カルマッソ(DQMJ)

登録日:2021/08/29 Sun 18:44:02
更新日:2025/02/02 Sun 21:53:49
所要時間:約 12 分で読めます






キミは 気にならないかい?
モンスターが どこから きたのか。

魔界とよばれる 異世界……
そこがモンスターの ふるさとなんだ。

きっと
モンスターの ラクエンなんだろうね。

かなうなら ぼくも行ってみたいよ。



カルマッソとは、ニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」の登場人物。


◯概要だよん

首から眼鏡を下げた紺髪の老人で、最強のモンスターマスターを決める大会「バトルGP」を取り仕切るGP協会の会長。
今回のGPがマデュライト*1集めという一風変わったルールになったのも、優勝賞品が伝説の宝具となったのも彼の決定によるものである。
GP協会以外にも医者・研究者・モンスターマスターと何足もの草鞋を履きこなす多才なお爺ちゃんであり、作中の人物(特にGP関係者)からは概ね高い評価を受けている。

ゲーム中のグラフィックでは常に穏やかな笑みを浮かべており、年齢や立場からは想像もできないほど軽妙かつコミカルな口調で話す。特に「にゃははは」という独特な笑い方が印象的。


◯作中での活躍だよん

重要人物だけあって出番は多く、序盤も序盤の開会式イベントで華々しく登場する。

その少し後のサンドロ島では「珍しいモンスターが現れた」という噂を聞きつけて現れ、偶々そこにいた手負いのスペディオを治療してくれるという人のいい一面を見せる。
この時「伝説の神獣」について熱く語っているが、眼前にいるスペディオがそれそのものだとは気づかなかった様子。

そしてストーリー中盤、主人公の所属する組織「ジェイル」から「カルマッソ会長に戦いを挑め」という指令が届く。
最初はバトルを渋るカルマッソだったが、取り次ぎの女性係員の説得によって結局これを承諾。サンドロ島の闘技場で4連続バトルを行うことになる。

相手パーティは連戦が進む毎にどんどん強くなっていき、最終戦に至ってはギガンテスだのブラックドラゴンだのを使ってくる…が、所謂イベントバトルなので負けても問題なくシナリオは進む。
とはいえ、こちらが十分に強ければ普通に勝つことも可能。少なくともゲマキングレオを倒すよりは遥かに現実的なので、自信があるなら本気で勝ちに行くのも一興。まあ、勝ってもセリフがちょっと変わるだけだが。

そんなこんなで戦いを終えた主人公とカルマッソは、サンドロ島の夜空を見上げながらしばし歓談の時を過ごす。
記事冒頭のセリフはこの時のものであり、老齢でありながら自身の夢やモンスターへの愛を無邪気に語る様はとても純粋なものを感じさせる。

…しかし、街へ戻ったカルマッソに会長室に泥棒が入ったという報せが届く。
急いで部屋に戻るが時すでに遅し、優勝賞品の宝具こそ無事だったものの研究資料や日記を盗まれてしまう。
それでも尚、バトルに誘った主人公を責めるでもなく「研究に関することは全部頭に入ってるから問題なし」「僕以外に悲しい思いをする人が出なくてホントによかった」と気丈に振る舞う。
どこまでも出来た人物である。












※ここから先は「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」のネタバレが含まれます。












決勝の相手アロマがドロップキックによって大会からドロップアウトした為、見事バトルGPの覇者となった主人公と神獣は、優勝賞品の宝具を受け取りに会長室へと向かう。
長年探し求めた宝具を前に、感無量の神獣だったが…



おめでとう! 長かったんだね。
ここまで くろうしてきたんだね。

でもね ぼくも 長いあいだ
ずっと まっていたんだよ。

レアモンスターくん……いや!
伝説の神獣くん!



キミには まず この魔砲珠のチカラを

うけとってもらおうかなっ!





