武田剛三(ラーメン発見伝)

登録日:2021/09/08 Wed 23:03:00
更新日:2024/01/31 Wed 08:30:32
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日本一のラーメン屋は、この「らーめん厨房どきゅん」の武田様よっ!!

オラオラァ!! 文句ある奴はブッ殺してやる!!


武田剛三とは料理漫画ラーメン発見伝』シリーズに登場するキャラクターである。
愛称は「武田のオヤジ」。初登場は『発見伝』4巻の26話。


概要

爆食ワイルド系ラーメン*1を売りにする「らーめん厨房どきゅん」の店主。『発見伝』の時点で43歳。
脱サラ系ラーメン経営者で学生時代はラグビー部という典型的な体育会系の大巨漢。
分厚いたらこ唇とワイルドな顎髭が生えたゴリラみたいな相貌が特徴。正直に言えば不細工。
初期の頃は四角い顔(普通にゴツイ顔)をしてたが徐々に下膨れの3角っぽい顔立ちに変化している。

昔から大のラーメン好きで「自分と同じように腹を空かせた学生たちに腹一杯食べさせてやりたい」という動機で母校の近くに大盛りの店を開いた。
…が、麺の加水率を誤っていたこともあり当初は経営難に陥っていたが、主人公・藤本浩平のアドバイスを受け問題が解決。
以後は準レギュラーポジションとして『ラーメン発見伝』の物語に度々登場した。

その実態は、昨今のコンプライアンス重視の風潮を逆走するかの如き、パワハラ・セクハラ上等の問題発言や乱暴な言動、犯罪紛いの過激なパフォーマンスを一切隠そうともせず堂々と貫く豪胆極まりないシリーズの名物オヤジ。
だが提供するラーメンの豪快な味とボリューム、武田のアクの強すぎる性格から一部男性客に熱狂的とも言える人気を博しており、『発見伝』終盤では半ば新興宗教レベルの信者まで獲得していた。
反面女性客層からのウケは概ね悪く、とあるエピソードでの雑誌の企画では「女の子に嫌われるラーメン店トップ10」でダントツのワースト1位を記録。当然武田のオヤジはキレて出版社に殴り込んだ。


人物像

本当に良くも悪くもテンプレ的な体育会系の中年オヤジ。
大の酒好き・女好き*2な上に豪快かつ短気・粗暴な性格で、初代主人公の藤本が呆れるほどに大雑把。
初見だとヤクザと間違われるほどの荒い言動に加えて
  • 知人やクレームを出した客、近隣店舗には中華包丁をチラつかせて躊躇なく脅迫。何なら常連客達とグルになってクレームを物申した一見さんや迷惑客を叩きまくる。
  • 気に入らない相手には男女問わず喧嘩腰で接して挑発行動も躊躇わない。
  • 敢えてラーメンを無料で振る舞い、その無料で振る舞ったことを恩扱いすることで自分の店の問題の改善案を藤本にせびる。
  • 気に入った女性客がいたらまだ食事中の客を問答無用で店から叩き出して席を強引に開ける。
  • 引き込んだ女性客の料金を独断でタダにするが連れの男性客は普通にお金を取るエコ贔屓を躊躇いなく実行。
  • キレたりテンションが上がるとカメラの前だろうとお構いなしに包丁を振り回して殺人予告紛いの恫喝をする。
  • 上述の態度を見せつつ勝手にラーメンタイムトンネルvs六麺帝の対抗戦に参戦しておきながら、肝心のラーメン作成は最初から全て藤本に丸投げする気満々で実際丸投げした*3
  • 支店出店時の敵情視察で閑古鳥が鳴いていた他店の店長を店員と一緒に小馬鹿にして盛大に煽り散らかす。
といった問題行動の数々もあり、話によっては悪役にしか見えない。
おまけに藤本から「みみっちい」「意外とセコい」と愚痴られるほど図体に似合わない恩着せがましさや小狡さも躊躇わず発揮するので、かなりトラブルメーカー寄りな部分もある。


