カール・ハイゼンベルク

登録日:2021/05/27 (木)10:26:57
更新日:2024/04/15 Mon 14:13:11
所要時間:約 4 分で読めます





力あるものが勝つ それが宇宙の真理だろ?


カール・ハイゼンベルクとは、ゲーム『バイオハザード ヴィレッジ』に登場する敵キャラクターである。


CV:白熊寛嗣(日本語)/Neil Newbon(英語)

●目次

概要

ヨーロッパのどこかに位置する村の、辺境の工場に住まう工場長。通称「ハイゼンベルク卿」
ウェーブの掛かったグレーの長髪と、口周りに蓄えられた立派なヒゲが目立つ中年男性。
丸いサングラスを掛け、黒いソフトハットを被りオリーブ色のロングコートを着用している他、巨大なハンマーを携えている。
ゴシックホラー色が強い本作だが、舞台となる村の中では最も現代的な雰囲気を放っている、ある意味異色のキャラ。

また、この村を統治する教祖マザー・ミランダに仕える「四貴族」の一人でもあり、家紋はの頭部と蹄鉄。


人物像

粗暴な言動と態度が目立つ上に、その本性はかなりの野心家。
ミランダの真意と目的におそらく唯一気づいており、他の四貴族や村人がミランダに忠誠を誓う中、ただ一人反逆心を秘めている。 作中では後述するゾルダートや主人公であるイーサンの娘・ローズの力を以てミランダを倒し、自由の身になることを企んでいた。
その性格故か他の「四貴族」とは仲が悪い。特にドミトレスク夫人との仲はかなり険悪で、「その口をお閉じ坊や 今は大人が話してるの」「図体がデカいとエゴまでデカくなる」などと罵り合っていた。
また、ドナが持っているビスクドールのアンジーに対しても「ブサイクなサイコ人形」モローについても「ウスノロの怪物」と唾棄していた。

一方で見かけや態度とは裏腹に狡猾な一面も持ち併せており、他の「四貴族」を倒したイーサンに対し利害の一致を用いて協力を持ち掛ける場面も。
また、工場長だけあって確かな技術力も有しており、後述のクリーチャー「ゾルダート」の量産に成功している。


能力


さあ この鋼鉄の肉体にひざまずけ!

マザー・ミランダのカドゥを用いた実験により、胸部にシビレエイなどの魚に見られる*1発電器官」が形成されている。
この器官はと直結しており、ハイゼンベルクは脳を通じて全身の神経に電流を流し、自らの肉体をコイルとして周囲に強力な磁場を展開。思うがままに金属製の物体を操れる
イーサンとの最終決戦の際は、全身に大量のスクラップを纏い、丸ノコや車輪で武装した機械の怪物の姿に変貌した。
また素の身体能力も高く、巨大なハンマーを片手で軽々と持ち上げるほどの怪力を発揮している。
DLCの「THE MERCENARIES Additional Orders」ではハンマーを振り回す事で充電し、それを叩きつける事で溜めた電力を一気に放出する技を披露している。

ゾルダート

ハイゼンベルクが自身の工場にて成人男性の死体にカドゥと機械を組み合わせることで生産した改造クリーチャー。「機械化死体兵」と呼ばれる場合もある。
元はミランダへの反逆のために作られたハイゼンベルク独自の戦力でもあり、工場内部には何体ものゾルダートが生産ラインに並んでいる。
腕に直接取り付けられたドリルを駆使して強力な攻撃を仕掛けてくるが、その反面動きは鈍重。
胸や背中にある制御リアクターを狙えば大ダメージを与えられるが、リアクターを攻撃されると腕ドリルでリアクターを防御しながら近づいてくるので、攻撃後の隙を突いて撃ち返そう。
また、倒されると内部のリアクターが暴走することで肉体が崩壊する前に爆散する。
またの「THE MERCENARIES Additional Orders」の説明文によると主人の命令で意図的にリアクターを暴走させて自爆する芸当もできるらしい。
ちなみにゾルダートはドイツ語で「兵士」を意味する。なお同じ意味と似た発音のこの人はスペイン語。
ハイゼンベルクはこのゾルダート達を「俺の力の化身」と称している。

活躍

ドミトレスク城に向かおうとするイーサンの前に初登場。自身の能力により鉄屑を飛ばして拘束する。
そして、ミランダや他の「四貴族」が待つ広間にイーサンを連行。彼の処遇についてドミトレスク夫人と言い争うが、ミランダが自分の案を支持したため、人狼(ライカン)たちと共に処刑ショーを始める。

では親愛なる……獣の諸君 長らく待たせたな! いよいよゲームの始まりだ!