突如豹変したカルマッソは、魔砲珠なる球体を使って神獣に大量のマ素を浴びせ、禍々しい姿…デモンスペーディオに変貌させてしまう。
神獣の使命は300年に一度だけ開く魔界の門を閉じること。
その神獣をマ素で侵して逆に魔界の門を広げさせ、この世をモンスターの楽園にすることがカルマッソの真の目的だったのだ。
GPの選手にマ素の塊であるマデュライトを集めさせたのも魔砲珠を造り出す為。
優勝賞品を宝具にしたのも神獣を誘き出す為である。

ジェイルの手によって宝具が偽物にすり替えられていたことに気づいたカルマッソとデモンスペーディオは、ジェイルのアジトを襲撃して宝具を奪い返し、とうとう魔界の門を開いてしまう。

その後ヨッドムア島の頂上で主人公、そして我を取り戻した神獣と相対する。
神獣を再びマ素で染め上げようとするが、主人公の持つ浄魔球*2に阻まれマ素を切らしてしまう。
こちらにバッファロンとモヒカントをけしかけ、その隙に魔界の門からマ素を補充する作戦に出るが、滝のようにマ素が降ってきて…











おりょりょりょ!?
目のたかさが ちがうぞ。



この手!? この体!?

ぼくは……モンスターに!?



避けられず、とてつもない量のマ素をその身に浴びたカルマッソはなんとモンスターの姿になってしまう
しかし、彼はショックを受けるどころか



これは 新発見だぞぉ!

この よろこび!
みんなにも わけてあげたい!

みんなで なかよくモンスターになろう!


…と更に暴走し、魔界の門を閉ざさんとする主人公達と激突する。
このモンスターと化したカルマッソこそ本作のラスボス、ガルマッゾである。
戦闘では嘆きの亡霊魔王の使いを両脇に侍らせ、本人(もう人じゃないけど)はイオナズンやドルマドンといった強力な呪文を操り、更に2回行動までする*3強敵。

これを撃破すると門を閉じないよう懇願した後


みんなが モンスターになれば
人間いじょうの 体が手に入る。

これは すばらしいことなんだよ。
人間のためなんだ。

と最期までモンスター化の素晴らしさを説き、にゃははははは…と笑いながら消滅する。
良くも悪くも、己の欲望や目的に真っすぐな男であった。

その後、宝具の力でJOKERに進化した神獣は魔界の門を閉じ封印する為に門へと飛び込み、主人公とはそのまま別れることとなる。
しかし、封印の最中ある一匹のモンスターに逃げられてしまうのだが…それはまた別のお話。


◯仲間にする方法だよん

そんな彼だが、配合で生み出すことでこちらが使役することも可能。
元は人間なのになぜ配合で作れるのかって?バルザックの前で同じこと言えんの?
だがその道のりは非常に険しく、

・スカウトも配合も困難なメタルキングを必要とするスライムマデュラ

・配合では生み出せず、1ソフトに1体しか手に入らないキャプテン・クロウ

・竜王以外の過去作ラスボスをふんだんに使うオルゴ・デミーラとラプソーン(第二形態)

の4体を配合することで漸くお目見えとなる。
特にキャプテン・クロウは竜王の配合にも使用するため、ガルマッゾを作る場合はあちらを諦めなければならない。通信交換やすれちがいスカウトで複数体のクロウを入手できれば話は別だが…
元は男性なのになぜ♀もいるのかって?ハエおとこやミイラおとこの前で同じこと言えんの?
ちなみにラプソーン第二形態は竜王共々竜神王の素材でもある。このデブも大概の配合難易度なので両立出来たら間違いなく廃人。


◯モンスターとしての性能だよん

このように大変な労力をかけなければ仲間にできないガルマッゾだが、性能の方は…ハッキリ言って微妙
ステータスは元学者らしく賢さがカンストまで上がるが、それ以外は総じて中途半端で、特に守備力と素早さはかなり低い。
一応AI2回行動とテンションアップを併せ持つ唯一のモンスターであり、テンションを乗せた2回攻撃は確かに強力なのだが、ガチ対戦では悠長にテンションを上げている暇など無いわけで…。
ちなみにゾンビ系。

