ドキュンサーガ(漫画)

登録日:2022/01/12 Wed 02:15:50
更新日:2024/04/23 Tue 22:13:14
所要時間:約 29 分で読めます





これは剣や魔法が
幅を利かせていた時代の伝説(レジェンド)である



『ドキュンサーガ』とはいとまん氏の個人サイトであるハサマ及びComicWalker、ニコニコ静画にて連載している漫画である。

◇概要

強さは一級だが邪悪極まる勇者が世界の平和を脅かす魔王を倒すため旅に出る、という邪道と王道をブレンドしたファンタジー漫画。
タイトル通り粗暴な男(ドキュン)冒険物語(サーガ)である。DQNって連載開始時点でも死語じゃね?とか言わない
基本はバトル漫画だが、硬化呪文を「少年法(プ□テス)」と表記するなどブラックユーモアを含んでおりギャグ要素も多い。
またグロ描写ゴア描写も多分に描かれているので、苦手な方は閲覧注意。


◇世界観

男女の性行為を横から映したような形の大陸が物語の舞台。
人類はこの地にザイダーマ王国を建国し、特定の詠唱を唱えて魔力を消費する事で発動できる発火」「発電」「爆発」「治癒」「肉体強化」「念動」「噴霧」「からなる八つの呪文を活用して人々は日々の生活を営んでいる。
しかし人類にのみ敵意を示し襲い掛かってくる怪物(モンスター)の存在、そして建国当時から初代国王にある取り決めの遵守を迫り、それを破ると民を虐殺しに現われる魔王に脅かされていた。
…という非常にオーソドックスなRPGの世界観である。


◇主な登場人物

  • 勇者モッコス
アフロ頭とヒゲ面が特徴的な物語の主人公。老け顔だが年齢は意外にも二十代後半くらい。*1
本人はこの名前を好かないようで、周囲にはエドワード・ハインリッヒを自称している。
残虐非道を絵に描いたような人物であり、自身を諫めた兵士を消し炭にして焼き殺す、タバコの代金を求めた道具屋を店ごと燃殺する、手配された船がショボいからと港湾関係者を虐殺する…など鬼畜の所業を息をするように行う。
そしてタチが悪い事に勇者と呼ばれる(呼ばせている?)に相応しい実力者であり、通常は詠唱を唱えないと発動できない呪文を詠唱抜きにエリート軍人の倍の威力で発揮でき、形も自在など規格外。このような暴君の如き振舞で言動もとても知性を感じられないが地頭は優秀で、短時間でとても複雑で高度な新種の呪文すらも編み出す芸当まで披露している。
このためモッコs…エドワード・ハインリッヒの横暴を誰も止められず、地方に広大な領地を与えた上で酒と娼婦と娯楽を毎週差し出す形で諫められていた。
彼が魔王討伐を言い渡される所から物語が始まる。

その圧倒的すぎる強さ故ににいかなる暴挙も押し通せてしまったため、幼少期から「簡単すぎてつまんねえ」とある種の孤立感を覚えていた。
それ故に初めて窮地に追い込まれた魔王との戦いには強い高揚感を覚えている。
おだてられたり素直に頼られると「舎弟(国の王だが…)の頼みなら仕方ない」とまんざらでもない様子で引き受けたり単純な性格でもある。
一方で、卑怯な戦法で勝利を穢すことは好まず、第三者に横槍を入れられると憤慨したりもするフェアで誠実な一面もある。
後の回想からも昔から周囲と余りにもレベルが違い過ぎて(出来ることを素直に話すだけで老若男女全員にドン引きされるレベル)内心では世界と隔絶していた上に、家族の理解もまるで得られなかった描写がされていたため、その過去が律儀なところも含む上記人格の傾向を強めたものと思われる。

纏めると、良くも悪くも昔ながらのチンピラ兄貴分気質なのだろう。

実は首を斬られようと全身を細切れにされようと即座に再生できる途方もない再生能力を有している。魔王曰く「人間プラナリア」
この異常すぎる再生能力は呪文にも存在しないため、外見の変化が薄い魔族である事が魔王から告げられる。

王都ザイダーマ

世界地図の南端に位置する都市部。
チャン・ウービンが国王として治めている。

  • 国王チャン・ウービン
ザイダーマ王国の国王。52歳。
モッコスに魔王討伐を依頼したその人である。
配下を燃やされ自身も殴られる屈辱的な扱いを受けながらも、上手いことモッコスをのせて彼を旅立たせた。
しかし実際はモッコスと魔王の共倒れを画策し、ザイダーマにとっての毒虫である二人諸共消えてもらおうという魂胆だった。

  • 預言者エスメラルダ
商業版から登場したキャラ。SMマニアみてーな名前
左目を髪で隠した陰のある女性で王国に飼われており、自身の運命に関わる他人の未来を見る事が出来る特殊能力を備えている。
この能力で魔王の所在地及び無防備になるタイミングを知り、国王を通してモッコスが魔王討伐のために派遣される事になる。
呪文にはない固有能力を持っている事から、彼女もモッコスと同様に外見の異形化が薄い魔族と推測されている。


魔族

「魔王」を頂点とする拠点も総数も不明な醜い化け物の集団
混乱を招かぬよう一般市民には存在自体が秘匿されている。
何処にいるのかすら長年不明だったが、エスメラルダの能力で王都ザイダーマの南に位置する孤島にいる事が発覚した。

