登録日:2015/01/09 Fri 07:41:28
更新日:2018/03/31 Sat 23:46:59
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宇宙戦艦ヤマト・暗黒星団帝国三部作とは、映画『宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち』及び『ヤマトよ永遠に』を元に製作されたPS2専用ゲーム作品の総称である。
PSで発売されたゲーム『宇宙戦艦ヤマト・遥かなる星イスカンダル』『さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち』の続編にあたる。
『新たなる旅立ち』が原作。プレイヤーはヤマト以下の地球艦隊とガミラス艦隊を交互にプレイしてストーリーを進める。
『ヤマトよ永遠に』のゴルバ型要塞撃破までを辿る。新たに白兵戦パートが導入された。
『ヤマトよ永遠に』の白色銀河到達からエンディングまで。進め方により二通りのエンディングに分岐する。
概要
原作をオリジナル要素を盛り込みつつも忠実に再現した前2作と異なり、オリジナル要素を盛り込みながら原作のシナリオを大幅に改編したものとなっている。
しかし脚本の完成度は高く、原作での矛盾点やご都合主義的な展開をきちんと補完してまとめているために評価は良い。
また、ゲーム部分も前2作同様荒削りながらしっかり作りこまれている。バンナムのキャラゲーとしては完成度は高い方。
ゲーム性も完璧とまではいかないが良質なほうで、艦隊戦ではヤマト他の艦艇が精密なモデルで縦横に動き回る。
ステージクリアごとにクリアランクに応じてランダムに艦艇が一隻追加されていき、狙えば自分の思う通りの艦隊を組むことも可能。
例としては、波動砲搭載艦を集めてマルチ隊形で敵艦隊を一気に焼き払ったり、逆に空母を集めて機動部隊を編成するのもよしである。
彗星帝国の鹵獲改造艦もあるため、地球・ガミラス・ガトランティスの夢の連合艦隊を組むこともできたりする。
また、セーブデータの引継ぎもでき、一作目から二作目では通常より多いポイントで開始できる。
二作目から三作目では二作目で集めた艦隊の引継ぎが可能。その際に特典としてアンドロメダ級戦艦ネメシスが艦隊に追加される。
原作からの変更例
- イスカンダルが暴走後にサンザーに引き込まれることになる(さすがに星系から飛び出していきワープするは無茶があるため)
- ヤマトがガミラスからワープ技術の供与を受ける(原作ではあまりに早くヤマトが駆けつけてきたため)
- イスカンダルが自爆しない、古代守がヤマト艦長に就任する(ヤマトシリーズでよく批判の対象になる「とりあえず死なせておけ」が大幅に削除されている)
- アルフォンの権限が強くなっている(少尉にしては待遇がよすぎたため)
- 白色銀河に入ってから敵母星を探す展開が大きく増えている(いきなり目の前にポツンは不自然すぎたようだ)
また、声優もオリジナルキャストを可能な限り揃えている。そのため原作の雰囲気に限りなく近く、今作の後に鬼籍に入られてしまった方もおられるため価値は非常に高い。
登場人物
ゲームオリジナルキャラクター、または原作から大きく立場が変更された人物を記す。
原作では『さらば』or『ヤマト2』で戦死するが本作では生存してコスモタイガー隊隊長に就任。
自分以外はすべて新人を率いながらも縦横に活躍。さらにあるシナリオでは……末永く爆発して下さい。
地球占領時に第7艦隊とともに出撃していたため生存。ヤマト艦長に就任する。
進がでしゃばるので空気になりがちだが、要所では決断力を見せる。
特にラストでは父として、艦長として……。
本作ではヤマトに乗り込まず、改アンドロメダ級戦艦しゅんらんの艦長兼地球防衛軍第7艦隊司令。しゅんらんが鬼強いので戦闘中はよく声を聞く。
