宇宙戦艦ヤマト・暗黒星団帝国三部作(PS2)

登録日:2015/01/09 Fri 07:41:28
更新日:2025/03/23 Sun 18:27:29
所要時間:約 4 分で読めます





死ぬな!ともに生きて帰ろう、イスカンダルへ!


宇宙戦艦ヤマト・暗黒星団帝国三部作とは、映画『宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち』及び『ヤマトよ永遠に』を元に製作されたPS2専用ゲーム作品の総称である。
PSで発売されたゲーム『宇宙戦艦ヤマト・遥かなる星イスカンダル』『さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち』の続編にあたる。

  • 1作目『宇宙戦艦ヤマト・イスカンダルへの追憶』
『新たなる旅立ち』が原作。プレイヤーはヤマト以下の地球艦隊とガミラス艦隊を交互にプレイしてストーリーを進める。

  • 2作目『宇宙戦艦ヤマト・暗黒星団帝国の逆襲』
『ヤマトよ永遠に』のゴルバ型要塞撃破までを辿る。新たに白兵戦パートが導入された。

  • 3作目『宇宙戦艦ヤマト・二重銀河の崩壊』
『ヤマトよ永遠に』の白色銀河到達からエンディングまで。進め方により二通りのエンディングに分岐する。

【概要】

原作をオリジナル要素を盛り込みつつも忠実に再現した前2作と異なり、オリジナル要素を盛り込みながら原作のシナリオを大幅に改編したものとなっている。
しかし脚本の完成度は高く、原作での矛盾点やご都合主義的な展開をきちんと補完してまとめているために評価は良い。
また、ゲーム部分も前2作同様荒削りながらしっかり作りこまれている。バンナムのキャラゲーとしては完成度は高い方。

ゲーム性も完璧とまではいかないが良質なほうで、艦隊戦ではヤマト他の艦艇が精密なモデルで縦横に動き回る。
ステージクリアごとにクリアランクに応じてランダムに艦艇が一隻追加されていき、狙えば自分の思う通りの艦隊を組むことも可能。
例としては、波動砲搭載艦を集めてマルチ隊形で敵艦隊を一気に焼き払ったり、逆に空母を集めて機動部隊を編成するのもよしである。
彗星帝国の鹵獲改造艦もあるため、「イスカンダルへの追憶」では援軍の状況次第で地球・ガミラス・ガトランティスを合わせた夢の3勢力連合艦隊を組むこともできたりする。

また、三作通してセーブデータの引継ぎもでき、一作目から二作目では通常より多いポイントで開始できる。
さらに二作目から三作目に引き継ぐことで二作目で集めた艦隊をそのまま引き継げる。その際に特典としてアンドロメダ級戦艦ネメシスが艦隊に追加される。
なおクリア後に周回することでポイントを多く貯めたデータが作れるが、三作目はクリア後に始めても二作目の艦隊データが引き継げないため周回のメリットはない。
三作目単独で始めた場合もデフォルトで艦隊が用意されているが、二作目引き継ぎの場合より十中八九貧弱な上にアイテム開発もゼロからになるため、
「二重銀河の崩壊」をもう一度やりたい場合も二作目の「暗黒星団帝国の逆襲」から始めた方が無難だろう。ハードモード感覚でやってみるのはありかもしれないが。

【原作からの変更例】

  • イスカンダルが暴走後にサンザーに引き込まれることになる(さすがに星系から飛び出していきワープするは無茶があるため)
  • ヤマトがガミラスからワープ技術の供与を受ける(原作ではあまりに早くヤマトが駆けつけてきたため)
  • イスカンダルが自爆しない、古代守がヤマト艦長に就任する(ヤマトシリーズでよく批判の対象になる「とりあえず死なせておけ」が大幅に削除されている)
  • アルフォンの権限が強くなっている(少尉にしては待遇がよすぎたため)
  • 白色銀河に入ってから敵母星を探す展開が大きく増えている(いきなり目の前にポツンは不自然すぎたようだ)
また、声優もオリジナルキャストを可能な限り揃えている。そのため原作の雰囲気に限りなく近く、今作の後に鬼籍に入られてしまった方もおられるため価値は非常に高い。

