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武田剛三(ラーメン発見伝)

登録日:2021/09/08 Wed 23:03:00
更新日:2026/08/11 Tue 13:05:44
所要時間:約 5 分で読めます







日本一のラーメン屋は、この「らーめん厨房どきゅん」の武田様よっ!!

オラオラァ!! 文句ある奴はブッ殺してやる!!


武田剛三とは料理漫画ラーメン発見伝』シリーズに登場するキャラクターである。
愛称は「武田のオヤジ」。初登場は『発見伝』4巻の26話。


概要

爆食ワイルド系ラーメン*1を売りにする「らーめん厨房どきゅん」の店主。『発見伝』の時点で43歳(芹沢とはほぼ同じになる)。
脱サラ系ラーメン経営者で学生時代はラグビー部という典型的な体育会系の大巨漢。
分厚いたらこ唇とワイルドな顎髭が生えたゴリラみたいな相貌が特徴。正直に言えば不細工。
初期の頃は四角い顔(普通にゴツイ顔)をしてたが徐々に下膨れの3角っぽい顔立ちに変化している。

昔から大のラーメン好きで「自分と同じように腹を空かせた学生たちに腹一杯食べさせてやりたい」という動機で母校の近くに大盛りの店を開いた。
…が、麺の加水率を誤っていたこともあり当初は経営難に陥っていたが、主人公・藤本浩平のアドバイスを受け問題が解決。
以後は準レギュラーポジションとして『ラーメン発見伝』の物語に度々登場した。

その実態は、昨今のコンプライアンス重視の風潮を逆走するかの如き、パワハラ・セクハラ上等の問題発言や乱暴な言動、犯罪紛いの過激なパフォーマンスを一切隠そうともせず堂々と貫く豪胆極まりないシリーズの名物オヤジ。
だが提供するラーメンの豪快な味とボリューム、武田のアクの強すぎる性格から一部男性客に熱狂的とも言える人気を博しており、『発見伝』終盤では半ば新興宗教レベルの信者まで獲得していた。
反面女性客層からのウケは概ね悪く、とあるエピソードでの雑誌の企画では「女の子に嫌われるラーメン店トップ10」でダントツのワースト1位を記録。当然武田のオヤジはキレて出版社に殴り込んだ。


因みに芹沢や有栖と並んでシリーズ皆勤賞であり、『才遊記』『再遊記』にも登場している。

人物像

本当に良くも悪くもテンプレ的な体育会系の中年オヤジ。
大の酒好き・女好きな上に豪快かつ短気・粗暴な性格で、初代主人公の藤本が呆れるほどに大雑把。
初見だとヤクザと間違われるほどの荒い言動に加えて
  • 知人やクレームを出した客、近隣店舗には中華包丁をチラつかせて躊躇なく脅迫。何なら常連客達とグルになってクレームを物申した一見さんや迷惑客を叩きまくる。
  • 気に入らない相手には男女問わず喧嘩腰で接して挑発行動も躊躇わない。
  • 敢えてラーメンを無料で振る舞い、その無料で振る舞ったことを恩扱いすることで自分の店の問題の改善案を藤本にせびる。
  • 気に入った女性客がいたらまだ食事中の客を問答無用で店から叩き出して席を強引に開ける。
  • 引き込んだ女性客の料金を独断でタダにするが連れの男性客は普通にお金を取るエコ贔屓を躊躇いなく実行。
  • キレたりテンションが上がるとカメラの前だろうとお構いなしに包丁を振り回して殺人予告紛いの恫喝をする。
  • 上述の態度を見せつつ勝手にラーメンタイムトンネルvs六麺帝の対抗戦に参戦しておきながら、肝心のラーメン作成は最初から全て藤本に丸投げする気満々で実際丸投げした*2
  • 支店出店時の敵情視察で閑古鳥が鳴いていた他店の店長を店員と一緒に小馬鹿にして盛大に煽り散らかす。
  • ラーメンイベントの際には手下こと店員と常連客にどきゅんTシャツを着せ動員、どきゅんコールやマシマシコールを連打させて場を荒らしまくる。

