バーサークフューラー

登録日:2010/06/16 (水) 16:46:31
更新日:2024/12/11 Wed 10:35:42
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バーサークフューラーとは、トミー(現:タカラトミー)の『-ZOIDS-シリーズ』に登場する金属生命体・ゾイドの一種。


【目次】




【機体データ】

番号:EZ-049・BF-02
分類:ティラノサウルス
全長:22.7m
全高:12.3m
重量:127.0t
最高速度:340.0km/h

武装・装備

  • 素体
荷電粒子砲
エレクトロンファング
ストライクレーザークロー×2(前脚)
ストライククロー×2(後脚)
ストライクスマッシュテイル
荷電粒子ジェネレーター×3(尾部)
バーニアスラスター×10

  • CAS追加武装
ハイマニューバスラスター×2(背部側面内側)
バスタークロー
(マグネーザー/Eシールド/AZ185mmビームキャノン)×2(背部側面外側)
イオンブースターパック(背部)
アンカー×2(後脚)


【機体解説】

ガイロス帝国軍がライガーゼロと共に開発したティラノサウルス型ゾイド。
ライガーゼロと並行して行われた完全野生体ゾイド開発計画「U作戦」に基づき開発され、同一の野生体と原型機をベースとしたジェノザウラーの後継機となる。ただしオーガノイドシステムを搭載せずに野生体の本能を尊重した機体設計と最新装備を施した結果、計算上の戦闘力はジェノブレイカーを凌駕する機体となった。*1
しかし、この機体はゼロ共々ガイロス軍内のゼネバス派(後のネオゼネバス帝国。つまり旧ゼネバス帝国軍)技術者たちによって開発されており、後に彼等が立ち上げる「鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)」の旗機ゾイドとして完成している。
コードネームは「竜鬼」。

本機の装備の中でも特に目を引くのが背中に搭載された「バスタークロー」。
これは暗黒大陸に遺されていたマッドサンダーの残骸を元にサンダーホーンでの復元を経て発展したもので、高速回転ドリルマグネーザー』・『ビームキャノン』・『Eシールド』が一つになった攻防一体の武装である。これにより、本機はゼロと違い、換装無しで様々な状況に対応可能となっている*2

また、ティラノサウルス型ゾイドお約束の荷電粒子砲も勿論装備。更に本機のそれは射程・攻撃力重視の「集束式」と攻撃範囲・命中率重視の「拡散式」に任意で切り替えが可能になっている*3。発射時にはジェノザウラー同様脚部を固定し尻尾の各部を展開する発射形態をとるが、バスタークローのビームキャノンも同時に発射するフルバースト発射も可能である。ジェノザウラー譲りのホバリング機構も健在。

そして兄弟機だけにゼロと同様、本機には「CAS(チェンジングアーマーシステム)」が搭載されている。これは装備を外装式にする事で本体への改装を抑え、完全野生体の本能を尊重する目的と、後々のアップデートを考慮し、機体に拡張性を持たせるための措置であった。
また、この機構によって戦況に応じた装備の変更が可能となっており、ライガーゼロを鹵獲した共和国軍ではこちらの目的を優先したアーマーを開発している。
バーサークフューラーでは荷電粒子砲とはじめとした元の火力が高かったことから、開発候補に挙げられていたヤクトユニットは中止となり、電撃機動戦を目的としたシュトゥルムユニットが開発されるに留まった*4

シリーズ内ではブレードライガーの跡を継いだライガーゼロと並んで、ジェノ系の跡を継ぐ次世代のライバルポジションの機体となっている。

【バトルストーリー】

ニクシー基地攻略戦でライガーゼロと共に素体状態で登場。
侵入してきた共和国軍に対抗するためヴォルフ・ムーロアが乗り込みシールドライガーDCS-Jやその僚機を次々に戦闘不能に追い込んだ。
しかしシールドライガーからライガーゼロに乗り移ったレイ・グレックに手こずり、謎の小ゾイドを回収すると撤退した。