進め方次第では最後まで生き残らせることも可能。
サーシャではなく「サーシア」に統一。
奔放な面が強くなり、艦橋の癒しとしてなくてはならない。すごく可愛い。
最終決戦において犠牲となってしまうが、ある条件を満たせば……。
地球でパルチザンのリーダーとして活躍する。
最後までコスモタイガー隊の一員として活躍する。
『ヤマト2』にて何度もヤマトの妨害をした人物。しかし地球を守りたいという意思は本物。
人間的に大きく成長しており、パルチザンの中核として活躍する。
空間騎兵隊隊長。直情的な性格だが、間違いを素直に反省する柔軟さも持ち合わせた男。
コスモタイガー隊の新人隊員。美少女だが山本と張り合うほどの男勝り。
訓練生時代には艦載機コースにレーダー員コースに医療コースまで併用して受けていたという、並のエリート顔負けの経歴の持ち主。
通称トチロー。古代守と真田の同期のエンジニアで、真田に負けないほどのチート頭脳の持ち主。
タイタンに沈んでいたゆきかぜをゆきかぜ改に強化修復する。別に死んだりはしない。
サンザーに引き込まれゆくイスカンダルを救うためにあらゆる手を尽くす。
『イスカンダルへの追憶』にしか登場しないが、事実上のもうひとりの主人公。
男前度が格段に上がっており、イスカンダルとスターシアを「兄妹同然のもの」として救おうとする。
かつてヤマトがガス生命体と戦ったα星で資源採掘を行っていた、暗黒星団帝国の将官の兄弟。
資源採掘がα星の超新星爆発を招きかねないためにヤマトに中止を勧告されるが、無視して交戦に入る。
暗黒星団帝国のヤマト追撃隊の司令。座上艦はガリアデス。若くも有能な将であり、ヤマトを様々な作戦で苦しめた。
立場と中の人の関係でよくカイザーとか獅子帝とか呼ばれる。
中間補給基地司令。ヤマトの敵ではなかった。
本作では終始地球に滞在する。ヒステリックな面が強調されておりよく怒鳴る。
原作ではいつの間にかフェードアウトしたが、本作ではある白兵戦ステージでボスを務める。
黒色艦隊司令。武人肌の堅物だが、卑怯者のグロータスともなぜか仲が良かった様子。
グロータスの敵討ちに燃え、強力な艦隊を率いてヤマトに正面決戦を挑むも敗北。黒色戦艦グロデーズでヤマトの前に最後の障壁として立ちふさがる。
参謀格として作戦を指揮する。狡知に長けており、魔女と異名をとるほど恐れられていたことも語られた。
主要メカニック
言うまでもない宇宙最強の不沈艦。
本作ではスペックのほとんどが忠実に再現されており、波動カートリッジ弾もイベント後にきちんと使用可能になる。再現が難しかったのか波動爆雷は削られた。
チートの代名詞である真田修理は緊急修理ユニットで、味方全員が使用可能(ただし乱用するとクリア評価が落ちる)。
タイタンに沈んでいたゆきかぜをトチローが魔改造したチート駆逐艦。
肩書きは駆逐艦だが砲撃戦・雷撃戦能力は戦艦並であり、波動砲と対空火器がないことを除けばヤマトとほぼ同等の戦力で活躍する。
人工頭脳を搭載した無人艦(有人操作も可能)で、工作設備まで積み込んであり、もはや元のゆきかぜの要素がどこに残ってるんだというレベル。
改アンドロメダ級戦艦であり、地球防衛軍第7艦隊旗艦。
艦長は山南。艦橋が非常に広い。
新式波動エンジンを2基搭載しており、艦首拡散波動砲も3門に増強されている。
艦体の大型化に従って主砲数もアンドロメダの倍近い20門に強化されており、単純な戦闘力はヤマトを大きくしのぐ。
いわゆるデスラー戦闘空母。
本作では終始甲板を砲戦形態に固定している。そのため艦載機運用はできないが砲戦力ではヤマトより上。
伝家の宝刀デスラー砲ももちろん搭載されており、甲板が中央から割れて出現する。
艦隊旗艦級戦艦でありタランの専用艦。
ガミラス軍ではすでに旧式に当たるはずだが特別なチューンアップが施されているのか、広大なレーダー範囲と高い砲戦能力に防空火力も誇る万能艦。