  • キョウトメガネン
魔王軍四天王と称される魔族の精鋭の一人で、頭頂部に五つの触手状の目を持つ。
「長い物には巻かれろ」の精神のため他の四天王と異なり魔王への忠誠心は殆ど無く、四天王を蹂躙するモッコスの登場を受けて平然と裏切っている。
戦闘能力は皆無で四天王最弱のポジションだが、触手の数だけ残基を増やせる特性と触手を通して対象を意のままに操る能力を兼ね備えている。

  • テキサス
四天王の紅一点。頭部に角が生えており、かなり際どい格好をしている。
硬質化した鞭を武器として振るっている。
モッコスを襲撃した四天王の中では唯一生存したが、代わりに性奴隷として飼われる羽目に。

  • ユタ
四天王の一人でケンタウロスの姿をした魔族。
魔王への忠誠心と同族への仲間意識は強いがキョウトメガネンに対する扱いは雑。
モチーフ元よろしく自身の骨を矢のように射出でき、その速度は四天王最速を誇る。
しかしモッコスには遠く及ばず彼の手で殺害された。南無。

  • ケンタッキー
四天王の一人で鳥人のような見た目の魔族。
魔王への忠誠心はやはり強く、また四天王同士でも四人の仲を取り持っている。
能力として炎を操り、モッコスに吹き付け骨も残さず焼き尽くすつもりだった。
しかしモッコスにはまるで通じず彼の手で殺害された。南無。

  • 魔王
魔族の頂点に立つ存在。目が死んでいる
その御姿はなんと10代前半の少女
エルフ耳以外は人間と見違う程の外見であり、二本角のカチューシャを付け「まおう」とひらがなでデカデカと書かれた体操着の上からジャージを羽織っている。
服装も相俟って外見上はまさに小学生のようである。

しかし見た目に反してその強さは魔王と呼ばれるに相応しい圧倒的なもので、魔王軍四天王の三人掛かりも容易く退けたモッコスが手も足も出ないレベル
硬質化したモッコスの身体をいとも容易く引き千切るなど単純なフィジカルだけでも頭一つ抜けており、加えて自身の魔力をあらゆる武具に具現化させる能力を持ち、更に実体化した武器類は魔力として回収して再利用可能なのでMP切れも起きない。とんだクソゲーである

自分と仲間を襲撃したモッコスに対して途中から喜びの反応を示すようになり、戦闘後はわざわざ生かすように働きかけるなど、何か思惑があるようだが…?



追記・修正は全身を細切れにされてからお願いします。










「そもそもの発端は960年前…」


「何だこの音楽」





ひとりの魔王が綴る

復讐と破滅の叙事詩



『ドキュンサーガ』とはいとまん氏が描くハードコアSF漫画である。


◆概要

魔王との決戦までは上述の通りブラックユーモア飛び交うギャグ調のバトル漫画なのだが、決着後に魔王より語られる回想に突入してからは一転。
資源が枯渇した近未来を舞台にした新種族・異形の誕生と人間社会での迫害、人類と異形の世界戦争に異形社会での差別問題などを描いたハードSF作品へと変貌を遂げている。
「ドキュンサーガ」と言えば基本的にこちらの回想以降を指す場合が多い。


◆あらすじ

モッコスが生きる時代から960年遡り西暦2222年、人間社会はエネルギー資源の枯渇のために混迷を極めていた。
限られた燃料や電力は上流階級の特権となり、電力供給を絶たれた地域は無法地帯と化す。
国家間では残り僅かな資源が眠る土地を巡って紛争が勃発し、その諍いのために貴重な資源が更に浪費されていった。

このような時代に世界中で突如として、手の平から熱や電力を作り出せる不思議な力を発揮する子供達が現れ始めた。
新人類と呼ばれるようになる彼らは、資源を要さずに高出力のエネルギーを生み出せる当時の人類にとっての希望であり、世界救済の旗印の下であらゆる研究が為された。
その結果、既存の人類と新人類の違いとして「脳内の特定部位が生まれつき稼働しているか否か」という事実が判明し、更に新人類でなくても口述する事で脳を一時的に活性化させて超能力を引き出せる計算式(コード)が導出される。
新人類が持つ八つの超能力は全て計算式化されて世界に普及していき、計算式がもたらす新エネルギーによって世界は希望を取り戻していった。

こうして人類に眠る超能力が明らかになっていく中で、新人類とは異なる本当の新種の存在が浮き彫りになっていく。
当時「ミュータント」と呼ばれていた彼らは突然変異で脳と肉体が常人とは完全に別物と化し、人類から大きくかけ離れた外見と常人の数倍~数百倍の筋力、そして計算式でも再現できない固有能力を併せ持っていた。
しかし人類と大きく異なる容貌と特性のミュータントは人間社会で異端として扱われ迫害され、ついには懸賞金まで掛けられて各地で指名手配されるようになっていった。
そんな折に一人の少女を頭領としてミュータント達が反旗を翻し…。


◆世界観

異形と人類が激突した戦争の最終局面において、人類側の最後の抵抗により生じた高濃度の放射能が世界中に拡散されており、通常の生物では生きられない惑星になってしまっている。
このため異形達はシェルターに籠もった上で自分たちが住む地帯の周辺を長い時間をかけて除染させて上陸し、一方の人類は遺伝子操作で自分たちに放射能耐性を付与する事で汚染地帯でも問題なく行動できる身体を手にした。
それぞれ世代の移り変わりと共に差別や暴動などを経験し、900年後の現在では双方大きく変容している。