といった犯罪に足を突っ込みかけた問題行動の数々もあり、話によっては悪役にしか見えない
それでいて藤本から「みみっちい」「意外とセコい」と愚痴られるほど図体に似合わない恩着せがましさや小狡さも躊躇わず発揮するので、かなりトラブルメーカー寄りな部分もある。


とはいえ誰彼構わず喧嘩を売る狂犬なわけでもなく、親しい相手には面倒見が良く、気前の良いところも見せているため(特に部下・後輩からの)人徳はある。
そもそもボリュームの多い爆食ワイルド系のラーメン店を作ったのは、「昔の自分がいつも腹空かせてたから、学生に安く腹いっぱい食べさせてやりたい」と言う立派な志によるもの。
『才遊記』のゆとりによるラーメン店のバイト探しの回「『仕事』とは…?」ではどきゅんの店員として脛に傷持つ者でも受け入れている事が判明し*3飲食業の悩みの常となる人手不足知らず、また『再遊記』ではOBとして母校のラグビー部の応援に駆け付けている事が分かっている。
ちなみに、こんなんでも既婚者で3児の父(『発見伝』時点)。

単なる脳筋かと思いきゃ、粗雑な言動と見かけによらず非常に強かで計算深い本性を隠し持つ。
巧みな心理戦を仕掛けて見事ラーメン勝負で勝利を収めたりと、あの芹沢達也「イノシシどころかとんだタヌキ」呼ばわりし藤本以上に最大限の警戒を見せた一筋縄ではいかない切れ者。
後述するラーメンタイムトンネルvs六麺帝の対抗戦ではルールの不備を突いた反則まがいの戦略を通した上で、敵サイドからの反論をしっかり抜け目ない言葉で論破し、藤本からも「あのオヤジ、普段はバカのフリしてるんじゃねえだろうな?」と呆れ混じりに感心されていた。
「粗暴で無神経なくせに、不思議と核心をついてくる」とは芹沢の率直な評価であり、『再遊記』にてミドルエイジ・クライシスに陥った芹沢の再起の切っ掛けになった立役者でもある。
しかし勢いとノリに他人を巻き込み突き進むことが多々あるため、武田の奇行に初めて巻き込まれた芹沢からは「あんな異常者が繁盛店のトップなんだからラーメン業界全体の見識が疑われる」と吐き捨てられていた。

気取った人間を「ガキ」と呼んでとことん毛嫌いする言動をちょくちょく見せるが、芹沢だけは別格扱いで高く評価しており、彼に「イカれたラーメンバカ」という端的な評価を下している。
豪胆で無神経な気質は本物であるが、
  • セクハラまがいの言動がバレた結果、キレて大魔神と化した有栖にタジタジとなる
  • 悪酔いした清流企画のメンバーに絡まれドン引きし、以後「冗談じゃねえ。あんな酒癖悪い連中と飲めるかよ」と小声でため息交じりに後悔する
など痛い目を見ることもあったりする。

ちなみに見るからにガサツな風貌・態度・振る舞いを隠そうともしないくせにプライドはあるのかそこら辺を指摘されると割とキレる。

経営者として

がさつなようだがしっかり押さえるべき要点は確実に掴んで押さえられるタイプであり、経営者として確かな経営手腕を併せ持つ。
ラーメン作りの腕も確かで、藤本のアドバイスを受けて以降一時は閑古鳥が鳴いていた自身の店をシリーズが進むごとに成長させ、都内でも有数の繁盛店、グループにまで押し上げた手腕と慧眼は芹沢も「商売の本質を大掴みしている人間」「自分とは違うベクトルの成功者」と認め信用を置く所。
ニューウェイブ系ラーメン全盛期だった作中初期において、流行に逆行するかのように爆食ワイルド系のラーメン店を開き、後に同じような二郎系ラーメン店が大人気になっていったのを見ると実は割と先見の明があったのかもしれない。
実際拉麺タイムトンネルの店舗に出店した際は瞬く間に大行列ができるほどの人気を博し、藤本からも驚かれた。
『才遊記』では人気ラーメン店経営者としての経験から、度々ゆとりのフード・コンサルタント業のアドバイスをすることもあった。

