セイスモサウルス(ゾイド)

登録日:2022/05/17 Tue 22:35:42
更新日:2025/03/11 Tue 22:00:02
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ここでは、タカラトミー(旧:トミー)による玩具シリーズ『ZOIDS』シリーズに登場する大型ゾイド・セイスモサウルスについて解説する。

●目次

スペック

全高:10.9m
全長:53.5m
重量:198t
最高速度:70km/h

兵装

  • 超集束荷電粒子砲
口腔内に装備。セイスモサウルスのアイデンティティ。
美しい吊り橋型の長大なボディを粒子加速器兼砲身にすることで限界距離でもゴジュラスギガを撃ち抜く威力を実現した。
一点突破に特化した武装と思われがちだが、約6秒の照射でゴジュラスギガの頭部を綺麗に蒸発させることが出来、面制圧能力も十分強力。
国家の威信をかけたゾイドの象徴となる武器と言うこともあり「ゼネバス砲」という渾名さえつけられている。
ただ主砲の長射程に火器管制が追い付かないのか、ディメトロドンやグランチャーによる索敵・情報支援を要しており、これが後に影響を及ぼすことになってしまう…

  • 小口径2連レーザー機銃(全31基)
頸と尾の上下に並ぶ。
接近を図る小型~中型機への対抗手段として張り巡らされた、荷電粒子をシャワーのごとく全方位に投射できる小口径火器。
しかし小口径荷電粒子ビーム砲自体は、すでにゴドスやサイカーチスで実用化されており、目新しい装備ではない。実際、威力はさほどでもなく、大型ゾイド相手には効果は薄いらしい。
とはいえその砲門数から繰り出されるビームの弾幕が強力なことは変わりがなく、接近された場合の迎撃能力を高めることに貢献している。

  • 2連銃座式ビーム砲(2基)
背中の上と後方に装備。
BLOXマウントを兼ねる胴体部の銃座。

  • 地対空8連装ビーム砲(セイスモ8連砲)
背中の前面に装備。
詳細不明ながらも口径がやや大きく、威力重視の対空兵装。

  • キラーバイトファング、加重力衝撃テイル
牙と尾。
フェイルセーフに近い近接兵装。
大型ゾイドにも対抗できるが、仮想敵となるゴジュラスについては割に合わない

合体形態

  • アルティメットセイスモ
機動性は落ちるが、すべての能力が向上する重装備形態。
セイスモ護衛用キメラブロックス群のシザーストーム、レーザーストームと合体。*1
一部の設定ではゴジュラスギガをも上回る格闘性能だの実際にバトルストーリーでは遠距離攻撃で負傷しつつも接近したゴジュラスギガにある程度対抗し撃破に成功するなど
ぶっちゃけチートと言っていいぐらい強い

  • ベルセルクセイスモ
スティルアーマーとの合体形態。ゴジュラスギガとの格闘戦という最悪の状況を想定して考案された形態。
アルティメットセイスモと共に『ゾイドフューザーズ』のラスボスの形態としても登場。

  • セイスモドラゴン
FZ版のキットで紹介されていたキメラドラゴンとの合体形態。


誕生

発端-デスザウラーリニューアル計画-

ギュンター・プロイツェン・ムーロア陛下の囮作戦で手薄になったヘリック共和国首都を、鉄竜騎兵団が陥落させたことで勃興を果たしたネオゼネバス帝国。

かつての栄光を知る上級将校たちは旧ゼネバス帝国の遺産であるデスザウラー自国の技術だけで再設計するべきではないかと考えていた。

主力であるジェノザウラーバーサークフューラーは、ゼネバスの技術も含んでるとは言ってもガイロス帝国製のそしりが否めなかったのも理由の一つであった。

デスザウラーもオーガノイド・システムの応用によって操縦性を悪化させつつも旧世代以上のパワーアップを果たしていたが、中央大陸制覇に向けた最後の課題は共和国残党の駆逐であり、自国の技術だけで生み出されたシンボルを望んでいたのだ。


逆襲の巨竜によって死を呼ぶ巨竜が屠られたのは、まさにそんな折であった。




逆襲の巨竜を討つには?-対ゴジュラスギガ用ゾイド-


クック要塞が攻め落とされた際、共和国軍残党によって要のデスザウラーが叩き潰されたという凶報が技術部に届く。*2

ダークスパイナーのジャミングウェーブが通用しない古代チタニウム装甲とハイパーEシールドによる圧倒的な防御力、追撃モードと格闘モードの切り替えによる高い機動性、そして気性の荒さと引き換えに得たデスザウラーすら屠る格闘能力。