【登場人物】

原作登場キャラの中で大きく立場が変更されたキャラクターと、ゲームオリジナルキャラクターを紹介。

原作登場キャラクター

  • 山本 明
原作『さらば』or『ヤマト2』では戦死するが、ゲーム版では墜落するものの生存するルートがあった。
本作ではヤマトのコスモタイガー隊隊長に就任し、自分以外はすべて新人を率いながらも縦横に活躍。さらにあるシナリオでは……末永く爆発して下さい。

  • 古代 守
地球占領時に第7艦隊とともに出撃していたため生存。ヤマト艦長に就任する。
進が主人公として話が進むため空気になりがちだが、要所では決断力を見せる。
特にラストでは父として、艦長として……。

  • 山南
本作ではヤマトに乗り込まず、改アンドロメダ級戦艦しゅんらんの艦長兼地球防衛軍第7艦隊司令。
ストーリー上では戦闘経験のあるヤマトとその乗組員に艦隊指揮を委ねるため出番は多くないが、古代が年長者として意見を求める場面が度々ある。
戦闘ではしゅんらんの特徴を活かしてクリアするミッションがあり、純粋に戦艦としても鬼強いのでよく声を聞く。
進め方次第では最後まで生き残らせることも可能。

  • サーシア
サーシャではなく「サーシア」に統一。
奔放な面が強くなり、艦橋の癒しとしてなくてはならない。すごく可愛い。
エロロボットでおなじみのアナライザーに襲われかねない状況もあったが、監視がいたりアナライザーの方が敵に襲われていたりしたため奇跡的に餌食にはならなかった。
原作では最終決戦において犠牲となってしまうが、ある条件を満たせば……。

  • 北野 哲
原作では「永遠に」では出てこなかったが、今作ではパルチザンのリーダーとして活躍する。

  • 坂本 茂
北野同様に「永遠に」では出番なしだが、今作では最後までコスモタイガー隊の一員として活躍する。
またとある白兵戦ステージでは……

  • 参謀長
原作の『ヤマト2』及び前作にて何度も(反乱同然に飛び立った)ヤマトの妨害をした人物。
ゲーム版では紆余曲折の末にヤマト乗組員とも和解し、彗星帝国へ向かうヤマトに対し自身の命令として「地球を救う」ように命令した。
それを踏まえ本作では自分の見誤りを悔いている様子が見られたり、パルチザンの前でヤマトを擁護する演説を行なったりと見せ場も多い。
藤堂長官のための囮になろうとしたり、「長官が働いているのに私だけ本部でのうのうとしているわけにはいかん」と一兵卒として白兵戦に参加したりと各所で体を張っている。
設定資料集では「名前つけてあげればよかったなあ」とのスタッフのコメントも。
白兵戦で2回出番があり、サブ武装として手榴弾をぶん投げる。

サンザーに引き込まれゆくイスカンダルを救うためにあらゆる手を尽くす。
『イスカンダルへの追憶』にしか登場しないが、事実上のもうひとりの主人公。
男前度が格段に上がっており、イスカンダルとスターシアを「兄妹同然のもの」として救おうとする。

  • カザン
本作では終始地球に滞在する。ヒステリックな面が強調されておりよく怒鳴る。
原作ではいつの間にかフェードアウトしたが、本作ではある白兵戦ステージでボスを務める。

  • サーダ
参謀格として作戦を指揮する。狡知に長けており、魔女と異名をとるほど恐れられていたことも語られた。

ゲームオリジナルキャラクター

  • 椎名 晶
コスモタイガー隊の新人隊員。美女だが山本と張り合うほどの男勝り。
訓練生時代には艦載機コース+レーダー員コース+医療コースの3つ併用して受けていたという、並のエリート顔負けの経歴の持ち主。
ゲーム前作からの流れを繋ぐサブストーリーのキーキャラクター。