そんじゃ期待してるぜ イーサン・ウィンターズ

準備はいいか?

愛用のハンマーでイーサンの手錠と繋がった鎖を叩き壊し、カウントダウンを開始。周囲に人狼(ライカン)たちが集まり、慌てて逃げ出すイーサン。
しかし逃げた先にも人狼(ライカン)だけではなくウリアシュの他、ハイゼンベルクが用意した吊り天井などのデストラップが待ち受けており、最後は部屋と同じ幅の巨大なトゲ付きローラーがトドメを刺しにくる。

これによりハイゼンベルクを含め「四貴族」全員がイーサンは死んだものと思っていた。
だが、実は彼は部屋の隅の僅かな窪みに入り込み、手錠を盾にしてトゲ付きローラーを防御。ついでにそれを逆に利用してやり手錠を壊す、という荒業で脱出に成功していた。
後にドミトレスク夫人の報告によって、ミランダたちと共にイーサンの生存を知ることになる。

後にモロー達3人を葬ったイーサンに、テレビ通話越しに再び接触。ローズを復活させる方法を教えるからと取引を持ちかけた。
まずはイーサンの実力を確めるべく、人狼(ライカン)の群れが蔓延る砦内に隠した胴体のフラスクを探すように命じ、今まで集めた4つのフラスクを納めた聖杯を鍵として自分がいる工場へ招き入れる。
そこでミランダの目的について説明すると、彼女を殺すべくイーサンに手を結ばないかと誘う。

しかしイーサンは「娘を人殺しの道具にはさせない」と拒否し、交渉は決裂。
そもそもイーサンからすればハイゼンベルクは娘を誘拐した上に文字通りバラバラにした張本人であり、加えてその所業を詫びるつもりも一切ないと来れば当然と言えば当然である。
一応ハイゼンベルク自身もそう返される事を予想していたのか、特に驚きも怒りもせずは「御愁傷様」と告げながらイーサンを工場の地下深くへ叩き落としてゾルダートたちをけしかけ、始末を目論む。

最初はゾルダートを倒しながら這い上がろうとするイーサンの様子を嘲笑していたが、ミランダがローズの部位を回収したことを途中で知ったらしく、早急にイーサンを始末すべくゾルダート・ジェットやシュツルムなどの強力なクリーチャーたちを差し向ける。
最終的にはシュツルムすら倒し、這い上がってきたイーサンの前に現れると、前述した怪物の姿へと変異し、再び彼を工場の最下層へと叩き落とした。

これで……終わりだ…… 死ね!

しかし、そこにはポリマー製の自走砲*2を改造・整備していたクリスがおり、彼と和解して自走砲を受け取ったイーサンはエレベーターで地上へと上がり、ハイゼンベルクとの直接対決を迎えることになる*3
ハイゼンベルクはイーサンと激戦を繰り広げた末に自走砲から引きずり下ろす
事に成功。そして特大の磁気嵐を起こしスクラップ諸共イーサンを巻き上げ、背面のタービンでイーサンにトドメを刺そうとする。
が、一緒に巻き上げられた自走砲の主砲を、皮肉にも今度は自身が「御愁傷様」のセリフと共に受けてしまい遂に致命傷を負う。

やめろ……ウソだ……こんな奴にやられるはずは……まだ……俺は……ミランダを……

最期は夢半ばで倒れることを嘆きながら爆発四散し、機械化した大脳「ハイゼンベルクの機械脳」も結晶化し死亡。彼の死を以て「四貴族」は全滅した。

マーセナリーズ

夫人と共にプレイアブルキャラとして操作できるようになった。
本編でのイーサンとの決戦では使用しなかったハンマーを用いた攻撃、丸鋸などの金属部品を飛び道具に使ったりする。
特殊行動として磁場操作でダッシュできない代わりに攻撃力などを強化、敵を引き寄せたりできる。
ゾルダートを呼び寄せて前方に突っ込んで自爆による大ダメージを与えることができるが、使用するとクールタイムが生じる。


