透明マント/かくれマント

登録日:2021/12/19 (日) 22:50:00
更新日:2022/06/15 Wed 17:29:36
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「透明マント」及び「かくれマント」とは『ドラえもん』に登場するひみつ道具である。
公式ではそれぞれ別の道具として扱われているが*1、効果は全くといっていいほど同じであるため、
基本的に当項目では名前が違うだけの同じ道具として扱わせていただく。

【概要】

所謂光学迷彩の一種であり、見た目はごく普通の白い布*2だが、頭から被るだけであっという間に全身が透明になる。*3
公式の設定本『ドラえもんのひみつ道具使い方事典3』によると、マントに組み込まれた「細胞内光線通過糸」の効力により、
光がマントを被った人間を貫通して進んでしまうことで見えなくなる仕組みとのこと。

ただし姿を消す以外の機能は持たないので、当然ながら声や物音は丸聞こえである。*4
すなわち少しでも音を立ててしまえばすぐに見つかる危険性があり、
作中で明言はされていないものの体臭等も普通に知覚されてしまう可能性が高く、
後述の石ころぼうしと比べれば隠密性は劣ると言える。

ただし『ドラえもん』ではよくあることだが作品によって設定にブレがあり、
『STAND BY ME ドラえもん』では、明言はされていないものの消音機能が搭載されているようで、
透明マントを身につけたドラえもんとのび太の声が周囲に全く聞こえていない描写がある。

機械に効果があるかどうかは原作では不明だが*5、アニメ・映画ではやはり作品によって設定にブレが生じている。
わさドラ版「いたずらオモチャ化機」ではロボットのドラえもんに通用する描写がある一方で、*6
映画『のび太の宇宙英雄記』では悪役に特殊な機械を使われたことで見破られてしまう描写もある。

同じマントを被っている人同士がお互いの姿を確認できるかどうかについては、原作では不明。
わさドラ版では「決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット」にて、それが可能であることが描写されている。*7
それだけではなく『STAND BY ME ドラえもん』でもわさドラ版と同様の設定になっており、
同作の続編『STAND BY ME ドラえもん 2』の設定資料にて「同じマントを身につけている人同士は姿が見える」と明言されている。

ドラえもんの道具の中で1番最初に登場した「姿を消すひみつ道具」であり、
読者・視聴者の中には「姿を消すひみつ道具といえば透明マント」と考える人もいることだろう。
しかし原作での登場回数は数えるほどしかなく、透明マントとかくれマントを別の道具としてカウントすれば、
5回*8登場したかくれマントに対して透明マントはたった3回しか登場しておらず*9、後述のかたづけラッカー(5回)よりも少ないのだ。

ではなぜ「姿を消すひみつ道具=透明マント」という図式を思い浮かべる人が多いのか。その答えはズバリ、アニメでの登場回数の多さである。
特にわさドラ版ではオリジナルエピソードで透明マントが登場する機会が比較的多く、
中には原作回のアレンジで透明マントが登場したり*10かたづけラッカー等のひみつ道具が透明マントに差し替えられた作品すらある。*11
それどころか、わさドラ版の公式サイトにはかくれマントの記述自体が存在しない。*12
以上の理由により、アニメを見て育った人々にとって「姿を消すひみつ道具=透明マント」という図式が定着したと考えられる。


【類似品】

透明マント(かくれマント)以外にも姿を隠すひみつ道具は非常に多く、それぞれ微妙に異なる特性を持っている。
ここからは透明マント(かくれマント)と同様に、姿を隠すことができるひみつ道具を五十音順に紹介する。
ただし四次元三輪車や動物型にげだしじょう等、姿を消す効果が機能の一部であるひみつ道具は除外する。

被れば道端石ころのように、姿は見えているにもかかわらず誰にも気にされなくなる。
つまり存在を認識されなくなるため、どんなにハデに暴れ回っても誰にも気づかれない。
姿は勿論声や体臭、足跡などの痕跡すら気づかれないため完全犯罪のし放題であり*13
ここで記述しているひみつ道具の中でぶっちぎりの最高性能と言える。
詳しくは単独項目参照。