  • 古野間 卓
「暗黒星団帝国の逆襲」から登場する空間騎兵隊隊長。直情的な性格だが、間違いを素直に反省する柔軟さも持ち合わせた男。
パルチザンのリーダーとして処刑が決まった藤堂長官と参謀長を救出するが、その後は「頭使うのは苦手」と全体指揮を長官に、部隊指揮も年下の北野に委ねていく。
偽情報に嵌める形で30人近い仲間を死に追いやった上、ある人物に預けていた自分の武器を鹵獲して使ってきたアルフォンを仇敵と見なし、彼に強い敵意を抱く。

  • 大山 歳郎
通称トチロー。古代守と真田の同期のエンジニア。単独行動を取っており、雷王作戦後にヤマトに合流して機関部所属となる。
真田に負けないほどのチート頭脳の持ち主で、タイタンに沈んでいたゆきかぜをゆきかぜ・改に強化修復する。
さらにイスカンダルへ急ぐヤマトにワープ機関の改良策を見出した他、イスカンダルにある鉱石の組成を変換し敵に狙われなくすることに成功したゲームオリジナル部分の技術面のMVP。
しかし有能だが無茶苦茶をやる面もあり、救援を求めてワープ中のヤマトを強制停止させるべく宙域一帯に工作部品をばら撒くという暴挙も行った。*1

  • クーギス、ルーギス
かつてヤマトがガス生命体と戦ったα星で資源採掘を行っていた、暗黒星団帝国の将官の兄弟。
資源採掘がα星の超新星爆発を招きかねないためにヤマトに中止を勧告されるが、無視して交戦に入る。

兄弟の片方が生き残り、ヤマトの航路を読んでかつてドメルと決戦を行った七色星団宙域で待ち伏せ、あの決戦と同じく空母と艦載機の大部隊で復讐戦を挑んでくる。
さすがに瞬間物質輸送機やドリルミサイルは持っていなかったが、大量の艦載機攻撃は実戦経験の少ない新人コスモタイガー隊員の坂本と椎名をパニックに陥れた。*2
波動砲の一撃で沈めずに砲雷撃戦で艦を削っていくと、意を決してドメルと同様に特攻を仕掛けてくる。

  • ミヨーズ
ヤマト追撃隊の司令。座上艦はガリアデス。若くも有能な将であり、暗黒星団帝国本星を目指すヤマトを様々な作戦で苦しめた。
立場と中の人の関係でよくカイザーとか獅子帝とか呼ばれる。こっちは後ろ盾がなかった結果…

  • グノン
中間補給基地司令。ヤマトの敵ではなかった。
ミヨーズから嫌われておりヤマトの情報を事前に教えてもらえなかったが、当のグノンもミヨーズを嫌っていた上にヤマトを侮っていたためどっこいどっこい。

  • サーグラス
黒色艦隊司令。武人肌の堅物だが、同期のよしみなのか卑怯者のグロータスともなぜか仲が良かった様子。
グロータスの敵討ちに燃え、強力な艦隊を率いてヤマトに正面決戦を挑むも敗北。黒色戦艦グロデーズでヤマトの前に最後の障壁として立ちふさがる。

【メカニック】

地球防衛軍

  • ヤマト
言うまでもない宇宙最強の不沈艦。
本作ではスペックのほとんどが忠実に再現されており、波動カートリッジ弾もイベント後にきちんと使用可能になる。
チートの代名詞である真田修理は緊急修理ユニットで、味方全員が使用可能(ただし使用するとクリア評価が落ちる)。
ゲームバランス上の関係か本シリーズでも両舷のミサイル発射管は使用できない。

  • ゆきかぜ・改
タイタンに沈んでいたゆきかぜをトチローが魔改造したチート駆逐艦。
肩書きは駆逐艦だが連装とはいえヤマトと同一口径の主砲を三基備え、その分船体が大型化している。砲撃戦・雷撃戦能力は戦艦並であり、波動砲と対空火器がないことを除けばヤマトとほぼ同等の戦力で活躍する。
人工頭脳を搭載した無人艦(有人操作も可能)で、工作設備まで積み込んであり、もはや元のゆきかぜの要素がどこに残ってるんだというレベル。

