登録日:2012/10/01 Mon 12:48:59
更新日:2024/12/18 Wed 20:24:03
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そう言えば、聞いたことがある……。
ゾイドの遺伝子を操作し、パイロットを必要としない「悪魔の兵器」を作り出そうとする“鬼”がいると……。
キメラブロックスとは、ゾイドシリーズに登場する金属生命体の一群である。いわゆる
ゾイドブロックスで、すべてがネオゼネバス帝国の機体。
特長として「カメ+ゴリラ」などのように、異なる種類の生物種が融合された文字通り
キメラという外見をしており、
無人機も多い。
●設定
中央大陸を統治したネオゼネバス帝国軍は、反乱勢力と化したヘリック共和国軍を撃滅するため、東方大陸の民間企業「ZOITEC社」の新ゾイド、
ブロックスに目を付けた。
ブロックスは完全な人工のゾイドコアを持った「人造生命体」であり、それがかつて惑星Zi大異変(グランドカタストロフ)で壊滅的な打撃を受け、生態系が崩壊し野生ゾイドがほぼ死滅した東方大陸で誕生したのは、必然とも言える結果だった。
これにいち早く兵器としての価値を見いだしたネオゼネバス帝国軍は、ZOITEC社に脅迫紛いの軍事力提供を要請。
そして誕生したのが、遺伝子操作により異なる生物種の優れた戦闘能力を合わせ持ち、自立戦闘プログラムを搭載した無人機「キメラ」である。
パイロットも遠隔操作も必要としない上に高い戦闘能力を持つキメラは、国力も兵力もまだまだ成長途中の新国家であるネオゼネバス帝国にとって、非常に魅力的な兵器だった。
一時期はキメラゾイド本来の凶暴性が自立戦闘プログラムを浸食。敵ばかりか野生ゾイド、さらに時は味方にまで攻撃・機能を吸収・融合し、自己進化する制御不能の事態に陥った。
しかし、後に戦闘プログラムを単調化させたことと、電子戦ゾイドによる制御システムを設けることで解決した。
ネオゼネバスでは力押しの会戦で無人キメラを活用し、きめ細かい戦いには通常ゾイドを回す、というドクトリンを構築する事に成功。後には有人型のキメラも作られた。
戦争から100年近くが経過した「三匹の虎伝説」の時代においては、生態系への悪影響から技術が禁止されている。
「機獣新世紀ZOIDS CORE BOX」付属の公式ファンブック5では設定が少々変更されている。
ファンブックでは最初の会談の時点でZOITEC社とネオゼネバス帝国の交渉は決裂しており、ZOITEC社はネオゼネバスに一切協力していない。
ファンブックではこの時代に既にZi-ARMS社が存在しており、タカ派とも言えるZi-ARMS社はネオゼネバスに賛同し協力を約束。
その結果開発されたのが無人兵器のキメラブロックスだった。
Zi-ARMS社によって多数のキメラブロックスが供給された結果、兵士の数は共和国の5倍弱にもかかわらず、総戦力は実に共和国軍の20倍にまで膨れ上がった。
●キットの特徴
通常のブロックスとは異なるデザインのブロックを持つが、その数が2個程度と非常に少ないものが多く、四肢を構成するフレームも少ない。中盤以降は大型機の登場によりある程度改善されたが、後述する赤プラ問題が頭を悩ませる。
一方、大型で特徴的なパーツが多いため、通常ブロックスとはまた違った方向で組み換えに向く。
●キメラブロックス紹介
- ☆フライシザース
- クワガタの大顎とプテラノドンの飛行能力を合わせ持つキメラ。ネオゼネバスの航空戦力の少なさを解消した。
- 火器の類は無く、どこぞのドラゴンゾイドを思い出させる。鋏のパーツや翼、フレームは組み換えに向き、後続機にも
ランナー流用のため使用されている。
- 漫画ではライガーゼロ イクスを一撃で両断するという衝撃的すぎるデビューを果たした。
- オレンジの通常版と赤いセット版が存在する他、ロードゲイルにランナーの一部が流用されている。また、クリアブルーで成形された羽ランナーのみカスタマイズパーツAとして単体で存在する。
