青木勝(はじめの一歩)

登録日:2022/05/28 Sat 22:49:55
更新日:2023/03/23 Thu 06:08:46
所要時間:約 5 分で読めます






大博打に出るぜ!!


願わくばトミ子!オレに──



勇気をくれ!!



青木勝とは、はじめの一歩の登場人物である。


鴨川ジム所属。階級はライト級。日本ランカー。ジムのムードメーカーで、作品的にもコメディリリーフ。
主人公、幕之内一歩の先輩であり、鷹村守の後輩。

同期の木村達也とは幼稚園時代からの幼なじみ。二人合わせて「青木村」と呼ばれている。
122巻から登場した泰平は実の弟。

普段はラーメン屋「岩田」に務めており、その腕前は絶品。
鷹村からもボクサーを辞めても食っていけると太鼓判を押されており、青木のレシピのお陰で3号店まで出店され、その内の一軒を任されている。
ボクサーとして減量が必要な身でありながら食品に囲まれる飲食店勤務を長らく続けるなど、摂生面でも何気に優秀。
出前の岡持ちで鍛えられているため腕力も意外と強いが、一歩との腕相撲勝負では秒殺されてしまった。
また、ミドル級の鷹村を除けば鴨川ジムで最も重い階級であるため、よく鷹村の実験台スパーリングパートナーを務めている。

女性の趣味が特殊で、かつては普通に美人の彼女がいたが、その彼女に裏切られて以降は外見よりも内面を重視するようになった。
一歩の復帰祝いの合コンで知り合ったトミ子と交際中で同棲している。作中屈指のラブラブっぷりでもはやオシドリ夫婦。
ちなみにこのトミ子、お世辞にも美人とは言えない顔立ちをしているものの、
  • 鷹村も認めるほどのグラマラスボディ。曰く『いいオッパイしてる』
  • 青木の減量に関する栄養管理などを一手に引き受ける
  • メインイベントを務める青木(勘違いだったが)のためにカエルが描かれたガウンを誂える
  • 試合で負けて落ち込む青木のメンタルケアを欠かさない
  • 青木を一途に愛している
  • 青木をバカにする者にはたとえ鷹村相手でもビンタを喰らわせる
などなど、作中で数々の良妻っぷりを見せつけている。
ゲロ道戦の後で気分が沈んでいた一歩を海水浴に誘うなど人当たりも至って良好。
まさにブスであることを除けば本当に作中屈指のイイ女なのである。
最早、青木とはいつ結婚してもおかしくないくらい相思相愛のカップルである。
一歩を含め登場するボクサーの殆どがホモ臭いので浮きまくっている上に彼らの嫉妬を買いやすいが…
ただ、翌日に試合が控えてるのに青木との○○○を敢行するなど、抑止力としては無力極まりない

なお、木村同様野球が得意でポジションはピッチャー。防御力0.7、打率6割7分という驚異的な成績を持ち、野球の道を志していれば間違いなくトップスターになっていたと思われる。
他にも「ノーミスの青ちゃん」と異名を取る腕前のボウリングや占いなどの特技を持つ。
その多芸さは木村ともども野球が上手いことが初めて明らかになった際「驚かん。ボクシングじゃねえからだ」と鷹村に評されたほど。
つまりは青木も木村もボクシング以外は何ができてもおかしくないマルチな天才なのである。

◆データ◆
出身:東京都
所属:鴨川ボクシングジム
階級:ライト級
受賞歴:無冠
タイプ:ファイター
身長:171cm
生年月日:1971年9月9日
血液型:B型
副業:ラーメン屋



◆経歴◆
家は両親含め11人という大家族で9人兄弟の長男として生を受ける。
「大家族スペシャル」で特集され、家族の食事係をする「マー坊」としてお茶の間の人気者だった。
しかし、本人は好きで出演していたわけではなく、学校でも大変だったため長らく秘密にしていた。
時期は不明だが弟妹たちが大きくなってきたため独り立ちしたとの事。なお、下の兄弟の学費のほとんどを出していたらしい。

高校時代は木村と一緒にグレており、欲求不満でいつも股間をいじる癖を持っていた。
ある日、ゲーセンで遊んでいた鷹村にケンカを売るも投げっぱなしジャーマンを受けて失神。
鷹村に復讐すべく彼を探して彼の学校の不良たちとひと悶着をおこし、元々の素行不良からついに退学となってしまう。

鷹村との再戦時、偶然居合わせた宮田一郎から彼がプロボクサーである事を聞き、KOされた後鷹村の首を狙って木村と共に鴨川ジムの門を叩いた。
プロのリングで鷹村と戦えないこと*1や過酷な練習に嫌気が差しながらも日々実力がついていく事でボクシングにハマっていき、プロデビュー後に更生。
鷹村への復讐心も消え、以降はよき先輩後輩の間柄となっている。6回戦の頃に一歩が入門し、彼のデビュー戦前にラーメン屋に来たところで本編初登場。
え?それ以前も宮田君に胸を貸して失神KOされてた?都合の悪い事は忘れよ