  • しゅんらん
改アンドロメダ級戦艦であり、地球防衛軍第7艦隊旗艦。
艦長は山南。艦橋が非常に広い。
新式波動エンジンを2基搭載しており、艦首拡散波動砲も3門に増強されている。
艦体の大型化に従って主砲数もアンドロメダの倍近い4連装5基20門に強化されており、内1基は艦底部に装備され、下方迎撃ミサイル以外に底部に武装を持たぬヤマトや主力戦艦に比べて死角が無くなった。
また各武装2割増しの攻撃補正値があり、単純な戦闘力はヤマトを大きくしのぐ。
ただし対空火器が無いのが欠点。対空戦闘能力を持つ艦船を必ず護衛に付ける事。
山南の項で記した通りしゅんらんの能力を活かしてクリアするミッションもある。

  • ネメシス
アンドロメダ級戦艦の両舷の副砲をミサイルランチャーに、艦首波動砲を収束型に換装した艦。
アンドロメダ譲りの二割増しの攻撃補正値やB+の艦速と旋回性能、そして対空戦闘は健在なので、比較的足の速い艦船と組ませるも良し、しゅんらんの僚艦兼対空直衛艦として使っても良い。

地球防衛軍の中核を成す戦艦。
大きく分けて白色彗星帝国との決戦前に就役した前期型と、それ以降に就役した後期型に分かれている。
武装は共通で主砲とミサイル。残念ながら副砲と対空機銃はオミット、代わりに両舷にミサイルランチャーを装備、また、底部空間爆雷もミサイルランチャーに変更されている。
両舷のミサイルランチャーは射界が右舷は15度から165度、左舷は-165度から-15度の間でしか使えず、横腹をさらしてまで使う意味が無い。
使うのであれば、ヒットアンドウェイ的な戦法になるため、艦速が速いユニットかネメシスやC型デストロイヤー、デスラーガミラシア、大戦艦のように対空機銃を持つユニットと組ませたい。
結局は前方投射火力は主砲二基でしかないため(ミサイルを使用するためには攻撃可能角まで微妙なコース調整が必要という面倒な作業を行わなければならない)、厳しい言い方をすれば、波動砲以外取柄がないユニットである 。

前期型は拡散波動砲搭載。艦名は前作に登場した「薩摩」に加え「扶桑」「山城」「比叡」「榛名」「加賀」の6隻。

後期型はそれぞれ
  • 前線任務に耐えられるよう各種艦砲を強化して各武装に1割増しの攻撃補正値を持ち、収束波動砲搭載の甲型(蝦夷、ネヴァダ、ドレッドノート)
  • 新型バイパスの搭載により巡行能力を強化した収束波動砲搭載の乙型(金剛、メリーランド、アイル・オブ・スカイ)
  • 積層装甲により高めの防御力を得た代わりに波動砲を撤去した丙型(アーカンソー、イリノイ、ロイヤルオーク)が存在。

特に丙型は波動砲がない上にミッション後の評価がAランクの場合のみ援軍として来るため、「上手く攻略するほど波動砲が使えない」というジレンマに悩まされることも……。
ただし、「二重銀河の崩壊」のステージ3ではランクに関わらず拡散波動砲搭載艦が援軍として参入する。

  • 巡洋艦
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち(PS版)では艦前方の連装砲が主砲、舷側の三連装砲が副砲扱いであったが本作では連装砲が副砲、三連装砲が主砲に変更されている。
副砲が前方の上方と下方、主砲が後方全体をカバーしており、砲数のみなら主力戦艦をも凌ぐ手数の多さが特徴。他に八連装ミサイルランチャーを持つが、残念ながら対空機銃はオミットされている。各武装プラス10~20%の攻撃補正値を持つため、副砲の攻撃力は通常の大口径主砲とほぼ同等かそれ以上となる。
主力戦艦同様に前期型と後期型が存在するが、能力的には他より優れたところと劣ったところがあるため、一長一短。
それぞれ
  • 平均的な性能の前期型(妙高、那智、羽黒、青葉、衣笠)
  • 若干攻撃力が上がった代わりに巡航性能が低下した甲型(五十鈴、名取、鬼怒、酒匂、夕張)
  • 若干巡航性能が上がった代わりに攻撃力が低下した乙型(オーガスタ、ボルチモア、ピッツバーグ、カンバーランド、ミルウォーキー)
  • 甲型と乙型の悪いとこどり、さらには防御力が他より劣る代わりに収束波動砲を搭載した特務型(コンコード、エッフィンガム、ホーキンス、コベントリー、ケーニヒスベルク)
が存在。

