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仮面ライダー555

登録日:2009/06/29 Mon 19:02:07
更新日:2026/08/03 Mon 14:07:15
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 疾   走   す   る   本   能 




 Open your eyes for the next Φ's! 


画像出典:仮面ライダー555 第40話『人間の証』
放送日:2003年11月9日
©石森プロ・東映


『仮面ライダー555』とは、2003年1月26日から2004年1月18日まで放送された仮面ライダーシリーズの特撮テレビドラマであり、「平成仮面ライダーシリーズ」の第4作目にあたる。全50話。
ちなみに「555」と書いて「Φ's/ファイズ」と読む。

劇場版には『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』と『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』がある。


Φ 概要

シリーズ前作の『仮面ライダー龍騎』に続き、当時としてはデザインから異色とされたライダー。
本作と同じく白倉伸一郎プロデューサーが手掛けた『仮面ライダーアギト』の第47話~第51話(最終回)でも少し触れられた「異種族との共存」と「」をテーマに、「人が人として生き、人として死んでいく物語」を描く。
脚本は『アギト』以来のメインとなる井上敏樹が担当し、なんと全話執筆という偉業を成し遂げた。

ストーリー的には人間・怪人の双方を巻き込んだ変身ベルトの奪い合いや、変身者の複雑な交代劇、裏切り・欺き・すれ違いなどといった愛憎劇が特徴。
特に、変身者に関しては主人公が主役ライダー以外のライダーに変身したり、敵が主役ライダーに変身したりといった、通常のヒーローものではあまり見られない事態が頻繁に発生する。
前作『龍騎』はシリアス展開の中でもそれなりにコミカルな場面を挿入していたのに対し、こちらはギャグ描写は皆無という程ではないものの、かなり少ない。
平成1期恒例の夏のギャグ回もなく、ダークで重い雰囲気が最初から最後まで貫かれた。その反動なのか、ハイパーバトルビデオは歴代屈指のカオスな作風になり、ファンを困惑させた
本来のターゲットである幼年層には重めの鬱展開も多く、仮面ライダーシリーズ全体を通して賛否両論の激しい作品の一つ。

また、最大の特徴として今作では敵側の背景にも大きく触れており、敵怪人側の主人公というのも存在する。
今作に至るまでは、敵組織・怪人の戦う背景や過去などの描写はほとんど無いか、あっても単発回で時々取り上げられるくらいだったが、今作を切っ掛けに怪人サイドも本格的に描かれる事が増えていった。

スタイリッシュなアクションやギリシャ記号をモチーフにしたライダー、及び怪人・オルフェノクのデザインには定評があり、主役ライダーの変身ベルト「DXファイズドライバー」は2010年に「DXダブルドライバー」に抜かれるまでの約7年間、平成ライダー史上最高の売り上げを維持した。
劇場版の興行収入も2009年の『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に抜かれるまで歴代1位を誇った。

主題歌は「DA PUMP」ISSAの1stソロシングル『Justiφ's』(石原慎一による挿入歌「Dead or alive」とのスプリットシングル)。
前年の『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』に続いてのJ-POPアーティストによる主題歌担当は、以降avex系を中心に一般層にも知名度が高い歌手達が多数選出される先駆けとなった。


Φ あらすじ

九州から美容師の夢を抱き上京する少女、園田真理。
バイク旅の途上で、一人旅をしていた青年・乾巧と共に謎の怪人「オルフェノク」に襲われた。
真理は持っていた「ファイズギア」を用いて怪人の撃退を試みるが、ベルトは彼女を拒絶。
窮地に陥った彼女は巧にファイズのベルトを装着、ファイズに変身させ、怪人の撃退に成功する。

時を同じくして、木場勇治は2年前の交通事故による昏睡状態の中にいた。
そのまま目を覚ます事なく死亡したが、突如謎の蘇生を遂げる。
だが2年の間に周囲の状況が大きく変わり、全てを失い自暴自棄になる木場。
そんな折、スマートレディという女性が現れ、彼が死によって「オルフェノク」として覚醒した事を告げるのだった───

2人の青年を中心に、ベルトを、ひいては人類の未来を巡るオルフェノクとの戦いが静かに幕を開けた。


Φ 登場人物

演:半田健人

主人公。職を転々としながらバイクで旅をしていた青年。
九州で真理と出会い、無理矢理ファイズに変身させられた事を機に、図らずも人類とオルフェノクとの戦いに身を投じていく。
一見すると無愛想でぶっきらぼうだが、胸の内には確かな優しさを持ち合わせている。
実はその正体は……
劇中ではファイズとデルタに変身。気怠そうな仕草と変身後の手首のスナップが特徴。

演:泉政行

もう一人の主人公。両親を乗せて車を運転中に事故に遭い、2年間の植物状態を経て死亡するも、ホースオルフェノクとして蘇生・覚醒する。
オルフェノクと人間の共存を理想に、オルフェノクから人間、あるいは同類に狙われるオルフェノクを守っていく。
普段は優しく温和だが、少々騙されやすいのが玉にキズで、一度敵と認識した相手は容赦なく攻撃する。
劇中ではファイズ・カイザに変身。正装着者よりも正義の味方っぽい、丁寧な戦い方が印象的。

