凱龍輝(ゾイド)

登録日: 2010/08/28(土) 19:31:58
更新日:2025/03/22 Sat 21:35:21
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凱龍輝とは、トミー(現:タカラトミー)の『ゾイド-ZOIDS-』に登場する機体。


番号 RZ-070
所属 ヘリック共和国
分類 ティラノサウルス型
全長 23.8m
全高 12.6m
重量 118.0t
最高速度 290.0km/h

武装・装備
集光荷電粒子砲
バイトファング
キラークロー×4
集光パネル×11
イオンブースター×2
ビームバルカン×4
マグネッサーウイング×2
コアブロック×2


ネオゼネバス帝国軍のセイスモサウルス(ゾイド)により敗走したヘリック共和国軍。逃げ延びた東方大陸にてガイロス帝国軍から提供された野性体をベースに、民間軍事企業ZOITEC社と大型ゾイド開発技術との技術交換を経て完成させたティラノサウルス型ゾイド。

セイスモサウルスの「超集束荷電粒子砲」に対抗すべくブロックス技術とCASを発展させた「ブロックスチェンジングアーマーシステム(B-CAS)」に光学兵器を無効化する「集光パネル」、戦闘力に秀でたティラノサウルス型ゾイド系に、格闘戦で無類の強さを誇るゴジュラスの格闘データを詰め込んだ。

本機の特徴は設計段階からゾイドの装甲の一部を分離させ、組み替えてブロックスとして本体のサポートをする可変/分離システムであるB-CAS。これとホロテック技術を応用した集光パネルにより、万全の状態ならデススティンガーの荷電粒子砲すら無効化して耐え抜き、自らのエネルギーに変換・吸収したエネルギーを「集光荷電粒子砲」して発射する。

ただし、可変/分離の構造上、分離している間はどうしても防御力は著しく低下し、格闘戦以外の武装自体も簡素。当時のゲリラ一歩手前の共和国軍の生産性/整備性では正直な所持て余していた感が否めない。

ゾイド初の漢字を使った名前は、ZOITEC社への感謝として東方大陸に伝わる文字*1を使い、「必ず中央大陸へ旋する」という決意と、集光パネルがという意味が込められている。


◆各サポートブロックス


飛燕
空中から凱龍輝を支援するツバメ型ゾイド
アニメにおいては頭部にビームガンを装備している。

月甲
水中活動が可能なカブトガニ型ゾイド。
装甲の厚さを活かした戦闘を行う。
アニメにおいてはシールドも装備。

雷電
外付け式の火器に変型するイノシシ型ゾイド。
AZ電磁レーザーキャノンとAZマルチプルキャノンという大型兵装になる。
当初、この機体も同時に運用される筈だったが、諸事情により却下となった。
後に、『フューザーズ』放送中にこの機体のパーツを追加した『凱龍輝・真』が登場した。


エヴォフライヤー
凱龍輝との連携を想定されたミクロラプトル型ゾイド。
ウネンラギアの後継機で、陸上形態から空戦形態へ変形出来る。
凱龍輝と合体(チェンジマイズ)する事で凱龍輝スピードとなる。


ディスペロウ
エヴォフライヤー同様、凱龍輝と連携して戦うバッファロー型ゾイド。
標準モードから砲戦主体の射撃モードと近接戦主体の格闘モード(アルティメットモード)へ戦闘スタイルを変える事が可能。
凱龍輝と合体し、凱龍輝デストロイになる。

◆バトルストーリーでの活躍
ネオゼネバス帝国の猛攻によって中央大陸から追い落とされた共和国軍が、同盟を結んだガイロス帝国とZOITEC社の支援を受けて開発した。
テストを兼ねた最初の戦闘では空をフライシザースとシュトルヒ、海をディプロガンズ、陸をバーサークフューラーが守る港を襲撃。
分離した飛燕、月光が敵を蹴散らし、身軽になった分の機動力でバーサークフューラーを翻弄。
打ち込まれた荷電粒子砲を集光荷電粒子砲として撃ち返し、バーサークフューラーを撃破した。
続くキメラ要塞の攻略では共和国軍の盾となってセイスモサウルスの攻撃を受け止める。
吸収しきれなかったエネルギーによって回路が焼き切れ、集光荷電粒子砲として撃ち返すことこそ出来なかったが、要塞攻略に貢献した。
その後の最終決戦ではゴジュラスギガとディメトロプテラとの連携によってセイスモサウルスの部隊に肉薄、全滅させることに成功した。

