センチネルプライム(TFアニメイテッド)

登録日:2022/12/17 Sat 23:12:24
更新日:2025/03/17 Mon 14:19:23
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人間は止まればいい。でも俺は急いでんだよ。



この項目では、『トランスフォーマー アニメイテッド』に登場する「センチネルプライム」について解説する。



概要

本作に登場するオートボットの一員。組織の上位に位置するエリートガードのメンバーで、肩書きは「副官」。
地球では大型除雪車に変形。除雪用のデカいブレードが常設されているので、公道だとまあ目立つ目立つ。
カートゥーン調のデザインが特徴的なアニメイテッドでも特に大きな、丸みをおびて前方に突き出した顎の持ち主。
かつてはオプティマスの友人の一人だったのだが、エリータ1を失った事件以降は険悪な関係となっており、顔を会わせると諍いが絶えない。
教職者でもあり、かつてはバンブルビーらの教官だった。

槍「エナジーランス」と盾「スカイブームシールド」を装備しているが、戦闘能力自体は高いものの、あまり全線に赴かない立場のためか、単独で先行した結果猫にビビるなど経験不足が目立つ。

国内では混乱を避けるからか、プライムを除いた「センチネル」の名称で呼ばれることが多い*1
なお、「センチネルプライム」という名前は『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』にわずかに登場したコンボイ以前の司令官の一人が元ネタ。

玩具はデラックスクラスで発売された。前後両方のタイヤが肩に来るなど、面白い変形をする。

性格

一人称は「俺」
かつてはオプティマスとエリータを逃がすために自ら巨大蜘蛛の攻撃を引き受ける勇敢さの持ち主だったが、エリータを失ったせいでひねくれてしまったのか、現在では悪い意味でエリートらしい性格となっている。
非常に高慢で出世欲が強く、立場が悪くなると保身に走る。そのためなら普段はいがみあうオプティマスを頼ったり、ロックダウンを雇ったりとあまり手段を選ばない。
口も悪く、開けば嫌味が真っ先に出てくることがほとんどで、既に故人であるヨケトロンについて問われた際は、弟子であるプロールとジャズの前でニヤつきながら「あんな老いぼれ、生きてるのか?」と返したほど*2
おまけにエリータの捜索を認めてもらえなかったからなのかウルトラマグナスに対しても反感を持っており、クリフジャンパーに愚痴をこぼしていた。

エリータの事件が原因で、他のトランスフォーマーよりも有機生命体への嫌悪が強い。地球の人間のことも見下していて、当初は地球の交通ルールを守ろうとしなかった。当たり前だが事故った。

終盤ではオプティマスとの和解に成功。更にウルトラマグナスがショックウェーブの闇討ちにあい倒れたため、オートボットのトップの代理を任された。
…のだが、やる気が空回りしてしまったのか、「サイバトロン星にディセプティコンのスパイが潜伏している」「総司令官ウルトラマグナスが瀕死の重体である」という事実を大々的に報道して市民に警戒を呼び掛けた。
幸いなことにオートボットの市民は平穏に暮らしていたが、パニック状態になったらどうするつもりだったのだろうか…。

…とまあ、全編に渡って問題点が目立つセンチネルだが、擁護点がまったく無いわけではない。助けてくれたオプティマスにはちゃんと面と向かって「ありがとう」と礼を述べたし、ロックダウンにもしっかり報酬を払うつもりだった。
教え子たちは冤罪で捕まったワスプを除き全員確かな実力、もしくは一定の地位を獲得するに至っているので教育者としても悪くない。
同僚のジャズや愚痴を聞いてもらっていたクリフジャンパーはセンチネルを嫌悪している様子は無く、生まれたばかりのジェットツインズを任されたり、ウルトラマグナスの代理になったりとエリートガード内での人望はとても厚い。
嫌味に関しても正論を交えていることがあり、無茶をしているのはオプティマスたちもお互い様である。
これらのことから、彼に対して親しみを持つ視聴者も少なくない。
また、日本語版ではOP前や次回予告などのフリートークで爽やかに視聴者に語りかけたり、オプティマスやジャズと微笑ましいやりとりをしたりと、だいぶ態度が軟化している。


対人関係

  • オプティマスプライム
元友人その1。エリータの一件以降、嫌悪な関係になってしまい、彼とその仲間たちを見下す発言が多い。
オプティマスの方も、非情な決断を下したのは自分の方であるため、センチネルに対してそこまで強い意見を言うことはできず、「あいつは素直になれないだけでいいやつだよ」とフォローすることも。ふわふわとしているが、実際にその通りだから仕方ない。
だが不満がまったく無いわけではなく、センチネルがヘッドマスターにより頭だけにされた時は、それはそれは素晴らしいほどに爆笑した*3

  • ブラックアラクニア
元友人その2。エリータの成れの果てである蜘蛛ねーちゃん。
最初は再会した彼女に対して言い訳を述べてしまうが、その後「昔と同じだな…」と自嘲する程度には罪悪感を持っている。

  • ジャズ
同僚のサイバーニンジャ。
センチネルとはそこそこ付き合いがあると思われるが、彼に対して嫌悪感を抱いている様子は無く、むしろセンチネルの発言を鵜呑みにするなど信頼している模様。
*4

