ツクヨミ ~稀人の唄~

登録日:2023/10/05 (木曜日) 23:03:00
更新日:2024/05/22 Wed 23:43:24
所要時間:約 26分で読めます




夢か現か、絡み合う2つの世界


ツクヨミ ~稀人の唄~(まれびとのうた)』は、2001年10月5日に発売されたアダルトゲームである。
企画・制作はivory、発売・販売はJANIS。『とらいあんぐるハート』シリーズと同じメーカーから制作、販売された。
原画はPULLTOPの『遥かに仰ぎ、麗しの』のSD原画などを手掛ける仁之丞。アダルトゲームの制作に関わるのは今作が初。
企画、シナリオはPULLTOPの『夏少女』の企画、シナリオなどを手掛けるSHARED


●ストーリー

相馬駿介は、幼馴染の香澄、元気娘ジュディらに囲まれて穏やかな学園生活を送っていた。
しかし、新興宗教「天道宗」の学園買収に伴い、不穏な空気が学園を包み込む。教団介入と同時に現れた謎の転校生、彼を見つめる理事長、教団巫女等、彼の環境は一転する。

そんな折、相馬駿介は、自らに秘められた古の能力「羅神眼」の覚醒により、夢の世界を彷徨うことになる。

夢の世界を通じ、教団の目的や自分に流れる血の宿命を知った彼は、謎を究明するため夢と現の二つの世界を今日も彷徨うのであった…

※パッケージより


●ゲームの概要とシステム

オーソドックスなテキストアドベンチャーゲーム。ゲームの期間は6月から7月中旬くらいまでの約一ヶ月半。

主人公は夢の世界に入る能力を持っているため、夜には夢の世界である「まどろみの常世」に入る「夢現移動」を行う事ができる。

1日は主に日中の学園を舞台にしたパートと、夜にまどろみの常世を舞台にしたパートの2つに分かれており、それぞれでマップ画面を元にどこを訪れるのかを選択する。
マップ画面上に各ヒロインのアイコンが表示されるので、選択前からどこにどのヒロインがいるのか判断できるようになっている。

ストーリーには「ツクヨミ伝承」と呼ばれる架空の伝承が関わっており、アラガミ、ツクヨミ、オロチなど日本神話を思わせる伝奇モノ要素が見られる。*1
序盤は明るくにぎやかな雰囲気だが、中盤辺りからだんだんとヒロインの抱える謎や問題が出てきて、それにツクヨミ伝承や教団の人間が関わるようになり、シリアスな雰囲気のイベントも見られるようになる。

攻略可能なヒロインは香澄、蛍、美夏、ジュディ、朋、碧の6人。主要な女性キャラのみフルボイス。


★夢現システムについて

夢現移動を行うには画面上に表示されている「霊ゲージ」と呼ばれるエネルギーのようなものが必要となる。夢現移動をするかどうかは任意。
ゲージは画面右に表示されており、夢現移動を行うと4メモリ消費しそれ未満だと行えない。夢現移動をしない場合は3メモリ回復する。

毎日夢現移動をすると足りなくなるが、攻略に必要なイベントだけを見るのならゲージには余裕がある。
ただ夢現移動をするまで目当てのヒロインのイベントが起こるのかどうかは分からないため、攻略情報がないと毎回セーブして確認を要すことになるのがちょっとネック。


●キャラクター

攻略可能なヒロイン

★野々原 香澄
CV:鳥居花音

駿介の幼なじみで同じ学園に通う一年生。彼を駿ちゃんと呼んでいる。駿介のポトスの鉢植えのポテちゃんの世話をするという名目で、毎朝男子寮にやってきては寝坊しがちな彼を起こしてくれる。
駿介も恥ずかしがってはいるが、遅刻魔で香澄がいないとちゃんと起きられないため頼っている。
駿介に想いを寄せている。料理も得意で付き合いの長さから駿介の好む味付けも知っていたりといかにもな世話焼き幼なじみ
幼い頃から園芸に興味があり、手掛けた花壇がコンクールに入選するほどの技量を持つ。思い込んだら何事も一生懸命に頑張る性格。
彼女の手掛けた花壇を教団が取り壊してしまったため失意に陥るが、駿介の応援と麻生理事長の許可もあり花壇を元に戻せることになったため、改めて花壇づくりに性を出すことになる。