その後CASを纏いバーサークフューラーとして完成し、鉄竜騎兵団の旗機として暗躍。
「閃光師団」による地下基地襲撃では再びレイのライガーゼロと交戦し、グランチャーの援護もあって優位に立つもののガンブラスターの出現をきっかけに形勢が逆転。
素体となったゼロに苦戦し、未完成のブラッディデーモンの助けでなんとか危機を脱する。
そしてブラッディデーモンが敗北した直後、自ら一部の装甲を捨てライガーゼロとの一騎打ちを繰り広げた末、なんとかゾイドコアにダメージを与え撤退した。

その後も鉄竜騎兵団所属機としてシュトゥルムフューラーやダークスパイナーなどと共に共和国軍と交戦している。



【アニメでの活躍】

◇『ZOIDS新世紀/0

ゼロと共に初登場。

終盤に登場しCAS無しの状態でもチームブリッツとチームライトニングをまとめて相手取り圧倒するが、小手調べのようなものだったためトドメは刺さず撤収。
その後バックドラフトで完成させたノーマルタイプのCASを纏いロイヤルカップに出場。
単機で次々と敵チームを撃破していき、妨害に現れたジェノザウラー三体すら一蹴した。

最終話では再び対峙したブリッツと対決し、ライガーゼロパンツァーの攻撃を防ぎ切り、落下してきたジャッジサテライトを荷電粒子砲のフルバーストで破砕する。
直後シャドーフォックスの不意打ちでバスタークローを片方失うもこれを撃破し、ホバーカーゴへの荷電粒子砲発射を行った。
しかし煙の中から飛び出してきたビットのライガーゼロにこれまでの戦いからフューラーの動きを学習され苦戦。
更にウルトラザウルス上での決闘の最中、残ったバスタークローを破壊された衝撃でベガが気絶してしまい、制御を離れたフューラーが荷電粒子砲を乱射し始め暴走。
そしてゼロとの格闘の末、意識を取り戻したベガが脱出装置を起動させたことでフューラーは機能停止。
ベガに見守られながらフューラーは再び眠りについた。


ちなみに今作だとフルバースト射撃時にバスタークローからも荷電粒子砲を出しているとおぼしき描写になっており、バトストより火力が上がっている。


◇『ゾイドフューザーズ

ライバルキャラのブレードのジェノザウラーの次の愛機として、主人公・RDとライガーゼロに対立する。捕獲したバスターイーグルを強制的にユニゾンさせることでバスターフューラーとなる。
その後もRDのライガーゼロフェニックスのライバルとして活躍したが、マトリクスドラゴンも交えた混戦の最中、、エナジーライガーの攻撃を受け大破してしまう。可哀想なイーグル (ジェミー談)。もちろん、人間に振り回されてきた全てのゾイドが可哀想なのだ。

なお、先代のジェノザウラー同様、一度も荷電粒子砲を披露できなかった。荷電粒子砲やビーム砲の色がそれまでとは異なり、ビーム砲は赤。そして、この世界の荷電粒子砲は、どうやらバトルストーリーに近い黄色であるようだ。



【漫画】

◇『機獣新世紀ZOIDS

コミックス5巻にてレイヴンの新たな乗機としてバーサークユニットで登場。
親衛隊相手に模擬戦を繰り返し、バーサークフューラーシャドーエッジへと改装される。



【バリエーション】

◆バーサークフューラーVeS(ベガスべシャル)

アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』に登場したベガ・オブスキュラの機体をこう呼ぶこともある(ゲーム『ZOIDS VS i』ではバーサークフューラーVSとも)。
バックドラフト団が海底から引き上げた『アルティメットX』の一機。
因みに、本作では自立型人工知能「オーガノイドシステム」搭載機と言う設定。
(前述の通り、本来のBFにOSは搭載されていない。というか、アニメとバトストではOSの持つ意味合いが違う)


