リズム天国 ザ・ベスト+

登録日:2021/07/05 Mon 22:38:00
更新日:2024/11/20 Wed 15:37:45
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リズム天国 ザ・ベスト+』とは、ニンテンドー3DSで発売されたリズム天国シリーズの4作目である。


概要

タイトルに「ザ・ベスト」とあるように、『リズム天国』、『リズム天国ゴールド』、『みんなのリズム天国』の過去3作から多くのゲームが選出されている。
一方でこれまでより数は少ないものの新作リズムゲームもいくつか登場しており、タイトルの「+」はそこから来たものと考えられる。

ちなみに「初代」、「みんなの」と同様にボタン操作がメインとなっており、「ゴールド」出典のゲームは若干操作が変わっていたり*1横持ち用にレイアウトが大きく変わったりして当時とは感覚が異なる。
設定変更でタッチ操作で遊ぶこともできるため、そちらなら従来に近い感覚になるか。

前3作同様つんく♂がプロデュースしているが、2014年につんく♂が声帯摘出手術を受けて、その影響で開発終盤はしゃべれない中での作業となっていたらしい。


今までのリズム天国にはない要素として、ストーリーが追加されている。内容は天の国から落ちてきた「テビリ」と共に道中様々な人の困りごとを助けていきながら天の国を目指す、という内容になっている。
しかし、ストーリーが締まらない*2、(特に序盤の)展開がワンパターン、かつ道中の会話などでゲームのテンポを落としているためか、「リズム天国にストーリーはいらない」「ストーリーをつけるのはいいけど出来をもっとよくしてほしい」という批判の声もある。

他にも意外と難点が多く、
  • 通常の画面は選べるゲーム数が少なく移動に手間がかかる、従来シリーズのようなゲームが羅列された画面はあるが、行くために若干の移動が必要。
  • パーフェクトキャンペーンをするのに移動が必要かつ一度失敗すると強制停止させられ、また一々会話がありテンポを阻害する。
  • リミックスの種類が少ない*3
  • リズムおもちゃの廃止
といった難点が取りざたされやすい。特にUIの面は従来のシリーズより劣化しているといわれても否定はできないだろう。

一方で今作で出た便利な、あるいは魅力的な要素自体はかなり多く、
  • メイン要素である新作リズムゲームはどれも出来がいい。
  • 過去ゲームも含めるとゲーム数はなんと108種類もあり、歴代シリーズで最多のボリューム
  • 「初代」と「ゴールド」のゲームのグラフィックが格段に上がり、さらに全ゲームが3D表示に対応している。
  • 歴代のゲームで行うリミックスも好評。最終リミックスの終盤の演出はシリーズを長く遊んでいるほど感動するのでは。通常リミックスの少なさが惜しまれるが…
  • 得点が100点満点で表示されるようになり、どれくらいうまくいったかが分かりやすくなっている。(従来のやりなおし、平凡、ハイレベルは健在。)
  • 入力をした際ジャストなのか若干ずれているかが視認できるようになった。
  • ゲームが終わると得点に応じたコインがもらえ、さまざまなことに使えるのだが、ノーミスでもらえるコインが増えるためパフェキャンでなくともパーフェクトを目指す意味が増えた。
  • プレイ画面からやり直すことが出来るようになり、テンポに貢献している。
といった要素があげられる。


新要素として「キメ星」というものが追加されている。「ここぞ!」というときにジャストに近い位置で入力することで獲得でき、獲得できれば入手できるコインも増える。ゲームによっては他にいい場所あるだろ、というところがキメ星扱いになっていることもあるが。

ゲーム序盤では、従来のゲームを基に、より簡単になった入門版ゲームが用意されている。序盤に入門版が用意されたゲームは後の再登場(原作のゲームと同一の内容)では「かえってきた○○」という名前に変更される。

途中にある門は過去3作のエンドレスゲーム+新作の「チキンレース」で門番トリオのうち1人から出される条件を満たすことで開かれる。
門番によって難易度が異なり、難易度が高いほど挑むために必要なコインが少なくなる。
門番トリオ全員の条件をクリアすることで、そのゲームを「エンドレスゲーム」として遊ぶことが可能。

終盤には従来の「○○2」にあたる上位版ゲームが登場するのだが、そちらも初代の一部ゲームのように名前が少し変更されている(例えばマッスル人形2→マッスル人形チャンピオン等)。