★九重 蛍 (ここのえ ほたる)
CV:春野日和

食堂で知り合った一年生。同い年の香澄よりも幼く見えるが、言動も見た目相応。人見知りせず、明るい性格で学園の人気者だとか。
甘いものが好きで昼は学食で白玉を食べている。ただよく味わって食べるようでペースはものすごくゆっくり。なお、白玉は蛍が頼んで加えてもらった彼女専用メニューだったりする。
御主人様と呼び慕う九重九曜(ここのえ くよう)という女性を探すために少し前にこの学園に転校してきた。
名前に強いこだわりがあり、駿介が間違えた際は泣きながら訂正した上、ちゃんと覚えるよう食いかかる姿も。御主人様と同じ苗字ということに理由があるようだけど?
探すことに一生懸命になるあまり、男子更衣室や夜の男子寮を歩き回る突拍子もない一面も。


★東瀬 美夏
CV:関和美

駿介のクラスに入った転校生。前の学校のものなのかセーラー服を着用している。
身体が弱いのか転入当日の自己紹介の際にそのまま意識を失って倒れた他、転入後もよく保健室に運ばれており、影では眠り姫とも呼ばれている。
無口で控えめ。当初はクラスでも浮いていたが次第に打ち解けていった。口数は少ないがしっかりとものを言ったりと芯の強さも見られる。
運動神経がよくスポーツなどで活躍する姿も見られるが、平然と人一人を飛び越えて宙返りをしながらゴールを決めたりと超人的な身体能力を発揮していた。
動作に無駄がなく武道か何かを嗜んでいるようにも思えるが?



★若宮 朋
CV:夏野 向日葵

教団がやってきたあたりに改装した学園の購買部で働く少女。メイド服のようなエプロンドレスを着用している。テンションが高いが明るくストレートな性格で購買部を盛り上げている。
アルバイトらしいが購買部を切り盛りしており、様々な手段で売上を伸ばそうと画策している。ただ、ニーズを掴むのは上手くても扱う品物のセンスがズレていて*2空回りすることもしばしば。
新商品を開発するためか発明が好きで主人公の兄で科学教師でもある靖也を「架月様」と慕い、靖也がやってきた時は猫のように喜ぶ。
髪を三つ編みにしてお団子にチャイナドレスに合うようなカバーをつけているが、お団子部分は取り外しが可能な様子。


★ジュディ・鴇田(ときた)・アンダーソン
CV:藤澤暁

駿介の前年のクラスメートである友人。カナダ人の母を持つハーフで帰国子女。鴇田家は神代町の名家で幼い頃はこの町に住んでいたとか。そのためか日本語は普通に話せる。
日本的なものを勉強したくて来日したようで日本史や日本の文学にも詳しい。が、意味を間違って覚えていたり、靖也の語る出処の怪しい話を鵜呑みにしたりとその知識には怪しいところも。
ゲーム中、ツクヨミ伝承を駿介に最初に伝えたのも彼女だった。
ハーフということもあってか長身でプロポーションもいい。
運動神経がよく、カナダではバスケットボールのジュニアの強化選手に選ばれたという噂。そのためバスケットボールなど球技ではとても目立つ様子。もちろんこちらの意味でも。
よく動く分よく食べ、特にアイスが好物で一人で購買部の冷凍庫を空にしていた。幽霊など怪談話が苦手。


★碧
CV:都ほのか

まどろみの常世の旧校舎で出会った少女。名前のように碧色の髪をみづらのように結んでいる。
あるヒロインのシナリオでも少しだけ登場。こちらでは名前は不明なまま。自身が鏡の巫女であること、オロチの封印が解かれようとしていることを駿介に告げる。
2周目以降、本格的に攻略可能となる。