正直言って能力は微々たる差なのでこだわりがなければ特務型が一番である。

  • 駆逐艦
巡洋艦までは各種能力が異なるだけで武装は共通だったが、駆逐艦はタイプによって武装までガラリと変わるのが特徴。
前期型と後期型三種類が存在。
前期型は主砲4基と砲撃戦に優れるが、これが全部後ろを指向しているためマトモに撃ってくれない。オマケに対空機銃もゼロと使い所に困る。吹雪、白露、朝潮、陽炎がこのタイプで、白露は「はくろ」と読みが間違えられている。
  • 甲型は攻撃性能を強化したタイプで、対空機銃も完備、各武装も1割増しの攻撃補正がある。速度は駆逐艦の中ではビリだが、艦隊を組む分には問題ない。艦名は夕雲、潮、朧、峯風。
  • 乙型はミサイル攻撃特化型で、対空機銃はないが迎撃性能は高い。綾波、敷波、ハックルベリー、フレッチャーがこのタイプ。
:丙型は巡航速度強化のために武装を減らしており攻撃補正値も1割減となっている。特に雷装はほぼなきに等しい。対空機銃の射界は甲型よりも広めになっている。そのため、対空ユニットとしてみるなら甲型よりも有用である。バトラー、キャラハン、モホーク、ズールーがこのタイプ。
ズールーは第七艦隊に所属しており、救援ミッションでは大抵その軽装甲と陣形外側に位置することから真っ先に落伍する。

  • パトロール艦級
ゲーム版「さらば」のカイパーベルトで登場したうずしおと同型の艦。
うずしお同様に砲撃能力があるのみで防御力も低めだが、レーダー範囲が広いのが特徴。
砲撃に関しては2割減の攻撃補正があり、威力だけ見れば駆逐艦未満という悲惨さだが、前方に5基あるため手数は豊富。
なお本作の援軍にうずしおは登場しないが、ある人物が乗っていた船としてストーリー上に名前が出てくる。

  • 主力戦艦改級攻撃空母
名前の通り主力戦艦の設計を基にした地球側の空母。
原作では主力戦艦の後部を格納庫にしたやっつけ感漂う非常に簡素なデザインだったが、このシリーズではキエフ級航空母艦を彷彿とさせるアングルドデッキが採用されており、PS版出身の艦の中では屈指の人気を誇る。
主砲2機が前方、副砲が後方を指向しているのに加え対空火器があり、艦によっては波動砲も使えるが、ものすごい鈍足のため艦隊行動に支障をきたすというデメリットがある。
収束波動砲を搭載したタイプは「天城」「葛城」、非搭載タイプは「大鳳」「ラングレー」「イラストリアス」である。

  • 自動超弩級戦艦級
  • 自動重駆逐艦級
「永遠に」に登場した無人戦艦のゲームオリジナル版。超弩級戦艦の方はアニメの方に原型となった艦があるが重駆逐艦の方は完全オリジナル。
超弩級戦艦級は主力戦艦よりHPが少し低い代わりに防御力が高めで各武装にも+10%の攻撃力補正値がある。収束波動砲や拡散波動砲も備えている。また、艦底部にも主砲を持つため死角が無く、前方への火力投射能力も高い。