デストロイヤー級を横に二隻繋いだ双胴工作艦。
マイクロブラックホールの元となる超質量物質を捕獲するための特殊用途艦であるが、そのために強固な装甲を持ち、戦闘に出しても充分に戦える。
原作から大きくデザインが変更されており、ヤマトと変わらない大きさにまで小さくなった。
しかし偏向バリヤーを搭載しており、こちらの主砲射撃を弾き返してしまう上に波動砲でも決定打にならない。
弱点は実弾攻撃であり、ミサイルでの攻撃を続けるとやがてバリヤー発生装置が壊れて大きく弱体化する。
1作目、2作目でラスボスを務める。
強力な偏向バリヤーと装甲で、主砲やミサイルはおろか波動砲・デスラー砲もまったく通用しない。
主砲はα砲と呼ばれ、友軍が被弾してしまうと撃沈扱いになって戦闘終了後も修理できず二度と使えなくなってしまう鬼仕様。
もちろんヤマトやデスラー戦闘空母が食らうと即ゲームオーバー。うかつに艦隊を接近させるのは絶対避けるべし。
原作での戦闘ヘリの代わりにテンタクルスという小型戦闘艇を多数射出してくる。
無限β砲を備える暗黒星団帝国の最新鋭戦艦。
冗談のような装甲を誇り、こちらの攻撃が一切通用しない。
回想編で戦う白色彗星帝国のバルゼー艦隊旗艦。
超チート兵器の火炎直撃砲はゲームでも健在で、一定時間ごとに味方が血祭りにあげられていき、アンドロメダがやられればゲームオーバー。
特定のイベントを発生させない限りは一切ダメージを与えられない。
余談
スタッフは本作以降ヤマトのゲームを制作する気はないようで、次世代のクリエイターにヤマトゲーを作って欲しいとコメントしている。
ちなみに「ガンパレード・マーチみたいなゲームで」とのこと……無茶言うな。
2199準拠の設定で実現した場合、色んな惑星に寄り道したり、気に入らない奴を航空隊勤務にして謀殺したり、エンジンを爆破したり、雪と山本を二股かけて刺されたり、とりあえず南部を殴ってみたり、各キャラの靴下を集めてみたり、とても自由なゲームになることだろう。
「……あっ!」
「また、あっ! かよ。今度は何だ?」
「追記、修正、お願い、です」
- そういえば聖総統の声が原作と違うのは何故だろう。グロータスと同じキャストなのでちょっとどうかなっと -- 名無しさん (2015-01-10 02:56:47)
- 山南艦長と古代守とスターシャとサーシャが全員生存するのは新鮮 -- 名無しさん (2015-01-10 11:12:32)
- 第二の地球探し編(Ⅲ)もゲーム化してほしいところだが……2199があるから無理かなぁ; -- 名無しさん (2015-01-10 12:22:25)
- Ⅲをゲーム化するんだと、今じゃベムラーゼ首相の声を変えざるを得ないところがきついなあ -- 名無しさん (2015-01-10 18:14:08)
- あー・・・ベムラーゼ首相の声は、滝口順平さんだったのか……。もしするとして、代役できる人いないかなぁ……。 惑星探査SLGの要素も入れて作ったら面白いと思うんだけどなぁ。 -- 名無しさん (2015-01-10 18:16:50)
- このゲームシリーズの山本関連の話は前作の「さらば」の中のあるミッションをクリアしないとゲーム版ストーリーに接続しない(クリアできないと山本が死亡、TV版END)。 -- ??隊長 (2015-01-11 22:57:30)
- 正直、あの参謀長があそこまでかっこよくなるとは思わなかった。いい意味での改変が多いからこのシリーズ好きだ -- 名無しさん (2015-02-01 13:41:15)
- ↑ゲームでは参謀長は「さらば」で戦艦さつまで指揮を執ってたから違和感はないね。ちなみに「さらば」で彼の指揮下にあった自動艦隊(火星付近でヤマトと戦う。スルー可能)はたぶん「暗黒星団帝国の逆襲」の冒頭で全滅した大自立艦隊の雛形と思われる。 -- ??隊長 (2015-02-03 23:38:08)