『発見伝』時代は支店を出しても苦労することも多く、その都度藤本の助けを借りて解決したりしていたが、『才遊記』時代にはやり方を確立、二郎系ブームも来たこともあってか有名人気店として名を上げており、『再遊記』時代には高級スーツを着て女を侍らせながら高級車をガンガン乗り回せるまで利益が拡大。「どんどん店増やしてっかんな!!ボロ儲けよっっ!!」とは本人の談。
ただし登場早々女を侍らせた上でゆとりと夏川を繁華街の路上で堂々とラブホテルに誘いだすなど、デリカシーゼロなセクハラ上等の問題発言は相変わらず健在であった。いつか訴えられるんじゃないかこのオヤジ。


制作したラーメン

  • どきゅん盛り
らーめん厨房どきゅんの看板メニュー。
いわゆる二郎系ラーメンに代表される「爆食ワイルド系ラーメン」の典型で、トッピングに極厚のチャーシュー、とんでもなく山盛りの茹で野菜、茹で野菜の上に刻みニンニクをドカッと乗せたボリュームたっぷりの豪快なラーメン。
なのでビジュアルは概ね二郎ラーメンをイメージすれば全く問題ない。
「学生街で若い客相手となるとボリュームも味のうち」とは本人の談。
一応普通のラーメンや大盛りもあり、トッピングの量はラーメンのサイズに合わせて減っていく。それでも量はかなり多い。

麺はプルプルモチモチ食感の自家製麺だが量は250gと通常のラーメンの2倍。
強火で長時間徹底的に煮込んだ濃厚豚骨スープに煮干し・かつお節・昆布の旨味を加え徹底的に凝縮させた醤油タレ、背脂を合わせた猛烈に食欲そそるインパクトのある味わいの醤油豚骨スープが特徴。
圧倒的な具と麺のボリュームも、上に豪快にトッピングされた刻みニンニクの強烈な風味によって更に食欲を高められた結果食べやすくなっている。

開店当初は麺の加水率と具のボリュームが釣り合っておらず、食べてるうちに低加水麺が伸びて不味くなってしまうという欠点を抱えていたが、藤本のアドバイスで加水率を高めた伸びにくい麺に変えたことで改善。
大幅に売り上げが伸び、店も繁盛店になった。
ちなみに当初欠点に気が付かなかったのは、このラーメンを武田本人は2〜3分で完食するため。*4
ちなみに二郎系ラーメンもほとんどが低加水麺だが、麺を拘ってたり、天地返しなどの食べ方を工夫していたりである種の弱点を補って強烈な個性としている。


  • スッポンラーメン
終盤の藤本率いる拉麺タイムトンネル対芹沢率いる六麺帝のラーメンテーマパーク対抗戦に呼ばれなかった逆恨みから強引に参戦した際「ニンニクを味の中心に添えたラーメン」というお題で作成。
なお製作は開始早々から全て藤本に丸投げした。
なので厳密に言えば武田のオヤジ謹製のラーメンではなく藤本のラーメンである。「あのオヤジ…ここまでいい加減だとは思わなかった」とは無理難題を押し付けられた藤本の愚痴。

スッポンの身、厚めにスライスしたたっぷりのニンニク、輪切りにした唐辛子を日本酒を張った鍋に入れて一気に強火で煮込んだシンプルな製法の真っ赤なスープが特徴。
トッピングはスッポンの身とニンニクの芽。
スッポン、ニンニク、唐辛子という個性の強い三食材が混然一体となって突進してくるようなインパクト抜群の激辛スープが強烈な味わいを生んでいる。
例えるなら爆食ワイルド系とニューウェイブ系のハイブリッド。「スッポンの野趣な味わいをそのまま生かした料理」ということでスッポン料理としても高クオリティな一品。

ラーメンのクオリティ自体も素晴らしいものだったが、武田のオヤジの場合難癖をつける事で無理矢理試食順を先行に変えさせ、このラーメンの強烈な味と辛さで審査員の味覚を麻痺させ後攻のラーメンの味を分からなくさせるというどこかの料理人がやりそうなとんでもない盤外戦術を仕掛けて完全勝利を収めている。
大ブーイングを受けながらも本人は「ルールを利用するのも実力のうち!!この勝負、オレの勝ちだ!!」と憚っている。