重駆逐艦級は地球艦艇には他にないピンクと紫の派手な色が特徴。能力としては防衛軍のミサイル駆逐艦の攻撃力と防御力を上げた高速艦。

能力高めな自動艦2種だが、完全自律行動ができないため旗艦に設定できないという欠点がある。
そのため旗艦側の有人艦が全滅するとHPが残っていても行動不能になり一緒に脱落してしまう。また有人高速艦が少ないため重駆逐艦級の高速航行能力は腐りがち。
なお、ゆきかぜ改は無人艦でも旗艦に設定できるので、ゆきかぜ旗艦の部隊に組み込めば完全無人艦隊が作れる。ワンオフ艦とはいえ魔改造したトチローの技術力の高さがうかがえる。
ちなみに自動艦の艦名は「ファルシオン」や「メイス」といった武器の名前から取られている。

  • 彗星帝国鹵獲艦
白色彗星帝国のミサイル艦、駆逐艦、高速中型空母を鹵獲、地球防衛軍仕様のカラーリングに塗り直した艦。艦名は「ホワイト〇〇〇〇」の後にローマ数字が付く。
このうちミサイル艦は破滅ミサイルがなくなり、主砲と副砲を多数搭載した別物に変貌。駆逐艦と高速中型空母は元の艦とそれほど大きくは変わっていない。
駆逐艦は数少ない有人高速艦。攻撃性能は低めながら対空能力もあるため一通りのことができる。また防衛軍駆逐艦と違い旋回性能も無人駆逐艦と同等のため、運良く入手できれば無人駆逐艦を率いる旗艦にしてもよい。
高速中型空母は空母としては速い中速航行能力が特徴。攻撃能力は低いが全方位に対空性能があるため防空用として戦艦の艦隊に組み込んでもいいだろう。

  • コスモタイガーII/ミサイル爆撃機
基本的にはヤマト航空隊の機体だが、空母が援軍に入った際には空母ごとに決められた種類が追加される艦載機ユニット。
ヤマト所属のコスモタイガーⅡは山本・坂本・椎名、回想限定で加藤隊が存在。このうち山本隊は黄色いテールが特徴。隊長機は随伴機より防御力やHPが高め。
追加されるコスモタイガーIIはゲーム版「さらば」に登場したものと同様に茶色の機体。能力はヤマトのコスモタイガーIIから防御力を大きく下げた形。
ミサイル爆撃機はコスモタイガーと違って機銃がない代わりに、アイテムのミサイルポッドを使用せずともミサイル攻撃が可能。こちらも茶色のコスモタイガー同様防御力は低い。
なお正式名称は「弍式艦上中距離爆撃機」。

地球防衛軍の空母は低速のため艦隊運用に難があるため、アイテム開発のポイントのために解体して艦載機だけ残すのも手。
ただし空母は貴重な対空攻撃能力持ちの艦でもあり、ストーリー後半になると敵の雷撃や艦載機攻撃も激しくなるため低速に目をつぶってでも運用したくなる場面はある。

  • 輸送艦
本作屈指のハズレ枠。
評価Aでしか来ない上に武装は対空機銃のみ、巡航性能も防御力も最低クラスというもの。
一応配置するだけで結構なボーナスが入るとはいえ、ガッカリもいいところである。

ガミラス帝国

  • デスラー・ガミラシア
いわゆるデスラー戦闘空母。
本作では終始甲板を砲戦形態に固定している。そのため艦載機運用はできないが砲戦力ではヤマトより上。
伝家の宝刀デスラー砲ももちろん搭載されており、甲板が中央から割れて出現する。

  • カンプルードⅢ
艦隊旗艦級戦艦(いわゆるシュルツ艦)でありタランの専用艦。
ガミラス軍ではすでに旧式に当たるはずだが特別なチューンアップが施されているのか、広大なレーダー範囲と豊富な武装による高い砲戦能力に防空火力も誇る万能艦。

  • カンプルードⅣ/シュルツⅣ
ランクC以下で入手できる艦隊旗艦級戦艦。モブ艦であるため兵装数が六基に抑えられているため、対空機銃は外され、大口径主砲二基、副砲二基、平行ミサイル二基となっている。艦底部の主砲、両舷の副砲は使用できない。
速度、旋回性能、攻撃補正値はドメラーズⅢ世級にも劣るなど文字通りロートル艦のイメージである。