...が、しかしである。

後に発売されたファンブック5では大幅な加筆、修正が行われた。
その結果最終決戦の結果も変わり、なんとセイスモサウルスを倒すという最大の見せ場が丸ごとなくなってしまったのだ
同じく割りを食ったと言われているセイスモサウルスですら、仮想敵のゴジュラスギガに一撃で致命傷を負わせ、最終決戦で事実上の勝利を飾っているというのに、である。
ファンブック5での最終決戦で共和国軍はゴジュラスギガ、凱龍輝という最新鋭のゾイドを始めとした全戦力を投入したというのにネオゼネバス軍の陣形を突破できず、2倍の戦力に圧倒され結局敗走するという実質的な敗北を喫している。
ゴジュラスギガをセイスモサウルスに到達させるために開発されたというのに結局セイスモサウルスに到達できず、なんのために開発されたのかわからなくなる結末となってしまった。

◆アニメでの活躍
アニメ第3シリーズ『フューザーズ』に登場。
RDとの因縁を生んだ試合にて破壊されてしまったジェノザウラーエナジーライガーに撃破されたバーサークフューラーに替わるブレードの新なる乗機として、リュックがどこからか持ち出してきたゾイド。*2しかし、ただでさえ放送期間が短いのに登場が後半からの為、他のティラノサウルス型ゾイドに比べ、イマイチ目立たない。*3
ただし、ジェノザウラー・ジェノブレイカー・バーサークフューラーという先輩ズが「伸びる腕」「外付けの大型兵装」に頼ってきたのに対して、上記の設定に合わせたのかバイトファングや尻尾などの肉弾戦をメインに魅せており、中型ゾイドを加えてジャイアントスイングのようにぶん回して投げ飛ばす技も披露している。*4
また、荷電粒子砲がバトルストーリー寄りの黄色になったのは凱龍輝が初となり*5、初ユニゾン後のライガーゼロファルコンとのビーム対決は、いろんな意味において象徴的。
なんと、作中にてブレードが荷電粒子砲を発射「した」のは凱龍輝が初*6
因みに、先輩たちがフットロックやホバーで荷電粒子砲発射時の衝撃を和らげていたが、凱龍輝はフットロックもホバーもなしで発射している。

特筆すべきは、凱龍輝に搭載された2機のサポートユニットたる「月甲」と「飛燕」。
これらは操縦者であるブレードの意思を、コクピットの一つ目モニターが覗き込んで判断することで、自動で分離・装着を行う。
更に、分離された2機はユニゾンゾイドに匹敵するパワーを備えており、これらだけでライガーゼロフェニックスを完封している。

また、ユニゾンした凱龍輝スピードの状態では「次元レーダー」なる装備を持っているため、異次元ワープで高速移動をするグラビティゾイドにも対応可能。
更に、凱龍輝デストロイの攻撃力はアイアンコングの群れを砲撃だけで炎上・壊滅させる圧倒的火力を備える。

防御力も凄まじく、素の頑丈さと集光パネル*7とEシールドを打ち破れる者は、というか作中においてはほとんど防御負けしていない*8*9

これらの異常・異質な性能を体感したブレードも度々「なんなんだ、この高すぎる性能は…」とつぶやく。
それもそのはず、凱龍輝の正体は、黒幕「リヒタースケール」の究極のゾイド作成計画「オペレーション・ジェネシス」の一環で、死を齎す者の継承者・バーサークフューラーをベースにアルファ・リヒターらによって作成された実験機。
対して同組織所属のピアーズ博士は、ライガーゼロをベースにゾイドコアから爆発的エネルギーを生むエナジーシステムを搭載した「エナジーライガー」を作成。
凱龍輝とエナジーライガーのどちらが究極のゾイドに相応しいかを決定する中で、エナジーライガーは制御不能の状態に陥る欠陥が発覚したために候補から外れ、これに納得のいかないピアーズはエナジーをコントロールするサポートユニット「レイコング」を製作。エナジーをあえて外界へ放ち、コングを介し様々なエナジーとユニゾンゾイドの戦闘データを集め、アルファへの復讐を目論む。
その一方で、アルファの息子であるリュックは、マトリクスドラゴンvsライガーゼロフェニックスvsバスターフューラーの三つ巴の戦いの中で乱入したエナジーによりフューラーを破壊されたブレードの力になるため、凱龍輝とそのZiコンガントレットを持ち出してブレードに授ける。
また、ユニゾンパートナーであるディスペロウとエヴォフライヤーは、リヒタースケールが究極のゾイド「セイスモサウルス」とその量産型キメラ「シザーストーム」「レーザーストーム」を完成させるための戦闘データ収集用ゾイドで、野良ゾイドに見せかけ野に放たれていた。
リヒタースケールがセイスモとキメラが完成させたその時から、凱龍輝もエナジーライガーもアルファにとって必要のない存在となった。

