●A.T.フィールドとは
「ABSOLUTE TERROR FIELD」
の略である。
エヴァンゲリオンを象徴するものの1つであり、ストーリー的にも非常に重要である。
そしてヒトが持つもの。
そしてヒトが持つもの。
簡単に言えばA.T.フィールドとは、強力な波紋状の
バリアのことで、あらゆる物理攻撃を遮断する、絶対領域である。ちなみに前述の正式名称を直訳すると
絶対恐怖領域となる。
重要なのはATフィールドとは、
ということであり、
後述するが、一般的なバリアと異なり、ATフィールドはATフィールドによって「中和(浸食)」することで
無効化が可能なのだが、神に等しい存在は、ATフィールドを一方的に中和する「アンチATフィールド」なるものを持っており、これに曝されるとバリアどころかヒトのA.T.フィールドまでも完全消滅してしまう。
●A.T.フィールドの活用
使徒を倒せるのがEVAだけと言われているのも、このA.T.フィールドが原因である。
使徒がA.T.フィールドを展開してしまうと通常兵器は何の役にも立たなくなってしまい、核兵器に匹敵するN2兵器をもってしてもせいぜい体表を一部崩すか足止めが精一杯である。
EVAもA.T.フィールドを展開し、使徒のA.T.フィールドを中和することにより、初めて使徒に触れ、倒すことが可能になる。
つまり、EVAが中和すれば通常兵器でも倒せるということになり、その一例としてガギエル戦では、A.T.フィールド中和後に艦隊の零距離射撃で見事撃破に成功している。
また、一定の強度までなら、中和せずとも陽電子砲レベルの莫大なエネルギーで強引に突破することも可能。
「A.T.フィールドは中和してるはずなのに…」
という
アスカのセリフにもあるが、フィールドや表面が硬すぎたり、何枚も重ねて張れる場合は
中和しても効果が薄く、そのままでは倒せない使徒もいる。
新劇場版シリーズでも引き続き登場。カラーリングがオレンジ一色から虹色へと変更されている。
擬似シン化第1覚醒形態の初号機は欠損した左腕を光の腕を生やすことで再生しているが、これもA.T.フィールドの応用である。その後はその腕状のA.T.フィールドで第10の使徒をふっ飛ばした。
後に新2号機αも類似した光の腕を見せ、改8号機に至っては非常に大きい虎のような意匠になっている。
神はA.T.フィールドを持たない。という設定が登場。
そのため神に近い存在である
第13号機や
碇ゲンドウはA.T.フィールドを展開しない。
Mark.09も展開していないが、こちらは恐らく侵食能力に由来するもの。類似した侵食タイプの
バルディエルも新劇場版ではA.T.フィールドの描写が削除されている。
●アンチA.T.フィールド
その名の通りA.T.フィールドを無効化する領域を展開する。劇中では
リリス及びロンギヌスの槍が披露する。
A.T.フィールドの中和や侵食とは異なり、ジワジワとした押し合いにならず絶対的に貫通する。
後の新劇場版ではAA弾と呼称される特殊弾頭が登場しており
第13号機および
Mark.09に向けて狙撃されている。
が、どちらもA.T.フィールドを持たない機体のため効果はなかった。
●作中での活躍
絶対領域であり、何人にも侵されざる聖なる領域のはずではあるが、結構侵されちゃってます。
例
◎ラミエルは
初号機のA.T.フィールドを可粒子砲で貫通させるが、
ヤシマ作戦で貫通返しに合う。
◎サハクィエルは弍号機に切り裂かれる。
◎アルミサエルも貫通後に、触手で零号機に侵食する。
アラエル戦では、あんなでかい槍を第1宇宙速度で投げられたらさすがにA.T.フィールドでも防げないと思われたが、
ロンギヌスの槍にはA.T.フィールドを破る能力があり、コピーにもその能力は受け継がれている。
コピーは大剣形態で一度A.T.フィールドで止められたが、形状を槍に変化すると、ぐりぐりと突破し、弍号機の顔に突き刺さった。
A.T.フィールドは個々によって強さがあるらしく、ラミエル戦では『目に見えるほど強力』と表現されている。
また、サハクィエルはA.T.フィールドを利用して落下時の威力をあげているらしい。
A.T.フィールドという頑丈な壁を前に出しながら落ちる事で、A.T.フィールドの硬度がそのまま威力に繋がるという事だろう。
同じ高さと速度でも、ゴムボールが落下するよりも硬い鉄球が落下した方が衝撃は大きい。
アスカは一度だけ武器としても利用しており、群がる戦自の航空部隊を一掃している。
「リリンもわかっているんだろう? A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを」
「そんなのわかんないよっ! カヲル君!!」
放送当時、視聴者の言葉を
シンジ君が代弁してくれました。
ヒトの持つA.T.フィールドとは、個々を別けるための心の壁であり、自らを形作っているものである。
