M3GAN/ミーガン(映画)

登録日:2023/06/25 Sun 00:39:46
更新日:2025/02/10 Mon 23:24:27
所要時間:約 9 分で読めます




誰にもあなたを傷つけさせないわ

『M3GAN/ミーガン』は2023年1月6日に公開されたアメリカのサイコ・スリラー映画。

⚫︎目次

【概要】

監督はジェラルド・ジョンストン。原案は『SAW』『インシディアス』シリーズを手がけたジェームズ・ワン、製作は『ハッピー・デス・デイ』シリーズなどを手がけたジェイソン・ブラム。
日本では同年の1月27日に公開予定だったが、6月9日に延期された。
AI人形<M3GAN>が、行きすぎた愛情と狂気から惨劇を生む。

アメリカではミーガンのダンス動画がSNSを中心に大バズりし、公開前から続編が決定したと言われるほどの人気ぶりを見せる。
当然映画もヒットし、予想を大きく超えた興行収入を記録している。


【あらすじ】

大手玩具メーカーに務める女性研究者ジェマは、事故で両親を亡くした姪のケイディを引き取る。
しかし、元々研究者気質でコミュニケーションが上手く取れない上、仕事にも追われるジェマは上手く関係性を構築できずにいた。
ある日、ジェマが大学時代に作成したロボット、ブルースを見せるとケイディは興味津々。
「こんなのがあれば他のおもちゃなんていらない」というケイディの発言に即発され、
ジェマは開発中だったAIロボット、M3GAN(ミーガン)を一気に仕上げ、ケイディを守るように設定して交流させる。
ミーガンはケイディの心を癒やし、ジェマもミーガンの開発を評価されるのだが、ミーガンの行動は徐々におかしくなっていく。


【登場人物】


●ジェマ
演:アリソン・ウィリアムズ/日本語吹替:浅野真澄
大手玩具メーカー「ファンキ」に務める女性研究者。
研究者気質であり、ロボット開発者としてはとてつもない成果を上げているが、人付き合いはあまり得意ではない。
ケイディとのコミュニケーションは上手くいかない様子だったものの、
ミーガンを開発し、ケイディを守るようにと指示して与える。

●ケイディ
演:ヴァイオレット・マッグロウ/日本語吹替:飯沼南実
スキー旅行に行く途中で交通事故に遭い両親を失い、母親の妹であるジェマに引き取られた少女。
両親の死の悲しみをジェマに打ち明けられず、引き取られた当初は夜な夜な泣いていた。
ミーガンとの交流を通じて、徐々に悲しみは癒やされていくのだが……。

●ミーガン
演:エイミー・ドナルド/CV:ジェナ・デイヴィス/日本語吹替:嶋村侑
ジェマが開発したAI搭載の自律型ロボット
M3GANという名称は「Model 3 Generative ANdroid」の略称。
子供にとって最高の友達であり、親にとって最高の協力者となるように設計されている。
独自の推論機能や自己学習機能などを兼ね備えており、アップデートすることなしに自身を成長させることが可能。
ケイディを心身ともに守る様に設定され、学習のために共に暮らす様になる。
当初はその設計通りケイディの良い遊び相手、話し相手となり、セラピストとしてもおよそ完璧で、ケイディの悲しみを癒やしていく。
しつけもジェマの代わりに行ってくれていたが、徐々にあらぬ方向に行動が変化していく。

なお演者のエイミー・ドナルドが実際にマスクを被り、ミーガンを演じている。
彼女は9歳の時にダンスのワールドカップのジャズ部門にて、銀メダルを獲得するほどのハイレベルなダンサーでもあり、
不気味だがとてもキレのあるミーガンの動きとダンスは彼女の技量によるもの(ミーガン出演時は12歳程度と思われる)。
表情の変化やまばたきをする場面はCGで処理している場面もあるが、基本的にはコントローラーで目や口を操作できる特製のパペットを用いて、さながら人形劇のように操演して撮影している。

●リディア
演:エイミー・アッシャーウッド/日本語吹替:吉田麻美
カウンセラーの女性。両親を失ったケイディの精神のケアを担当。
当初のジェマとケイディの間にかなりの溝があることを察し、改善を求めている。
中盤以降はミーガンがリアルすぎて、ケイディがミーガンを保護者として認識し始めていると警告する。

●セリア
演:ロリ・ダンジー/日本語吹替:磯辺万沙子
ジェマの隣に住んでいるおばちゃんで本作の元凶その1。
デューイという犬を放し飼いにしており、しつけても効いてくれないという。
犬は柵の穴からジェマの家の敷地に勝手に入ってくるため、度々トラブルになっている。
柵の穴を放置するジェマもジェマであるが……

