森下千恵(仮面ライダー555)

登録日:2022/09/06 Tue 02:54:10
更新日:2025/04/20 Sun 21:48:10
所要時間:約 4 分で読めます






ここからあたしと出会ったんだ…。ラッキーだったね、勇治君。こんないい女と知り合えて。



森下(もりした)千恵(ちえ)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』の登場人物。

演:勝村美香



【概要】

第1話「旅の始まり」と、第2話「ベルトの力」に登場。
本作のもう一人の主人公でもある、木場勇治が生前交際していた女性。
そして同時に、木場の人生を大きく変えてしまった人物でもある……


【本編での動向】

交際記念日1年目の前日、木場と2人で想い出のアルバムを眺めている所から物語は始まる。
木場とは交際してまだ1年しか経っていないのだが、千恵本人曰く「この1年間でケンカは一切なかった」という、まさに理想のカップルだった。

そして交際記念日には、初めてのデートの時と同じく自転車デートを約束して、木場の家を後にする。
だが、その日木場は両親と共に交通事故に巻き込まれてしまい、両親は即死し、自身も極度の昏睡状態に陥ってしまう。
1日も早く木場の回復を祈り、毎日のようにお見舞いに来ていたが、木場は一向に回復せず、千恵も次第に心変わりが生じてしまう。
回復の見込みがないと悟った千恵は見切りをつけ、木場の従兄弟の木場一彰と交際するようになり、見舞いにも全く訪れなくなってしまった。

それから2年後、昏睡状態が続いた末に一度は命を落とした木場だったが、オルフェノクへと覚醒を果たした事で奇跡の蘇生を遂げる。
現在は一彰と交際している彼女にとって、木場はもはや赤の他人。その日の夜、交際記念日の自転車デートに誘いに来た木場に対して気まずい表情を浮かべる千恵。
そして、千恵と一彰は木場に向かって言い放った。


今日は1周年記念日なんかじゃないよ。勇治にとってはそうかもしれない…。でも、あたしにとっては違うんだよ。

木場「何言ってんだよ? ほら、早く乗って」

勇治……。勇治は昔のままかもしれない…。でも、あたしはもう……昔のままのあたしじゃないの……
ごめん……


一彰「こいつはもうお前の彼女じゃない」

一彰「色んな事が変わったんだよ。お前が眠ってる間にな」


そう言うと、自宅から出てきた一彰と共に木場を置いて去っていってしまう。
自宅も家族も恋人も失い、絶望の淵に立たされる木場……

その後、一彰は木場に対して「お前は一度死んだ人間だ。生き返ったお前が悪いんだよ!」と罵倒した結果、逆上してホースオルフェノクとなった木場の手で一度は息の根を止められてしまう。
さらに一度は木場と同様に蘇生した一彰だったが、自宅に戻ってきたと同時に彼女の前で灰化し、今度こそ完全に死亡した。
衝撃的な一彰の死に様に絶叫する千恵だったが、その後捜査に来た添野錠二と沢村の2人に一彰殺しの犯人と疑われて執拗に付きまとわれる羽目に。


ごめんね、勇治。あたし、勇治が眠っている間、本当はずっと勇治の事を想ってたんだ。
……でも、やっぱり寂しくて…。これからはずっとそばにいてね、勇治。私を守って!


心身共に疲弊した千恵は、木場に助けを求めると共に復縁を持ちかけてきた。
木場にとっては願ってもない話であり、これにてハッピーエンド……

というわけにもいかなかった。
またしても添野達が彼女の下を訪れた事で我慢の限界に達してしまい、錯乱状態に陥りながら木場を置いて逃げてしまう。
結局彼らに捕まり、パニックになった彼女は追ってきた木場を見かけた次の瞬間……


……あいつです!!
あの男が犯人です! あたし知ってます! あの男が一彰に嫉妬して、それで……!!