  • かくれん棒
棒を持ったままスイッチを入れると姿が見えなくなる。
しかし棒そのものは見えたままであり、電池式なので短時間で効果がなくなってしまう。

  • かたづけラッカー
これをスプレーしたものは目に見えなくなる。ただし4時間で効果がなくなる。

このお茶を飲んで周囲の物に触れると、15分間だけその物と全く同じ色となり、その場から動かなければ周囲からは見えなくなる。
更に配色だけでなく、その物の特性も身に付く。例えば木に触れて茶色になれば、水に入っても沈まず歩くことが出来、コンクリートなら体が硬くなる。
詳しくは単独項目参照。

  • 透明人間目薬
眼に垂らすと全身の細胞がガラス体(眼球内部の透明な細胞)と同一の形質に変わることで姿が見えなくなる。
もちろん服やメガネは透明にならないので全裸でしか行動できない。

  • とうめいペンキ
これを塗ったものは目に見えなくなる。
水性なので雑巾などで拭き取ればペンキを落とせる他、水を浴びればペンキが落ちてしまう。

  • ドロン巻き物
巻き物から出る煙を浴びると姿が見えなくなる。ただし短時間で効果がなくなってしまう。

  • モーテン星
このバッジを付けた人の姿は他人の盲点に入るため、誰からも視認されなくなる。ただし1時間で効果がなくなる。
のび太の新魔界大冒険』では先述の石ころぼうしの矛盾をなくすため、この道具が代わりに登場している。*14



ご覧の通り、思わずドラえもんは何者かに追われて逃げ続けているのでは?と疑いたくなるほど種類豊富なのである。
「姿を隠す」というありふれた題材から、これほど多くのひみつ道具を生み出すF先生の発想力がいかに優れているかが見て取れる。

ちなみに原作初期の作品では、ドラえもんには尻尾を引く事で透明になる機能があり、
てんコミ初期の作品でもこの能力が使用された例があるのだが、
「ドラえもんが危機的状況に陥る度に尻尾の機能で透明化するのでは便利過ぎて面白くない」という作者の判断により、
この機能は無かった事にされ、現在の「尻尾を引っ張るとスイッチが切れる」という機能に変更されている。


追記・修正は透明マント(かくれマント)で姿を消しながらこっそりとお願いします。

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最終更新:2022年06月15日 17:29

*1 『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』等

*2 主に原作・わさドラ版。大山ドラ版では作品ごとにデザインが変わる。

*3 映画『のび太の宇宙英雄記』『STAND BY ME ドラえもん』等、作品によっては背中に羽織るだけでも効果を発揮している。

*4 「のび太の結婚前夜」では透明マントを被ったドラえもんとのび太の声が静香に聞こえている描写がある他、「きもだめしめがね」ではかくれマントを被ったドラえもんがのび太と会話する描写がある。「スネ夫の無敵砲台」では、無敵砲台のレーダー探知をごまかすためにドラえもんとのび太がかくれマントで姿を消したが、最終的には物音でバレてしまった。

*5 「スネ夫の無敵砲台」では、先述の注釈の通りドラえもん達はかくれマントで姿を消すことで無敵砲台のレーダー探知をごまかそうとしたのだが、実際にはレーダーの死角から接近しているため、正面からレーダーを突破した訳ではない。

*6 ドラえもんは「赤外線アイ」でまわりを見ているため、所謂赤外線センサーを無効化しているとも言える。

*7 透明マントを被ったドラえもん達が声を出さないまま、ジェスチャーで意思疎通を図る描写がある。

*8 名前だけの登場を除けば4回。

*9 その内の1回は偽物であり、それを除けば2回しか登場していないことになる。

*10 「狙われたジャイアン」「しずかちゃんとはこ庭スキー場」等

*11 「そうなる貝セット」「いたずらオモチャ化機」等

*12 わさドラ版「スネ夫の無敵砲台」「ガッコー仮面は誰でしょう?」では、原作で登場していたかくれマントが透明マントに差し替えられている。ただし存在を抹消された訳ではなく、わさドラ版「きもだめしめがね」ではかくれマントが登場している。

*13 ただし『のび太の魔界大冒険』では敵に臭いで探知される描写がある等、作品によって効果に差異が見られる事もある。

*14 漫画では原作と同じモーテン星を使ったが、映画では効き目長持ち安心バージョンを使っている。