- ☆シェルカーン
- カメの甲羅とゴリラの剛腕を合わせ持つ。甲羅の独特な構成が面白い。甲羅を合体させることで普通の見た目にも変更でき、ウミガメ型ブロックスに使われている。
- キメラにしては通常ブロックス並みにブロックやフレームが多く、ポージングが楽しい。
- 緑の通常版と赤いセット版が存在する。
- ☆ディプロガンズ
- 不遇。理由は下へ降りればわかる。
- ディプロカウルス(頭が鏃型の古代両生類)の頭部を模したカッターとテッポウウオの砲撃能力を模した「レールキャノン」を合わせ持つ。ディプロカウルスの頭を撃ち出す「ヘッドカッター」が必殺技。
- 水中系だけあってポージングが苦手な上に組み換えしやすさも微妙。しかし、融合前の生物双方の頭パーツが入っているうえ、レールキャノンや尻尾など使えるパーツも一応ある。
- 余談だが、水中ブロックのみが使われているキメラブロックスはこいつのみである。(スティルアーマーが陸上ブロックと共に使用している。)
- 紫の通常版と赤いセット版が存在する。
- ☆デモンズヘッド
- ティラノサウルスの大顎とトリケラトプスの角を合わせ持つ……が、巨大な頭から足と尾が生えているという凄まじさ。ガンメンの先祖かコイツは。
- 大型の尻尾や足など、大型ゾイドへの組み換えに向くパーツが多いが、そのデカすぎる頭はボディの構築に苦労する。
- 救済措置か、電撃ホビーにジェノザウラーを改造してブロックス対応ボディにする作例が載った。
- 通常版とセット版が存在する……が、あまり色に違いは無い。
- また、一部ランナーがロードゲイルに流用されている他、カスタマイズパーツBにクリアレッドの角と爪が使われている。
- ☆ディアントラー
- モア(ダチョウみたいな巨鳥)の脚力とヘラジカの大角を合わせ持つ有人キメラ。これまたヘラジカの頭からモアのながーい足が生えたという珍妙なデザイン。
- キメラを統率する小隊長ゾイドであり、角はロードゲイルのコントロール波を増幅する役割を持つだけでなく武器にもなる。
- 単体でモア型に組み換えられ、またシュトルヒと合体させることで「シュトルヒアントラー」が完成する。
- 劇中での扱いに加え、後述の赤プラが使われていながらフューザーズ版も海外版もないため、他の使用ゾイドと異なり代替手段すらない不遇機体である…
- カスタマイズパーツ Eはこのゾイドの角。
- ☆スティルアーマー
- スティラコサウルス(角竜)の突撃能力とドリアスピス(古代魚)の巨大な歯を合わせ持つ、セイスモサウルス随伴機の有人キメラ。ロードゲイルやフライシザースと共通のフレームを持つ。
- デフォルトのレッドホーンに似たフォルムのスティラコサウルス形態から、
大量の余りパーツを出しながら水中戦用のドリアスピス形態に組み換えられる。後述の赤プラに注意。
- セイスモサウルスと合体させることで、「ベルセルクセイスモ」が完成する。
- 赤とベージュの通常版の他、アルティメットセイスモのキットに赤と黒のバージョンが付属する。
- ☆レーザーストーム
- ヘラクレスオオカブトの角とヤマアラシの棘を合わせ持つ、セイスモサウルス随伴の有人キメラ。
- 角は砲、背中の棘はガトリング砲、爪も砲と徹底した砲撃機。
- 単品版の他にアルティメットセイスモのキットに付属する。
- ☆シザーストーム
- アトラスオオカブトの角とヤマアラシの棘を合わせ持つ、セイスモサウルス随伴の有人キメラ。
- レーザーストームと共通のボディを持つが、こちらの角はチェーンソーになっている。
- ストーム2体をセイスモサウルスと合体させることで、「アルティメットセイスモ」が完成する。
- 2体とも後述の赤プラが使われているが、角以外は共通パーツなうえ、色違いなので黒いレーザーストームを作り回避が可能。
破損しやすいシザーストームも同時に完成するぞ!
- アルティメットセイスモに付属するバージョンではレーザーストームと揃えられた色になっている。
チェンジマイズ!!