一応、試食した相手チーム(料理人と芹沢)からは普通にやっても藤本の勝利だったと高評価。
なので拉麺タイムトンネルへの風評被害込みで利があったかは微妙なところである。

  • 昔懐かし札幌味噌バターコーンラーメン
『再遊記』にて登場。
関東ラーメン店主親睦会30周年を記念して開催された3番勝負に参戦。
本作から登場し、芹沢や有栖との縁から準レギュラーとなるラーメンユーチューバー・グルタと『味噌ラーメン』のお題で対決することになる。

挽き肉と各種野菜を炒め、そこに豚骨と鶏ガラをベースにしたスープを注いでニンニク生姜入りの味噌を溶いたスープとコシの強い中華ちぢれ麺を組み合わせ、昔懐かしい札幌ラーメンを見事に再現した一品。
よく言えば『ノスタルジーで昔懐かしい美味しいラーメン』ではある一方で、逆に言えば『ノスタルジーしかなく創作性や斬新さの欠片もない古臭いラーメン』でもあるのだが、武田もそこは計算済み。

ある経緯から鋭敏な舌と味覚を持ちつつ豊富なラーメン知識も備えるグルタに対し、武田は味覚音痴でグルタのような創作ラーメンを作るのに向いていない*5
そのためこのラーメン対決にあたり、審査員の3人のうち2人が旧味噌ラーメン直撃世代であることに着目し、思い出の味を再現するという一点で勝負することにより2票を確実に取る作戦に出た。つまりやってることはこの人の鮎と同じようなもの
この作戦が功を奏し、審査員の1人は独創かつ斬新なグルタの創作ラーメンに票を入れたものの、狙っていた2人から『昔ながらのラーメン1本で勝負した武田に潔さと斬新さを感じた』『グルタのラーメンは食べ方が細かく窮屈である』という理由から武田に票を投じ見事に勝利した。


本ラーメン勝負の真相と余談
+ ...
そもそもこの勝負だが、 関東ラーメン店主親睦会30周年の場 で武田がグルタの尊敬する先輩ユーチューバー・安藤万福にあらぬ言いがかりをつけたことが発端だった。

ラーメン屋ありきのラーメンユーチューバーの収益モデルを 寄生虫 と揶揄し、さらに得意の暴論で稼ぎの分け前を寄越せと武田が安藤に迫ったところ、グルタが乱入し武田を 物理的に取り押さえてしまう *6
親睦会の席にも関わらず口論はヒートアップ ラーメンの作り手 vs ラーメンの語り手 対決ということでグルタとラーメン勝負をすることになり、親睦会の会長である松宮寅吉の計らいによって30周年の記念イベントにおあつらえ向きいうことで大々的に盛り上げようと仕立て上げられる。
その流れで 小宮山さん という今作もう一人の準レギュラーの外食コンサルタントと、あの 有栖さん がそれぞれ因縁ある相手との作り手vs語り手のラーメン勝負に巻き込まれることになり、醤油、味噌、塩をテーマにしたラーメン3番勝負が組み込まれることになる。


その真相は・・・
+ ...
実はグルタが守ろうとしていた 安藤は武田とグル だった。
懇親会が開かれる前、安藤は自身の配信チャンネルで武田の店の取材をしており、その際に武田から「自身もユーチューブチャンネルを開設し、人気にするにはどうすればいいか」と相談を受けていた。

安藤は武田の武闘派イメージを利用してラーメン業界各所にエンタメの範疇でラーメンバトルの喧嘩を吹っ掛ければ話題になると画策。
しかしいきなり他人に喧嘩を吹っ掛けるようなことを始めるとエンタメから外れた事故になりかねないので、まずは第1回目兼練習として親睦会の席で自分に喧嘩を売るよう武田に演技をさせ、その喧嘩を買って最終的に武闘派の武田とユーチューバーの安藤が意気投合する。といった感じに演出する予定だった。
言いがかりの内容もアドリブではなく安藤のアンチの誹謗中傷コメントを参考に作られた脚本である。
売名のために他のお偉いさん主催のパーティ利用して喧嘩吹っ掛ける演技とか常識的にまずいですよ!
が、その茶番はグルタの乱入によりガチのラーメンバトルへと発展し破綻。