とはいえ誰彼構わず喧嘩を売る狂犬なわけでもなく、親しい相手には面倒見が良く、気前の良いところも見せているため(特に部下・後輩からの)人徳はある。
『才遊記』のゆとりによるラーメン店のバイト探しの回「『仕事』とは…?」ではどきゅんの店員として脛に傷持つ者でも受け入れている事が判明し*4、また『再遊記』ではOBとして母校のラグビー部の応援に駆け付けている事が分かっている。

また粗雑な言動と見かけによらず根は非常に強かで計算深い。
巧みな心理戦を仕掛けて見事ラーメン勝負で勝利を収めたりと、あの芹沢達也「イノシシどころかとんだタヌキ」呼ばわりし藤本以上に最大限の警戒を見せた一筋縄ではいかない切れ者。
後述するラーメンタイムトンネルvs六麺帝の対抗戦ではルールの不備を突いた反則まがいの戦略を通した上で、敵サイドからの反論をしっかり抜け目ない言葉で論破し、藤本からも「あのオヤジ、普段はバカのフリしてるんじゃねえだろうな?」と呆れ混じりに感心されていた。
「粗暴で無神経なくせに、不思議と核心をついてくる」とは芹沢の率直な評価であり、『再遊記』にてミドルエイジ・クライシスに陥った芹沢の再起の切っ掛けになった立役者でもある。
しかし勢いとノリに他人を巻き込み突き進むことが多々あるため、武田の奇行に初めて巻き込まれた芹沢からは「あんな異常者が繁盛店のトップなんだからラーメン業界全体の見識が疑われる」と吐き捨てられていた。

気取った人間を「ガキ」と呼んでとことん毛嫌いする言動をちょくちょく見せるが、芹沢だけは別格扱いで高く評価しており、彼に「イカれたラーメンバカ」という端的な評価を下している。
豪胆で無神経な気質は本物であるが、
  • セクハラまがいの言動がバレた結果、キレて大魔神と化した有栖にタジタジとなる
  • 悪酔いした清流企画のメンバーに絡まれドン引きし、以後「冗談じゃねえ。あんな酒癖悪い連中と飲めるかよ」と小声でため息交じりに後悔する
など痛い目を見ることもあったりする。

ちなみに見るからにガサツな風貌・態度・振る舞いのくせにプライドはあるのかそこら辺を指摘されると割とキレる。


経営者として

がさつなようだがしっかり押さえるべき要点は確実に掴んで押さえられるタイプであり、経営者として確かな経営手腕を併せ持つ。
ラーメン作りの腕も確かで、藤本のアドバイスを受けて以降一時は閑古鳥が鳴いていた自身の店をシリーズが進むごとに成長させ、都内でも有数の繁盛店にまで押し上げた手腕と慧眼は芹沢も「商売の本質を大掴みしている人間」「自分とは違うベクトルの成功者」と認め信用を置く所。
ニューウェイブ系ラーメン全盛期だった作中初期において、流行に逆行するかのように爆食ワイルド系のラーメン店を開き、後に同じような二郎系ラーメン店が大人気になっていったのを見ると実は割と先見の明があったのかもしれない。
実際拉麺タイムトンネルの店舗に出店した際は瞬く間に大行列ができるほどの人気を博し、藤本からも驚かれた。
その後人気ラーメン店経営者としての経験から『才遊記』では度々ゆとりのフード・コンサルタント業のアドバイスをすることもあった。

とはいえ『発見伝』時代は支店を出しても苦労することも多く、その都度藤本の助けを借りて解決したりしていた。
だが第3作の『再遊記』では高級スーツを着て女を侍らせながら高級車をガンガン乗り回せるまで利益が拡大。「どんどん店増やしてっかんな!!ボロ儲けよっっ!!」とは本人の談。
ただし登場早々女を侍らせた上でゆとりと夏川を繁華街の路上で堂々とラブホテルに誘いだすなど、デリカシーゼロなセクハラ上等の問題発言は相変わらず健在であった。いつか訴えられるんじゃないかこのオヤジ。