◆シュトゥルムフューラー

BFの換装形態の一つ。
バスタークローの代わりにシュトゥルムブースターとエクスブレイカー内蔵アクティブシールドを装備した。
機動性は大きく上昇したが、パイロットへの負担が増し、荷電粒子砲以外の火器が無くなってしまった。


シュトゥルムテュラン

深紅の機体色のシュトゥルムフューラー。
外観はシュトゥルムの色変えだが、何故か全長等のパーソナルデータは異なり、最高速度も低下している


◆バスターフューラー

アニメ『ゾイドフューザーズ』に登場。
ブロックスゾイド・バスターイーグルとのユニゾン形態。
そのまんまバスターイーグルが背中に乗っただけなので、あんまりかっこよくないのは内緒
空戦ゾイドが合体した事で空中戦も出来るようになった。


◆バーサークフューラー シャドーエッジ(BFSE)

漫画『機獣新世紀ZOIDS』に登場するオリジナルゾイド。ブレードライガーに破壊されたジェノザウラーに代わるレイヴンの新たな乗機。
開発に当たってプロイツェン親衛隊の精鋭たちと模擬戦を繰り返し蓄積したデータから改良を重ね、ノーマルタイプのフューラーを経て完成に漕ぎ着けた。バンの〈ライガーゼロ・シーザー・ザ・キング〉と同じくオーガノイド・シャドーとの合体を前提としている。
装甲は黒く、形状も通常機とは異なる。バスタークロー等はオミットし、武装は荷電粒子砲と〈ルシファーブレード〉と呼ばれるレーザーブレード八本になった。
あの〈デススティンガー〉さえ超える凄まじい戦闘力を持ち、模擬戦ではノーマル時ですら〈ジェノブレイカー〉を達磨にする強さを見せた。
しかしパイロットの精神的不安定から、スペック的には勝っているはずの〈シーザー・ザ・キング〉に敗北した。


◆バーサークフューラー クアドラエッジ(BFQE)

シャドーが真の主の下に戻ったため最大限の力を発揮できなくなったBFSEから〈ルシファーブレード〉を四本に減らした姿。
シャドー不在による出力低下を補うための措置だが、結果的に軽量化も果たしたため格闘性能はBFSEと比べてもほとんど遜色ない。
また複座式になっており、シャドーに代わってサポートするためかレイヴンの兄であるドニーが同乗している。


◆ヤクトフューラー

バーサークフューラーの砲戦形態。ライガーゼロパンツァー同様、長射程キャノンと多数のミサイルで火力が強化されている。フューラーのCASの一つとして「ヤクトユニット」の設定が起こされていたが廃案となり、製品化されなかった。
『ZOIDS SAGA』シリーズに登場するがシリーズによってデザインが違う。


◆ゼネバスフューラー

『ZOIDS SAGA』シリーズに登場するバーサークフューラーの超高速形態で、バーサークフューラーZとも呼称される。カラーリングは赤。
頭部はデスザウラーに酷似した意匠を持つ。
フューラーのゾイドコアにアニメ版デスザウラーのゾイド因子を加え、さらに様々な時代の強力なゾイドのデータを参考にして開発された。
全体的な性能はフューラーより多少高い程度だが、速度面とエネルギー供給面については完全に別物で、とてつもなくパワーアップしている。
武装はバーサークフューラー本体のものと背部の12連装ミサイルポッド。ゲームの種類によっては、フューラーのCASの1つとして運用可能。
なんと最高速度は600km/hと有り得ない位速い。


凱龍輝

バリエーションと言えるかは微妙だが、同じ野生体をベースとしている。


◆バーサークアーマー

恐竜戦車のごとく下半身が戦車と一体化した改造ゾイド。
バスタークローがパラボラ状の電磁バリア発生装置に換装されており、悪路をものともしない戦車のキャタピラを活かした突進で敵陣を正面突破する。


【キット】

◇トミー版

ティラノサウルス型伝統のモーター駆動として登場。
ライトニングサイクスやデススティンガー等と同様、電池パックが独立しており、ゾイドコントローラーに対応している。

本機最大の特徴は、スイッチが2方向に入力出来る事。
前に入力すると歩行をするが、後ろに入力すると電動で荷電粒子砲発射体勢になる。(まぁ連動するのは頭部と尻尾だけだが)
またこの動きに連動し、荷電粒子砲がスライドする。これはHMM版でも再現されてない。

CASの着脱機構も再現され、素体状態にも出来る。
しかし設計ミスか、腰のアーマーが脚を外さないと着脱不可と言う問題がある。
あと素体にするとコクピットが剥き出しになる。大丈夫なのだろうか……?