今や繁盛店を受け持つ会社のトップが一介のユーチューバーにラーメン勝負を挑まれた以上逃げるわけにもいかず、かといって衆人環視のなかでそれなりの言いがかりをつけておいて「実はお芝居でした」とも言い出せず、そのまま武田 vs グルタ(&安藤)という上記の勝負へと流れていった。

結果は上記の通り旧味噌ラーメン世代の審査員2人を狙い撃ちにした武田が2:1の票で勝利したわけだが、この勝利の裏には安藤の計算された裏工作によるものも大きかった。

グルタは武田のラーメンを食した審査員2名が思い出の味を懐かしむなか、武田のラーメンを「懐古主義」と発言。
この発言が仇となり、審査員2名は表面上それっぽい総評をしつつも私情でジャッジした節がある。*7
また、安藤に関しては元から武田とグルだったこともあり表面上はグルタの助手という立ち位置ながらも
  • グルタが作るラーメンの内容を武田に横流しする
  • それを踏まえたうえで武田が勝てるラーメンを考案して伝える(従ってタイムトンネルの時と同じく、今回のラーメンも正確には武田製ではなく安藤のラーメンである)
  • 勝負前に聞かされたグルタの味噌ラーメン観を武田にリークする(このラーメン観は後に芹沢も聞いており「よく分析されている」と感嘆するほど。この内容は勝負当日、武田が丸々パクって会場を味方につけるためのパフォーマンスの一環として利用され、逆にグルダは発言を引き抜かれたことでポジティブなアピールが減ってしまった)
  • グルタの懐古主義発言のあと、安藤自身もグルタの助手という立場に乗っかって「武田さんの 古臭いラーメンなんか に負けない」と審査員がより敵対しやすい言葉を意図的に放ち自滅させる
と武田に風向きが良くなるよう裏工作を行っていた。

観客スペースからこの勝負を見ていた芹沢も、安藤の裏工作を知らない段階ではグルタが墓穴さえ掘らなければ武田は勝てていたか怪しかったと評価していた。
が…その直後、同じ観客スペースにいた安藤のスタッフたちが交わしていた会話に疑念が生じた芹沢がスタッフを問い詰めたことで裏工作が発覚。
芹沢とグルタに加え、親睦会会長・松宮が同席のもと首謀者の武田と安藤から上記の真相を聞き出す。
当然それを聞いたグルタは自身が守ろうとした安藤が武田とグルだったこと、自分が利用されてたことに憤怒。
さらに武田と安藤は この埋め合わせとして今度は八百長で白星を返すことを提案
この提案を聞いた芹沢と松宮は「そのあたりが落としどころ」だと納得していたが、まだ若く真面目で青いグルタにとってはさらなる憤慨モノ以外なんでもなく、会場に不正を公表すべきだと主張。
が、主催側の松宮としてはグルタの意を汲みつつも30周年の会場をシラけさせるわけにはいかないと難色を示す。
それでも納得のいかない様子のグルタに対し松宮は「今回の勝負に うまいほうが勝ち 以外のルールはない」と諭し、芹沢も「スパイ行為が反則であるルールは存在しない」と付け加える。

そんななか、その発言を聞いた武田は空気を読まずに「スパイが反則じゃないなら騙されたグルタが間抜けなだけで俺の作戦勝ち」と調子に乗り始めてしまう。
当然、グルタを諭すための方便であって武田のやり方に納得してなかった松宮は
おい武田ぁ、あんまし調子に乗んなよ。
と今までの温厚な雰囲気は一気に消え、「 俺には血の気の多い知り合いもいるんだぜ 」とドスの利いた声で武田に圧をかける。
さらには親睦会を利用してくだらない茶番をしようとしてたことにムカついてること、心情的にはグルタの反則勝ちにしたいことも明かす。

だが、それでも今回の周年イベントを楽しんでいる客のためにも事情はバラせないと松宮はグルタに土下座をし、武田、安藤もそれに倣ってグルタに土下座をする。
最終的に根負けしたグルタが「本心では納得しきれずも勉強としての負け」として受け入れたことでこの勝負は幕を閉じる。