- ☆キメラドラゴン
- マトリクスドラゴンに対抗するため、フライシザース〜デモンズヘッドの四機が合体して誕生、大型ゾイド並みの戦闘能力を獲得した。しかし合体の負荷のためかゾイドコアの寿命は極端に短い。
- 分類はドラゴン型ではなくキメラ型となっているが、シルエットは完全にドラゴン。
- 武装が派手なためマトリクスドラゴンより禍々しくパワフルな印象を受ける。
- マトリクスドラゴン同様、ZBX版とFZ版でセット販売が行われている。赤い四機のキメラブロックスを製作できるほか、色が統一されたキメラドラゴンを製作できる。
- ☆ロードゲイル
- ACではない。
- フライシザース〜デモンズヘッドまでの優秀な遺伝子のみを選りすぐり、コントロール波を発して無人キメラを統率するために生まれた指揮官用機。キメラをキメラ化したらガーゴイル型になった。
シェルカーンとディプロガンズのパーツは使用されていないが。
- 近接武器ばかりで操縦性も悪いが戦闘能力は高い。キットとしては流用パーツもあるが使いやすい新規パーツもあり、また大型のジョイントで関節の頑丈な機体を製作できる。
- 色違い商品として、ワインレッドとホワイトが高貴な印象を与える「セントゲイル」やクリアーバージョンが存在する。
●漫画での活躍
「ZOIDS惑星Zi」では後半に悪役の主力ゾイドとして、ロードゲイルまでに登場したキメラが多数登場(但しディアントラーはパーツのみ)、主人公達を苦しめた。
●アニメでの活躍
ゾイドフューザーズではディアントラー以外はすべて登場。
特にスティルアーマーとストーム二種は、
ラスボスのセイスモサウルスと共に活躍した。
ロードゲイルのみ、キメラではない通常のガーゴイル型ゾイドとされている。
全体的にディアントラー涙目である。何よりロードゲイルの活躍を見たいのならアニメより漫画を読んだ方が絶対にいい。
●余談
ディアントラー以降のキメラゾイドとEZ版セイスモ、限定商品のレッドレオストライカー及びレッドマトリクスドラゴンに使われている赤茶色のプラは非常に脆いことで有名である。
箱から出した時点でランナーが割れている可能性があり、またちょっと力が掛かっただけでも逝ってしまう要注意パーツ群である。EZ版シュトルヒにも似たカラーが使用されているが、材質が異なり、問題ないらしい。再販したときにこっちを使用しろよ。
フューザーズ版及び海外版ではカラーが変更されているほか、同じ赤成型色でもデモンズヘッドやキメラドラゴンはこのような問題はない。
アニヲタwikiは、追記と修正を合わせ持つ。他の項目を吸収することで更なる進化を迎えるのだ…
- 合体、分離、キメラ型と、男の子のロマンを詰め込んだゾイド群。独特なフォルムから熱烈なファンも多数存在した。一方で、量産が効く小型ゾイドなのに暴走する、合体により従来のブロックスより爆発的に強化されるといった設定を持ち、旧来のゾイドファンからの受けはすこぶる宜しくない。キメラブロックスファンは一過性のものに近く、現在はほぼ絶滅状態。ゾイドコミュニティでキメラブロックスの話題はおすすめしない。 -- 名無しさん (2015-05-30 09:27:25)
- いかんせん兵器としての完成度が高すぎて、お子様ぞろいの古参ゾイドファンからの受けがすこぶる悪い。 -- 名無しさん (2016-01-28 20:36:57)
- 漫画版のロードゲイルで特殊な組み方の奴なかったっけ? -- 名無しさん (2017-05-14 19:34:11)
- ↑ それっぽいヤツ組んだな。胸にディアントラーの角があったり、デモンズヘッドの角が四つになってたりしてカッコよかったよな。 -- 名無しさん (2017-06-20 17:53:19)
- ↑胸もデモンズヘッドの頭があったような気が・・・・・ -- 名無しさん (2018-01-26 08:40:08)
- ゾイドじゃなくレゴの派生にしか思えない -- 名無しさん (2023-02-01 18:24:39)
- ゾイド惑星ziでは主役たちがこれに乗り換えたけど最終的に負けて終わったんだよな… -- 名無しさん (2024-03-10 20:58:46)
- 結構好きなんだけどなぁキメラブロックス。フライシザースとかロードゲイルとかかっこいい -- 名無しさん (2024-09-10 13:04:09)
最終更新:2024年12月18日 20:24