その他のキャラ

★相馬 駿介

主人公。名前変更不可。天穂学園の二年生。寝坊助だったり授業中もよく昼寝していたりと成績はあまり良くない。バスケットボールが得意だったりと運動神経はいいようだが、ジュディには敵わない。
ある日、不思議な夢を見たのをきっかけに羅神眼の能力に目覚め、変わらない今までの日常が少しずつ変化していくことになる。
駿介はこの夢を夏目漱石の「夢十夜」に例えていた。意外と文学少年なところがあるのかもしれない。
毎夜のごとく、鏡を前に疼く赤い右目を見る駿介のCGを見ることになるが、別に厨二病をこじらせているわけではない。

毎朝香澄に起こしてもらったりと仲がよく、からかわれることもあるが駿介は幼なじみとしか思っていない。
ジュディもよく彼のクラスに来るくらいに仲がよく、知り合ってからは蛍にも懐かれ、美夏のお見舞がきっかけで距離を取られつつも頼りに思われている様子。
あるイベントでは駿介のために香澄、ジュディ、美夏が料理作りで対決することも。主人公爆発しろ。


★神楽
CV:白井綾野

天道宗の巫女で教団での地位も高く、麻生理事長の側近のような立ち位置。知性的で奥ゆかしい美人だが、その行動には謎も多い。
蛍に関心があるようで「一緒に遊ばない?」などと何かに付けて接触してくる。が、誘い方がベタな誘拐犯みたいな上、蛍にあまり相手にされていないのがちょっと滑稽。



★相馬 靖也 (そうま せいや)

駿介の兄。久しぶりに再会したら天道宗の幹部兼学園の保険医兼科学教師になっていた。教団の宗旨なのか仮面をつけており、近づくと仮面の内側から機械音のような音も聞こえる。教団内では架月という別名を持つ。
テンションが高く見た目が目立つ上、一般人には理解できないような怪しげな自説を唱えることもあるため怪訝な目で見られがちだが、朋やジュディには慕われている。
霊気など超常的な事柄についても平然と話すが、科学者ということもあり何かしらの根拠に基づいた内容のようで駿介もそれを認めており、分からないことを尋ねに訪れることも多い。
駿介の身を案じているようで、もう一族の中でもほとんど伝わっていなかった羅神眼の言い伝えを独自に調べて駿介に伝えた。


★麻生 千里 (あそう せんり)

学園の新理事長で天道宗の代表的立場。物腰が柔らかく、若くて容姿もいいので女子生徒の間ではファンクラブもあるとか。
駿介たちと話す際は節々に破滅や運命、原罪など不気味な単語が並ぶことも。穏やかな外面とは裏腹に意味を理解し難い面も。どこか寂しそうで何かを憂いているようにも見えるが?
花壇づくりをする香澄と駿介の前に現れ、2人を見て「私にもあなたたちのような時があった」「私とは対照的」と意味ありげに語るがその意味は……?


★御影 千夏 (みかげ ちなつ)
CV:関和美

まどろみの常世で駿介が出会った少女。美夏と同じ制服を着ている。美夏の双子の妹で名字が異なるのは双子が不吉という言い伝えによるもの。
明るく人懐こい性格や美夏と違いロングヘアーだったりと対照的な印象だが、どことなく美夏と似た雰囲気を持っている。
他人との間に距離を作る美夏と違い、出会って早々に駿介を駿クンと呼び、別れ際に彼の頬に口づけしたりと好意があるのか距離を感じさせない積極的なアプローチを見せる。


★九重 九曜

蛍が探している御主人様と呼ぶ女性。蛍の甘いもの好きは九曜譲りのようで、よく彼女の作った白玉を一緒に食べていたのだとか。
式神を使役する陰陽師の家系の当主。その道では有名な人物で、神楽曰く「稀代の天才」。特に人の姿をした式神を使い、彼女の式神は人と同じように考え、振る舞うことも出来たという。