制作したラーメン

  • どきゅん盛り
らーめん厨房どきゅんの看板メニュー。
いわゆる二郎系ラーメンに代表される「爆食ワイルド系ラーメン」の典型で、トッピングに極厚のチャーシュー、とんでもなく山盛りの茹で野菜、茹で野菜の上に刻みニンニクをドカッと乗せたボリュームたっぷりの豪快なラーメン。
なのでビジュアルは概ね二郎ラーメンをイメージすれば全く問題ない。
「学生街で若い客相手となるとボリュームも味のうち」とは本人の談。
一応普通のラーメンや大盛りもあり、トッピングの量はラーメンのサイズに合わせて減っていく。それでも量はかなり多い。

麺はプルプルモチモチ食感の自家製麺だが量は250gと通常のラーメンの2倍。
強火で長時間徹底的に煮込んだ濃厚豚骨スープに煮干し・かつお節・昆布の旨味を加え徹底的に凝縮させた醤油タレ、背脂を合わせた猛烈に食欲そそるインパクトのある味わいの醤油豚骨スープが特徴。
圧倒的な具と麺のボリュームも、上に豪快にトッピングされた刻みニンニクの強烈な風味によって更に食欲を高められた結果食べやすくなっている。

開店当初は麺の加水率と具のボリュームが釣り合っておらず、食べてるうちに麺が伸びてしまうという欠点を抱えていたが、藤本のアドバイスで加水率を高めた伸びにくい麺に変えたことで改善。
大幅に売り上げが伸び、店も繁盛店になった。
ちなみに当初欠点に気が付かなかったのは、このラーメンを武田本人は2〜3分で完食するため。


  • スッポンラーメン
終盤の藤本率いる拉麺タイムトンネル対芹沢率いる六麺帝のラーメンテーマパーク対抗戦に呼ばれなかった逆恨みから強引に参戦した際「ニンニクを味の中心に添えたラーメン」というお題で作成。
なお製作は開始早々から全て藤本に丸投げした。
なので厳密に言えば武田のオヤジ謹製のラーメンではなく藤本のラーメンである。「あのオヤジ…ここまでいい加減だとは思わなかった」とは無理難題を押し付けられた藤本の愚痴。

スッポンの身、厚めにスライスしたたっぷりのニンニク、輪切りにした唐辛子を日本酒を張った鍋に入れて一気に強火で煮込んだシンプルな製法の真っ赤なスープが特徴。
トッピングはスッポンの身とニンニクの芽。
スッポン、ニンニク、唐辛子という個性の強い三食材が混然一体となって突進してくるようなインパクト抜群の激辛スープが強烈な味わいを生んでいる。
例えるなら爆食ワイルド系とニューウェイブ系のハイブリッド。「スッポンの野趣な味わいをそのまま生かした料理」ということでスッポン料理としても高クオリティな一品。

ラーメンのクオリティ自体も素晴らしいものだったが、武田のオヤジの場合難癖をつける事で無理矢理試食順を先行に変えさせ、このラーメンの強烈な味と辛さで審査員の味覚を麻痺させ後攻のラーメンの味を分からなくさせるというどこかの料理人がやりそうなとんでもない盤外戦術を仕掛けて完全勝利を収めている。
本人は「ルールを利用するのも実力のうち!!この勝負、オレの勝ちだ!!」と憚っている。

一応、試食した相手チームからは普通にやっても藤本の勝利だったと高評価。
なので拉麺タイムトンネルへの風評被害込みで利があったかは微妙なところである。


余談

因みに、『才遊記』『再遊記』にも登場しており、芹沢や有栖と並んでシリーズ皆勤賞である。



追記・修正は、店内で「どきゅん・イズ・ナンバーワン!」と絶叫してからお願いします。

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最終更新:2024年01月31日 08:30

*1 所謂二郎系ラーメンみたいな大ボリュームのラーメン

*2 さも既知の設定のように、顔がそっくりな3人の子供たちが登場した話があるので、既婚者のはずだが…

*3 藤本も「どういう人間なんだよ」とその破綻しきった言動には頭を悩ませた

*4 その為か店員の忠誠心は高い