余談の余談としてグルタ本人からは語られないが、グルタの父はかつてラーメン屋を営んでおり、その父が武田から嫌がらせを受けていたので今回の勝負も仇討ちを含めての参戦ではないかと芹沢や有栖から勘ぐられていた。
仮にそうだとするなら、父の仇討ちのはずが茶番に突っ込み、尊敬する先輩に裏切られて返り討ちに、掴んだ不正も大人たちの裏事情に丸め込まれて告発できないまま一人負けに終わるという、あまりにも不憫すぎる結末になってしまった。
ちなみに我らが芹沢さんはその光景を「汚い大人に翻弄されながら現実の荒野へと踏み出す少年時代の終わり」などと楽しそうに眺めていた。

なお武田はその後の有栖のラーメン勝負においても、有栖の対戦相手が「化調は毒(要約)*8」だと非難した際に「それが事実なら化調をしこたま使ってる*9ウチは潰れるじゃねーか!」と外野の立場から味方陣営に対して乱入抗議し、部下らも「化調マシマシ!」コールで騒ぎ立て、勝負の進行を妨げたことでまたも松宮に静かにキレられてスゴスゴ退散している。
しかも今度は公の場で「いい加減ブチ殺すぞ」と結構強い言葉で
ただ有栖の対戦相手も偏見に凝り固まった人物で話を聞かない状態だったので、結果的には場を仕切り直すきっかけになった。

才遊記でもそうだったがシリーズ通して横暴で無神経な彼も有栖や松宮にすぐタジタジになるあたり、上下関係には弱いことがハッキリ現れている。
恐らく体育会系のなかでも上下関係が厳しいことで有名だったラグビー部にいた影響*10が大きいのだろう。
もちろん松宮が匂わせた裏の付き合いの存在もあるだろうが。

総じて、松宮が周年イベントのきっかけを求めていたとはいえ 良くも悪くも発見伝の頃からのトラブルメーカー ぶりが健在だと読者に知らしめる一戦、もとい一イベントとなった。
安藤も同じくらい悪いけど。









追記・修正は、店内で「どきゅん・イズ・ナンバーワン!」と絶叫してからお願いします。

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最終更新:2026年08月11日 13:05

*1 所謂二郎系ラーメンみたいな大ボリュームのラーメン。『才遊記』まではこの類のラーメンをそのような言い回しをしていたが、『再遊記』からは『二郎系』とそのまま使用している。

*2 藤本も「どういう人間なんだよ」とその破綻しきった言動には頭を悩ませた

*3 その為か店員のガラは悪いが忠誠心は高い。仮に自分を裏切るような真似をしても暴力で解決している

*4 改善前は武田の後輩達も1杯も完食出来なかったが、彼等は若い大学生・大柄な現役のラグビー部員で、改善後は数杯おかわりする相応の食欲を見せている。この事から、武田が年齢どころか体格にも不釣り合いな人並み外れた早食い&食欲の持ち主であると考えられる。

*5 武田はグルダに二郎系しか作れないと煽られているが事実である

*6 グルタは一見優しそうな顔立ちと性格だが、芹沢・有栖と共にインスタント麺巡りをしてる際にも子供連れ夫婦に絡むヤンキー4人を1人で一方的にボコしている隠れ武闘派である

*7 この勝負を見ていた芹沢の考察であり実際の心情は不明だが、少なくとも実食段階では調理方法や味作り、ラーメン観を肯定的に評価している意見だったにも関わらず、判定時にはそれらすべてがかなりネガティブな評価に反転しており、実際のコメント内容も「味の優劣を述べてるようで懐古主義と言われたことへの反発気味な内容」に聞こえやすい

*8 化学調味料。うま味調味料とも。今でこそ科学的に安全性が証明されているが、昭和時代では身体に悪い印象があった。あの美味しんぼの影響も少なからずあったと思われる

*9 ラーメン1杯に大さじ3杯入れているとのこと。ちなみに一般的な二郎系には小さじ1〜大さじ1程度が使われているので、この発言がハッタリでないとするならばそれらと比較しても相当な量が使われていることになる

*10 昔の話で近代ではそのような文化は薄れつつある