●舞台と用語

★天穂学園

神代町(かみしろまち)にある駿介たちの通う全寮制の学園。読み方は「てんすい」ではなく「あまのほ」。天照大神の子である天穂日命(あまのほひのみこと)が名前のネタ元かもしれない。
駿介曰くリベラルな校風とのこと。周囲は緑が多く、近くの山では夏場は蛍も見られる。
女子の制服は白いスカートにワイシャツで青い袖のない小さなベストのような格好。胸元の大きめのピンクのリボンが特徴的。*3
元々怪談話などにはほとんど縁がなかったらしいが、教団が来てから急に幽霊を見たなどの話が聞かれるようになった。

美少女ゲームあるあるで女子の体操服はブルマ
朋がブルマの売上を伸ばすために、購買部に集めた生徒たちの前でスカートをめくって下に履いているブルマを見せる、というパフォーマンスをするイベントも。
パフォーマンスの効果かブルマの売上がアップしたそうだが、購入した客の大半が男子だったとか。ズボンの下に着用しているのだろうか……?


★旧校舎

天穂学園の敷地内にあるかつての木造校舎。すでに取り壊されているが瓦礫がまだ残ったままとなっている。
場所柄もあってか幽霊の噂の舞台になることも。また、美夏がこの辺りをよく訪れている。
まどろみの常世では時間の流れも異なるのかきれいな状態で残っている。千夏や碧と出会うことになった場所でもある。


★天道宗

ある日、天穂学園の経営母体になった宗教団体。
就任挨拶の場でも巫女服を着た女性たちや、仮面をつけた男性(靖也)がいたりと目立っていたが、学園の校風には関与しないという方針のため、学生たちは今までと変わらないような学園生活を送っている。
が、それ故具体的にどんな活動をしているのかはよくわからない。
教団のための建物である教団房を建てる際に香澄の手掛けた花壇を一方的かつ雑に取り壊したりと横暴な面も。
また、この教団房は一面真っ白(ジュディ曰く「豆腐のような建物」)で上から見ると回の字のような形をしているが、外観に窓やドアのようなものが見当たらなかったりと教団同様謎が多い。


★ツクヨミ伝承

ツクヨミさん、ツクヨミさん アラガミさんはどこ消えたー
ツクヨミ、なっかなっか言いはせぬー
つきーは、夜空に影ひとつーアラガミ、姿をあらわさぬー
みつけましょ、みつけましょアラガミさまのおんすがたー

神代町に伝わる伝承で、昔、神代の地の人々を困らせていた「オロチ」という大蛇と、この地を治める「アラガミ」という神様の戦いにまつわる話。
8年と8月と8日に渡る戦いの末、アラガミはオロチとの戦いに勝利するが、力を消耗したアラガミには神代の地のを治める力は残っておらず、アラガミは自らの分身を呼び出し自身は長き休息を取ることになる。
そして国譲りは為り、以降神代の地はアラガミの分身である「ツクヨミ」が治めることになった……そんな話が伝わっている。
アラガミとツクヨミだけど某第一種接触禁忌は関係ない。



★三人の巫女

目はまだ醒めないのですか?
私は、もう待てないのです――わずかな時ですら。

駿介の夢の中に現れた巫女装束姿の3人の少女。彼女たちを取り巻くように大きなヘビのような禍々しいなにかが世界の底に横たわり、時折唸り声のようなものをあげている。
3人のうちの銅鏡のようなものを手に持った奇妙な髪型の少女は、駿介に「まだ目が覚めないのですか?」と問いかけてくるが……?