  • ハーゲル
デストロイヤー級を横に二隻繋いだ双胴工作艦。
マイクロブラックホールの元となる超質量物質を捕獲するための特殊用途艦であるが、そのために強固な装甲を持つ。
加えて主砲を五基搭載のため、砲撃戦では他のガミラス艦に引けを取らない。

  • ドーラ/ガーラ
改G一等戦闘艦ドメラーズⅢ世級に属する大型戦艦。
あらゆる面でガミラス最強の艦とされているが、防御力はデストロイヤー級と同値、耐久力はデスラー・ガミラシアとデストロイヤー級の中間値で艦隊旗艦級戦艦と比べて見劣りしている。
艦速、旋回性能もカンプルードⅢより1ランク下(それでも他の旗艦級戦艦のカンプルードⅣやシュルツⅣよりも速いが)、索敵能力は全ての旗艦級戦艦に劣っている。
兵装は三基の大口径主砲を前方二基、後方一基に振り分けて装備、上方迎撃ミサイル一基、下方迎撃ミサイル 二基を装備し、各兵装1割増しの攻撃補正が入っているが、モブ艦扱いで兵装数が六基に抑えられているため、最強艦といった感はない。
何より大きな問題は、ゲームシステムのバグなのか前方に装備されている主砲があろうことか後方目標を攻撃してしまうため、前方投射火力がミサイルのみとなってしまうことである。
ステージ2でランクA(ステージ8および10でランクB)で入手できるが、初期の場面、少しでも戦力不足の解消したいときにこれは無いであろう。

  • デストロイヤー艦
ガミラス艦隊のやられ役大多数を占める艦たち。
ゲームに限らずこれまでの作品ではヤマトにひたすら襲いかかっては蹴散らされてきたが、本作ではガミラス艦隊の生き残りとして奮戦させることができる。
駆逐巡洋デストロイヤー艦(D型)、高速巡洋型クルーザー(C型)、ミサイル艦(M型)の三種類が存在。しかもシナリオ中で9隻は必ず加入する。
特に他作品では目立たない高速巡洋型クルーザーはカンプルードⅢ同様に対空火器と砲雷撃を両立した存在のため、ハーゲルやデスラー・ガミラシアの護衛にもってこいである。

暗黒星団帝国

  • プレアデス、ガリアデス
原作から大きくデザインが変更されており、ヤマトと変わらない大きさにまで小さくなった。
しかし偏向バリヤーを搭載しており、こちらの主砲射撃を弾き返してしまう上に波動砲でも決定打にならない。
弱点は実弾攻撃であり、ミサイルでの攻撃を続けるとやがてバリヤー発生装置が壊れて大きく弱体化する。

  • ゴルバ
1作目、2作目でラスボスを務める。
強力な偏向バリヤーと装甲で、主砲やミサイルはおろか波動砲・デスラー砲もまったく通用しない。
主砲はα砲と呼ばれ、友軍が被弾してしまうと撃沈扱いになって戦闘終了後も修理できず二度と使えなくなってしまう鬼仕様。
もちろんヤマトやデスラー戦闘空母が食らうと即ゲームオーバー。うかつに艦隊を接近させるのは絶対避けるべし。
原作での戦闘ヘリの代わりにテンタクルスという小型戦闘艇を多数射出してくる。

  • グロデーズ
無限β砲を備える暗黒星団帝国の最新鋭戦艦。
防御力1400と冗談のような装甲を誇り、こちらの攻撃が艦砲のクリティカルヒット(タメージが倍となる)以外一切通用しない。
無限β砲以外には魚雷と下方迎撃ミサイルおよび4基の対空機銃と艦自体の兵装は軽装であるが、攻撃補正値は5倍となっており、攻撃兵装が雷装2基のみとはいえその打撃力は決して油断できるものではない。

白色彗星帝国

  • メダルーサ
回想編で戦う白色彗星帝国のバルゼー艦隊旗艦。
超チート兵器の火炎直撃砲はゲームでも健在で、一定時間ごとに味方が血祭りにあげられていき、アンドロメダがやられればゲームオーバー。
特定のイベントを発生させない限りは一切ダメージを与えられない。各兵装5割増しの攻撃補正値がかかるため、艦自体の攻撃力も侮れない。

