熱膨張って知ってるか?(ねぼし)

登録日:2012/05/29(火) 20:12:34
更新日:2020/01/18 Sat 23:39:29
所要時間:約 8 分で読めます




『熱膨張って知ってるか?』とはとある魔術の禁書目録の17巻にて主人公の上条当麻が放ったあるセリフ。
そして本作の中でも有名な『迷シーン』の一つである。

『そげぶ』や『やこど』等と同じように『ねぼし』と略して使われる事もある。


【概要】
とある事件の調査の為にイギリスの『必要悪の教会(ネセサリウス)』からお呼びがかかったインデックスさんとその保護者である上条さん。

日本からイギリスに向かう為に飛行機に乗る一向だが、ひょんな事からこの飛行機にハイジャック犯が潜んでいる事が判明。

ハイジャック犯を捕まえるために奮闘する上条さん。
そしてなんやかんやあってついにハイジャック犯の居場所を特定する事に成功。

しかし相手は拳銃を持っており、武器も何も無い上条さんには分が悪い。
上条さんお得意の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』も拳銃には無力なのだ。

そんな相手に対し上条さんはとある秘策を思い付く。

『熱膨張って知ってるか?』

なんと上条さんは部屋の通気口からホテルに備え付けてあった熱々の紅茶を不意討ちで浴びせかけハイジャック犯は拳銃を取り落とす。

さらに、拳銃をバケツ一杯分の沸騰したコーヒー溜まりに叩き込む上条さん。

しかしそれでも戦意を失わないハイジャック犯、もみ合いの末熱が伝わりアツアツの拳銃を取り戻され上条さんピンチ!

…だが銃から弾は発射されない。
何故?と思ったところで上条さん




『熱膨張って知ってるか?』

上条さん曰く
『物体は加熱すると体積を変える!銃のパーツだって似たようなモンだ!熱湯の中に浸け込んでりゃ、細かいパーツの一つや二つは歪んじまうだろ!!』

つまり、上条さんは銃の精密さを利用して、コーヒーの熱でパーツを歪ませ誤作動を起こさせる事で拳銃を封じたのだ。

これにより形勢逆転、アンチスキル戦でも発揮された非能力持ちに対しての、上条さんの頭脳プレーによる大勝利なのであった。
(この後もう一悶着あったがねぼしとは関係無いので省略)




さて、このシーンには明らかにおかしいところがある。

それは
火薬を扱う銃が熱湯浴びただけで動かなくなる訳ねーだろ
という点である。
銃の火薬は物によっては800℃近くもの高温を発する事もあり、熱湯程度の熱で動かなくなるのは不良品どころの騒ぎではない。
なおこの『火薬を扱う銃が熱湯浴びただけで動かなくなる訳ねーだろ』という点については原作でもモチロン触れられているので、これについて「作者は知らなかったのか」という指摘をするのは、未読であるにもかかわらず意気揚々と批判していることを晒すハメになってしまう。


さらに、そこまで熱いなら拳銃を撃つ前に気付く

二度も繰り返し強調する発言

と、多々あるツッコミ所から『熱膨張って知ってるか?』は禁書屈指のトンデモ理論として有名になり、様々な場所でネタとなっている。


しかしとある賢人達の研究ではこの現象、『運が良ければ起こりうる』可能性があるらしい。

実際作中でも『こんな事が本当にできるかどうか賭けに近かった』と明記されている。

つまりこのシーンの真に注目すべきところは『熱膨張を利用したところ』ではなく、
自称する程の不幸キャラのはずの上条さんの運の良さ』と言えるのかもしれない。

因みに熱膨張により拳銃が作動不良を起こす確率は0.0001%以下

因みにこの台詞は「上条さんの説明台詞」はあるが「本当に熱膨張が動作不良の原因かどうか」は明記されていない。
上条さんの科学知識は学園都市でも落ちこぼれの部類であるし、そもそも本人も本当に熱膨張が原因かは最後まで半信半疑の様子である。
その割に勢いづいた台詞なのは相手に弱みを見せないため、つまりハッタリ半分

以上の点から実際は熱膨張ではない可能性もある。

まあ、地の文で熱膨張で拳銃は壊れると書いちゃってる時点で少なくともかまちーが間違った知識を持っていた事は確かだが
というよりかまちーは軍や武器はよく出すが、その辺の知識はざっくりしている(代表的なものだとレールガン)。
小説の面白さを優先しての描写ではなく単純な勘違いによるものだと思われるので、アンチの叩きの材料やファンのネタにされやすい。


ちなみに世界で一番流通しているアサルトライフルАК-47のコピー品は火で炙ろうと泥水に塗れようと戦車に踏まれようと問題なく撃てる。
ライフルと拳銃を同レベルで考えるのも変かもしれないが参考までに。
戦場の劣悪な環境を前提に安定性を求めたライフルと航空機内に持ち込むために隠密性を重視した拳銃の比較に何の意味があるかは本当にわからないが参考までに


もちろん銃関係の知識が曖昧で、あり得ない描写がされることなどどの小説にもあるのだが、
銃弾を避ける、簡単に暴発するといった一般的なものより、熱膨張という意外性で記憶に残ってしまった。

あまりに有名になりすぎて又聞き程度で話題に出す人間が多いのも特徴。
コーヒーと紅茶を混同している、熱膨張が紅茶をぶっかけた時に起こったと思っている、拳銃が普通の材質だと勘違いしている、などの場合は間違いなく聞きかじりの煽りなのでスルー推奨。そんなことよりオルソラさんの話しようぜ!



余談だが、「新約」6巻には「銃の構造くらい調べておけよ…というのは日本人には酷な注文か?」という自虐ネタとも取れる台詞がある。
まぁ、それじゃ壊れない暴発しないといわざるを得ないシーンは欧米の映画や作品でも沢山出てくるから、酷な注文なのは日本人に限らなかったりするが。


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