●A.T.フィールドとは
「ABSOLUTE TERROR FIELD」
の略である。直訳すると絶対恐怖領域。
エヴァンゲリオンを象徴するものの1つであり、ストーリー的にも非常に重要な要素の一つ。
一言で言えば
使徒と
エヴァだけが展開可能な強固なバリア。
使徒を倒せるのがEVAだけと言われているのも、
このA.T.フィールドが原因である。
実際には(アニヲタにはほぼ周知のことだが)単なる物理的な障壁に留まらない意味合いをもつ
●A.T.フィールドの性質
機関銃や戦車砲などは軽く弾く強度を誇り、通常兵器は基本的に役にも立たない。核兵器に匹敵するN2兵器をもってしてもせいぜい体表を一部崩すか足止めが精一杯である。
基本的に不可視だが、作用・干渉時にはオレンジ色の放射状の障壁が描写される。これも劇中人物が常に視認しているわけではないらしく、第5使徒ラミエルのA.T.フィールドが目視可能なことは特記事項だった。
熱や電磁波、流体はある程度素通りするらしく、劇中最初の使徒がミサイルで仰け反っていたり、マグマ内では熱対策が必要だったり、可視光線自体が攻撃手段だと防御できない描写がある。ただし高出力のA.T.フィールドだと此等も遮断し得るらしく、渚カヲル…第17使徒タブリスが展開するものはセンサーによる探知すら弾いていた。
A.T.フィールド同士が接触すると中和して互いに物理的干渉が可能な状態になり、これで初めて使徒に触れ、倒すことが可能になる。フィールド範囲や中和の距離については描写が一定しないが、エヴァのライフルの有効射程程度はカバーしている模様。
つまり、EVAが中和すれば通常兵器でも倒せるということになり、その一例としてガギエル戦では、A.T.フィールド中和後に艦隊の零距離射撃で見事撃破に成功している。
また、防御力は無限ではないので、中和せずとも陽電子砲レベルの莫大なエネルギーで強引に突破することも可能。
「A.T.フィールドは中和してるはずなのに…」
という
アスカのセリフにもあるが、フィールドや表面が硬すぎたり、何枚も重ねて張れる場合は
中和しても効果が薄く、そのままでは倒せない使徒もいる。
第七話での
葛城ミサトと
赤木リツコのリアクションを見ると、
NERV外の人間が存在を知っているだけでも驚愕モノの機密とされている模様。
といっても第一話で
碇ゲンドウと
冬月コウゾウ自らNERV外の人間の前で名前を出しているし、当のミサトも第八話でA.T.フィールドありきの作戦を国連軍と協力して遂行している。おそらく民間人がそうそう触れられる情報ではない、ということなのだろう。
●アンチA.T.フィールド
その名の通りA.T.フィールドを無効化する領域。劇中では
リリス及びロンギヌスの槍が披露する。
A.T.フィールドの中和や侵食とは異なり、ジワジワとした押し合いにならず一方的に貫通する。
後の新劇場版ではAA弾と呼称される特殊弾頭が登場しており
第13号機および
Mark.09に向けて狙撃されている。
が、どちらもA.T.フィールドを持たない機体のため効果はなかった。
●A.T.フィールドの正体
そしてヒトが持つもの。
そしてヒトが持つもの。
「リリンもわかっているんだろう? A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを」
「そんなのわかんないよっ! カヲル君!!」
放送当時、視聴者の言葉を
シンジ君が代弁してくれました。
A.T.フィールドの本質は、生命の境界を別けるための心の壁であり、自らを形作っているもの。使徒やエヴァはその生命力からバリアとして機能させているのであり、どんな生物にも存在する。
この心の壁は「他者への恐怖」に由来するもの、つまり「何でも弾く恐怖のフィールド」ではなく、展開している側が「恐怖から拒絶を以て身を守るフィールド」である。
新劇場版において
神はA.T.フィールドを持たない(はず)という設定が登場したが、これは絶対的存在は何者も恐れない、ということと思われる。そのため神に近い領域に至った
第13号機や