◆ボクサーとしての青木◆
「カエルパンチ」や「よそ見」といったトリッキーな技を使って主導権を握るトリックスター。
基本的には接近戦を得意とするファイター型だが、時にはアウトボクシングに徹することも出来る器用さを持つ。
相手の体力を奪っていき、泥仕合に持ち込んで判定勝ちというパターンが多かったが、カエルパンチ修得後はKO率も増えている。
でたらめな試合っぷりでしばしば観客の笑いをとっており、お笑い芸人的なノリで人気を集めている。興行的な意味ではプロと言えるだろう。

木村とは似たような戦績であるが、圧倒的にKO負けが多いらしく、アゴが弱いという弱点を持つ。
トリッキーな技の数々も勝つための創意工夫で編み出したものであり、本編でもカエルパンチ習得秘話などが語られている。

デビュー6年目にしてチャンピオンカーニバルで日本ライト級王座に挑戦したものの、ドロー判定で王座を逃している。
ちなみに当時は日本ランキング5位だったが、1位が交通事故で入院し、2位も盲腸で入院、3位が引退して4位が負けて落ちた結果1位になるというドサクサのような経緯での挑戦であった。

挑戦失敗後、一度は引退を決意するものの青木組が弟子入りしてきた事から引退を撤回。
その後も勝ったり負けたりを繰り返していたが、かつて鴨川ジムを追い出されたマロンこと栗田がけしかけて来た伊賀忍に弄ばれるという屈辱的な敗北を受け一念発起。
日本ライト級王座を獲得した伊賀へのリベンジを目指して研鑽を積むようになり、これまでとは一線を画した姿を見せるようになった。


  • カエルパンチ
青木の代名詞である必殺技。「カエル跳びアッパー」と呼ばれる場合もある。
一回目のA級トーナメントで初披露。決勝まで取っておくつもりだったが一回戦の相手の攻めに圧されて使用を決断した。
突然しゃがみこんでパンチをかわし、飛び上がってのアッパー。
「アイツなんでもアリになってきたな」「でたらめな試合しやがって」と鷹村に評されている。
名前と動きから侮られがちなのだが全身の体重を乗せて打つパンチなので威力はかなり高く、
この技を分析した今江からはアゴの骨が砕けてもおかしくないとフィニッシュブローとして高い評価をされている。
ただし、一瞬しゃがんですぐさまジャンプという足腰への重い負担が欠点で、前日に足腰を酷使して体力を浪費してたりすると終盤には使用不可能になる。
また、脚力を推進力ではなく縦へのジャンプに使っているために射程が短く、反射的な後退などで回避されたりすると、ジャンプ中で回避不可能な体を狙い撃ちにされるリスクがある。
現実世界でも三度世界王座を獲得した往年の名ボクサー・輪島功一氏が使用しており、
実際青木の口からも「かの輪島功一さんが世界を制したパンチ」と言及されている。
実は輪島功一氏が現役時代に使ったのは一度きりでそれもアッパーではなくロングフックなのはナイショ

  • 死んだふり
読んで字のごとく。ヘロヘロになったふりをして相手の攻撃を誘う。
変則で相手のスタミナを削る青木の戦術を後押しする策。劇中では本当に効いてるギャグ描写がわりとあるが

  • 生き返ったふり
死んだふりからいきなり元気になってるように見せかける。今江戦で使用した際は、軽やかな足取りでコーナーに戻るという形で発動している。
アウトボクシングをする事で主導権の掌握と、相手の「自分のパンチが効いているのか?」「本当は青木はどんな状態なのか?」と言う疑心暗鬼を誘う事で追撃をしづらくさせ、体力の回復を図ることができる。
また、青木本人の動作に集中させ、よそ見により釣られやすくする。

  • よそ見
ライト級タイトルマッチに向け新開発した必殺技。まるで何かを発見した表情であらぬ方向を見て相手の(ついでに観客の)視線を逸らしその隙にカエルパンチを叩き込む。
視線につられるのは本能的な反応に近く、堪えるのは困難。
そして無理矢理堪えようとしてもそうする事で逆に隙を晒す形となってしまう。
ほぼ確実に大きな隙を作り出せるもののコンマ秒単位でパンチが飛び交う試合中に相手から目を逸らすのは並みの勇気では出来ない。本人も精神的負担で削れる、ハイリスクハイリターンな技。
しかし完全に嵌った際には隙を作る為の行動と分かっていても視線を逸らしてしまう予測可能回避不可能の域に到達する為、
繰り返し喰らった今江がもうやめてくれと内心悲鳴を上げる、最初に喰らった際は会場の観客丸ごと(そのシーンでは該当コマに描かれた観客全員どころか審判までもが釣られてよそ見をしていた)何が起きたのかすら分かっていない程の威力を誇る。