ルイーズ大統領が遺したギガノトサウルス型野生体のデータを基にして生まれ、かつて共和国軍のシンボルと呼ばれたゾイドの名を継いだ新型、ゴジュラスギガは、まさに次世代ゴジュラス

ネオゼネバスの将校は思わぬ強敵の出現に衝撃を受けたが、技術者はあることを思いつく。

「相手の間合いで戦わなきゃいいじゃない!」

目指す方向は『長距離砲撃型』。

しかし大口径荷電粒子砲は距離減衰が激しく、ゴジュラスギガは生半可な砲撃では傷一つつかない。

長距離砲撃の負荷に耐えうる素材として見つけたのは、超重量の巨体を支え、ずば抜けて強靭な耐久性とエネルギー伝達力を持つ竜脚類型野生体であった。

かくしてデスザウラー再設計計画は対ゴジュラスギガ用ゾイド計画として組み込まれていく。


光弾の竜-セイスモサウルス誕生-

対ゴジュラスギガにおける要件は、長距離から封殺できること

これは「絶対的な圧力で消し飛ばす」大口径荷電粒子砲を「威力を一点に全集中して貫通する」『超集束荷電粒子砲』に換装することでコンセプトを達成した。

また、荷電粒子砲持ちの弱点である荷電粒子吸入ファンを狙いにくい腹部に設置。
全身に張り巡らされたビーム砲台で的になるリスクも回避し、フェイルセーフとしてキメラブロックスとの融合マウントも備えた。

ZAC.2106年春、デスザウラー・ニューモデルである史上最長のゾイド・セイスモサウルスは、ネオゼネバスの技術の結集として相応しい超大型ゾイドとして誕生した。



活躍

バトルストーリー


ZAC.2106年春、クック要塞奪還戦。

セオリー通りの長距離からの砲撃に残党が混乱した隙をついて進軍し、アルティメットセイスモの攻撃力とゼネバス砲の至近弾でゴジュラスギガを含む共和国軍残党のゾイド部隊を殲滅。

中央大陸制圧を決定的なモノにした。

しかし、ZAC.2107年に東方大陸に逃げ延びた共和国軍が、早くも対セイスモサウルス用ゾイド凱龍輝をひっさげてきた頃合いから雲行きが怪しくなってくる。
かのゾイドがゼネバス砲を防ぎ、ゴジュラスギガが接近しセイスモサウルスを打倒するという共和国の対策案が考案されたのだ。

翌年には重狙撃型の弱点「情報支援なしに正確に狙えない」部分を突くディメトロプテラに封殺されたことも重なり、ZAC.2109年には首都への侵攻を許してしまう。

一方で、凱龍輝の集光パネルでも完全にゼネバス砲を吸収しきれず撃ち返せなかったケースもあり、その強さは依然驚異のままである。
結局の所、ゴジュラスギガ、凱龍輝、ディメトロプテラの三者連携で打倒し得たのであって、かのデスザウラーに対するマッドサンダーのように、「単独でセイスモサウルスに対抗できるゾイド」はついぞ現れなかったというのがこのゾイドの強さを物語ってるといえよう。

2024年に発売されたファンブック5では「ゼネバス砲が届くのは平地で20kmまで、高所からの狙い撃ちで30kmまで」という具体的な数値が定められ、事実上いくらか弱体化した。
だがこれによって電子ゾイドとの連携が必要なくなり、ディメトロプテラのジャミングが全く意味をなさなくなったという強みも生まれた。
そしてファンブック5では、共和国軍は故郷が文字通り目と鼻の先にある士気が最高潮に高まった状態、それと同時に一回でも負ければそれで終わりという言わば手負いの獣状態に追い詰められていた。
その共和国軍との最終決戦ではデスザウラー、デススティンガー、エナジーライガーとの連携によって、二重の意味で死兵と化したゴジュラスギガですら突破できなかった防御陣を敷き、共和国軍を撤退に追い込むという事実上の勝利を飾っており、ゴジュラスギガと凱龍輝の連携によって全滅した付属のバトルストーリーとは真逆の結果となった。