A.T.フィールドをなくしたヒトは、みなL.C.Lとなり溶けてしまう。
人類補完計画とは、ヒトのA.T.フィールドをなくして、1つになることである。
「みんなのA.T.フィールドが消えていく」
おとなもこどもおねーさんもみんな持ってる。
それがA.T.フィールドである。
●スーパーロボット大戦におけるA.T.フィールド
あらゆる攻撃に対して機能するバリア能力として、EVA初参戦の『F』から登場している。
Iフィールドやオーラバリア等の既存のバリア能力が対ビーム限定であったのに対し、ミサイルなどの実弾兵器や格闘攻撃さえも弾き返す強力なバリアとして注目を集めた。
防げるダメージ量は初登場の『F』から『α』『MX』までは一律4000で固定。
『第三次α』以降は3000+シンクロ率補正で変動するようになり、さらに作品によってはシンジや
レイは隊長能力やエースボーナスで無効ダメージが増えることがある。
シンクロ率補正がある作品でも敵の場合は3500~4000で固定。
小隊攻撃や援護攻撃が意味をなさないことが多く、ちまちま削ることは不可能である。
熱血などを使えばさほど大きな問題にはならない。
これについて、エヴァの
庵野監督は「
コンバトラーの超電磁スピンで破れるよ」という旨の発言をしている(『電撃PlayStation』Vol.106)。
だがこの出典がネット上ではほとんど広まっていなかったためか、一部ではこの出典よりは入手しやすいであろう、ケイブンシャの『スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本』に収録された
寺田プロデューサーのインタビューが元となったガセネタとして認識されている。
味方でA.T.フィールドを使える意味正しいシステムと言える。雑魚で貫くようなヤツはほぼおらず、EVAのみで無傷で一掃するのも簡単である。
援護防御としても優秀。
初登場のF・F完結編では敵のインフレが凄すぎて、終盤では雑魚MSのライフルですら防御しないと貫通される地獄絵図だったが
あくまで無効化であって軽減ではないため、貫かれると良くて瀕死であり、貫かれたら一撃で落とされるのも珍しくない。
例えば4000防げるとして、3500ダメージだったら無効化なので0になるが、4500になると4000引かれて500だけ食らう…のではなく、4500をそのまま食らうといった感じ。
装甲やHPを上げて対策しよう。
また、発生条件に気力(100以上)が必要であることが多く、イベントなどで下がった場合も注意しよう。
使徒の気力を下げまくってATフィールドを発生させないという戦い方も可能。
防御時のセリフ
「き、効くもんか」
「あんたばかぁ?」
「……無駄よ」
は、人によっては聞き飽きるほど聞くことになる。
もちろん敵として登場する使徒もA.T.フィールドを持っており、同じくフィールドを持つEVAなら原作通りA.T.フィールド中和してダメージを与えられる。
どういう条件なら中和できるかは作品によってまちまちで、
「エヴァ・使徒同士の密着した戦闘での格闘武器の場合のみ無効化」というような条件になっている作品が多く、
もちろんこの場合は遠距離からのパレットライフルなどは普通にATフィールドに弾かれてしまう。
ただし『L』のみ武器の属性に「ATフィールド無効化」が設定されている方式になっており、
これがEVAが持つ全ての武器に設定されているため、射程7からのガトリング砲でも容赦なくATフィールド中和ができてしまう。
なお、その他一般のバリアに対する「バリア貫通」特性がある作品でも一般バリアとは別扱いにされており、バリア貫通武器でも貫通できない。
ただし精神コマンドの「直撃」には貫通される。
ATフィールドが中和される戦闘ではお互いに裸の状態で戦う事になるのだが、
中和できるだけで、EVA自身は(ゲーム的には)単独で使徒に立ち向かえるだけのスペックを持っていない。
そのため、原作とは逆にEVAを使徒にぶつけずにA.T.フィールドを威力で強引に貫通できるスーパーロボット達の必殺技で袋にして倒してしまう戦術がとられがち。
そういう意味では原作と立場が逆転しているとは言える。
このためか、
αではEVAと使徒のATフィールド中和能力はなかった。
ちなみに、このEVA以外のロボットでも使徒を倒せるというシステム故に、EVA初登場作品であるFや次の登場であるαでは、「EVAが無くても使徒は倒せるのだから、自分が命をかけて戦う必要はないのでは」と考えたシンジが脱走するシナリオが存在する。
Fではこれにより庵野監督提案の
ブライトによる修正イベントが発生し、
アムロがシンジを諭す事に。
αでは街中ですれ違ったロンド・ベルの面々が「EVAが味方にいてくれたら使徒との戦いも楽になるのに…」と言っているのを聞いて思いなおし、自分から戻ってくる。