その他換装パーツのシュトゥルムユニットやリカラーの限定品シュトゥルムティラン、バスターイーグル等の追加パーツを加えたバスターフューラーも発売している。


◇HMM版

トミー版では叶わなかったCASの完全再現に成功。コクピットの方も素体にハッチが設けられた。
また、壽屋の独自解釈でバスタークローの接続アームが変更され、尻尾の先端にも武装が追加された。CASの着脱法もトミー版から大分変わってる。

こちらも換装パーツのシュトゥルムユニットやシュトゥルムティランが発売。
更にコトブキヤショップ限定でシュトゥルムティランに赤いバーサークユニットを加え、赤いバーサークフューラーにも組めるキットが発売された。


◇可動王

完成済みキット。
トミー版やHMM版に比べるとよりアニメに近いプロポーション。
CASも再現されているがこちらも素体になるとコクピット剥き出し。


鋼鉄機神(アダマスマキナ)

タカラトミーが2024年に「T-SPARK」プロジェクトの一環として発表した完成済み合金モデル「鋼鉄機神」のゾイド1発目として商品化が決定された*5
「機獣の可動とゾイド生体構造の追求」をコンセプトとして全身の構造が再検討され、ハイディテールな造形や各部のメタリック塗装による金属感、多彩なポージングが持ち味とされている。
目や口にはLEDによる電飾ギミックも搭載。
CASによる素体とバーサークユニット完全再現は勿論のこと、なんと完全新規デザインの野生体にも換装可能という異例の試みがなされた。見た目はそこはかとなく無印のオーガノイドっぽい。
至れり尽くせりの豪華な仕様だが、その分値段は定価44000円とお高め。

更に、詳細は不明だがシュトゥルムユニットやヤクトユニットと思しき商品シルエットも公開されており、今後にも期待したいところ。


【余談】

デザインはゾイド第二期の初期に考案されたティラノサウルス種の没機体がベースで、これにデスザウラーの要素を加えてリテイクすることでジェノザウラー誕生と相成った。
「Berserk Fury」という名称はこのデザイン案を手がけた藤野凡平氏のイニシャル(Bonpei Fujino)に因んだもので、シリーズ初期から活躍してきた氏の功績を讃える意味合いが込められているようだ。



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最終更新:2024年12月11日 10:35

*1 ただしこの辺の比較は公式の記述にも一部矛盾がありはっきりしない。ホビー誌には「瞬間的な火力はジェノブレイカーが上だが総合能力はバーサークフューラーが勝る」とある。後に刊行されたバトルストーリーの戦力比較から見るとどうもこちらの方が正しそうだ。

*2 HMMシリーズでは、独自のギミックとして尾部に小型バスタークローとレーザートーチが装備されている。

*3 拡散タイプの荷電粒子砲を装備したゾイドは少なく、バーサークフューラーを除けばゲームオリジナルのジェノハイドラ(重武装型)、ゾイドバトルカードゲームのジェノシザースが挙げられる

*4 トミー版の玩具製品に先行して発売されたゲーム『白銀の獣機神ライガーゼロ』においては、バスタークローを装備したバーサークフューラーは第二形態(バーサークフューラー重装型)となっており、第一形態としてロングライフルのみを装備したバーサークフューラーが個別に登場する。この名残から、バーサークフューラーではBF-02の型式番号が付加されている。

*5 他には、トランスフォーマーシリーズからもロディマスコンボイが登場している