欧州

放射能で汚染されている危険地帯。
戦争当時は異形に追い詰められていた人類側の最後の砦だった。

放射能拡散後は異形と同じく人類もシェルターに籠もり、全員に放射能耐性を施して地上への進出を万全のものとするべく着々と準備を進めていた。
ところが地下生まれ世代の反乱が起き知識階級層やAIが尽く鏖殺されたため、科学力が途絶えてしまい文明の水準が中世~20世紀初頭のものまで退行している。

劣悪な環境のために強力な新人類が続々と誕生しているのではと推測されており、魔王にとって最大の懸念事項。

地下都市(セントラル)

アメリカ大陸に建設された広大な地下施設で、天上には液晶パネルで紫外線から昼夜まで再現した空が投影され、ビル群や公園などの施設も整えてあるなど日常生活には不便しない空間として設計されている。
真央たちは放射能が除染されるまで400年以上もの間ここで過ごしてきた。

除染が完了した後も地上の整備が進むまで住み続ける異形もおり、また二つの勢力に分裂した次世代の中立地帯としても機能していた。
後に魔族社会の首都セントラルへと発展する。

東の街(モルモシティ)

地上に出た後、人類に対する過激派思想を持つ次世代の異形達が集って出来た居住区。
計算式や人間文化を全面的に禁止している。

最初は酒場があるばかりの寂れた土地だったが、初代市長モルモの尽力により興行と賭博を主流にした産業が大幅に充実するようになり、魔族社会最大の都市モルモシティへと発展した。

西の街(ライブラリ)

地上に出た後、人間文化に理解のある次世代の異形達が集って出来た居住区。
幹部の一人である飛が後ろ盾となって導き、次世代の若者に指導したりしていた。

後に議会が設置され法整備が進み、創作と学術の街ライブラリへと発展する。

箱庭/箱庭自治区

放射能耐性を持つ人類から生まれた異形が同じく耐性を持っている事を知った真央が発案した施設。
人類を殲滅できる力はあるにもかかわらず放射能のために欧州へ立ち入る事が出来ない真央に代わり、汚染地帯に立ち入って人類を絶滅させる異形の救世主を誕生させる事を目的としている。

まず欧州より移住してきた人類の団体を丸ごと拉致し、洋上のとある孤島に監禁した上で「大陸は殆どが崩壊し人類も自分たちしか生き残っていない」と思い込ませて定住させ、「人類が絶滅寸前」という幹部の異形達が経験した当時の世界のストレスを再現して強力な異形が産まれやすい環境を作り上げた。
そうして頃合いをうかがい、真央本人が直接乗り込んで「異形が産まれた場合は引き渡す」という取り決めを人類と交わす事で、「放射能耐性」「人類を殲滅し得る戦闘力」を併せ持った理想の異形を誕生させようという試みだった。
ここで生まれた異形は箱庭自治区という地域に引き取られ、後に異形社会における第四の都市へと発展していく。

この箱庭の島が現代のザイダーマ王国である。


◆作中用語

異形

発見当初はミュータント、後に魔族と呼ばれるようになる種族。
それぞれが異なる風貌と固有の超能力を持ち、人類を大きく超える戦闘能力を備えている。
しかしこの特性のために人間社会では迫害を受け、見つかり次第収容所に送り込まれて残忍な人体実験に利用されてしまう事に。
このような扱いを受けてきたため基本的に人類の事を人間(クソムシ)と呼んで激しく憎悪しており、真央の下で異形の集団が形成されてからは人間に対する憎悪が「人間はおしなべて邪悪な存在」「やつらが繁栄する限り我々の安寧は訪れない」という絶対の思想へと昇華し、人類を絶滅させるまで止まらない殺戮集団と化した。

ただ異形の中にも徹頭徹尾憎んでいるわけではなく、「人類の文化でも有効なら活用すべき」と主張する合理的な者が一部おり、人類からの迫害と戦争を経験していない次世代の異形は特にこの傾向が強い。
一方で親世代の歪な教育を受けて人類への憎しみを募らせ過激化してしまった者も多数おり、次世代ではこの二つの勢力が激しく衝突して異形間での差別にまで発展しており、モッコスの時代でも尾を引く根深い問題となっている。

人間と同様に子を成す事も出来るが、外見の特徴が遺伝されるのみで戦闘力に関しては全く受け継がれない。
この原因として「母体にかかるストレスと能力の強さの比例」という仮説が立てられており、生命が危ぶまれる危機的な状況においても助かろうとする本能…尊厳や矟匙をかなぐり捨ててまで生きようとする母体の高純度の生への渇望が無意識下で胎児へと魔力を流し込み、その供給量が多い程強い異形(あるいは新人類)が産まれるのでは?と推測されている。
また人類とも交配可能であり、母体側が人類だろうと異形だろうと異形が産まれる例が確認されている。

計算式

現代では呪文と呼ばれている文字の羅列。
これらを唱える事で脳の一部を活性化させ、発火」「発電」「爆発」「治癒」「肉体強化」「念動」「噴霧」「からなる八つの超能力を扱う事が出来る。
発火の計算式を例に挙げると「イR5※バ1ツ仝ハ68U1ツ〒ガ§チ4々イYン∃7カ3W二√ン‰423ボYウR65コ▽Bン〆タ419ワ#イ6IR7Tカ±ノ6∉1イ∬2セHW∴6PQ1ン々セ∵∽5GラÅ4DC∧ナ…」らしい。どうやって発音するんだろう

人類にとっては資源不足な暗黒の時代を終わらせた奇跡の技術なのだが、異形にとっては人間文化の象徴とも言える技法のために人類と同一視する形で憎まれており、魔族社会でもライブラリを除く三つの都市で全面的に禁止とされている。

