登録日:2023/01/25 Wed 23:57:39
更新日:2024/03/13 Wed 09:38:21
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「ここシン福岡市を狙うなんてまさに飛んで火に入る夏の虫!」
【概要】
2019年4月、福岡市の総合施設であるキャナルシティ博多における「キャナルアクアパノラマ」として「
エヴァンゲリオン 使徒、博多襲来」が公開されることが発表された。
公開日は6月1日より開始し、内容は10分程度のオリジナルストーリー。
同日にはお馴染み高橋洋子のライブが合わせて行われることとなった。
また、これを記念してエヴァストアの第3店目となるエヴァ博多が常設開店することともなった。
こっちがついでになるのか……
言ってみれば「噴水ショーとプロジェクトマッピングを組み合わせた映像作品」である。
キャナルシティ博多には中庭に噴水ショーエリアがあり、映像に合わせて水が吹き出したり、スポットライトが動いて水に色を付けたりと、独特な表現で繰り広げられる。
【お話】
ところは箱根―――ではなく
福岡県福岡市。
鳴り響く警報が知らせるのは使徒の襲来。
第4の使徒そっくりな使徒が
玄界灘沖から糸島に上陸したのだ。
迎え撃つは
第3新東京市―――ではなく「シン福岡市」であり、ネルフ福岡支部が位置していた。
「しゃらくさい! ここシン福岡市を狙うなんてまさに飛んで火に入る夏の虫!」
ミサトが指示を出し発進準備がかけられたのは、まず2号機であった。
そしていつの間にか兵装ビル群に成り代わった防衛システムが一気に火を吹く。
国連軍のVTOL機が
エメリッヒゴジラのヘリシーンを彷彿とさせるビル群のくぐり抜け方で迎撃するも、いつものように効果はない。
そして地上に現れた2号機。
まさかの初戦でN2大陸間弾道弾抱えての突撃である。
ATフィールド全開でするもフィールドを破ること叶わず、そのまま奥のビルへふっとばされることになる。そりゃそうなる
次なる出撃のために、発進準備が行われる。
零号機、初号機、
そしてなぜかいるマリと8号機。
まず零号機が足止め、初号機が
A.T.フィールドの中和を行い、そこで8号機がコアを破壊するという作戦だ。
「どうやって?」という
シンジに対し、マリははぐらかしていく。
お決まりの名言の後、射出される零号機、そして初撃でポジトロンライフルを放った。
見事にフィールドを貫通!やったか!と思いきや、流れるThe BEASTの聞き流れた再起動BGM。お前で流れるんかい
倍返しと言わんばかりの光線が襲いかかるも、ギリギリのところで初号機が盾になる。
苦痛の中でシンジがミサトに援護を求めると
そして容赦なく落とされる天神区画。
しかし落とされた区画にも回り込まれてしまい、そのまま
パイルバンカーを打ち込まれる初号機。
万事休すかと思われたその時―――
パイルバンカーを自慢の顎で噛み砕き、そのまま覚醒状態へと目覚める初号機。
あろうことか
ガフの扉を開き、使徒の光線を全く受け付けないATフィールドを広げる。
このままではとおもったのか、使徒が
おもむろに初号機にとびかかる。
なんと手の部分だけだがATフィールドを侵食し、初号機の頭を砕かんとしていた。
そこへマリの8号機が
ロンギヌスの槍を上空へ投擲、見事に使徒の頭部をぶち抜いた。
追い撃ちをかけようと暴走初号機が槍を抜いた時、隙を見せたとばかりに使徒が道連れ自爆をかけた。
爆発後、福岡市に広がるのはお馴染み光の柱と青い空、そしてそこに虹かかかる。
戦闘が終わり、プラグ内でシンジも緊張が溶けたのか柔らかく笑う
いつの間にか復帰した2号機も合わせて、空を仰ぐエヴァ4機。
今日も人類の平和は守られたのであった。
一瞬人類が滅びかけたとか言わない
【プロジェクションマッピングとして】
2017年、福岡の地にカラー・ドワンゴ・麻生
専門学校の3社で設立したアニメーション会社「プロジェクトスタジオQ」ができた。
CGアニメーションの人材育成としてカラーも携わったこともあり、今回の作品にもこのプロジェクトスタジオQに参加している。
アニヲタ諸兄、特にエヴァに造詣が深い方々には設定的にツッコミが多くあると思われるが、オリジナルストーリーなので、それはそれ、これはこれ。
実際、壁面投影の大画面で繰り広げられるアクションはもちろん、アクアパノラマという独特の表現においては他に類を見ない仕上がりだ。
例えば爆発のタイミング合わせでは、火を使っていないにもかかわらず、音と光のみで非常に迫力があるように感じられる。噴水は普通の噴水ではなく圧力を変えられるタイプのため、勢いよく出す事で「パンッ!」と破裂音を出し、スポットライトはもちろん水の飛沫もその臨場感に一役買っている。
また、シンクロ時に展開される独特な幾何学模様や幻想的な模様、水の波紋をイメージするハレー効果も、噴水のライトアップ表現が見事にマッチし、昇華させている。
特に新劇場版で印象付けられることが多くなった使徒撃破後の「虹」は、その光と水の表現の極地であると言っていいだろう。
惜しむらくは、その設備等の性質上、再上映はほぼ無いであろうというところである。
2023年、なんと3月3日(金)~4月2日(日)までの再上映が決定した。
この複合映像を今一度堪能できるチャンスである。
【公開と終了】
この作品は、上記の通り2019年6月1日に公開、つまり0706作戦など「シン」の進捗発表が本格的になったころからの放映である。
エヴァストアが博多に開店したのもそれに合わせた一環とも言える。
それ以降、毎日20:00と21:00の2回というペースを、2021年初旬まで続けるという異例の期間続けることとなる。
ところで、エヴァストア博多について、元々2021年2月28日の閉業が予定されていたが、同5月末までの営業の延長となった。
またこれに合わせ、同28日にこのプロジェクションマッピングも上映終了することとなる。
おそらく、これは新型コロナの大流行による、「シン」の公開延期・終了日延期を考慮しての延長だったのだろう。
【小ネタ】
- 防衛システムが市内各所から出てくるが、ラストの全景を除き基本的に要塞化(無機質な第3新東京市ビル化)されており、特定のビル等は出て来ない。その例外として、福岡城がちらりと映るシーンが有り、その横からも迎撃設備が生えてくる。
- 作中地図が表示される部分があるが、仮に時折強調される部分が「ネルフ福岡支部」であるならば、キャナルシティ博多そのものであるようだ。
- 壁面に投影されると書いたが、実際には窓のあるビル壁面に投影用のスクリーンを垂らして投影している。大きさの関係上スクリーンが単一でないため、それなりの隙間ができてしまうことから、窓の向こうやスクリーンを貼られていない上階から注目されることもある(特に上映初回近辺は夜であることもあり、仕事上がりのビル勤務者が手を降ったりしていた)
- 当時のエヴァストア博多には、この絵コンテが掲示されていた。企画段階ということもあり既存映像の流用なども絵コンテらしい感じがある。一方、当初の「シン福岡市」の名前は「第9シン福岡市」だったようだ。何回建て替えた福岡市……。
心配性だなあ、わんこ君は。
項目の追記・修正はこの私にお任せあれ。
- マリがシンジを助けるってのがシンの伏線になってるのか -- 名無しさん (2023-01-26 00:44:47)
最終更新:2024年03月13日 09:38