ジャガーロード(超越生命体)

登録日:2011/07/12(火) 20:20:25
更新日:2025/03/03 Mon 19:21:50
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ア・ギ・ト……。


【ジャガーロード(Jaguar Lord)】

「ジャガーロード」は『仮面ライダーアギト』の登場怪人。
ヒョウに似た「超越生命体」こと「アンノウン」で、同作における記念すべき第1号怪人。
平成ライダーシリーズ第1作でもある前作『仮面ライダークウガ』の第1号怪人ズ・グムン・バが『仮面ライダー』の第1号怪人である蜘蛛男を意識しているのに対して、ジャガーロードは昭和第2作『仮面ライダーV3』の第1号怪人であるハサミジャガーを意識している。
物語には2度登場しており、第1話・第2話に登場したグループと、第20話・第21話に登場したグループの2つに分けて紹介する。

種族に共通した能力としては、高い運動能力と獰猛さが挙げられる。

ちなみに、勘違いされがちだが、ジャガーはヒョウに近縁の動物であって、ヒョウと同一の動物ではない。


【第1・2話の個体の解説】

パンテラス・ルテウス

種族:超越生命体(使徒)
個体名:Pantheras Luteus(黄色い豹)
通称:ジャガーロード
身長:203cm
体重:150kg
能力:時速300kmで走る
殺害方法:人間を樹の洞に押し込む
CV:山野井仁

豹に似た超越生命体。
黄色い表皮赤いスカーフを首に巻いた姿が特徴。
色がまんまハサミジャガー。
武器は特に無い。
佐伯親子を樹の洞に押し込んで殺害した。

●劇中の行動

・第1話
かつての未確認生命体の再来ともいえる連続殺人事件を追う未確認生命体特捜班SAULの氷川誠警部補は、息子と夫を殺されて一人遺された母親・佐伯安江に協力を依頼。
だが安江は、パンテラス・ルテウスに襲われ樹の洞の中に押し込められて殺害されてしまう。
そして、その犯人と思しき異形(パンテラス・ルテウス)の姿を捉えた氷川は発砲するが、攻撃は効かない。
G3ユニットの出動を要請した氷川はG3を装着して立ち向かうも、所持する武器ではダメージを与えられず、逆に動けなくなるほどの損傷を受けてしまう。
絶体絶命かと思われたその時、謎の戦士が現れる。
かつての4号にも似た戦士は、G3では太刀打ちできなかった異形の怪人を一蹴。
地面に顎にも似た紋章を浮かばせた後、跳躍して蹴り(ライダーキック)を繰り出す。
戦士の一撃を受けた後、怪人は頭上に天使の輪にも似た光の渦が浮かばせ、苦悶の末に爆炎に包まれるのだった……。


パンテラス・トリスティス

種族:超越生命体(使徒)
個体名:Pantheras Tristis(暗色の豹)
通称:ジャガーロード黒
身長:205cm
体重:155kg
専用武器:貪欲の
能力:槍による攻撃
殺害方法:人間を樹の洞に押し込む。
CV:山野井仁

黒豹型の超越生命体。
黒い表皮黄色いスカーフを首に巻いた姿が特徴。
頭上に光の渦を生成することで槍を召喚し、相手の息の根を止める。


パンテラス・アルビュス

種族:超越生命体(使徒)
個体名:Pantheras Albus(白い豹)
通称:ジャガーロード白
身長:200cm
体重:148kg
専用武器:傲慢の
能力:暗闇を見通せる眼、遠距離攻撃
CV:山野井仁