演:芳賀優里亜

メインヒロイン。美容師を目指す少女。
幼い頃に両親を亡くし、「流星塾」で育った。
九州に滞在中、ファイズギアの謎を確かめる為、東京のスマートブレイン本社に向かう途中で巧と出会う。

演:溝呂木賢

「世界中の洗濯物が真っ白になるように、世界中のみんなが幸せになる」事を夢見る、良くも悪くもお人よし。
クリーニングの修行先の九州で巧・真理と出会い、以降2人と行動を共にする。
オルフェノクと遭遇→「た、たっくん、オルフェノクが!」の流れはもはやテンプレ。
映画『パラダイス・ロスト』でのみカイザに変身。出番自体は短いが、ガムシャラな戦い方が特徴。

演:加藤美佳(現・我謝よしか)

養父母と義理の妹・道子や通っていた高校の生徒達からいじめ・虐待を受けていたが、陸橋の階段で転落事故により死亡し、直後にクレインオルフェノクとして覚醒する。
行き場を失っていた時に出会った木場の元で居候する。
本作の登場人物の中でもかなり不幸な人物で、人間への潜在的憎悪と恐怖から、密かに殺戮を繰り返していた。

演:唐橋充

元音大生で、クラシックギターで天才的な才能を発揮していたが、バイク事故で演奏家生命を絶たれる。
その後たまたま居合わせた喫茶店でオルフェノクに襲われ、スネークオルフェノクとして覚醒。以後、木場達と行動を共にする。
時に感情の赴くまま奇矯な行動に出るが、本心では人間を愛しており、常に周囲を気にかけている。
劇中では一時ファイズに変身。オートバジンとの連携で「裏切者」のレッテルを貼られたオルフェノクと戦った。
余談だが中の人は絵が上手い、ギターが上手い、歌も上手いと芸術方面でかなり多才だったりする。

演:村上幸平

真理と同じく流星塾の出身の大学生。多方面に際立った才能を持ち、数々の運動部の部長を兼任していた。
一見温厚で頼もしげな好青年だが、本質は陰険で卑劣かつ自己中心的で、言動に裏表がある。
自分に好意を示す者や利をもたらす者には好意的な態度を示すが、そうでない者は策を弄してでも排除にかかる。
巧とは犬猿なんてレベルじゃ無いほど仲が悪いが、対オルフェノク戦になると平成ライダーでも一、二を争うコンビネーションを見せる。
劇中では唯一、3本のベルトの装着を経験している。変身後に襟元を正すような仕草が特徴。

演:原田篤

流星塾の出身者。デルタギアの最終的な装着者となる青年。
根は優しいが、流星塾の事を含め自分の周囲で起こる異変を疎ましく思い、「静かに生きていたい」と極端に戦いを嫌う。
戦闘経験の不足から、デルタの性能を十分に引き出せているとは言い難いが、仲間との連携や窮地では機転の利いた働きをする。
しかし、流星塾のメンバーのひとりという扱いの時期が長い上に、「良くも悪くも普通の人」というキャラ描写のせいか本作の装着者の中では比較的影が薄い。
彼個人に焦点が当たるまでのその地味な扱い、加えて巧や草加、デルタ準装着者の北崎・村上のようなアクの強さが無いためか、「平成ライダーの銃使いはヘタレ」という偏見を助長する一因となっている。
そもそもデルタは「唯一の武装が銃」というだけで、射撃主体の戦闘スタイルで戦うライダーではない。実際作中ではその殆どが肉弾戦である。
なお、作品終了後には「三原はヘタレではない」と見直しを訴えるムーブメントも起こっている。

演:村井克行

スマートブレインの新社長。
自身もオルフェノクであり、オルフェノクの種の繁栄と地位の確立を目論んでいる。その為、奪われた3本のベルトを何としても取り戻そうとしている。
冷静沈着な態度を取るが、予期せぬ寝返りや侮辱には弱く、激昂する場面も多い。
一方で自分の利益になると判断すればかつて敵対していた人物であっても迎え入れるほどの度量の広さを持つ。
劇中では一時デルタに変身。ジェットスライガーを駆使してサイドバッシャーと激闘を繰り広げた。

  • ラッキークローバー
スマートブレインの幹部に位置する、「上の上」のオルフェノクの四人衆。
4人目は劇中で何回か変わっている。
実は怪人態が4人同時に揃った事は一度もない。

  • スマートレディ
演:栗原瞳

スマートブレインのスポークスウーマン。
社長秘書のような立場にあるらしいが、オルフェノクになった人間の世話をしたり、スマートブレインの企業CMに出演したりと、活動の幅は広い。
正体は一切不明であり、「ハーイ♪」など幼児に対する保育士のような口調で喋る。
当初はラッキークローバーを恐れていたがその理由は明かされず、中盤以降はラッキークローバ-候補にも普通に接していた。
全体を通し、誰に対しても慇懃無礼とも言える雰囲気を持ち続けていた。
最終回では花形・村上・勇治といったそれぞれの社長を失ったスマートブレイン社が解散を始めて、本社ビルから設備が撤去される様子を眺めていた。
劇中CMやオープニングなどで蝶を連想させる描写がなされながらも、最後まで正体は不明のままだったが、後にそもそも特に設定を設けていなかった事が明かされている。