  • バンブルビー
教え子その1にして真面目に訓練を受けようとしなかった問題児。
最初は連帯責任で教え子全員に罰を与えていたセンチネルだったが、それでもバンブルビーが態度を改めなかったのでバンブルビー個人に罰を与える方向にシフトした。
そのためバンブルビーからは嫌悪感を抱かれているが、これに関してはバンブルビーが悪い。

教え子その2。どんくさいので手を焼いていたが、それでもバンブルビーよりはマシな評価を下していた。

  • ワスプ
教え子その3。最初は彼の射撃能力の高さを見て「よく来てくれたな」と歓迎し、新人として期待していた。
ワスプが冤罪と知ってもなお「危険な逃亡犯」として追いかけ回したセンチネルだが、教官として自分の手で決着をつけたかったのかも知れない。
*5

  • ショックウェーブ
教え子その4であるロングアームの正体。
ディセプティコンのスパイだが、本編ではオートボットの情報部長官に就任、センチネルより地位が上になってしまった。

  • アーマーハイド
教え子その5。他4人と比べて出番は少ないが、チーム・ロディマスの一員としてスペースブリッジ防衛の任についているあたり、センチネルの訓練は役に立っている模様。

  • クリフジャンパー
本作では情報部の職員という扱いの血祭り。ウルトラマグナスに関する愚痴を聞いてもらっていた。
本作のクリフジャンパーは出番こそ少ないものの、短気という設定は相変わらずで、にもかかわらず愚痴をこぼすセンチネルに対して嫌な顔一つしていないので仲は悪くないと思われる。

  • ラチェット
  • オメガスプリーム
グレート・ウォーにおけるオートボットの決戦兵器とその保護者。メガトロンの手に落ちたオメガスプリームの処遇を巡ってラチェットと対立することになる。

  • ジェットファイヤー
  • ジェットストーム
スタースクリームを解析したことで誕生した、飛行能力を持つ双子のオートボット。
センチネルの忠実な部下だが、日本語版では、
「センチネルが逆立ち?」
「逆さから読んだらルネチンセ」
「センチネルだっ!」
と、イボンコの再来が起きた。

  • ウルトラマグナス
オートボットの総司令官。普段は彼に対して忠実に行動するが、内心では反感を抱いている。
ただし、愚痴をこぼした際に「すごいロボット」とも口にしており、敬意もしっかり持っていることがうかがえる。

  • ロックダウン
ダーティーでダンディな賞金稼ぎ。地球に潜伏しているディセプティコンを捕えるために彼を雇った。
が、ロックダウンはよりよい報酬を提示したラムジェット(※嘘つき)に鞍替えしてしまい、逆にセンチネルがピンチに陥ることに。

  • ヘンリー・マスターソン
ヘッドマスターを開発した悪の科学者。彼に実験体に選ばれてしまい、頭だけにされて体を奪われてしまう。


余談

上記の性格から視聴者からの評価はあまり芳しくないセンチネルだが、後に実写映画に登場した同名キャラ、そしてその実写版より後に公開されたこの作品での彼が彼と比べるのもおこがましい程に問題のある人物であったため、相対的に株が上がった。というか、アメコミ版も差別主義者だし、この名前は(描写がほとんどないG1を除き)呪われているのではなかろうか…

日本語版OPでのマスク装着シーンは、歌詞とのマッチ具合もあり非常にカッコいい。

没になってしまった第4シーズンでは、ウルトラマグナスが死亡してしまい、センチネルが新たな総司令官に就任する予定だったという。
このことから察するに、センチネルが本格的な成長を見せるのは第4シーズンになってからだったのかも知れない。



あーオプティマス、実はおまえに言いことがある。

…追記・修正してくれて、ありがとう。

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最終更新:2025年03月17日 14:19

*1 教官時代は「センチネルマイナー」、キャンセルされたシーズン4では「センチネルマグナス」と呼ばれており名前が変わることが問題視されたと思われる。これは玩具ではマイナー、本編ではプライムと混乱していたロディマスも同様。

*2 ただしヨケトロンはプロトフォームの防衛に失敗しそれを大量に盗まれるという大失態を犯しており、センチネルにこう言われてしまうのは仕方ない面もある。弟子二人も承知の上だったのか、センチネルの暴言はスルーしている。

*3 該当シーンは日本語版ではカットされた。

*4 ただし、最終的にはセンチネルと意見の違いで事実上決別し、オプティマスの陣営に入る。しかし、ワスプの件では空気同然だったし、最終回でクローンラグナッツに歯が立たないに続き、プロールと念じてオールスパークは集めどプロールの自爆行為を力ずくで止められなかったりと、身分と戦闘力に対し空回りポジで終わってしまっている。

*5 しかし、最後まで冤罪で彼の運命を変えてしまったことに対して謝罪と反省の描写はない。オプティマスの話に耳を傾けず、冤罪かどうか調べたりもせず、冤罪と確定した後もアフターケアは無し。エリートガードの未来の戦力を結果的にディセプティコン側に渡したことになってしまった。