やりこみ要素としては「チャレンジトレイン」が存在する。
コースごとに決められたいくつかのリズムゲームを進めていくのだが、それぞれにクリア条件があり、また一部のゲームには従来よりもMPMが速くなる「テンポアップ」が導入されている。終盤の一部コースの難易度は歴代リズム天国最難関といっても過言ではない。
条件には規定数以上の点数を取る、ミスの数を制限されるライフ制、ジャストを取らないと画面が徐々に小さくなり、怪獣に食べられたら失敗の「かいじゅうルール」などが存在する。3回失敗するとチャレンジ失敗となる。
チャレンジをクリアすると、「ノリ玉」が獲得でき、後述するショップでリズムゲームを購入可能。

また、ゲームに採点機能があるのでスコアの更新を目標としたハイスコア狙いのやりこみも存在し、序盤の比較的簡単なゲームはそれの触り始めにも繋がっている。
今作の「ノリカン」は今までとは違い全ゲーム(エンドレスを除いた104ゲーム)の平均点数によって決まり、シリーズ最大級、他の音ゲーと比較しても決して劣らない究極のやりこみ要素として存在している。
仕様上のノリカンの最大値は「100」だが、人力の手で到達するのはほぼ不可能とされている。


シリーズお馴染みのキッサ店にあるショップでは、ゲームの音楽とちょっとした小話が聞ける「リズムアイテム」をコインで、リズムゲームをパフェキャンやチャレンジトレインでもらえる「ノリ玉」で購入できる。
リズムゲームは「初代」と「ゴールド」から3つずつ、「みんなの」から12つの合わせて18つのゲームを購入可能。偏りがありすぎだろ*4
全てのゲームを集めるのに、全てのノリ玉を必要とはしない。余ったノリ玉は30コインと交換可能。

またキッサ店内で何故かヤギを飼っており、収穫した餌や余ったコインを使ってヤギに餌を食べさせてレベルアップさせるリズム全然関係ない「コリントゲーム」で遊ぶことが可能。
ヤギのレベルが一定数上がると、読み込み中に表示されるキャラが増える「マスコット」が手に入るため、息抜きに遊ぼう。

さらに「すれちがいテラス」ですれ違い通信によって相手の風船を割る「マッスル人形VS」で遊ぶことも可能。すれ違い通信をしなくともゲーム内のキャラクターと対戦可能。


登場ゲーム

ゲーム数が非常に多いため、全部は紹介せず一部ゲームの紹介にとどめる。

新作ゲーム

  • 階段キャッチ
Aボタンと十字ボタンで双子を操作し、階段から落ちてきた果物をキャッチする。オレンジとパイナップルでタイミングが異なるため注意。
「かえってきた階段キャッチ」ではオレンジとパイナップルが同時に落ちてくる等やや複雑なパターンが登場。
リズムアイテムの説明を見ればわかるが、落ちてきた果物は紙袋orビニール袋が破れて飛び出したものであり、双子は持ち主に返すのではなくそのまま持って行っている。つまり泥棒。

  • 通訳者
宇宙飛行士になり、火星人の言葉をリズム通りにボタンを押して翻訳するゲーム。火星人の言葉は最初は真面目な話題だが、途中から思い切り脱線する。「かつ丼うまい!」本作の腹筋崩壊要因その1
「かえってきた通訳者」は立場が逆になっており、火星人が地球人のおっさんの言葉を火星語に通訳する。難しいリズムパターンも登場するが、内容は「モテたい」だの「かつ丼が好き」だの入門編以上に要領を得ない。かつ丼なのに天丼とはこれ如何に

  • マキネコ
大小のマキを斧で次々に割っていくゲーム。ちなみにこのマキを置いていく「マキネコ」は体がものすごく伸びる。
本作の腹筋崩壊要因その2で、マキネコの基本動作の時点で大概シュールだが、終盤には斬新すぎる視覚妨害でプレイヤーの腹筋を殺しにかかる。フッキンを割るニャ。
「かえってきたマキネコ」は更に大きいマキが追加される。視覚妨害も更に強化される。

  • ゐあい斬り伝説
シリーズお馴染みの「ゐあひ斬り」枠。もちろん操作キャラは侍の虎伝立國。
なぜか8ビットテイストで、「悪霊退散」の悪霊を切っていく。巨大悪霊にはガードからのトドメで決めよう。
上位版として「ゐあい斬り伝説Ⅱ」も登場する。

  • ごっつあん兄弟
相撲取りの兄を操作して弟と四股を踏んだり張り手をしたりポーズを決めたりする。ポーズに失敗したときが結構シュール。
弟の方は兄に似ているからと差別化のためにメガネをしているが、それのおかげでモテたらしい。