新人類

計算式の詠唱無しで異能を扱う事が出来る人類。
人類と異形の戦争ではハイレベルな新人類のみで構成された精鋭部隊が人類側の主戦力として戦場で活躍し、異形の固有能力を解析して擬似的に再現した武器でもって格上の異形をも屠っていった。
一応、新人類でなくとも計算式を無詠唱で扱える者はいるらしい。
ザイダーマにおいては時折産まれる新人類を「勇者候補」と呼んで讃えていたようである。

転生機

異形幹部の一人であるメンザが開発した機械。
肉体を分解・再構築する形で任意の年齢に若返る事が出来る。
次世代に託すのではなく自分たち幹部の手で人類に終止符を打つために、地上に出られるその日までの延命を目的として作られた。
しかしメンザの設計ミスにより転生の度に異能が弱体化していく欠陥仕様となっており、更には当のメンザも転生によって知能が劣化して今の自分が下手に弄れば壊しかねないとして修理どころではなくなり、開発者にも仕組みが完全に不明のブラックボックスと化してしまう。
それでも異形の未来のためには欠かせない機構であり、真央達は弱体化を繰り返しながら生き長らえる事になる。


◆主な登場人物

異形:(外見の特徴)/(固有能力)として表記していく。

  • 山田真央
異形:永遠に子供のままの肉体/魔力の物質化

後の世で魔王と呼ばれるようになる少女。回想では実質的な主人公を務めている。

異形としてはかなり薄い変化だったので迫害を免れながら母親と二人で生活していたが、信じていた人間の友達に懸賞金目当てで裏切られて母親を惨殺されたために心を閉ざし、独りで生きるように。
しかし気紛れで助けた同じ異形の五木と藪内との出会いを切っ掛けに仲間と気負わずに接する事の楽しさを覚え、「もっと仲間がいればもっと楽しいのでは?」という無邪気な思いから異形が捕えられた各地の収容所を襲撃して同族を救っていく。
以来助けられた同族は「ボス」と呼んで真央に付き従い、異形のトップとして900年に亘り導いていく事になる。

成り行きで同族を率いる事になってしまったが本質的には優柔不断な甘ちゃん*2であり、それを強すぎる責任感と使命感で制御している。
回想では感情の行き所が無くなり何度か爆発する事もあり、戦友の暴走や世界の現状、同胞の死に次世代の行く末を受けて徐々に、確実に心を磨り減らしていく過程が描かれている。

戦闘力に関しては異形の頂点に立つだけあって脅威の一言。
武器類の具現化に留まっている現代と異なり、全盛期ではミサイルや隕石を数十発まとめて形成でき、それらを使って王都ザイダーマの倍はある都市部を壊滅に追いやっている
というか現代でも転生機による弱体化に弱体化を重ねた上でアレなので、全盛期がいかに狂った強さだったかよく分かる。
また現代でもサラッと取り上げられた魔力の回収だが、強力な異能を発揮できる反面魔力切れで短い期間しか全力を出せず窮地に陥りがちな異形の中で実は極めて有効な特性であり、真央の強さを大きく下支えしている。

更には他者が攻撃する際に放たれる闘志や殺意などを「導線」として捉えて攻撃を回避、あるいは自身の殺気を感付かれないように精密操作した上で相手を攻撃できる。
要するに殺気の感知と消失が可能という類い希なる戦闘の才能を秘めており、肉体の弱体化が進んだ現代でもこの能力に関しては据え置きである。

幹部

異形の中でも特に秀でた異能を持つ精鋭。
真央を含めた11人で構成されている。

  • 五木
異形:頭の触覚と三つの瞳孔を持つ右目/バリア生成

藪内と共に真央にとっては最初期の親友。愛称は「いっきー」。
親しい同族以外には素顔を見られるとアガってしまうため、普段はガスマスクを被って隠している。
真央の事は常に寄り添って大切にしており、トレードマークにもなっている二本角のカチューシャは異形が薄い事を気にしていた真央に五木がプレゼントしたものである。
またある一件以来、友情を越えて同性ながらアツい関係になっている。あら^~

五木が生成するバリアは非常に強固であり、銃火器数十発を同時に受けても傷一つ付かず、最強の肉体を持つステーシーや強力な物質を具現化できる真央でも突破に数分はかかるという代物。

  • 藪内
異形:触角状の目/触手による寄生

五木と同じく真央にとっては最初期の親友。関西弁で喋る。
後に同じ幹部の明日香と結ばれている。
とある事情により、彼の子孫は異形社会でも屈指の大御所になっている。

固有能力で生物・無機物問わず触手を寄生させて操る事が出来る。
生物の場合は触手を通して感覚を共有でき、無機物なら一定の戦闘力を持った怪物に豹変させられる。

  • 中村明日香
異形:一つ目/未来予知

真央達が最初に襲った収容所で助けられた異形。何気に姓名が共に判明している唯一の幹部である。
楽観的な性格だがメンタルは弱く、度々塞ぎ込んだり取り乱したりしている。
後に藪内と結ばれた。

能力の未来予知はマーキングした対象の未来が15分先まで分かり、これによって追い詰められた人類が乱射してくる核兵器の迎撃に成功していた。

  • 日村
異形:鳥人間/肉体の炎化

頭頂部にしかない髪と合わせて鶏のような頭部を持つ異形。
粗暴な激情家で、空気が読めない一面がある。
桐生とは人間の拷問を通じて親友の間柄となった。

能力の炎化は非常に強力で、身体の炎化までに5秒のラグこそ生じるが一度転化できればあらゆる攻撃が通じない無敵状態となれる上に、純粋な火力も真央やステーシーが破壊するのに数分かかる五木のバリアを数秒で破壊できる程。
性格や末路などからどうしようもない印象が強いキャラだが、単純な戦闘能力に関してはおそらく作中最強である。