なんと保身のために出まかせで木場を犯人に仕立て上げてしまったのだ*1
直後、再度その場から逃げ出した千恵だったが、人気のない鉄橋の下で沢村から逃れた木場とばったり再会。
しどろもどろになって謝る千恵だが、木場は不敵な笑みを浮かべながらつぶやく。


千恵、君が言ってた通りだ。

俺が眠っていた間に君は変わってしまった……

でもね───実は俺も変わったんだよ。

……何? 勇治、何言ってるの?


そして木場は彼女の眼前でホースオルフェノクに変身。
悲鳴を上げながらその場に崩れ落ちる千恵だったが、逃げる間もなく捕らえられ、そのままホースソードの一撃で心臓を貫かれて殺害された。
それから一度は蘇生し、木場の乗り込んだスマートレディの車を追いかけようとするも、不適合だったために灰化し、完全に死亡した*2

その後のエピソードでは、彼女の実の兄・森下義正が木場の下を訪れるのだが、これによって更なる悲劇を生み出してしまう事に……


【総評】

『555』にはTV本編にて、長田結花の義理の妹とその家族や南雅彦、映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』の水原のような到底褒められたとは言い難い人間が数多く登場するが、千恵もその中の一人と言える。
特に一度捨てた木場とよりを戻すだけならまだしも、事実も知らないのに保身のために出まかせで彼を殺人犯に仕立て上げた行為は許されるものではないだろう。

とはいえ、それ以外の彼女の行動を見てみると彼女のみに落ち度があるとは言い難い。
特に一彰と交際したのも2年という長い月日が経っていたのだから、心変わりが起きてしまうのは当然と言えば当然である。
また、木場が事故に遭ってしばらくは毎日のように見舞いに来ていた事から、彼に対する思いは本当だったため、彼女が本心から裏切ったとはあまり言い切れないであろう。
木場に犯人に仕立て上げた件に関しても、目の前で恋人が殺され刑事に問い詰められて気が動転しており、「木場が彼氏に嫉妬して殺した」と少なからず心当たりがあってもおかしくはない(もっとも、木場の方も「自分は生き返るべきではなかった」とまともな精神状態ではなかったわけだが)。
少なくとも上記に挙げた人間達と比べると、極めて線引きの難しい人物でもある。
ただし、前述の兄・義正が妹殺しの犯人を捜す為に千恵の同級生に聞き込みをしていた際、「妹を美化しているようだが、彼女は派手好きの遊び人であり、恨んでいる人は結構いたのではないか」という悪評を聞かされており*3、少なくとも素行は良くなかった模様。

その後、激情のままに2人を殺した木場の方はというと、罪悪感からオルフェノクの仲間となった結花と海堂直也に「人を殺めるような事はしないでほしい」と懇願している。


【余談】


  • ゲーム『オール仮面ライダー ライダーレボリューション』での仮面ライダーW決め台詞「さあ、お前の罪を数えろ!」に対するホースオルフェノクの受け答えは、「千恵の…事か? あれは…罪ではない。裁きだ!」という千恵の件についてのものとなっている。
    正史ではないゲーム作品とはいえ、同作でWが相対した他の怪人達*4と違って言い淀んでいた事から罪悪感を抱いていた様子だが、それでも自身の行為を正当化しようとする辺りに木場の苦悩が窺える。



千恵、君が言ってた通りだ。

俺が規制されていた間に君は変わってしまった……

でもね───実は俺も追記・修正できるようになったんだよ。


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最終更新:2025年04月20日 21:48

*1 事実ではあるのだが、もちろん千恵はそんな事など全く知らなかった。

*2 この時、木場は彼女に一瞬視線を向けていたが、そのまま去っていってしまった。

*3 妹を溺愛していた義正は、これを受け入れられずに暴走してしまい、アルマジロオルフェノクとして覚醒した力でこの同級生を殺害してしまった。

*4 ハート・ロイミュードは過去の境遇から「人間が罪を全て数えたらこちらも数えてやる」という旨の恨み節、グレムリンは「数えるには時間がかかる」と悪びれることなく言い放ち、白い魔法使い(仮面ライダーワイズマン)と眼魔ウルティマ(アデル)は「ない」と開き直り、ゴルドドライブに至っては「ロイミュードの反乱を許した事」と、そもそも罪を自覚していない。