雪豹型*1の超越生命体。
白い表皮青いスカーフを首に巻いた姿が特徴。
弓矢による遠距離戦が得意だが、接近戦は他の同族に一歩劣る。


●劇中の行動

・第1話
ルテウスの消滅時に陰から様子を窺っていた。
ルテウスを倒した戦士を見て「ア・ギ・ト……」との言葉を発したのはトリスティス。

・第2話
この回で主題となるのは未確認生命体に替わる新たなる脅威アンノウンの謎と、事件を追う氷川。
混乱する人間たちを後目に暗躍する2体は、三雲咲子の研究室に忍び込み運び込まれていたオーパーツの解放を早めていく。
一方、氷川が裏付けを行っていた佐伯家殺害事件と同様の事件で妹・美奈子を殺害された女子高生・辻口恵美子の身辺警護に当たっていた北條と河野の前に、トリスティスとアルビュスが出現する。
G3を身に付けた氷川が救出に現れるも、やはり能力の差は如何ともし難く追い詰められてしまうが、間一髪敵の気配を察知した津上翔一が無意識に謎の戦士アギトに変身。2体に立ち向かう。
トリスティスの槍に対し、アギトはストームフォームに変身。
G3はGS-03を振るいアルビュスに立ち向かうが、弓矢で射抜かれGS-01&GG-02に換装。グレネード弾で大打撃を与える。
ストームハルバートを振るい、ハルバードスピンでトリスティスを撃破したアギトは、グランドフォームに戻りアルビュスをライダーキックで撃破する。
だが戦いを終えた瞬間、アギトはG3に拳を向ける……。



●関連人物

SAULの刑事で、G3システムの装着員。
異形の出現に、遂に実戦に臨む。

対未確認生命体用特殊教化装甲服、通称G3システムの産みの親。

記憶喪失の青年。
アンノウンの出現に反応、自身に眠る力に導かれるままアギトに変身し立ち向かう。

  • 尾室隆弘
G3ユニットの一員だが空気。以後の項目でも割愛される。


【第20・21話の個体の解説】

パンテラス・マギストラ

種族:超越生命体(使徒)
個体名:Pantheras Magistra(女指導者の豹)
通称:クイーンジャガーロード
身長:200cm
体重:149kg
専用武器:神託の杖
能力:ジャガーロードへの指揮能力
CV:西川宏美

豹型超越生命体の長。
黒い体表に古代エジプトの王妃ネフェルティティにも似た金の装飾が特徴。
首にはヒョウ柄のマントを纏っており、杖で配下のジャガーロードを使役・命令する。
死に方が秀逸。


パンテラス・キュアネウス

種族:超越生命体(使徒)
個体名:Pantheras Cyaneus(青い豹)
通称:ジャガーロード青
身長:207cm
体重:157kg
専用武器:強欲の剣
能力:剣術
CV:宗矢樹頼

マギストラに従う冷徹なジャガーロードで、青い肌白いスカーフが特徴。


パンテラス・ルべオー

種族:超越生命体(使徒)
個体名:Pantheras Rubeo(赤い豹)
通称:ジャガーロード赤
身長:205cm
体重:152kg
専用武器:憤怒の剣
能力:爪と牙による攻撃、剣術
CV:宗矢樹頼

マギストラに従う苛烈な性格のジャガーロード。
紅い肌黒いスカーフ、そして二刀流による荒々しい戦法が特徴。

キュアネウスとルべオーは、マギストラの護衛たる特殊な存在で、当然ながらこのような体色の豹(あるいは他の猫科の生物)は存在しない。(これについては後述)
ちなみに元ネタのハサミジャガーの体色は朱やオレンジに近いので、後から登場したジャガーロードではルべオーが一番近い。


●劇中での行動

マギストラ組は第20話・第21話にて登場するが、人間側のドラマがエラいことになっているので、正直影が薄い。
取り敢えず彼らが狙ったターゲットは榊亜紀
想いを寄せていた葦原涼を殺害した(と思い込み)北條率いるアギト捕獲部隊を、沢木哲也により覚醒された超能力で次々に血祭りにあげていった。
本作のアンノウンによる不可能殺人は、前作での未確認生命体ことグロンギ族による殺害行為に対する批判から生まれた描写のはずだったが、果たして普通の殺人行為は良かったのだろうか……。