  • 失恋ベアー
失恋により身も心もブルーになっているクマ吉くんクマさんがスイーツをドカ食いする。
曲調が悲壮感に溢れるもので思わず落涙しそうになる人も多い……が、ドカ食いの仕方がドーナツとケーキの2種類を天高く飛ばして口でキャッチするという色々とシュールなもの。普通に食えや
特にケーキのほうは画面外まで飛んでいくのでしっかりリズムを刻まないと落としてしまう。
リズム天国では非常に珍しい、3拍子のリズムゲームである。これ以外だと初代の「まほうつかい」ぐらいしかない。

  • てってってパンパン
上位版などを除けば最後に登場するゲーム。マキネコ同様ネコが登場するが、シュールなあちらとは違いいろいろユルい。いわゆる癒しゲーム。みんなのうたっぽい
ただ、最後というだけあって基本動作が3種類と多く、そのどれもが独特なリズムを持つため慣れるまでは難しい。

  • カラテ家の父
シリーズお馴染みの「カラテ家」の上位版、もとい総集編。最終リミックスを除いた最後のステージ。
タイトル通り「カラテ家」の父が活躍するゲームで、なんと「ゴールド」のパンチキックと「みんなの」のテキパキドッカーンが同時に登場する。

ちなみにカラテ家の父は動体視力に優れていて、飛んできた電球の色を見極めて次に何が飛んでくるのかが分かるらしい。
外見的な特徴として、「父」と書かれた道着を着ている。後やたらと髪の毛が盛られている息子はハゲなのに。
実は料理はあまり得意じゃないのか、息子曰く鍋を作った時は具が大きいのに味が薄く、あんまりおいしくなかったらしい。

これまでのゲーム

★がついているゲームは上位版も登場する。
※がついているゲームは本編では登場せず、ノリ玉で購入することで遊べるようになる。
  • 『リズム天国』より
カラテ家
リズム脱毛
パチパチ三人衆★
しろいおばけ
リズムお習字
タップダンズ★
マーチャ
スペースダンス★
ナイトウォーク
クイズ※

  • 『リズム天国ゴールド』より
ロボット工場・オイル(ロボット工場*5)
コーラスメン
シューティング
エアボーダー
ピンポン
アイドル★
ケロケロダンス★
ウラオモテ
ボックスショー※
カラテ家キック(カラテ家*6)※

  • 『みんなのリズム天国』より
バドミントン
マッスル人形★
小さないきもの
コロコロ探検隊
ホールインワン★
はたらくまんじゅう★
レスラー会見
シーソー
図書ガールズ
Wデート
くしざし※
だいスキRAP※
ロボット工場・ネジ(ロボット工場)※
さる時計※
カラテ家コンボ(カラテ家)※

前述したが、ここで紹介したゲームは一部。他にもいろいろなゲームが登場する。


キャラクター

  • テビリ
天の国から落ちてきたアフロのような頭(実は散髪できる)のキャラクター。
泣き虫な性格であったが、ゲームを進めていくごとにどんどん成長していく。

また、友達として本好きの「バッタ」、紅一点の「イヨカン」、名前通りの「オモナガ」、おなかが扉のようになっていて、中身が衝撃的な「ウコン」が登場する。

  • ヘビッピ
お世話好きの青い蛇。語尾に「~ッピ」と付けるのが特徴。
お知らせをしたり、ゲームに詰まった時に先に進めてくれる。

  • ブンブン
ハチハチランドの住人で、最初に登場する困っている人で、「ノリ」が足りなくなったことで大好物のはちみつが取れなくなり、悩んでいる。語尾に「ブン」と付ける。

  • ブルタ
マシーンランドの住人で、新しい工具と車を求めている。語尾に「ブルン」と付ける。

  • クッキン
オレンジランドの住人で、料理の材料を欲しがっている。
実は料理を作るのは親方で、自身はドーナツしか作れない。

  • ドナドナ
ドーナッツランドの住人で、語尾に「ナッツ」と付ける。子牛が運ばれていく歌とは関係ない。
イケメンのドーナッツ(?)を探しているらしいが、「イケメン」の基準は謎。

  • チョキル
チョキチョキランドの住人で、語尾に「チョキ」と付ける。
理髪店を経営しているが、廃れている。サインポールを知らなかった。

  • エグラン
バードランドの住人で、卵を孵化したいと悩んでいる。一見温厚なお姉さんだが、怒らせるとヤのつく人のような口調になる。

  • モックン
天の国に行く手段である「モリモリの塔」の番人で、モリモリの塔とこれまでに赴いた土地に対応する6つの塔を攻略すれば、天の国へ行けるようになる。
実は都会やビルにあこがれている。