●デヴィッド
演:ロニー・チェン/日本語吹替:関口雄吾
ジェマの会社「ファンキ」のCEO。
当初はジェマ達に高圧的に接し、ミーガンの開発を中止し「ペッツ」*1の廉価版を作成する様に命令。
しかし、プレゼンによってミーガンの驚異的な性能を目の当たりにし、ジェマたちの開発したミーガンを認め、出資することを決める。
さらに会長へのプレゼンをセッティングしていく。

●カート
演:ステファン・ガルノー=モンテン/日本語吹替:松川祐輝
デヴィッドの部下もしくは秘書。
デヴィッドの無茶ぶりにも粛々と応じる。

●テス
演:ジェン・ヴァン・エップス/日本語吹替:くわばらあきら
ジェマの同僚の女性。
ミーガンにケイディの世話を任せきりにするジェマの態度に疑問を投げかける。

●コール
演:ブライアン・ジョーダン・アルバレス/日本語吹替:飯島肇
ジェマの同僚の男性。
ミーガンの試運転の時にパーツを忘れているなど、若干抜けたところがある。

●ブランドン
演:ジャック・キャシディ/日本語吹替:鵜澤正太郎
ケイディが参加した野外学習に参加している男の子で本作の元凶その2。
粗暴な振る舞いから他の子に嫌われている。
ケイディにも嫌がらせをした結果、ミーガンの逆鱗に触れる。
また、ケイディの前に組む事になった少女が引率の教師に密かに耳打ちしているのも性的悪戯をヤリ慣れている事を暗示している。


●ブルース
人物ではないもののここに記載。
ジェマが学生時代に作ったロボットで、グローブ型のリモコンで操作できる。
ジェマが自慢げに構造をケイディに説明した事は、終盤のシーンへの布石になっている。

●エルシー
人物ではないもののここに記載。
ジェマの家にあるアレクサのようなホームアシスタントツール。
帰宅したジェマに不在着信やマッチングアプリの報告などをしている他、声に反応してBGMや照明の設定が可能。
終盤はミーガンの支配下に置かれている。








【中盤以降の展開】





【余談】

鑑賞の年齢制限について

ミーガンが人間に危害を加えたり、突然出てきて驚かすといった場面はあるが、グロテスクな場面は少ない。
また、コミカルなシーンとのバランスをとったという監督の話もあり、アメリカでは笑いが漏れるシーンもあったという。
そのためかアメリカの鑑賞制限はPG-13(13歳未満の子どもの鑑賞は保護者の注意が必要)とやや緩めとなったが、それでもある程度過激な描写を含んでいる影響か、日本ではPG12(小学生以下は保護者の助言が必要)指定となった。
その後、監督自ら一部残虐なシーンを追加するなどの再編集を施したアンレイテッド・カット版が映像ソフトに収録され、そちらはR15+(15歳未満未満は鑑賞不可)となっている。

日本での公開

本国での1月公開から、遅れる事6月公開で日本語吹き替え無し(後に配信と映像ソフト化に際して収録)、PG12指定にまともなマーケティング無しにディズニーの実写映画版『リトル・マーメイド』との競合など、同じくホラー映画『テリファー 終わらない惨劇』ほどでは無いにしろ、アメリカほどヒットはしなかった。
同じ踊るアイドルというテーマのキャラクターでウタ星野アイの人気に影響があった可能性も考えられるが。

映画の分類について

人形が周囲の人間に危害を加える様は『チャイルド・プレイ』などの人形ホラーの分類と言えるが、公式HPではサイコ・スリラーとされている。
ミーガンの、自身の愛情故に他人を平気で傷つけるその様はサイコのそれと言えるし、上記の様にホラーとしてはやや怖くない面も多い為か。
また、ミーガンはAI搭載のロボットであり、その本質はターミネーターに近いもの*3
SFの要素も含んでいるといえる。

続編

2025年1月に続編『M3GAN 2.0』が公開されることが決定。
アリソン・ウィリアムズとヴァイオレット・マッグロウ、そしてミーガン役のエイミー・ドナルドとミーガンの声優ジェナ・デイヴィスの続投が発表されている。


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最終更新:2025年02月10日 23:24

*1 ファービーに似た人形のおもちゃ。自発的に話しかけたり、アプリで餌を与えられたり、ウンチするなど多彩なリアクションをする。

*2 昆布茶に非ず。紅茶ベースの発酵飲料で、この後のシーンで瓶に入ったのが映っている。

*3 ホラー映画『キラー・ホビー/オモチャが殺しにやって来る』ではある意味ミーガンの先駆けとも呼べるロボットが登場していた。