碇ゲンドウは当初A.T.フィールドを展開していなかった。
A.T.フィールドをなくしたヒトは、みなL.C.Lとなり溶けてしまう。
人類補完計画とは、ヒトのA.T.フィールドをなくして、1つになることである。
「みんなのA.T.フィールドが消えていく」
おとなもこどもおねーさんもみんな持ってる。
それがA.T.フィールドである。
●作中での活躍
使徒はエヴァでしか倒せない、という理由付けとして第一話から存分に機能を発揮する。
そんな絶対領域であり、何人にも侵されざる聖なる領域のはずではあるが、結構侵されちゃってます。
例
◎ラミエルは
初号機のA.T.フィールドを荷粒子砲で貫通させるが、
ヤシマ作戦で貫通返しに合う。
◎サハクィエルは弍号機に切り裂かれる。
◎アルミサエルも貫通後に、触手で零号機に侵食する。
◎弍号機も
ロンギヌスの槍(コピー)で貫かれる。大剣形態で一度A.T.フィールドで止められたが、形状を槍に変化すると、
ぐりぐりと突破し、弍号機の顔に
突き刺さった。
単なる防御手段以外の活用も散見される。
サハクィエルはA.T.フィールドを利用して落下時の威力をあげているらしい。
A.T.フィールドという頑丈な壁を前に出しながら落ちる事で、A.T.フィールドの硬度がそのまま威力に繋がるという事だろう。
同じ高さと速度でも、ゴムボールが落下するよりも硬い鉄球が落下した方が衝撃は大きい。
レリエルは虚数空間につながる極薄の体を保つために、内向きに張るという特異な使い方をしている。
アスカは一度だけ武器としても利用しており、群がる戦自の航空部隊を一掃している。
新劇場版シリーズでも引き続き登場。カラーリングがオレンジ一色から虹色へと変更されている。
擬似シン化第1覚醒形態の初号機は欠損した左腕を光の腕を生やすことで再生しているが、これもA.T.フィールドの応用である。その後はその腕状のA.T.フィールドで第10の使徒をふっ飛ばした。
後に新2号機αも類似した光の腕を見せ、改8号機に至っては非常に大きい虎のような意匠になっている。
Mark.09は展開していないが、恐らく侵食能力に由来するもの。類似した侵食タイプの
バルディエルも新劇場版ではA.T.フィールドの描写が削除されている。
●スーパーロボット大戦におけるA.T.フィールド
あらゆる攻撃に対して機能するバリア能力として、EVA初参戦の『F』から登場している。
Iフィールドやオーラバリア等の既存のバリア能力が対ビーム限定であったのに対し、ミサイルなどの実弾兵器や格闘攻撃さえも弾き返す強力なバリアとして注目を集めた。
防げるダメージ量は初登場の『F』から『α』『MX』までは一律4000で固定。
『第三次α』以降は3000+シンクロ率補正で変動するようになり、さらに作品によってはシンジや
レイは隊長能力やエースボーナスで無効ダメージが増えることがある。
シンクロ率補正がある作品でも敵の場合は3500~4000で固定。
小隊攻撃や援護攻撃が意味をなさないことが多く、ちまちま削ることは不可能である。
熱血などを使えばさほど大きな問題にはならない。
これについて、エヴァの
庵野監督は「
コンバトラーの超電磁スピンで破れるよ」という旨の発言をしている(『電撃PlayStation』Vol.106)。
だがこの出典がネット上ではほとんど広まっていなかったためか、一部ではこの出典よりは入手しやすいであろう、ケイブンシャの『スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本』に収録された
寺田プロデューサーのインタビューが元となったガセネタとして認識されている。
バランス上原典みたいな硬さにはしづらい寺田P、元々自分で作るがゆえによその作品に惜しみないリスペクトを向ける庵野監督で
大人の事情が一致したともいえるか。
でもお二人ともある意味ロボが絡むと子供っぽいしなあ…
ただし流石にまったく配慮なしとはいかないためか、実際には「(『エヴァ』以外の作品に由来する攻撃で)いけるかどうかは断言できない、賭け」とワンクッション挟んだり、A.T.フィールド関係以外でも「