★羅神眼

……アラガミの刻終わる時、赤き瞳輝かん……
アラガミの刻終わる時、赤き瞳輝かん そは、この世のなきもの見る瞳
ツクヨミ様より賜った 赤く輝く羅神眼……

ある日、駿介の右目に表れた不思議な能力。右目が充血したように赤くなり、後述の鏡の封印を解く際は赤く輝く。邪気眼でもギ○スでもない。
相馬の一族に代々伝わっているとされるこの世の見えざるものを見る力。一世代に一人は必ずこの能力を持ったものが産まれていたらしいが、今は知っている人間はほとんどいないとか。

駿介はこの能力を夢現移動のために用いている。夜になると羅神眼が熱を持ったように疼き出し、羅神眼の力を使うと鏡が見えるようになる。鏡はこの世界とまどろみの常世を隔てる扉のようなものらしい。
霊力で鏡の封印を解くことで羅神眼は強く輝き彼をまどろみの常世へと誘う。


★まどろみの常世

夢現移動をすることで訪れられる世界。見た目は現実の天穂学園にそっくりだが、旧校舎が残っており教団房もない。
常にセピア色のフィルターがかかったように描写されている。そのため昼なのか夜なのかも曖昧。
その日見た出来事が再現されたかと思えば、別な日には幼い頃の香澄と出会ったりと時間の流れも現実と異なる様子。そのため現実にはいない人や存在と出会うことも。


★霊気

まどろみの常世に行くために必要なエネルギーのようなもの。
今の神代の地の霊力は増幅されているため、かつての血が薄まってきた駿介でも霊力を集めて羅神眼を発揮することができるている様子。
人間は常に微弱ながらも霊気を発しているのだとか。また、霊気が減少することによっても疲れを感じることもあるらしい。


★式神

空を飛んだり物質をすり抜けたりといった超常的な能力を持った平たく言うと魔術的なロボットを生み出し使役する術。
生み出す式神は術者ごとに決まった系譜のようなものがあり、神楽は妖魔妖怪の類の式神を使役している。
使いこなすには相当な修業が必要だが、呼び出すだけなら少し教わった程度の靖也でもできるようなものらしい。
式神は霊気の源となる魂が無いため存続し続けるには常に霊気を補充する必要がある。
普通は術者との絆を通じて受け取るが、それだけでは足りないため式神の行くところは常に霊気が微弱ながらも減少することになる。
そうして霊気の密度が薄いところを調べたら行き当たったのが蛍だと靖也は話すが……?


●ゲームの特徴や魅力、気になる点など

  • 各ヒロインごとにシナリオの雰囲気もだいぶ異なり、オーソドックスかつ王道な恋愛モノとなるヒロインもいれば、オロチの封印に翻弄され伝奇バトルっぽい雰囲気になるヒロインなど様々。
    基本的に学園生活がメインとなっており、雰囲気は明るく、一部シナリオではシリアスな描写も増えるがホラー要素などは無い。
    各ヒロインごとのイベントが多いので2周目以降もまた新しい気持ちでプレイができる。

  • マップ画面でどこに誰がいるのかを示すアイコンが表示されるのもあり、攻略難易度は低め。
    連続して発生するイベントも多いので基本的に目当てのヒロインのみに絞り、まどろみの常世でのイベントも見忘れないようにすれば自ずとエンディングにたどり着けるかと。
    一部ヒロインはバッドエンドが用意されている。攻略途中で好感度が低い場合に分岐することが多いため、むしろバッドエンドに行くほうが面倒かもしれない。一部バッドエンドはCGも存在する。

    ちなみに、アダルトゲームの攻略情報を扱うイーグルパブリシングの「美少女ゲーム攻略スペシャル 31」の本に掲載されたこのゲームの攻略ページには、" エンディングが2つあるのは蛍のみ"とあるが、
    実際はベストエンドの他にバッドエンドがあるヒロインが蛍含め3人分と、どのヒロインのエンディングの条件を満たせなかった場合に発生するバッドエンドが1つ存在している。*4

  • Hシーンは恋人同士でのものが中心で数は少なめ。エロゲの伝奇モノに多い触手や異種モノなどのダークなシーンはない。
    そちらが好きな人肩透かし気味かもしれないが、エロ目当てでなくてもストーリーが気に入れば楽しめるかと。
    全体的に微乳なキャラが多い。巨乳キャラっぽいジュディも他のエロゲでは並ともいえるようなサイズで描写されている。
    大きくないけど小さくも無い、そんなおぱーいが好きな紳士にもおすすめかもしれない。

