山南敬助(Fate)

登録日:2022/10/08 Sat 00:10:43
更新日:2024/11/29 Fri 18:24:07
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Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント

【概要】


新選組の総長。局長の近藤、副長の土方に次ぐ地位。
名字の読み方は史実では「やまなみ」なのか「さんなん」なのか正確な記録が残っていないが、
FGOでは「やまなみ」が正しい名前で「サンナン」はあだ名という事になっている。*1
2022年の現代では「もうやめましょう」とも呼ばれている

陸奥国仙台の出身とされるが、詳しい出自や経歴などは残っていないため不明。
小野派一刀流、北辰一刀流を修めた剣客だが、ある時試衛館と他流試合をした際に近藤勇に敗れ、以降は近藤に心服して試衛館の門人として行動を共にするようになったという。

文久三年、近藤らと上洛し、新選組の前身となる壬生浪士組を結成。
芹沢派と近藤派が壬生浪士組を牛耳ると、山南は近藤派として土方と共に副長職に就いた。
この頃、岩城升屋事件で不逞浪士によって利き腕に傷を負わされ、愛刀・赤心沖光も折れてしまったという。

浪士組がその功績を評価され、新たな隊名として新選組を拝命した後、近藤派は芹沢派を粛清して完全に主導権を握り、山南は新たに新選組総長となった。

しかし元治2年2月、山南は置手紙を残して新選組を脱走。
新選組の法度では脱走は切腹のため、追っ手となった沖田に大津で追いつかれ、捕縛された。
何故、山南が脱走したのかについては屯所の移転問題、近藤や土方との確執等、諸説あるがその真意は定かではない。

捕らえられた後は永倉新八から再度の脱走を勧められたがこれを固辞し、切腹を受け入れたという。
享年33歳。

山南と親交が深かった伊東甲子太郎は、彼の死を悼んで歌を詠んだ。


『春風に 吹き誘われて 山桜
散りてぞ人に 惜しまれるかな』

『吹く風に しぼまんよりも 山桜
散りてあとなき 花ぞ勇まし』


【劇中での活躍】



初登場。
なぜか生前に自身も暗殺に関わった芹沢鴨の側に付いており、斎藤と共に主人公たちに協力するふりをして凶つ闇を集めていた。
その理由は、近藤を選んだ自分の判断は正しかったのか、新選組には別の未来があったのではないかという疑問に答えを出すため。
そのために芹沢が目論む国崩しと国興しを見届ける道を選ぶが、仲間たちと助け合い、強大な敵を破った沖田達の姿を見て、自分の間違いを悟る。
どちらかが正しくどちらかが間違っていたのではなく、芹沢を殺したあの時、近藤に「仲間を殺して私たちはどこへ行くのか」と歯向かえなかった自分の臆病さがそもそもの過ちであったのだと。

答えを得た山南は芹沢を説得しようとするが、芹沢は山南を斬り捨て、その血を生贄にクコチヒコを召喚し、なおも悪あがきを続ける。
しかしクコチヒコは卑弥呼によって浄化され、芹沢も土方、沖田、斎藤の三人を相手に戦い致命傷を負う。
そしてクコチヒコが消えたことで山南にも僅かだが霊基が戻り、芹沢を道連れにしようとする。
凶つ闇に自分ごと芹沢を呑み込ませようとする山南だったが、芹沢はそんな山南を闇から弾き出し、自分一人だけが闇と共に消えていった。
そして山南は闇に呑まれる事なく、新選組の仲間たちに看取られ、穏やかに消滅した。


このイベントではNPCで実装はされなかったのだが……






新選組総長、山南敬助、召喚に応じ推参いたしました

非才の身ながら、全身全霊を以てマスターにお仕え致しましょう

何卒、宜しくお願い致します


『ぶっちぎり茶の湯バトル ぐだぐだ新邪馬台国 地獄から帰ってきた男』にて実装。
クラスはセイバー


【データ】

ILLUST:きばどりリュー
CV:平川大輔

プロフィール
身長:169cm
体重:55kg
出典:史実
地域:日本
属性:秩序・善


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
D C C E D D


【スキル】


○クラス別スキル
対魔力:D

騎乗:E

〇保有スキル
武人にして文あり:C
文武両道の山南を評した言葉。
悪く言えば無頼の集まりであった新選組でも、学問に優れ理をわきまえた者として内外から評価されていた。

柳緑花紅:C
柔らかさの中にも理を具えた山南の剣。とある古傷により腕の利きが悪い事がある。

親切者:B
温厚で心優しい性格は壬生の子供たちや女性からも慕われ、新選組の「親切者は山南、松原」という言葉も伝わっている。


【宝具】


『山桜』
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:1~5 最大補足:30人


皆の未来を拓く為に……

水の北 山の南や 春の月――か。さあ、前へ進みたまえ。君の道を……!

山桜 散りて後無き 花ぞ勇まし――征きましょう。此れよりが……新選組の誠の道!