【アイテム】

戦闘中に使用できるアイテムをいくつか紹介。

  • 緊急修理ユニットα、β
前作から続投の修理ユニット。艦のHPを回復する
今回は一部隊の全艦に効果がある代わりに前作より回復量が抑えられている(αが20%、βが50%)。多用すると評価が減点されるのも同じ。
また本作はHP以外の武装、装甲、動力炉(火災)はそれぞれ対応する別アイテムで修復する必要がある。(レーダーと機関部にもダメージ設定があるが、この2つは修理不可)

  • 波動砲チャージャー
波動砲及びデスラー砲のチャージ時間を半分にする。チャージ中は他の武装が使えず艦の移動が超低速になるため隙を減らす意味でも有用。
またイスカンダルへの追憶ではデスラー砲3発発射が必須となるミッションがあり、これがあるのとないのとでは効率が段違いになる。

  • 空間照明弾
一時的にレーダー探知範囲を3倍にする。
足の速い艦載機でも使えるが、レーダー範囲の広いパトロール艦やカンプルードⅢで使えば十中八九で戦闘宙域のほぼ全域が見えるようになる。
回想ミッションの白色彗星帝国との土星決戦でも地球艦隊として使用可能になっている。

  • レーダー衛星
使用時のレーダー探知を永続的に映す衛星を設置する。
空間照明弾使用時に使えば広いレーダー探知をそのまま残せるため便利。だが、接敵時の特殊台詞が聞けなくなるためストーリー進行としては味気なくなるかも。

  • 対艦ミサイルポッド/強化ミサイルポッド
コスモタイガーを始めとする戦闘機に一時的に雷撃能力を付与する。これがないと対艦攻撃は始まらない。

  • タキオン阻害チャフ
暗黒星団帝国の逆襲から登場する艦載機専用アイテム。使用すると一時的に敵のレーダーに映らなくなり、攻撃で狙われなくなる。
完全な奇襲が可能になるが、ミサイル迎撃の対空砲火や艦隊狙いのα砲の巻き添えにならないよう注意。

  • 波動カートリッジ弾
暗黒星団帝国の逆襲のラストで真田とトチローが開発し、二重銀河の崩壊からデフォルトで使用できるようになるアイテム。
使用すると一定時間の間強力な艦砲射撃を撃てる。
波動砲非搭載艦の貴重な火力強化アイテムである他、二重銀河の崩壊の一部ミッションでは波動砲の使用に制限がかかるため重宝する。

【余談】

ルーギス役で大塚周夫氏が、古野間役で大塚明夫氏が出演しているが、登場する作品が違うため本編では親子共演の場面はない。
だが2作目の回想ステージであの「土星決戦」が収録されており、こちらではバルゼー提督と土方司令という形で共演が実現している。

スタッフは本作以降ヤマトのゲームを制作する気はないようで、次世代のクリエイターにヤマトゲーを作って欲しいとコメントしている。
ちなみに「ガンパレード・マーチみたいなゲームで」とのこと……無茶言うな。

2199準拠の設定で実現した場合、色んな惑星に寄り道したり、気に入らない奴を航空隊勤務にして謀殺したり、エンジンを爆破したり、雪と山本を二股かけて刺されたり、とりあえず南部を殴ってみたり、各キャラの靴下を集めてみたり、とても自由なゲームになることだろう。


「……あっ!」
「また、あっ! かよ。今度は何だ?」
「追記、修正、お願い、です」

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最終更新:2025年03月23日 18:27

*1 おかげでヤマトはレーダーを損傷して使えなくなってしまい、通信での密な連携が必要となった。

*2 航空機同士の戦いはα星の戦いに続いてこれがわずか2戦目であり、しかも先のα星の戦いは一部隊ずつしか出てこないため数の優位で袋叩きにもできた。レーダーも視界も悪い状況で続々と敵機が出てきて数で上回られる状況は新人にとって恐怖だろう。