演:中康治

この物語の元凶と呼べる人物。スマートブレインの前社長にて流星塾の創設者。真理達からは「父さん」と呼ばれ慕われていた。
正体はオルフェノクだが、巧達とは敵対しなかった。
怪人態としては一番最初に登場したが、そこから物語に本格的に絡むようになったのは終盤から。

  • 添野錠二
演:石田太郎

ベテラン刑事。仁丹を好み、よく服用している。
部下の沢村(演:岩川幸司)と共に連続不審死事件を追ううちに、独自にオルフェノクの謎に迫る。

演:小川敦史

警察庁の高官。
物語後半の更なる熾烈な展開をもたらしたキーパーソン。


Φ 派生作品

2003年8月16日に公開された『555』の劇場映画作品。
同時上映は『爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』。

TVシリーズ放送終了直後にリリースされた小説版で、執筆はTV本編と同じく井上敏樹が手掛けた。
TV本編のリメイク的な内容だが、非常にハードな作品で、特に一部の登場人物はかなり悲惨な結末を迎える。
2013年には講談社キャラクター文庫から書き下ろしを加え、『小説 仮面ライダーファイズ』の題で再販された。

  • 555(ファイズ)
桜庭一樹による小説作品。
上記の映画『パラダイス・ロスト』のノベライズという立ち位置だが、アクション要素は控えめで、それ以上に登場人物の内面にフォーカスを当てた作風となっている。

『てれびくん』応募者全員サービス企画作品。
前述した通り、TV本編のシリアスぶりから打って変わって歴代でも屈指のカオスな内容となっている。

実にTVシリーズ終了より15年経った2019年から、『電撃マオウ』誌にて連載された漫画版。
脚本はTV本編と同じく井上敏樹、作画はかのえゆうし、協力に草加役の村上幸平という布陣が揃っている。
内容はTVシリーズのパラレルストーリーで、タイトル通り草加を主人公にしたリブート的な物語が展開される。
単行本は全5巻だが、話の途中でぶった切られ、打ち切りとなってしまった。

  • 仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド
『555』放送20周年を記念したVシネクスト作品。2024年2月2日に一部劇場で期間限定上映された後、同年5月29日にBlu-ray / DVDが発売された。
TV本編から20年後を舞台に、巧達の新たな戦いが描かれる。

  • 仮面ライダー555殺人事件
上記の『パラダイス・リゲインド』公開・発売に合わせて、東映特撮ファンクラブ(TTFC)にて配信されたスピンオフドラマ。
問題編と解決編の2部構成となり、問題編が2024年1月28日に、解決編が同年5月5日に配信された。


Φ 余談

初期の企画段階では、『仮面ライダーX』の没案でもある『GO5号』という番組タイトルが挙がっていた。
他にも818(ヤイバ)819(バイク)203(フレア)213(ファイズ)などが挙がっており、結果として213が選ばれる事になったが、ファイブの複数形っぽく「ファイズ」のほうがかっこいいという事で現在の名前に決定したという経緯がある。
没となった213は一文字変えて913(カイザ)として使われた。

本作に登場するライダーは夜になると光り輝くことから、『宇宙刑事』シリーズのリメイクとネット上で噂されているが、スタッフはこれを否定している。

アニメ・実写映画監督の庵野秀明氏は本作の大ファン。妻の安野モヨコ氏のエッセイ漫画『監督不行届』では、ファイズギアで童心に帰って遊ぶ微笑ましいエピソードが語られている。
さらに監督作品の『シン・ゴジラ』ではヤシオリ作戦で使用された血液凝固剤の製造会社の一つに「スマートブレイン」及び原材料として「フォトンブラッド水和物」「デルタ-333」が登場(劇中では一瞬映る程度で、あくまでイースターエッグ扱い)し、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』では宇宙服の背番号に「913」「333」が登場するなど、本作のオマージュを多く組み込んでいる。

「Justiφ's」は2017年に巧役の半田健人氏によるカバー版(アルバム『HOMEMADE』収録)が制作され、2018年には半田氏と村上幸平氏によるデュエット版も発表されたが、なぜか原曲と異なるミディアムバラード調となっていた。

2023年10月には『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』とコラボし、井上氏が脚本を手掛けたオリジナルストーリー「アナザー・テスタメント」が公開された。



おい、知ってるか?
“『夢』を持つとな、時々スッゴイ切なくなるが、時々スッゴイ熱くなる”……らしいぜ。

俺には夢がない…。でもな、夢を守ることはできる。



知ってるかな? 『夢』っていうのは『呪い』と同じなんだ。

“途中で挫折した者はずっと呪われたまま”……らしい……

あなたの……罪は重い!



2人の青年が異なる姿で、異なる形の、同じ『夢』を語る。
これこそがこの作品の象徴なのかも知れない。


俺は追記・修正する……。Wiki篭りとして、ファイズとして!


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最終更新:2026年08月03日 14:07
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