  • 桐生
異形:額に第三の目/酸性雨

禿頭で額に第三の目を持ち、唇がない異形。一応口自体は存在しており必要に応じてメリッ…と開く。
日村と対照的に冷静だが、内には同じように激しい感情を抱いており親友となった。
隻腕は憎しみの象徴として、転生後も再生していない。

収容所にいた頃は自身の右腕を輪切りにされて標本にする様子を目の前で見せ付けられており、人類に対する憎悪は幹部の中でも特に強い。
人類との戦争でも武装放棄の条約を反故にして完全に駆逐するつもりだった。
しかし地下施設にて人類の書物を読み漁り文化を知る内に人間に対してある種の敬意を覚えるようになり、同時にだからこそ自分の手で滅ぼそうと使命感を燃やしていたのだが…。

能力の酸性雨は有機物・無機物を問わず広範囲の全てを溶かしつくし、転生機による弱体化を経た後でも街一つを消滅させる程の効力を誇る。
また桐生自身は精密操作が苦手と称しているが、対象を個人一人に絞って溶かす事も可能である。

  • メンザ
異形:脳が露出したタコのような姿/高知能

某バトル漫画の劇場版に出てきた科学者のような姿をした小さな異形。
かつては"ブレインマン"と呼ばれる見世物として「図書館の本を全て暗記する」という芸を強いられ、軍に捕縛されてからは生きたコンピューターとして扱われていた。
自身の知能に強い誇りを持ちマッド・サイエンティストな気質も持つが、哲学的な思考を持ち身長も近いアリバタとは気の合う友人となった。

優れた知能で作戦の立案・開発・研究といったものを行い、異形たちが安全かつ快適に暮らせる場所を提供した。
だが彼をしても及ばなかった部分や譲れない信条はあり、それが自身や他の幹部の悲劇的な末路や真央の精神の負担に繋がってしまう。
自身がいなくなった後も施設などの維持管理や開発を行えるようにMNZ02という自律ロボットを遺しており、これによって次世代たちが豊かな社会生活を築けている。

  • アリバタ
異形:球体の集合体に枝が生えたような肉体/触れた物の増殖

形容し難い姿の小さな異形。
数少ない迫害を経験していない異形で、とある教団にて異形と異能故に神の子として崇められ、愛されていた過去を持つ。
そのお陰か最も人間からかけ離れた姿でありながらも人間のような倫理観を重んじており、人当たりが良い。
メンザとは友人ではあるが、彼の倫理観の欠如には内心引いている。
彼と袂を分かつ際の言葉は最初こそメンザも皮肉っていた*3が、後にメンザ自身に降りかかった大きな『しっぺ返し』を経て、その言葉の重さを痛感する事となる。
人語を殆ど話せないクラーブの通訳でもある。

能力の増殖は無尽蔵といえるほどのものであり、アリバタがあらゆる資源を増殖させてくれたおかげで長きにわたって生活に困ることがなくなった。生物に対して使うと、体に腫瘍を発生させて殺すことができるらしい。

  • ステーシー
異形:なし(変貌が薄かった為不明)/最強の肉体

ツインテールが特徴の女性。
傍目には人間にしか見えないが、異形には外見の変貌が薄く殆ど異形化していない場合があり、ステーシーはまさにそのタイプだった。
好きな友達とはよく連むが嫌いなものにはハッキリ物申す、何ともカラッとした性格の持ち主。

当初は影で生物兵器扱いされながらも人間に与しており、米軍の刺客として真央に襲い掛かった。しかし真央による渾身の一撃で流れた血を見て初めて自分が生物であることを実感し、感銘を受けて仲間入りした経緯がある。

能力である「最強の肉体」は文字通りビル群をなぎ倒せる程に強靱な身体能力を誇る。
しかしあまりにも強すぎるために「ピアスを開ける」という夢を叶える手段が存在せず、具現化した強靱な武器で開けてくれた真央には感謝している。

  • (フェイ)
異形:無数の目を持つ身体/空間移動

無数の目が開いた不定形の身体を人型に形成している異形。髪の毛はカツラである
人類の文化にも理解を示しており、漫画や小説などの娯楽に触れて楽しんでいる。
異形社会の行く末に関して真摯に考えており、いずれは人類の猿真似ではない異形独自の文化が芽生えればと考えている。
恐ろしい見た目(異形はほぼ全員そうではあるが)に反し温厚かつ思慮深い人物だが、キレさせると一番怖いタイプでもある。
過去の幹部会議にて煽られた際に激昂しかけた描写があった他、モルモに対して釘を刺す際には彼女が戦意喪失する程の恐ろしい凄みを見せていた。*4

能力の空間移動は自身が過去に行った事のある場所に繋がるゲートを作り出して行き来するというもの。
自分だけでなく他人も複数人通れるので非常に汎用性が高い。
一部の異形からは戦闘用の能力ではないと舐められているが、ゲートを遙か上空に繋げて対象をとてつもない高度から落とす事も可能。
その他、不定形の身体を活かして巨大な爪を作ることも出来る。金属やコンクリート程度なら爪痕を残せる程には強力。

  • クラーブ
異形:カニのような頭部と水中呼吸/魚と友達(全魚類との交信・支配)

