深海理沙

登録日:2021/08/16 Mon 20:22:15
更新日:2025/03/02 Sun 15:01:17
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深海理沙とは、映画『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』の登場人物。

演:小沢真珠

人物

陸上自衛隊の士官で八王子駐屯地所属。階級は一等陸尉。超能力開発研究所の責任者。
普段は温和な人柄を装っているが、本性は己の信じる『国防』の為ならあらゆる犠牲を正当化する冷徹を通り越した人格破綻者。
被験者の孤児達の遺体を『人』ではなく『体』と単位付けしたり、G4を求めた理由自体が「人間はそれだけでは兵器になれない」という結論のもとだったり、使う人間の命に関わる欠陥を手を付けず運用したりと、『人間』を徹底的に軽んじている。

彼女なりに職業意識は強く国の現状を憂いているが、『国防』を完全に履き違えており、部下はおろか民間人の死亡を前提とした作戦を平然と実行したり、
他人が設計した物を設計者の意思を無視して無断複製、使用した事を「埋もれていた宝を世に出しただけ」といけしゃあしゃあと答える、
G4システムを封印に至らしめた事故を「些細な事故」と見なす*1
それでいて自身は命懸けで戦おうともせずに危機が訪れると部下を盾にして逃げる等モラルや良識は完全に欠落している。
国を憂いているというより、国を守っている自分に酔っているという方が正しいか。
本編でも自分の考えで意図的に他人を加害する人物は度々出ているが、規模、思想、感性ともに彼女のは一線を画している。

何時からかは不明だが自衛隊は超能力の実在を既に掴んでおり、超能力者を軍事運用する為に資質のある孤児達を集め、研究していた。この研究はそれなりに実を結んでおり、超能力者の出すシータ波に反応するブレスレットやシータ波のパターンからの超能力の素質の傾向の割出、予知能力とG4システムのAIを同調させるESPシステムを生み出している。

目的はG4システムと超能力の研究成果を組み合わせ、科学をも越えた存在にして量産し、最強の軍隊を築く事。しかしながらそれは守るべき国を蝕み、国防を内から脅かす本末転倒なものである事に気付いていない。
そもそもG4の出自や危険性を考えれば普通は認可される筈がない。

なお、超能力で兵器並みの力を得た存在と言える「アギト」には意外にも興味を示しておらず、G4のテスト相手程度にしか見ていない。
アギト=人間であることが知られていなかったこともあるが、本音では「自分の思い通りになる」という要素を兵器に求めていたとも考えられる。
研究所の子供がアギトに覚醒しなかったのは不幸中の幸いだったと言えよう。

劇中の動向

超能力開発研究所がフォルミカ・ペデスにより壊滅すると、警察の検分が始まる前に被験者である子供達の遺体を特務部隊に『処理』させて秘匿。
そして超能力だけでは不十分と思い至った彼女はG4システムの入手を目論みG3ユニットに研修生として入り込む。しかし完成品の奪取が不可能と知ると泥酔させた尾室から小沢澄子のコンピューターのパスワードを聞き出して設計図を盗み出し、用が済んだと言わんばかりに研修を切り上げる。
G4製造と平行して新しい「素材」確保の為ESPクイズを不特定多数にばら蒔き、結果的にアンノウンの使命の手助けをした*2。これが原因で少なくとも12人が殺されている。

そしてG4を完成させ、幾人もの装着者を死に至らしめた後水城を装着員として実戦投入。アギトとG3-X、ペデスの軍勢との戦場に向かわせた。戦闘後に、氷川達に本来の姿を見せて基地に招く。当然小沢に糾弾されるが、笑顔で聞き流し自分の計画を語ってみせた。

その後、研究所から辛くも逃げ延び、紆余曲折あって合流していた紗綾香とレイを発見。連れ帰ろうとしたところ、紗綾香を追っていた真魚が紗綾香以上のシータ波を発していることに気づき誘拐。翔一達から事の顛末を聞いた小沢や警察上層部からの追及も躱し、直接救出に向かった翔一(アギト)と氷川(G3-X)も真魚を組み込んで完成したESPシステムの力を以て撃退させる。

G4が「何者にも触れる事すら出来ない時間をも超越した別次元の存在」になったと歓喜していたが、真魚の力を感知したアントロード達が基地を襲撃。
ペデスの物量に加え、真魚が意識を取り戻したことによるG4の不調もあって迎撃は失敗。
遂には自身のいる制御室にまでペデスの侵入を許し、盾にしようとした部下たちも全滅したところで皮肉にも捕えていた氷川に助けられる。

そして氷川と水城の決闘をモニター越しで観戦。G4の勝利を疑わない彼女だったが、見届ける事は叶わず人知れず仮面ライダーが取り零したペデス達に生きたまま貪られるという無惨な最期を遂げた。

関連人物


  • 水城史朗
部下。劇中のG4システムの装着員で、死ぬ事を承知で志願した。しかし彼女にとってはこれまでの装着者同様捨て駒でしかなく、彼もそれは解っていた。

  • 加原紗綾香&本木レイ
研究所ただ2人の生き残り。生存を知った際は、特に優秀だった紗綾香をESPシステムに組み込むべく連れ帰ろうとする。
「身寄りのないあなたたちに普通の暮らしなんて無理」と酷薄な言葉を投げかけた上で懐柔しようとするも、
真魚の素質を知った途端に用済みとばかりに放置した。

一時的な同僚。水城への説得(水城曰く『甘ちゃんの戯言』で氷川も認めている)や自分の生きる事への考えを「脆弱な人間の生死を語ってどんな意味があると言うの?」「人間はただG4の力に感謝すればいい」と嘲笑した。最後の「氷川誠として戦う事の決意」も何も理解出来なかった。

一時的な上司。G4を彼女の「最高傑作」と評して一方的な敬意と軽視を交えた態度を向け、G4の危険性を説かれても聞く耳を持たなかった。
最後の氷川とG4の戦いは、二人の思想のぶつかり合いの代理戦と言えるが、「盗んだ武器の上っ面の価値しか見ようとせず扱う人間を蔑ろにする者」が崇拝する「扱う人間に死を押し付ける兵器」と、「己が作った武器よりも扱う人間を信じる者」が想いを託した「生きる為に戦う人間」とでは、どっちが勝つかは分かりきった事だった。

  • 尾室隆弘
一時的な同僚。前述の通り泥酔した彼を利用してG4の設計図を盗み出した。

余談

演者の小沢真珠は後に昼ドラの『牡丹と薔薇』にて「牡丹じゃなくて豚よ!」等の名言を残すなどとして悪女役でブレイクし国民的女優として上り詰めた経緯がある。
そんな彼女が出演した今作での演技やキャラクターは後のブレイクの兆候が見られると言えなくもない。

なお、後に「アギトの続編」として制作された平成ライダー作品劇場版に主要人物として出演した某オリーブオイルの妖精も似たような経緯でのブレイクを果たしていたりする。


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最終更新:2025年03月02日 15:01

*1 詳細は語られていないが、小沢の激昂が物語っている

*2 回答者が襲われるのは想定済みであり、被験者の『保護』の題目にアンノウンを利用していた。