キュアネウスは第20話で、アギトのフレイムセイバーで倒されているが、ラストでマギストラ&ルベオーが奇襲をかけている。

この後、涼のために殺人を繰り返していた亜紀は、捨て台詞を吐き捨てていた相手である翔一とともに実は生きていた涼と再会するも、亜紀は涼の言葉に耳を貸さずに飛び出して行き、ルべオーに襲われてしまう。
そこに涼が助けに入り、亜紀を救うべくギルスに変身。ギルスフィーラーでルベオーを迎え撃ち、ギルスヒールクロウで撃破する。
だが、逃げた亜紀の前にはマギストラが出現。翔一が駆けつけるも、間に合わずに亜紀は首を折られて殺害されてしまう。
怒りに燃える翔一はアギトに変身、マギストラをライダーキックで倒すも、息絶えた亜紀を見て言葉を失うのだった。

だが運悪く、その場を目の当たりにした涼は、亜紀を抱えるアギトの姿を見て「アギトが亜紀を殺した」と思い込み、怒りと嘆きの雄叫びとともにギルスに再変身。意気消沈したアギトに猛然と襲い掛かっていく。

一方、アギトとギルスの争いの報告を受けた氷川はG3システムを纏い出動。第22話冒頭の大乱戦に巻き込まれていく……。

ついに一同に会することとなったアギト、G3、ギルス。
果たして、3人の仮面ライダーの運命はいかなる未来を迎えるのだろうか……?



●関連人物

  • 津上翔一
既に仮面ライダーである男。
アギトに変身する主人公だが、上記エピソードでは空気気味。

仮面ライダーになろうとする男。
以前は香川県警の巡査だったが、あかつき号事件での功績により警視庁に迎え入れられた。
パイロットエピソードでの事実上の主役。

仮面ライダーになってしまった男。
ギルスに変身する青年にして、本作の不幸要員。
他者との接近→別れを繰り返す人。
ギルス初変身回の片平真由美といい後述する亜紀といい、彼を不幸にするために登場してくるだけのヒロインが非常に多い。
……ていうか、何なんだ?この昼ドラ的展開は。

ある目的のために美杉家に潜り込み、翔一に接近してきた美女。悪女属性だったが、涼との出会いに希望を見出すも皮肉にもそれがさらなる悲劇を巻き起こしていく。
実はあかつき号事件の関係者。
彼女の死はある意味、自業自得とも言えるのが哀しいところ。
何気に北條を手巻き寿司の刑にした挙句、後に手巻き寿司にトラウマを与えてしまった張本人でもある。

  • 沢木哲也
黒い服の青年から授けられた力で亜紀を目覚めさせる。
その結果、亜紀は暴走。アギト捕獲部隊を片っ端から血祭りにあげていった。
今回の悲劇はだいたい彼のせい。


【余談】

デザインは出渕裕が担当。
第1・2話の個体はそれぞれ普通のヒョウ(ルテウス)、クロヒョウ(トリスティス)、ユキヒョウ(アルビュス)がモチーフとなっている。
ジャガーは中南米に生息する動物アステカでは「獣の神」として崇められていることや、アステカ神話のテスカポリもジャガーがシンボルであることから、ルテウスはそのイメージを取り入れている。
パンサー(クロヒョウ)がアフリカの動物であることからトリスティスはマサイチックなオレンジのケープを巻いてアフリカの戦士風にまとめている。
後から2体追加で出るという依頼が来た時は、種類ではなく色の対比で赤いヒョウ(ルべオー)と青いヒョウ(キュアネウス)という形で対処している。
マギストラはクロヒョウをモチーフにしつつ、身体の中央にセパレートされた褐色の肌が実際の身体というイメージで意図的に色っぽく仕上げている。
マントにはヒョウ柄をあしらって『ヒョウの女王』というアピールポイントとしている。
衣装・装飾はエジプト要素として、エジプト神話の女神・パステトの像を額に付け、クレオパトラのイメージもいれている。
カラーリングも白や金に青を入れてエジプシャン風に仕上げている。*2


【今回の教訓】

“平和を願うなら戦いに備えよ……予想が甘くても”

“人を呪わば穴二つ”







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最終更新:2025年03月03日 19:21

*1 『アギト』より後、ユキヒョウはヒョウよりもトラに近い動物であることが判明した。

*2 ホビージャパン『平成仮面ライダー怪人デザイン大鑑 完全超悪』P138より