青木以外誰もやらないと断言されるのも納得だが、後述のパパイヤ・ダチウがまさかの二人目の使い手。二人して同時によそ見するというボクシング史上類を見ない珍事が巻き起こることとなった。
鷹村も一度使用したことがあるが、そもそも仕組みを正しく理解しておらず、試合前に対戦相手を散々煽って激昂させた挙句、よそ見をする時間が長すぎる上に体ごと振り向いてしまったため全く効果がなかった。

ちなみにこの「よそ見」も、先述の輪島功一氏が試合中に実際に使用したことがあるテクニックである(1971年のカルメロ・ボッシ戦を始め、何回か使ったことがあると、引退後のインタビューで明言している)。

◆いじられキャラとしての青木◆
作中では(主に鷹村の)悪ノリの被害を受けることが多く、しばしば読者の腹筋を崩壊させている。
以下、作中でも印象的な事案を列挙する。


  • フナムシ事件
一歩と揃って試合に勝った後の休養中、他のメンバーが合宿に行っている間にトミ子や久美ちゃんを誘って海へ泊りがけのダブルデートに出かける。
ところが来訪した海が偶然鷹村たちの合宿地だったことから不幸が始まる。
その夜、浜辺でトミ子といたしていたところに鷹村がこっそり乱入して参加。
トミ子のおっぱいを揉まれたことを恨み、復讐のため一歩が捕まえたフナムシ入りのお好み焼きを差し入れる。
しかし、さすがに罪悪感を感じていた鷹村はお好み焼きを半分こする事を提案。1/2の確率でフナムシが入ったお好み焼きを食べさせられてしまう自業自得な結果に終わった。

幸い、フナムシは狙い通り鷹村が食べたものの、これが原因の一つとなり鷹村は減量を失敗。
世界前哨戦で思わぬ苦戦を強いられ、負けたら青木のせいになるところであった。


  • ブロッコマン
インドネシアのライト級王者パパイヤ・ダチウとの対戦で「勝てなかったら同じ髪型の刑」にするという鷹村の提案に乗ってしまう。
試合結果は泥仕合の末のドローで、勝てなかったものの負けもしなかった。しかし、条件は勝てなかったらだったため刑を執行されてしまう。
さすがにパパイヤほどの毛量がなかったためバリカンで刈られた青木はツルッパげ頭にちょこんとブロッコリーのような髪が乗っているという珍妙な髪型になってしまった。

怪我の功名でブロッコリーのイメージキャラクター「ブロッコマン」として子供たちの人気者となるが、
鷹村の草の根運動により腹を壊して後楽園ホールのトイレを詰まらせた事件が全国的に知られ、一気にブームは終了。
その後、残っていたブロッコリー部分も刈られて坊主頭になるが、なかなか髪が生えてこず、毛が一本だけ生えたりオバQのように数本だけ生えたりと作者からもいじられまくっていた。

ちなみに髪の毛ネタはかなり後に一歩や木村も餌食となった。

◆主な対戦相手◆

  • 今江克孝
チャンピオンカーニバルで対戦した当時のライト級王者。
端正なルックス、オーソドックスなファイトスタイルの努力家…と何もかも青木とは正反対の選手だが、唯一女性の好みがB専である点が共通している。
フィニッシュブローであるカエルパンチの他、青木の奇抜な必殺技の数々を攻略して追い詰めるものの、先述の「よそ見」によって形勢逆転。青木が得意とする泥仕合の土俵に引きずり込むが…
当初は青木を色物として見下していたが、勝負の中でボクシングのために愛する者を捨てた自分に対して、ボクシングを続けてもなお愛する者を守り続けた青木を尊敬するに至った。

  • パパイヤ・ダチウ
インドネシアのライト級王者。
奇抜な髪型に特徴的すぎる名前と一発ネタのギャグキャラに見えるが、実に5年間も王座を防衛している猛者。
利き手である右腕が左腕の1.5倍ほど太く、その右から繰り出されるパンチは「ココナッツパンチ」と呼ばれ「ココナッツで殴りつけられたよう」と評される破壊力*2を誇る、ライト級らしからぬヘビーパンチャー。
また、青木同様に奇抜な搦手を得意としており作中2人目の「よそ見」の使い手でもある。
鷹村の悪ノリで「負けたらこの髪型にする」という賭けをする事になるが、結果は先述の通り。

「トミ子〜オレの記事が立ったよ〜!」
「おめでとうまちゃる〜!」
「てなわけで皆!追記修正よろしく!」


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最終更新:2023年03月23日 06:08

*1 同門対決ができないことを知らなかった。というか出来たとしてもそもそも階級が違いすぎるので勝負にならない

*2 ココナッツは現実でも落下による事故がしばしばあり、負傷や死亡も起こりうるため生々しく恐ろしい表現なのだが、作中の鴨川ジムではそれ自体が滑稽な形容のため笑われていた。