友と集い、友と走り、友を殺し、友から逃げたあの日の山桜。散りゆく己の霊基を削り、自陣にバフをかける強化宝具。
本来であればその霊基を全て投げうつ自裁宝具であるが、過去を受け入れ認める事により対軍宝具へと進化し昇華された。あの日の己との決別。

「――私はもう、逃げない」



新選組には似合わないほどの穏やかな人柄の人物。
しかしその心優しさゆえに隊内の権力争いや粛清の嵐に心をすり減らしていき、ある時、懇意にしていた遊女の明里の何気ない言葉をきっかけに後ろを振り返ってしまい、全てを捨てて逃げ出したのだという。
近藤や沖田は山南を逃がそうとしていたが、土方は山南に切腹を命じ、山南はそれを受け入れて腹を切った。

「文武両道とは言うが、どちらも中途半端なだけ」と本人は語っており、近代の英霊であることも合わさってステータスはあまり高くない。
宝具も沖田や斎藤のような対人魔剣ではなく補助宝具で、彼らのような天才と比べると剣の腕もそこまでではない。生前も試衛館で近藤と出会ったことで自分の非才を思い知らされたらしい。
加えて腕の怪我もそのままの状態で召喚されているため利きが悪くなることがあるらしい。
そういった点や生前に仲間たちを裏切った事もあって自己評価はとても低い。

第一再臨では裏の仕事をしていた頃に着ていた黒装束を纏う。現役の頃は記録に残らないような事も色々とやっていたらしい。
第三再臨では新選組系のサーヴァントお馴染みの浅葱の羽織を着る。

邪馬台国でやらかした事には責任を感じており、卑弥呼や壱与には謝罪している。

好きなものは「子供と遊ぶこと」。
生前はよく寺の境内で沖田と共に子供たちと遊んでいたという。

嫌いなものは「話の通じない輩」。
出来るだけ何事も話し合いたいらしい。

聖杯にかける願いは、以前は邪馬台国でも裏切りの原因となった「あの日の選択をやり直す」というものだが、
自分が選んだ道に納得した今は望みはない様子。

【ゲームユニットとしての性能】


星4期間限定セイバーとして実装。
カード構成はBQQAA。宝具はArtsのサポート型。

保有スキルは

  • 「武人にして文あり」:味方全体の攻撃力アップ(3T)&NP獲得量アップ(3T)+スター獲得
  • 「柳緑花紅」:自身のQuickカード性能アップ(3T)&Artsカード性能アップ(3T)&NP増加
  • 「親切者」:味方全体に回避状態付与(1回・3T)&HP回復&毒・呪い・やけど状態を解除

宝具の『山桜』は味方全体の攻撃力アップ(3T) &NPを少し増やす+自身に毎ターンスター獲得状態付与(3T)+味方全体の〔新選組のサーヴァント〕のクリティカル威力アップ(3T)

基本的にはサポート系で、宝具とスキルで全体火力を上げつつ星を出してクリティカルを狙う、というのが主な使い方となる。
特に新選組に対してはクリティカル威力を上げる効果もあるため、高性能なスター集中度アップやクリティカル威力アップを持つ反面、スター獲得系スキルを持たない構成が多い新選組系のサーヴァント達には強い味方となる。

サポーターとしての運用以外に自分で殴るのもあり。この場合自身のArtsカードを積極的に切り、宝具のバフを重ねていきたい。W山南という編成もわりと実用的。

回避付与や状態異常回復があるのも嬉しい。スキルが親切者なのもあって「親切すぎて呪いまで治す」とか言われたりもする。

【劇中での活躍2】


  • ぶっちぎり茶の湯バトル ぐだぐだ新邪馬台国 地獄から帰ってきた男

復活した山南はまたしても敵側についており、カルデアと敵対する。
しかし実は壱与と協力して敵陣営の調査を行っており、土壇場で敵側を裏切り、カルデアに付く算段を立てる。
と見せかけてカルデアを裏切り、主人公たちを捕らえて敵側に引き渡す、という裏切りに次ぐ裏切りをかます。
ちなみに沖田には「山南さんは邪馬台国で死んだから偽物」と話も聞かずに切りかかられ、無明三段突きで腕を吹き飛ばされる羽目になった。

そんな裏切りをした理由は、生前に未練を残した魂が集まる特異点に迷い込んだ明里の魂を石田三成に人質に取られたため。
そのため、裏切りの傍ら、新選組の面々にはかつての符牒を使って真意を伝えており、沖田が明里を救い出すと共に三成に反旗を翻す。

その後はカルデアと共に黒幕であった利休や祖の獣に立ち向かい、祖の獣が倒されたことで解放された明里の魂を見送った。
本当なら明里と共に消えることもできたが、「もう逃げない」と決めた山南はまだ世界に残り、戦う道を選んだのだった。

帰還後はぐだぐだ勢の一員となって新選組の仲間たちと仲良くやっている様子。

【余談】

  • 山南構文

「もうやめましょう○○さん……✕✕なんて土台無理な話だったんだ。私も一緒に地獄に行きますから……」

『ぐだぐだ邪馬台国2020』にて登場した際、台詞改変ネタとしてこの構文が流行った。
しかし実際は「もうやめましょう、我々の負けだ…」と芹沢を諭すシーンはあったものの、山南はこんなことは言っていない。うろ覚えで何となく広まっていったものと思われる。
ちなみに皆うろ覚えで使うため、最後の部分が「私が代わりに△△しますから…」になるなどの派生パターンも生まれている。人理修復も人類悪 顕現も妖精国の統治もなんでもできる山南さん

公式でもこの構文は認識しているのか、くろひーが夏イベで「もうやめましょうなぎこさん……拙者が代わりに脱ぎますから……」とネタにしていたり、
実装された山南の勝利台詞に「もうやめましょう。これ以上の争いは無益です」というものがあったりする。



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最終更新:2024年11月29日 18:24

*1 一応、「三男」と誤字られた記録が見つかっていることから、「さんなん」説のほうが有力ではあるらしい