゥ」を植え付けられた感染者の場合は大幅な変異を起こす場合がある。


  • カドゥ
ミランダが研究を効率化する為に線虫から作り出した、特異菌を媒介する寄生虫。
本来線虫はミクロサイズの小さな虫だが、カドゥは30cmぐらいの大きさで菌根に似た胎児のような姿をしている。
『4』『5』に登場したプラーガと似ているが、カドゥは植え付けられた宿主以外の体には入ろうとしない。
ただし特異菌を媒介する為、これを植え付けられたクリーチャーに傷つけられる事で特異菌の二次感染を引き起こす。
移植された者は最初スペイン風邪からも回復しているが、適応できなければ徐々に異常をきたしライカンと化す。
とある研究記録によると複数のカドゥを植え付けられた個体は爆散してしまったらしい。
また逆に安定して融合すると心臓や脳の代りになる擬似臓器のような役割を果たし、機械での制御も可能。
プラーガと違い成人男性以外でも適合し、それどころか死体や無機物さえ植え付ければ操れるという汎用性がある。
尚、カドゥに寄生された宿主が死亡すると身体の一部が結晶化して残ることがあり、村にはそういった人骨も落ちている。
ちなみにアイテム説明によると強い個体ほど結晶化しやすいらしい。
ローズもミランダの手で結晶化して身体を切り分けられていたが、彼女の場合は完全適合者なので特別*7
作中ではモローの実験所にサンプルが置かれていたが、とある人物が回収している。


◇ステージ

・村

今作の主な舞台となる寒村。すでに住人が全滅したのか、ほとんどの家は廃墟と化している。
農村だった様だが、季節がらか畑は休耕地となっており、城の近くにワイン造り用の葡萄畑がわずかに残るのみ。
マザー・ミランダを教祖とする独自の宗教が信仰されており、中央にはミランダと四貴族を祭った小教会が存在する。
また、村の北西には四体の巨大な石像が立ち並ぶ祭祀場と遺跡が存在する。
『4』と異なり各ステージへの経由地として終盤まで往復することになる。ゲームが進むにつれ探索範囲も広がっていく。

・ドミトレスク城

ドミトレスクの居城で最初に探索するダンジョン。
城だけあって非常に広大でワインの醸造所や礼拝堂、歌劇場まで存在する。
壮麗な地上階に対し、地下は死体だらけの牢獄が広がり、モロアイカが跋扈する。
杜の近くには村の製材施設がある。

・ベネヴィエント邸

ドナの住む邸宅。道中にはベネヴィエント家が作り上げた庭園が存在し、花畑に囲まれた墓がある。
高山地帯に存在するため村からはエレベーターで行き来する。今作最大の恐怖ステージでもある。

・人造湖

村の南に広がる湖。古い集落を沈めたダム湖で、放出用の水門がある。
巨大な風車による発電・粉引き施設があり、漁が行われていた形跡も見られる。
モローの実験場が存在し、粘液のような壁に取り込まれた気持ちの悪いステージ。

・森の砦

ハイゼンベルクに誘導されたイーサンが訪れた村の北東に位置する製材所近くの遺跡。
かつてはどこかの国の国境を護る砦だったらしい。
現在はライカンの巣となっており、大量のライカンが襲撃してくる。

・ハイゼンベルクの工場

村の西側にそびえる巨大な工場。
地上の入口こそごく普通の町工場といった雰囲気だが、地下には広大な施設が広がっており、ゾルダートが生産されている。
ハイゼンベルクの仕掛けた猟奇的な死の罠がイーサンを襲う。

・祭祀場

村の西部にある儀式用の祭祀場。祭壇にはアンブレラ社の社章に酷似したマークが描かれている。

追記修正はトーテムを破壊しながらお願いします。

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最終更新:2025年05月02日 13:42

*1 CERO:D版では普通にくっついたまま

*2 村を訪れた直後のライカン襲撃でウリアシュを倒せたなら『返り討ち』が解除される。周回プレイなら可能。

*3 ルーマニアの民間伝承上に伝えられる吸血鬼の名前である「モロイ(moroi)」に、女性であることを示す接尾辞である「アイカ(-oaică)」を組み合わせたもの。

*4 素体となる死体の体格や筋力で、ゾルダートかハウラーのどちらの素体にするのか選別されているのかもしれない

*5 これは「それまで菌根が分解・吸収してきた死者たちの意識の残滓」であり、前作のE型特異菌の中にもあった「意識ネットワーク」に似ているが、こちらは記憶が保存されている事しか示唆されていない。作中資料では「ストレージ」と呼ばれている。

*6 ほんの数分前まで普通に会話していたのに突然ライカン化した者もおり、一体どうやって感染者をライカンにせず常人のまま意識操作したのかは不明。

*7 結晶化した身体を全て集めた上で聖杯により菌根の力を利用して蘇生させているが、部位を集めただけのイーサンやハイゼンベルクが復活させられたかは不明。