倒した当人が『エヴァ』関係の機体抜きで使途を倒せたことに一番動揺する」などの表現が取られるのが一般的となっている。
このへんはクロスオーバー作品ゆえの難しさだろう。
とはいえ先述の「コンVの方が強い」発言のソースが知れ渡って以降、『エヴァ』ファンからもシナリオ面で暖かく見守られているのも事実ではある
味方でA.T.フィールドを使える意味正しいシステムと言える。雑魚で貫くようなヤツはほぼおらず、EVAのみで無傷で一掃するのも簡単である。
援護防御としても優秀。
初登場のF・F完結編では敵のインフレが凄すぎて、終盤では雑魚MSのライフルですら防御しないと貫通される地獄絵図だったが
あくまで無効化であって軽減ではないため、貫かれると良くて瀕死であり、貫かれたら一撃で落とされるのも珍しくない。
例えば4000防げるとして、3500ダメージだったら無効化なので0になるが、4500になると4000引かれて500だけ食らう…のではなく、4500をそのまま食らうといった感じ。
装甲やHPを上げて対策しよう。
また、発生条件に気力(100以上)が必要であることが多く、イベントなどで下がった場合も注意しよう。
使徒の気力を下げまくってATフィールドを発生させないという戦い方も可能。
防御時のセリフ
「き、効くもんか」
「あんたばかぁ?」
「……無駄よ」
は、人によっては聞き飽きるほど聞くことになる。
もちろん敵として登場する使徒もA.T.フィールドを持っており、同じくフィールドを持つEVAなら原作通りA.T.フィールド中和してダメージを与えられる。
どういう条件なら中和できるかは作品によってまちまちで、
「エヴァ・使徒同士の密着した戦闘での格闘武器の場合のみ無効化」というような条件になっている作品が多く、
もちろんこの場合は遠距離からのパレットライフルなどは普通にATフィールドに弾かれてしまう。
ただし『L』のみ武器の属性に「ATフィールド無効化」が設定されている方式になっており、
これがEVAが持つ全ての武器に設定されているため、射程7からのガトリング砲でも容赦なくATフィールド中和ができてしまう。
なお、その他一般のバリアに対する「バリア貫通」特性がある作品でも一般バリアとは別扱いにされており、バリア貫通武器でも貫通できない。
ただし精神コマンドの「直撃」には貫通される。
ATフィールドが中和される戦闘ではお互いに裸の状態で戦う事になるのだが、
中和できるだけで、EVA自身は(ゲーム的には)単独で使徒に立ち向かえるだけのスペックを持っていない。
そのため、原作とは逆にEVAを使徒にぶつけずにA.T.フィールドを威力で強引に貫通できるスーパーロボット達の必殺技で袋にして倒してしまう戦術がとられがち。
そういう意味では原作と立場が逆転しているとは言える。
このためか、
αではEVAと使徒のATフィールド中和能力はなかった。
ちなみに、このEVA以外のロボットでも使徒を倒せるというシステム故に、EVA初登場作品であるFや次の登場であるαでは、「EVAが無くても使徒は倒せるのだから、自分が命をかけて戦う必要はないのでは」と考えたシンジが脱走するシナリオが存在する。
Fではこれにより庵野監督提案の
ブライトによる修正イベントが発生し、
アムロがシンジを諭す事に。
αでは街中ですれ違ったロンド・ベルの面々が「EVAが味方にいてくれたら使徒との戦いも楽になるのに…」と言っているのを聞いて思いなおし、自分から戻ってくる。
αでは量産機のロンギヌスの槍(コピー)が攻撃力不足で弐号機のA.T.フィールドを貫けないという珍場面がある。イベント戦闘だと刺さるんだけど。
流石に台無しだったため、再登場した第3次αでは量産機の攻撃力を上げることで対処されている。
設定を忠実にとらえると、使徒やエヴァに限らず作中のヒトや意思ある巨大生物の類ならみんな持っていることになるのだが、流石に戦闘獣などがA.T.フィールドを展開することはなく、エヴァ関連の機体だけが持つ能力として扱われる。