しかし、そんな彼にも輝ける場所は存在する。それはスカウト要員である。
本作では従来のDQMシリーズと異なり「スカウトアタック」という手段を用いてモンスターを仲間にする。
これは平たく言うと「攻撃力が高ければ高いほどモンスターを仲間にしやすくなる」システムなので、テンションを上げた状態で2回殴れるガルマッゾはまさにうってつけの人材(もう人じゃないけど)なのだ。
モンスター集めに特化した性能というのは、ある意味モンスターを愛する彼らしいと言えば彼らしいのかもしれない。

所持スキルは固有の「ガルマッゾ」。強力な特技「ジゴスパーク」を覚えられるほぼ唯一のスキル*4である。


◯そのおぞましい姿

さて、ここまで淡々と解説してきたが、このガルマッゾの最大の特徴はあまりにも強烈すぎるビジュアルである。
その外見を敢えて言葉で説明するならば、円形のグロテスクな口と黒いブツブツが付いた赤ピンク色の芋虫から巨大な人間の左手首が生え、さらにその掌に舌をだらんと垂らした不気味な顔が引っ付いているというもの。
(表面上は)温和そうな元のカルマッソの面影は一切無く、とても全年齢向けゲームのキャラとは思えないグロさ。
しかし本人はモンスターになったことに大満足でありこんな姿になってもおちゃらけた語り口は変わらないため、余計に気味が悪い。

「人間でありながらモンスターの楽園を夢見る」というDQ全体を通しても他に類を見ない行動理念も相まって、DQMシリーズの中でも屈指の濃さを誇るラスボスである。
ラスダン屋上の形状が子宮に似ているとも言われている(内臓系ダンジョンなので余計に)為、このデザインはもしかすると胎児を表している…のかもしれない。


◯その後の作品においてだよん

一部を除いて「賢さの高さ」と「AI2回行動」は共通しているが、使える技は全然異なることが殆ど。

続編のDQMJ2ではなんとメガボディ*5に巨大化。グラフィックの向上によりキモさもアップしてしまった。
AI2回行動とテンションアップを失い、代わりにどくどくボディや混乱攻撃を持ち火力が上昇した別性能に生まれ変わった。MPは下がっている。
以後の作品の彼はこの性能が基本となっている。
デュランとの配合でダークドレアムになる。
プロ版では配合レシピが変更。ムドー×スライムマデュラと大きく簡略化された。

  • テリーのワンダーランド3D
「たくらみの扉」*6のボスとして登場し、「モンスターマスターはもう古い、今は自分が魔物になるのがトレンドさ」「みんなマ素を浴びてモンスターになればいいんだ」というクレイジーな発言*7と共に襲いかかってくる。にゃはは笑いも健在。ただしお供は持たず単独でくる。
AI2回行動が復活。あとMPがDQMJ2からまた下がった。
ムドーの代わりにカンダタ親分かカンダタワイフを使っても産まれる。

  • ドラゴンクエストモンスターズジョーカー3
多くのモンスターがリストラされたDQMJ3でも残留、モンスターとしては???系に移籍している。
モンスターライドの関係で体を正面に向けるようになった。
配合レシピは大食王ボーショック×強奪王ブンドルド×狡猾王アーザムーク×拷問王イッタブルとやたら高難度化した。
性能面ではまたまたMPが下がっている。

初代から数百年後の世界が舞台のためカルマッソ本人は登場しないが、ストーリーではかつて倒されたカルマッソの悪意がマ素で実体化した存在「ガルビルス」が終盤に立ちはだかる。

メガボディだったガルマッゾから巨大化してギガボディとなっており、芋虫の身体から羽のようにはためく指が生え、上半身にはガルマッゾの顔と六つの足がウネウネと蠢き、下半身にはトゲだらけな二重の縦割れた口が開いている…というオリジナル以上に醜悪でグロテスクな見た目となっている。
また、指の向きが右手に生えており、左手のガルマッゾとは対になっている。
これに打ち勝つと、敗北を認められないガルビルスは惑星創造機関「マザー」を取り込み、超ギガボディの「ガルマザード」へと進化を遂げラスボスとして立ちはだかる。
こちらは今までのグロい見た目から一転して、禍々しくも神々しい神の如きビジュアルとなっている。