頭部に大きな口があり、目とハサミと足が生えたような異形。
人語を話すことができず、アリバタに通訳して貰っている。

能力で魚と会話し、随時テレパシーを受信することで全ての海の情報を知り得ることが出来る。
一見するとネタにしか思えない異能だが侮るなかれ。
全世界の魚を通して人間側が放った深海の原子力潜水艦なども容易に捕捉でき、明日香と並んで異形サイドの防衛の中核を担っていた。

魚たちのことは同胞として見ており、彼らの苦しみを受けたことで異形の親友たちと別れることとなった。

第一世代

幹部以外の人間から生まれてきた異形たち。
回想では幹部達を中心に描かれているため出番は少ないが一部登場している。

  • 陽菜
異形:クチバシ/爪

幹部である日村の妻。
シェルターに追いやられてから結ばれ、後に一子の健太をもうけた。
しかしある一件で健太を庇おうとしたところで日村に焼き殺されてしまう。
その後は転生機で生き返ったとはいえ、人格を失って赤ん坊からやり直すはめになり、年上の息子と共に奇妙な親子関係で生活するようになった。
健太とは後に子も成している。…息子と?

能力の爪は斬撃を発生させるものと思われ、劇中では日村の身体を抉っていた。

  • 鬼頭
異形:男性器のような頭部/巨大化

名前の通り亀頭のような形の頭部を持つ衝撃的な見た目の異形で、全身の皮膚がなく筋組織が露出している。
実は明日香と共に最初の収容所襲撃で解放された異形の中にも描かれており、意外と古参である。日村や桐生とも親しくしていた。
真央の愛称にして尊称にもなっている「ボス」は鬼頭が最初に呼び始めたもので、こちらもさり気なく描かれている。

能力については単行本で掘り下げられており、3分ほどの間ビル並みの巨体になれるようだ。

  • 河堀
異形:耳が小さな羽根/影の実体化

見た目の変化が薄い異形の女性だが、原作で登場したのが1コマだけなので単行本版の新キャラに近い。
真央や五木と親しくしており、「かわっち」と呼ばれている。
後の子孫に日和の友達の高森がいる。

能力は影を操るものだが、全力で暴れられるのは鬼頭と同じく3分ほど。

次世代

人類との戦争を経験した第一世代から生まれた異形たち。
戦闘力に関しては大幅に劣化しており、次世代の異形の中でも屈指の実力者が「中の下」レベルの新人類に殺されてしまう程。

  • モルモ
異形:馬の下半身/加速

人類への憎悪を滾らせる異形のグループ「東の街」のリーダーで、実力も次世代では最強の異形。
当初は過激派の意見を煽るばかりでまとめようともせず、真央や飛にも足元を見た態度を取っていたが、飛による徹底指導を受けてからは良き為政者へと転身を遂げている。
しかし最終的には実子ソルトの扇動により市長の座から身を退くこととなった。

彼女の子孫が現代の四天王を務めるユタである。

  • テロイドス
異形:男性器のような頭部/筋肉の膨張

鬼頭の子孫と思われる異形。
彼と同様に立派なイチモツを頭部に備えているが、鬼頭と違いこちらは全裸である。

東の街ではモルモに次ぐナンバー2の強さに位置づけられている。
人類文化の尊重を唱える「西の街」の住人を同じ異形にもかかわらず人間もどきと呼んで激しく嫌悪し、仲間と連んで迫害を行う中でついには一線を越えてしまい…。

能力に関しては世代を跨いで劣化した証なのか、巨大化できた鬼頭から筋肉の膨張にまで落ち込んでいる。

  • ムーワ
異形:触手の身体/触手のセンサー?

フードを羽織った触手状の異形。東の街ではナンバー3の実力者である。
悪趣味と煽り癖が酷く嫌われる事が多いが、観察力は優れており長所は真央も高く評価している。
暴動時に人々の扇動を行ったり、時には真央相手にすら慇懃無礼な態度でヘラヘラとキツい所を抉るような事を言うため、真央も彼を苦手に思っている。

後に人間の女性を拷問する過程で娘のイソメを授かっており、子煩悩になった。

  • クアドラ
異形:四つ目/体表の爆発

目が頬にもあり、口が縦に割れる異形で、見た目に違わず視力が良い。
能力は自身にフィードバックがないことも含めかなり戦闘向きで、東の街でもナンバー4の実力者。
イソメの養母であり、クアドラが気の迷いを起こして産んだムーアの子という不本意な設定にされているもののちゃんと養育している。

  • 健太
異形:クチバシ/不明(炎化?)

日村と陽菜の息子。
父親に母親を殺されてしまい、転生機で記憶を失って赤ん坊からやり直す事になった母親と、若くして二人で暮らさなければならなくなった悲惨な境遇の持ち主。
クチバシには日村に殴られた傷跡のヒビが痛々しく残っている。

日村の親友だった桐生が後見人となって支えてくれたために立ち直る事ができ、後に陽菜と家庭を築いている。…母親と?
このため桐生に対しては非常に恩義を感じており、死の間際には子供達に向けて「実の父親のように思っている」と明かしている。

  • 日和
異形:クチバシ/手の炎化

健太の孫である女性の異形。西の街に在住しており三人の女友達と連んでいる。
桐生の事はじいじと呼んで慕っており、絶望の淵にあった桐生に祖父の遺言を伝えて立ち直る切っ掛けになった。
その後は西の街の議員にも選出されており、街の代表者になったようである。