- このゲーム世界で一番の勝ち組は山本だよな。生き残ったのみならず嫁ゲットとは -- 名無しさん (2015-02-28 21:02:24)
- 古代役の富山さんが健在だったら中の人つながりでヤンvsラインハルトが実現していたのに惜しい -- 名無しさん (2015-05-09 01:55:28)
- 考えてみたら、「新たなる」で、ヤマトがイスカンダルの危機に駆け付けるのって、立派な集団的自衛権の行使だよね?と今気づいたってことは言っていいことなのだろうか(笑 -- 名無しさん (2015-07-19 13:01:37)
- もしかして、2199で山本が女性化したのは、これの椎名が元ネタか? -- 名無しさん (2015-12-29 15:44:31)
- 「深淵の二人」は自分にとってベストストーリー。お似合いですよ山本さん -- 名無しさん (2016-05-24 10:23:35)
- あー……頼むから、バンダイさん、Ⅲのゲームを作ってくれー(汗 あー、でも2199系がメインになってきてるから無理かなぁ…… -- 名無しさん (2016-05-24 10:32:29)
- 今思えば、2199のゲームが出ないのは、もしかしたらこの遥かなる星イスカンダルから、この三部作までのシリーズがあまりにできが良すぎたからなのかしら。 -- 名無しさん (2016-07-11 15:19:53)
- とにかく脚本の完成度がものすごいゲーム。一作目のベテルギウスが最後のダイソン球への伏線とか、そこいらのアニメ顔負け -- 名無しさん (2017-02-14 16:56:15)
- 波動爆雷は、ヤマトの下方への攻撃装備にすればOKなんじゃないかなぁ……。敵の上に回りこんで落とすとか……。 -- 名無しさん (2017-02-14 18:08:18)
- ↑2 ペテルギウスが伏線って、帝国側としては、採掘しすぎて、うっかりスーパーノヴァ起こしても、帝国の本星はダイソン球だから影響ないから安心だよね」ってこと? -- 名無しさん (2017-02-14 18:11:55)
- 2199では守兄さんの死が確定(スターシャ様が言及+魂も、雪の蘇生のために消滅)したから、例え2199シリーズで暗黒星団帝国編で作られたとしても、古代と守兄さんとの共演は、このゲームでしか見られないんだよなぁ……(涙 -- 名無しさん (2017-02-28 19:11:43)
- PS版にある航海フェイズ(ワープや惑星探査)が好きだったので戦闘ゲームになったのはちょっと残念だったな。ストーリーやグラフィックが良いから今はゲームとして好きだけど。 -- 名無しさん (2017-05-13 14:55:28)
- そういえば、このPS2版でも、山波艦長の『あぁ、地球が見える……先に帰っているぞ、古代……』は再現されてたんだっけ? -- 名無しさん (2017-05-13 15:02:32)
- ↑いや無かったはず。文面はうろ覚えになるが、死亡ルートの場合は「ヤマトの無事を祈る(ノイズで途切れとぎれに)」、生存ルートの場合は「(敵母星に突入するヤマトに向けて)出口は我々が確保する」がそれぞれ山南艦長の最後の台詞だったと思う。 -- 名無しさん (2017-05-13 15:18:31)
- ↑そうなのかー……撃沈時は、あの名台詞をやってほしかったんだけどなぁ; 2202の山南さんが言っても違和感が出ちゃうし; -- 名無しさん (2018-01-15 18:47:26)
- あと、真田さんに「イスカンダルへの旅を指揮していたのは、ひよっこだった古代だろう」と言わせたのは唯一の失敗だったなぁ。指揮してたのは沖田艦長でしょ。あそこは、「ヤマトを率いて、白色彗星帝国との決戦を指揮したのは誰だった?」と変更すべきだったと思う。 -- 名無しさん (2018-01-29 10:46:19)