その後の去就は不明。
『3匹の虎伝説』のデスレイザーに随伴するスティルアーマー、ゴジュラスギガのハイパーEシールドの存在について言及するメガデスザウラーなどを見るに、絶滅していない可能性はある。

ゾイドフューザーズ

2022年現在まで同作以外のラスボスは肉食恐竜型で、

デスザウラー 超古代文明を滅ぼした破滅の魔獣
バーサークフューラー アルティメットXと同じくオーパーツ
バイオティラノ ロストテクノロジーを基にした集大成
デスレックス 半数のゾイドを捕食した「古代秘宝Z」
ゼログライジス 恐竜を絶滅に追いやった地球外生物

全部古代絡みだったなか、世界征服を狙う秘密結社「リヒタースケール」の最終兵器*3であり純粋な現代の技術のみで建造された竜脚類型として登場。

黒と紫の悪役チックなカラーリングで、ラスボスの例に漏れず超大型化。小口径砲の砲塔一つだけでブレードライガーとほぼ同サイズという規格外の巨躯であり、最終章では倉庫街をミニチュアのように踏み潰しながら進撃する姿を見せた。
リヒタースケール配下のキュラッシャー隊所属キメラユニットの中枢を成す存在であり、まさに決戦用の旗艦と言うべき存在。
リヒタースケール仕様でも超集束荷電粒子砲が「ゼネバス砲」と呼ばれる理由は判然としていないが、大型化は伊達ではなく、小口径砲にかすったゴジュラスギガが戦闘不能になる理不尽な大火力となっている。

ブルーシティ新市長となったリヒタースケールのリーダー、アルファ・リヒターに抗するZiファイターを根絶やしにするため出撃し、大型化したストーム兄弟とユニゾンしアルティメットセイスモに。
レジスタンスの奮戦によってユニゾンを解除され、小口径砲も殆ど潰されたが、今度はマービスのスティルアーマーとユニゾンしてベルセルクセイスモとなり、ソードレールカノンとゼネバス砲の圧倒的な火力で再び蹂躙した。

しかし、RDの怒りと、ゾイド達の想いに呼応し真の力を開放したライガーゼロファルコンにはゼネバス砲が全く通用せず、渾身のストライクレーザーランスで土手っ腹をぶち抜かれて爆散。
リヒターや配下達も逮捕され、世界征服の野望も潰えた。


【余談】

圧倒的な強キャラというイメージで登場したセイスモサウルスではあるものの、公式ファンブックの戦力分析図では意外にも「格闘能力:A-」「装甲:S-」となっている。
これに対してアイアンコングは「格闘能力:A」、ゴジュラスは「格闘能力:A+」、ゴジュラスギガは「格闘能力:S」となっていて、実はそこまで高い評価ではない。なんならウルトラザウルスも「格闘能力:A」と、セイスモサウルスより高い。
「装甲:S-」と言う数値もデスザウラーの「装甲:S」、マッドサンダーの「装甲:S+」には及ばない。
運動性や操縦性と言った機動力周りもさほど優れたものではない。
つまり全方面無敵と言えるようなチート級の存在ではなかったと言うことである。
それがこれほどのイメージやインパクトを残したのは、戦術の組み方や周辺のゾイドとの(合体・変形を含めた)連携を駆使したネオゼネバス帝国の運用の巧みさや、製作サイドの演出によるところが大きいと言えるだろう。

なお、スペック的にはマッドサンダーとはかなり相性が悪そう*4であるが、劇中で戦うことはなかった。




追記・修正はゼネバス砲による狙撃でゴジュラスギガを封殺してからお願いいたします。

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最終更新:2025年03月11日 22:00

*1 雑誌媒体ではスティルアーマーも混ぜた重砲撃形態や格闘形態などのバリエーションも紹介されていた。

*2 厳密に言うと僚機のアロザウラーが命と引換えに作り出した隙をついた辛勝だったのだが、まあ細かいことは省略して単にデスザウラーが倒されたという結果だけが伝えられたのだろう。

*3 RSS(リヒタースケールスペシャル)と呼称されることもある

*4 荷電粒子砲を跳ね返す装甲・シールドと、全ゾイド中最強の格闘攻撃能力を持ち、セイスモと同等以上に強固なデスザウラーの装甲をあっさり貫いてしまえる=マグネーザーはセイスモにも通用する。