  • イエモン
門番トリオの1人で、どことなく下品な顔立ちをしている。金にがめつい。お茶は関係ない。
試練の難易度は低いが、その分かかるコインが高い。
本人は知らないふりをしているが、ショップを経営している。

  • ブルック
門番トリオの1人で、比較的端正な顔立ち。冷静沈着な性格。骸骨ではない
試練の難易度、かかるコイン共に中間。
本人は知らないふりをしているが、博物館で受付をしている。何故かアシュリーの人形が置かれている。

  • レドロン
門番トリオのリーダーで、険しい顔立ちをしている。
試練の難易度は高いが、その分かかるコインが安い。
本人は知らないふりをしているが、チャレンジトレインとパーフェクトキャンペーンの受付をしている。

  • ママリン宮殿
テビリのママであり、天の国の女王。優しい性格。
宮殿の姿をしているが、これは彼女のみでなく、テビリの種族自体が大人になると宮殿になるという事である。
ある時から恐ろしい顔つきとなり、それと同時に天の国がドンヨリとし始めた。
さらに「レフトタワー」と「ライトタワー」の悪ノリが原因で扉が開かないため、先にその塔を攻略する必要がある。



余談

入門編のリズムゲーム群やかんたんタッチ設定など、過去作以上に新規のプレイヤーに配慮した作りになっている。
だが、旧作プレイヤーの目からみれば余計な部分と思う要素もちらほら。

今作では既存のリズムゲームにもいろいろ手を加えてある。
前述したグラフィックの向上や「ゴールド」の画面や操作の変更に加え、評価とリザルトの文や一枚絵の変更などが行われている。リミックスの「かなりサイコーでーす!」が変更になったのは残念。
「アイドル」「うれっこアイドル」は歌い手やグラフィック、演出など全てが「ゴールド」とは別物になっている。操作も変更された。
同じく「ゴールド」からの出典である「コスモピンポン」も「ピンポン2」と異なり「コスモダンス」のコスモ星人に変更されている*7

また、「初代」「ゴールド」のオープニングムービーが総とっかえされている。「みんなの」のものは全てアニメーションになっている一方、それ以前の作品は一枚絵のものもあったからだろう。
そのせいで「カラテ家コンボ*8」だけカラテ家の中で毛色が異なり浮くというちょっとした弊害もあったり。
また、「みんなの」のリズムゲームも、名称が変更されたものはそれに合わせて変更が加えられている。
しかし、新規ゲームも含めて結構な量のゲームのオープニングムービーを新しくこしらえているためか、新規のオープニングムービー*9タイトルに使われるフォントがシンプルかつ、いくつかのリズムゲームで同一のものが使われていることが多く、それぞれに凝った独自のフォントが使われている「みんなの」のリズムゲームと比べると、少ししょぼく感じる人もいるかもしれない。

新規ゲームのオープニングジングルについては、新規はリミックスのみで、通常のリズムゲームはこれまでのシリーズのジングルが使われている。
「みんなの」出典のジングルを使うゲームが多数ある一方、「初代」「ゴールド」出典のジングルを使用しているゲームはやや少なめ。

「ゴールド」と「みんなの」ではスタッフロールもリズムゲームになっていたが、今作では普通のスタッフロールになっている。
「ゴールド」のスタッフロールである「エアボーダー」は収録されているのだが(さすがにスタッフロールはない)。また、「みんなの」のスタッフロール「ナイトウォーク」の元ネタである「初代」の「ナイトウォーク」も収録されている。


追記・修正はチャレンジトレインのレドロンコースを制覇した人にお願いします。

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最終更新:2024年11月20日 15:37

*1 ハジくアクションがボタン長押しに変更。それに伴い「犬忍者」など動きが変わったゲームも。

*2 ゲーム内でも「大した話では無かった」といわれている。

*3 実際には「ゴールド」「みんなの」と同様の10つだが、今作ではゲーム数が多い分最後の全部乗せリミックスが3分割され、普通のリミックスの数は7つと少ない。また5種類以上のゲームを含むリミックスが「全部乗せ」の3つ以外に無いことも残念がられやすい。

*4 おそらく「みんなの」のゲームは流用で済ませられるため。

*5 「みんなで」の「ロボット工場」との差別化のため名称変更。「みんなで」版は「ネジ」が付く。

*6 他のカラテ家との差別化のため名称変更。「みんなで」版は「コンボ」が付く。

*7 「ゴールド」の頃からコスモ星人にする予定だったが、諸事情でピンポン星人のままになったらしい。

*8 「みんなの」でのカラテ家。

*9 新規ゲームも含む。