なお、エヴォフライヤーとディスペロウは最初は同じく野良として放たれていたエナジーライガーの味方をしており、思いっきり凱龍輝にケンカを吹っかけてきた
ちなみに、この戦いはリヒタースケールが一枚噛んでおり、元々はエナジーライガーをアイアンコングと戦わせてデータを収集する計画をしていた。
そこにブレードの凱龍輝とマッハストームがアイアンコング討伐のために侵入してくるという予想外の事態になり、マッハストームvsエナジーライガー&エヴォフライヤー&ディスペロウvs凱龍輝vs野良(に見せかけて放たれていた)アイアンコングの群れというカオス極まりない状況になってしまったが、結果としては凱龍輝デストロイのユニゾン戦闘データを採取できていた。
後にアルファに洗脳されたリュックがレオゲーターで町を襲うようになり、そんなリュックに凱龍輝のZiコンガントレッドを奪われそうになったことで追跡を開始。リュックを追っていたバラフ、ファンと交戦していた時にエヴォフライヤーが乱入し、凱龍輝スピードにユニゾンし、グラビティ―ウルフとグラビティ―ザウラーに勝利する。ガミーのゴジュラスギガが暴走した際は凱龍輝スピードにユニゾンし、RDのライガーゼロファルコンといがみ合いながら共闘し、暴走を食い止めた。

サンドラからブレードがサベージ・ハンマーに入った経緯を知った後は今更気にしていないとしつつも、RDに対するわだかまりは消え、エナジーレイライガーとの戦闘で窮地に陥っていたところで加勢したが、この戦闘でエヴォフライヤーを失った。ベルセルクセイスモとの戦いでは洗脳されたリュックが中にいることを知ると、リュックを助けるために防御をおろそかにしながら特攻したため戦闘不能に陥った。

ゲームでの活躍

ゾイドサーガフューザーズ
凱龍騎、スピード、デストロイがクリア後のダンジョンで出現し、スピードとデストロイはユニゾン機扱い。名前に漢字が使えないのか[ガイリュウキ?]名義。
凱龍騎は有射程格闘や広範囲格闘としてB-CASを再現しており、地味ながら扱いやすい。
スピードは性能が上がったがB-CAS使用不可。いっそ金さえあれば改造で機体も固定装備も性能がどうとでもなるゲーム(つまり実質的に武装に求められるのが射程と攻撃範囲)なので事実上の下位互換。
デストロイもB-CAS使用不可だが、武装の関係で下位互換ではない。地味にフューラー系なのでフューラー適正+複数射撃持ちのベガやユニゾン適正+複数射撃持ちの主人公を乗せると化ける。

ゾイドバーサス3
今作から導入された飛行装備を装着可能。空中から荷電粒子砲というジェノブレイカーが怒りそうな攻撃が可能。*10
集光パネルやB-CAS、真は再現されなかったが、ユニゾン形態の強力さも特筆すべきもの。
なお、なぜか格闘コンボの一撃が口からビームソードを展開するものとなっている。

なおブレード機はイベント以外で戦う機会が一度しかないうえ、結局イベントで倒される。

ゾイドサーガオンライン
バトストのアフターストーリーにおいて、ヘリック・ガイロス・ゼネバスの3大国の和平の象徴として漆黒凱龍輝が建造される。
早い話がバトスト版のSSSだったのだが、アニメと同様に徹底抗戦を唱えるネオゼネバス軍人に強奪される。


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最終更新:2025年03月22日 21:35

*1 東方大陸に漢字が伝わっているのは、惑星Ziに墜落した地球の宇宙船『グローバリーⅢ世号』の乗員の中でも東アジア系の人間が多く移住したからとされている。

*2 大破したバーサークフューラーを改造した訳ではない。

*3 もっとも、『/0』と『フューザーズ』のバーサークフューラーたちも似たようなものだが。

*4 ダンのコマンドウルフの「ラグナレクファング」と思わしき描写を除けば、エレクトロンバイトファングやレーザーファングの類がアニメにてまともに描写されたのも凱龍輝が初めて。

*5 バーサークフューラーは発射直前に不発となっていた。ロジャーのジェノザウラーの荷電粒子砲は過去作同様のピンクと紫ベース。

*6 ジェノザウラーは細工が施されており、バーサークフューラーはいずれも他者の介入によって不発(中断)だった

*7 作中では「エナジーレイアキュームレイター」と呼称。

*8 『フューザーズ』の例に漏れず、様々なものを使用。ライガーゼロファルコンと同じく球状のEシールドも装備。

*9 エナジーレイライガーの電撃は「サンダークラッカー」という非ビーム兵器なために防げなかった。

*10 アニメにおいて、空中荷電粒子砲はジェノブレイカーの特権。バスターフューラーは発射直前に不発となった。