なお、酒に酔った際に桐生を誘惑するような描写があり、後の時代では西の街の代表者として彼女の子孫と思わしきクチバシと三つ目を持つ異形も描かれているが、まさかね…

  • オースティン
異形:側頭部の角/不明

真央たち第一世代と同じく人類から生まれた異形。
人類によって四肢切断された上で慰み者にされるという陰惨極まる扱いを受けていた。
放射能耐性を持つ彼女の特性の発覚が箱庭設立の切っ掛けとなる。

現代の魔族

  • 救世主モッコス

「長ェんだよ話が!!」

「加減しろや馬鹿!!」

異形:なし/超再生能力

我らが主人公のモッ…エドワード・ハインリッヒさん。
彼こそが真央の待ち焦がれていた「放射能耐性」と「人類を殲滅し得る戦闘力」を併せ持つ魔族の救世主である。

あまりに長すぎる回想のために作中時間で夕方から夜明け前にかけての半日、リアルタイムで数年もの放置を食らい、読者からも「あのモッコスがまじめに聞いているとは思えない」「長すぎてきっと寝ている」等と予想されていた。
再登場した際には案の定眠りこけていた…と思いきや話が長過ぎ&脱線しすぎな真央*5に対して当てつけで狸寝入りをしていただけでちゃんと聞いており、感想をわくわくしながら待ち望んでいる真央に訊ねられた際には
「過去のテメーの強さと何故弱くなったのかを聞いただけだろが?
それをテメー出来損ないどもの育成奮闘記だのレズのエロ小噺だの話が脱線しすぎなんだよボケ老人が!」
「見ず知らずの不細工集団のために人間ぶち殺して回る義理が俺にあるか?ねーよバーカ!」と口汚く容赦ないながらもぐうの音も出ない正論で返している。おれらもずっと思ってた
横で聞いていたキョウトメガネンも話の長さの件に関しては素で(たしかに・・・)と心中同意し、真央を心底尊敬してモッコスを心底嫌っているテキサスですら一切反論出来ずに凹む真央を慰めに回る始末であった。

回想前から変わらず真央へのリベンジに燃えており、全盛期を知った事で俄然やる気を出している。
と同時に魔族を率いて旧世界を一度は蹂躙した真央を伝説の女総長と捉えて「マブすぎんだろ…」と惚れ込んでおり、身も心も全盛期に戻した上で倒して自身の女にしようと張り切りだしている。
また、まるで関係ない長話だったとはいえ強者の話題も出ていたため、それらの強さや能力などに関しては興味津々だったりする。

  • キョウトメガネン
異形:触手の身体/触手で刺した相手の体を奪う

セントラルのリーダー候補にして藪内と明日香(と恐らくムーワ)の子孫。
ゲスだが頭と口は回るため処刑を免れており、モッコスの懐柔を買って出ている。

  • テキサス
異形:側頭部の角/触れた無機質の変形と操作

箱庭自治区のリーダー候補にしてオースティンの子孫。
救世主の登場で自分は用済みと考えている真央を案じている。

  • エスメラルダ姉妹
異形:左目&左目と融合した小人/マーキングした対象の位置情報の把握&未来予知

王都子飼いの異形。
回想前からエスメラルダとは別に預言を行う姉の存在が匂わされていたが、実は「妹」の左目部分に蛇状の身体をした小人の「姉」が潜んでいるという二人で一人とも言える存在の異形だった。
それぞれが固有の能力を発現しており、妹の方はマーキングを施した対象の現在地及び半径50メートルに存在する人間の数の感知、姉は未来の情景を「音の無い静止画」として見る事が出来る予知を備えている。
魔王の情報以外にも、先史文明の古代兵器に関して半年前に預言していたようで…?


人類

異形が話の主軸であるためネームドの人類キャラが登場する事は殆ど無かったが、真央の回想が開けてからは人類サイドにもスポットが当てられている。

  • リーパー
桐生と真央達との会話で存在が示唆された人物。
放射能が拡散されるより前に異形を討伐する米軍に所属していた新人類の一人で、その強さは異形第一世代の幹部たちをして「最強の米兵」「マジやべーやつ」と称される人類サイドの圧倒的な実力者だったようだ。


  • チャンイーピン
異形がシェルターを脱した時期に欧州から渡来した東洋系のグループを束ねるリーダー格の女性。
真央たちによって箱庭に拉致され、後にザイダーマ王国の初代国王となった。
彼女の名は現代の王族にもしっかりと受け継がれている。

  • チャン・ウービン
当代のザイダーマ国王。
魔王とモッコスが同士討ちするよう仕掛けた張本人だが、結果的に両者が結託するという最悪の事態となってしまい大いに焦っていた。
そこへエスメラルダ姉によって半年前に預言された先史文明の古代兵器が到着し、魔王とモッコスに対抗しようとするが…。

  • ローワン
先代国王の息子。ウービンにとっては甥に当たる。
エスメラルダ姉の「船出した王子が孤島に漂着し先史文明の遺跡を見つける そして古代の兵器を手に入れ戻ってくる」という預言を受けて、本編の半年前に四人の従者と共に旅に出ていた。
過酷な旅の中で四人の内三人までもが亡くなってしまったものの何とか古代兵器を入手し、魔王の報復に脅かされていたザイダーマにタイミング良く戻る事が出来た。
以前はウービンが「さわやか野郎」と呼ぶくらいに清楚な印象の青年だったが、旅を通してだいぶやつれている。

  • ラミー
先代勇者バッカスの娘。そしてあのモッコスの妹である。
三つ編みに目隠れの気弱そうな少女で、兄と異なり魔力量こそ人並み外れているがそれ以外の能力は全て人並み以下であり、治癒の魔法を利用した回復要員以外に使い道がないとして父親からも見限られていた。

古代兵器の入手を目的としたローワンの旅に同行し、従者の中で唯一生還する事が出来た…のだが、過酷な旅を通して精神が人格レベルで変貌
国王の御前で煙草をふかす等の太々しい態度を取るようになり、容姿も髪の右半分を大きく切って三つ編みをシンプルに一房で束ねるなどガラリと変わった。
それどころかザイダーマの人間が知り得ない新人類や兵器の情報について流暢に語り出し、ローワンもラミーを指して「彼」と呼ぶなど、まるで別人のような言動と行動を取るが…?