  • タイトルにもなっているツクヨミ伝承がストーリーに大きく関わるヒロインは6人中実際2人だけだったりする。
    ツクヨミ伝承は語られる部分こそ多くないものの出来は悪くなく、せっかく用意されているのに少しもったいないところも。もうちょっと多めに描写をしてほしかったという人もいるかも知れない。
    ツクヨミ伝承に関わらないヒロインもまどろみの常世など他の要素が関わったりするので、非日常要素が皆無というわけではないし、また違ったストーリーが楽しめる。

  • 用意された設定だけに縛られず色々なストーリーが楽しめるととるか、設定を活かしきれていないと取るかで好みが分かれるところ。
    後述のように投げっぱなしのままの部分もちらほらあるため、ツクヨミ伝承に関わらないヒロインのシナリオのほうが好みという人もいるかもしれない。

  • いまいち目的や意図が見えない麻生理事長の存在など、思わせぶりに登場した割にストーリーに深く関わらないままフェードアウトする人や存在、設定などが多い。
    風呂敷を広げっぱなしの印象があるかも。題材一つ一つが魅力的なだけに少しもったいないところも。


  • シナリオの出来は決して悪くないがゲーム上の展開の仕方に興が削がれる点も。
    あるイベントでは他人の手によってまどろみの常世に迷い込む展開があるが、特に戻ってきたとも取れる描写がないのに、その後の場面ではいつもと同じようにまどろみの常世に入るのかどうかを尋ねる場面がいちいち入る。テンポの悪さと前後のつながりがちぐはぐになっているところを感じるかも。

    あるシナリオの終盤にはラスボス的な存在と戦うことになる……のだけど対決シーンは描かれずいきなりエンディングムービーに進んでしまい、その後に結末がテキストで語られる形となっている。
    元々異能バトルモノではないとはいえ、クライマックスの最後の戦いという盛り上がりが予感されるシーンなだけに肩透かし感はどうしてもあるかもしれない。




●余談

ダウンロード版の配信はされておらず、対応OSのバージョンもだいぶ古いので現在はややプレイが困難。*5

「仁之丞初原画記念 ツクヨミ設定原画集」という小冊子が付属しており、各ヒロインと神楽の原画やイベントCG、原画完成までの体験を綴った2ページのマンガ「ツクヨミ奮戦記」が収録されている。
仁之丞のイラスト好きも楽しめる内容かと。ツクヨミ奮戦記には原画完成までの間に氏がivoryで体験したいくつかの出来事が描かれているが、メーカー繋がりでとらいあんぐるハート関連の話題も。
  • 初めてivoryを訪れた際、机の上で力尽きて爆睡していた人がいたが、後で都築真紀だったと教えてもらい驚く(とらハ3のアップ前だったとか)
  • 完成前の最終段階に会社でカンヅメをすることになったが、床寝をするとフィアッセのPOPと目があった。
  • 床寝をした際、社員の一人が気を利かせてかなのはの抱きまくらを勧めてくれる。
自社の人気タイトルということもあるのか当時社内はとらハグッズも多かったとか。




追記修正は夜になると右目が疼き出す方がお願いします

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  • 2001年
最終更新:2024年05月22日 23:43

*1 名前の元になっているだけで実際の日本神話などとの共通点はあまりない

*2 弁当を販売した時は「焼きリンゴ餃子と、ピーチソースライス、グリーンピース和え」という奇抜すぎるメニューだったためその日のうちになかったことになった

*3 ジュディはベストを着ておらずリボンも付けていない。そのためかよりスタイルが強調されている

*4 ヒロインのバッドエンドは本の中のイベント一覧の中に一応記載があるので攻略に支障はないが、どのエンディングにもたどり着けなかった場合のバッドエンドに関しては記載がない

*5 JANISのゲームでダウンロード販売されているものはとらいあんぐるハートシリーズを除くと2006年発売の『CROSS FIRE』からでわずか3作品のみ