聖なる輝き(遊戯王OCG)

登録日:2021/11/03 Wed 23:04:36
更新日:2024/01/20 Sat 15:54:33
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聖なる輝き
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、モンスターをセットする事はできない。
また、モンスターをセットする場合は表側守備表示にしなければならない。





「聖なる輝き」とは遊戯王OCGの1枚。
初出はCurse of Anubis -アヌビスの呪い-。
モンスターのセットを封じる効果、及びその後のセットに対するルール介入型の効果を持つ。


テキストが若干不明瞭だが、簡単に言えば
「発動後のモンスターのセット行為(効果・ルールの両方)を禁止する」
「召喚権を行使する形でのセットは『表側守備表示で召喚』に置き換える」
というものである。


「セットできない」の使い方として真っ先に浮かぶのは「リバース効果モンスター封じ」だと思われる。

実際発動してしまえばそれ以降のリバース効果モンスターを封じることが出来るため、有効ではあるのだが、
テキストを見ると分かるが、このカードは既にセット状態のカードに対しては何の効果も及ぼさない。
そもそもリバース効果を止めるだけならば「王宮の号令」がより直接的に止めることが出来る上に、
リバース効果を使わせずに表側表示にする「停戦協定」もあるため、この目的での使用にはいささか不安が残る。
更に言えばリバース効果には有効なカード自体はそれなりにあるものの、発動タイミングが遅く、安定性も高くないため、採用率はお世辞にも高いとは言えないのが現状である。


それ以外の前向きな使い方としては以下の様な使い方があるだろう。


  • 召喚できない」効果と重ねて使用する。


「重力崩壊」や「レプティレス・サーヴァント」などの「召喚」を封じるカードだが、実はこの状態は「表側表示での召喚」を封じてはいるが、「セット」までは封じていない。
これはセットは「通常召喚」に分類されてはいるが、「召喚」には該当しない行為とされているからである。
つまり「通常召喚」の枠内に「召喚」「セット」の二種類があり、「召喚」を封じるのはあくまで「召喚」だけであり「セット」を含んだ「通常召喚」全体ではない、ということ。

そういったカードとこのカードを併用すればロックがより強固になる。
召喚以外の展開も封じるカード・表示形式の変更を使えばモンスターの展開や操作を更に封鎖できるようになる。
ただしこれらは自分にも適用されるのでその点についてはここに対策を立てていく必要があるので注意。

ちなみにこのセット封じをポールポジションでの特殊裁定と併用する形で友情を生贄に捧げて強固なロックを作り上げる【ポールポジション】デッキもある。


  • 表側守備表示で出す点を利用する。

ディフォーマ―などは攻撃表示と守備表示で効果が変わるため、守備表示の効果を使いたい場合はこのカードと併用することで、手軽な利用が出来る様になる。
他にも地縛神 Chacu Challuaのロック効果を召喚した次のターンから適用できるため、隙が無くなるのも強み。

その他、「使えたら嬉しい」の領域に入るが、「効果が使いたいがステータスや効果の内容上、表側守備表示で出したい」と言ったカードを裏側守備表示を経ることなく出す、
相手が「破壊させたいモンスター」を少しでも効果を発動しやすくするために地雷としてセットするのを防ぐなどと言った使い方も出来る。


なお余談だが、「裏側守備表示で特殊召喚するカード」をこのカードの発動状況下で発動する場合は召喚と同様「裏側守備表示」を「表側守備表示」に読み替えて出す。


相手がマジカルシルクハットで魔法・罠カードをモンスターゾーンに出す場合、表側表示で出すことになる為、連鎖除外のチェーン発動が可能になり、しかも同名カードの除外効果も問題なく適用される。(マジカルシルクハットで出てくる魔法・罠カードは攻守ともに0として扱われる)








さて、このカードを使う事で「モンスターを表側守備表示で召喚」と言う行為が可能になるわけだが、
実はアニメ版・漫画版の遊戯王では5D`sまで、ルールとして「モンスターの守備表示での召喚」というものが認められており、実際それに基づいてモンスターが表側守備表示で召喚されていた(ZEXALでもWDC決勝のデュエルコースターで、一時的に特別ルールとして復活している)。

そちらを見て遊戯王を始めた人で、OCGでは出来ない事を知った人も多いかもしれない。


「聖なる輝き」を使うとこの「表側守備表示で召喚」の状況を擬似的に再現可能になる。更に言うならこの状況を作れるカードは「聖なる輝き」以外には現状存在しない。


なぜアニメなどでこの様な事を可能にしたかは明言されていないが、原作では裏側表示でもモンスターが表示されていたことから、
裏守備でのセットだと、モンスターが何なのかが表側表示になるまで分からない、裏側表示のまま場から離れてしまうと(墓地のカードを見せにくいなどの事情もあって)何のカードかが視聴者に分からないままデュエルが進んでしまう、等の地味な場面になり、カード販促の側面上もあまり美味しいとは言えない状況になってしまうため、それらが頻発する事態を避けるためと思われる。


このルールの影響で、発動タイミングやステータス等の関係上、一部のカードは利便性が大きく向上していた。

一方で裏側守備表示のセット自体もルール上認められているため、
裏側守備表示と表側守備表示の選択を駆け引きとして使用する事も可能だった……はずなのだが、
上記の理由からなのか裏側守備表示でモンスターがセットされることは非常に少なく、リバース効果のモンスターなどを除いて、
セットで情報を公開しない事で有利に働くはずの状況でもわざわざ表側守備表示で出しているような場面もある。
更に言えば、OCGの処理では裏側守備表示で出さなければならないはずのカードまでわざわざ表側守備表示に改定して効果処理していた。*1

ちなみに原作漫画には「守備表示モンスターはステータスを確認できない」というルールが一応あった。
あっただけで描写されたのはたったの一回であり、そこでも特に戦局に影響した場面ではなかったが*2
また裏側表示もバトルシティ編の序盤でのみ描写されたが、ソリッドビジョンで普通にモンスターが表示されており、
リバースモンスターの効果の発動のため以外にする理由が見受けられないものとなっていた*3


「聖なる輝き」を使うとセットが出来なくなるので、完全なアニメ・漫画盤面を作ることは出来ないが、
この状況での勝負を行いたい、もしくはシンプルに過去アニメの雰囲気を味わいたいという人は入れてみるのもいいかもしれない。



【余談】

アニメでは遊戯がレアハンター戦で使用。
ハッタリも交えながらレアハンターのセット封じを行いつつ、「連鎖破壊」の発動に繋げている。
なお、原作側では「連鎖破壊」の効果が異なっているため、このカードは使用されていない。

またそもそも次のターンで決着がついたため、原作再現以上の意味はなかったり。



追記・修正は聖なる輝きで裏側守備表示を潰されながらお願いします。

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最終更新:2024年01月20日 15:54

*1 実例としては「浅すぎた墓穴」などが該当する。

*2 闇・道化師のサギーのことだが、この場面攻撃力1400の砦を守る翼竜とそのあと場に出された守備表示にされたステータスが謎のモンスターしかいなかったため、守備力1500のサギーをどちらにせよ攻撃できなかった可能性が高いため。

*3 強いて言えばオシリスの召雷弾対策にはなったのだろうか……?