余談

  • キャラのコンセプトやモチーフは、人造人間の怪物・フランケンシュタインの生みの親であるマッドサイエンティスト、ヴィクター・フランケンシュタイン。ハイゼンベルクが生み出したゾルダートが怪物に当たるだろう。

  • 公式が病気の人形劇『バイオ村であそぼ♪』では、「機械大好きハイゼンさん」として登場。
    当初は本編とは打って変わって穏やかで気の良いおじさんのような口調だったが、後にとあるキャラに「こわすぎる!」とツッコミを入れられた後は開き直り、一瞬だけ本編同様の粗暴な口調に戻った。

  • 日本語吹き替えを担当した白熊氏は、『バイオハザードレジスタンス』にてダニエル・ファブロンの声を務めた。
    ダニエルもサングラスなどの外見的特徴が一部似ていたことや、『レジスタンス』で初登場したキャラクターだったこと、近年のシリーズの吹き替えキャストが固定化されていることなどから、声優発表当初は同一人物説も挙がっていた。
    また、初期のPVでその声質から大塚明夫氏と勘違いした人が多かったらしく、これについて同氏はTwitterで「信じてくれ!俺はハイゼンベルクじゃないっ!!」と発言している。
    更に白熊氏は本作の実況プレイ動画を投稿しているのだが、ドミトレスク、ドナ、モローの三名には好意的なコメントをする中、自身が演じたハイゼンベルクの言動にはツッコミを入れたり茶化したり「おまえが変身してから収録大変だったんだぞ」と暴露したりで若干辛辣気味に接している。

  • クリスに工場を破壊された際には「あのゴリラ野郎」と悪態をついていた*4
    バイオテロリスト打倒のため身体を鍛えまくった結果、ファンからいつしか「ゴリス」という愛称(?)で呼ばれるようになったクリスだが、ここに来てまさかの公式ゴリラ呼ばわりである。

  • 姓やクリーチャーの名前がドイツ語由来なので、やはりドイツ語圏の出身と思われる。
    なお、アインシュタインよりも先に原水爆の理論を完成させたナチスドイツ所属の物理学者に、ヴェルナー・カール・ハイゼンベルクという人物がいるが名前の元ネタと思われる。


では親愛なる……アニヲタの諸君 長らく待たせたな! いよいよ編集の始まりだ!

そんじゃ期待してるぜ 冥殿 準備はいいか?

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • バイオハザード
  • カール・ハイゼンベルク
  • 白熊寛嗣
  • ハンマー
  • バイオハザード ヴィレッジ
  • 殺人マシンがぐーるぐる
  • グラサン
  • サングラス
  • 工場長
  • エンジニア
  • 弱肉強食
  • 野心家
  • カドゥ
  • 四貴族
  • 幹部
  • 磁力
  • 金属使い
  • 磁場
  • 本編より先に立った項目
  • ハイゼンさん
  • 改造
  • ゾルダート
  • 武器人間
  • カラ殺そうち
  • 機械大好きハイゼンさん
  • 御愁傷様
  • 中年
  • ヒゲ
  • 怪しげな工場長
  • ハイゼンベルク卿
  • 電気属性

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月15日 14:13

*1 発電魚として有名なデンキウナギやデンキナマズが淡水生であるのに対し、シビレエイは海水生。電気伝導率が高い環境のためか、発電器官が並列繋ぎになっており低電圧高電流の電気を発する。磁力の強さは電流の値に比例するのでこのチョイスなのだと思われる。

*2 元々はハイゼンベルクが磁力の影響を受けないように自分用に用意していたもの。とはいえ変異ハイゼンベルクが強力な磁気嵐を展開した際には、他のスクラップ類と一緒に巻き上げられている。人間態の自分が乗っても問題ないレベルで、ポリマー素材を「メインで」使用していると言った方が的確だろうか。

*3 なお、ゾルダートたちを製造する工場は戦闘中にクリスによって爆破されてしまった

*4 英語では「boulder-punching asshole」と呼んでいる。「岩殴り野郎」といった感じの意味だが、バイオ5の終盤でクリスがやった岩殴りをハイゼンベルクも知っていた事になる