  • ノーマ
10代の時のモッコスが国中の喧嘩自慢や犯罪者の強者たちを集めた愚連隊円卓飢死団(ナイツ・オブ・ラウンド)のメンバー。
モッコスの側近の1人。
幼い頃にナワバリ内で作った臓物のオブジェのセンスを褒められたことでモッコスに惚れ、結婚を本気で夢見ているが、現在はモッコスの姿をした部下に『理想のモッコス』のロールプレイを強要し、少しでも気に食わなければ部下を惨殺している危険人物その1。
おまけに人間の死体を加工して装飾品や服飾品にして着飾り、臓物や血に塗れてセックスしたがる趣味まで持つためモッコスには内心で気持ち悪がられていた様子。
部下は皆人間の皮を加工した衣服を身に纏っている。
同じ側近のマッシュとはお互い罵り合いいがみ合う犬猿の仲で、両者共に派閥を作って収容されている島の「監獄村」で対立と抗争を続けている。
リーパーやラミーのような新人類ではないが戦闘のセンスがずば抜けており、リーパーが披露した念動の技をたった一度見ただけで模倣し、岩石と土砂を繋げて作った人形を高速で変形させてまるで生きているように見せる"傀儡使い"。


  • マッシュ
異形:なし/筋肉操作+巨大化

「円卓飢死団」のメンバーでモッコスの側近。
見た目はおかっぱ頭で若干女顔の男だが、モッコスにベタ惚れしモッコスと結ばれることを思い描く同性愛者。EDWARD♡
今の外見も異性愛者のモッコスに振り向いてほしい余り筋肉を萎めたり髪型を変えるなどの努力の賜物であるが、ノーマには小馬鹿にされている。
だが極度の癇癪持ちで、少しでも気に食わないと部下を殴り殺したり暴れ回って部下を巻き込み惨殺してしまう激情家で、癇癪で部下を殺した後は我に返って泣き叫ぶ危険人物その2。
モッコスへの執着故に部下は皆モッコスの姿に整形させられている。
こちらは新人類どころか、見た目が人間に見えるだけの正真正銘の異形。モッコスやステイシーと同じタイプである。
普段の状態でもパンチ一発で地面を粉砕し、近くにいた部下が死にかけたり潰れるレベルの怪力を誇る。
激昂し本気を出すと原型を留めないレベルで肉体を膨張させて夥しい筋繊維に包まれた筋肉の化け物と化す。パワーは勿論タフネスも回復力も凄まじくなるが、ノーマと殺し合いをする度千日手となる。


  • ベティ
「円卓飢死団」のメンバーでノーマの側近。
眼帯を付けたグラマラスな美女で、自己中を極めたノーマに内心辟易しながらもイエスマンを務めるが、円卓メンバーの中では非常に理性的な人物。

  • ウォルム
「円卓飢死団」のメンバーでマッシュの側近。
顔に覆面を被った筋骨隆々の男で、下顎をノーマに引き千切られたせいでまともに喋れない。
癇癪持ちのマッシュには理不尽な理由で事あるごとに殴られている。


◆余談

  • 作者のいとまん氏は、一見ひらがなを学修するための幼児用サイトと見せかけてクリックするとグロテスクなイラストばかりが表示されるという検索してはいけない言葉の一つ「あういえお」のサイト開設者でもある。
    これらのグロ描写は「ドキュンサーガ」でも存分に活かされている。

  • 「ドキュンサーガ」が載っているハサマからそのままアクセス出来てしまうので、グロが苦手な方はやはり注意。
    逆に「あういえお」のサイトを通じて「ドキュンサーガ」のページを開く事もでき、「検索してはいけない言葉経由でこの漫画を知った」という読者も多い。



追記・修正は転生機で延命してからお願いします。

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最終更新:2024年04月23日 22:13

*1 20年前の回想で小学校に相当する教習所に通っている描写から。

*2 モッコス評。日村や飛などの同族からも度々「甘い」と指摘されている。

*3 この際に互いの価値観を否定されて共々かなりキレていたのか、アリバタは体中に青筋が浮かんでおり、メンザも顔こそ笑顔だが脳が怒りで血走っていた。

*4 基本は他者の事を「キミ」呼びだが、暴動の件は相当腹に据えかねていたようで、「お前」呼ばわりしつつ「バカ共を死ぬ気で制御しろ、今後同じ事が起きたら真っ先に殺す」と無数の目が彼女を睨んでいた。

*5 実際、モッコスの質問は「戦ってる相手は誰だ!?」「何でそんなに弱くなった!?」という2つの質問だったので回答としては「あれは米軍といって当時存在した国の軍隊だよ。そんでこの転生機には致命的なバグがあるから、そのせいで私はどんどん弱くなっているんだ」というたった数秒で終わる話であった。