しかしこいつ、 「自ら魔物になった男がいた」「カルマッソの夢見たマスターモンスターになるんだ」 などと言って襲ってくるのだが、
上記の通りカルマッソは 「事故でモンスターになった」 上、その夢は「魔界の扉を開き、モンスターの楽園を作る」ことで、明らかにオリジナルの目的を忘れ去っている
モンスター図鑑でも、ガルマッゾは見た目は怖いが陽気な性格とあるのに対し、ガルビルスは悪意の塊のような存在とされ人格からして違うことがうかがえる。
ブレイクモンスターやそれに最も近いデモンスペーディオと違って、理性を失ったり言葉遣いがおかしくなったりしておらず、再戦時には戦いたくないとまで言ったところや、ガルビルスの存在から考えても、
理性を失わず闘争本能にも飲まれなかったガルマッゾという存在がいかにイレギュラーなものかが分かるだろう。

  • ドラゴンクエストモンスターズジョーカー3 プロフェッショナル
DQMJ3のマイナーチェンジにしてジョーカーシリーズの最終章。
カルマッソ本人は相変わらず未登場だが、追加ストーリーにてガルビルスの起こした「マザー」の暴走が神獣と魔界の主である大魔王マデュラージャを巻き込んでいた事が判明。
この時の暴走が原因で大魔王の邪悪な心は少しばかり壊れてしまい、後に主人公と神獣達との激闘を経て「戦い続ける」のではなく「休戦協定を結ぶ」事を選ぶ。
この休戦協定によって魔界の門は開放され続ける事となり、またマデュラージャの配下の魔物達も心を改め人間と共存するように。
シリーズ最終作にして、まさかの「魔界の扉を開き、モンスターの楽園を作る」というカルマッソの大望が叶ってしまった。


◯余談だよん

  • BGMは『ミレーユとの戦い』改め『強敵に挑む』。再始動したモンスターズのラスボス曲としてはピッタリだ!

  • ライブラリでは「だいすきな モンスターになれて うれしいよ!にゃはははは!」とコメント。会長が良いならそれでいいんじゃないかな。

  • DQMJ主人公の父親(ギルツ)は、マ素を消滅させ魔物を消し去ることを目指す組織のリーダーで、思想が正反対。ストーリー中でもその人間性は、主人公に冷淡な父好意的な会長として対照的に描かれている*8

  • イルルカやDQMJ3の豆知識では「見た目は怖いが陽気な性格」と書かれている。やだー!

  • カルマッソの英名はDr.Snap。ガルマッゾになるとDr.Snapedとなり、過去形の意味であるedが付く。意訳すれば「カルマッソだったもの」的な。





だいすきな ついき・しゅうせいができて うれしいよ! にゃはははは!

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最終更新:2025年02月02日 21:53

*1 モンスターの力の源である「マ素」という物質が結晶化した星型の石

*2 ジェイルが開発したマ素を吸収する球体で魔砲珠と対となる存在といえる。会長室の泥棒騒ぎもジェイルのリーダーであるギルツの差金である

*3 本作の2回行動の仕様上、2回目の行動は必ず通常攻撃になってしまうが

*4 一応「スペディオ2」でも覚えられるが、神獣専用スキルなので一般モンスターは「ガルマッゾ」で覚えるしかない

*5 1体で2体分の枠を占める体の大きなモンスター

*6 リメイク前はムドーがいた扉

*7 ちなみに、本作にはマスターも戦闘参加する戦士や、その戦士達の中には自身を強化しようとして理性なき魔物となってしまったある戦士がいる。自我を保ったまま魔物と化した彼がこのようなことをほざくのはなんたる皮肉か…

*8 ギルツは過去に、モンスターの手で妻(主人公の母)を喪った過去からそうした思想に至っている。逆に終盤ギルツは手紙で主人公に対して親心を見せる一方で、会長はラスボス化していき、こちらも対照的な変化となっている。