登録日:2023/10/26 Thu 01:05:03
更新日:2024/09/25 Wed 02:25:03
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目次
【概要】
第2巻より登場した「もう一人のあい」。
本作の主人公である
九頭竜八一の二人目の弟子であり、ヒロインの一人。2007年12月10日生まれで初登場時点では9歳。
名前の音が同じなため姉弟子の
雛鶴あいなどからは「
天ちゃん」と呼ばれている。
両親の死後、
元任侠の祖父に引き取られ甘やかされて育ったためか、プライドが高く、傲岸不遜で高飛車な性格。
基本的に周囲の人間を見下しており、目上の人間にすら敬語を使わずに息を吐くように他人の悪口を言うなど性格はきつめ。
これらは両親の死後に気丈にふるまうべく形成されたいわゆる『
ツンデレ』の面もあり、師匠である八一や姉弟子であるあいのことを気遣ったり、
指導対局の際には、意外にも丁寧かつ褒め上手な指導で、
彼女の罵倒目当てで訪れたお客を笑顔にさせている。
高飛車な面も、天狗の鼻を折られて痛い目にあって反省したり、負けられない対局であえて傲慢な態度をとることで相手を挑発して頭に血を上らせてペースを崩させるために使ったりと成長してきている。
また実家から派遣された有能な付き人池田晶に色々と支援されているが、時々彼女からの行き過ぎた愛や気配りに鋭い否定をかます事もあったり。
【棋風】
終盤の攻めの強さを武器とするあいに対して、序盤戦術から繰り広げる緻密な守りと、対局相手の事前研究、そして賭け将棋道場仕込みの盤外戦術を武器に女性奨励会員やタイトル保持者にも引けを取らない戦いぶりを発揮する。
生前の父がすさまじい才能を見せた幼い頃の八一に惚れこんでおり、(おそらくは月光聖市の厚意で)当時奨励会員だった八一の棋譜を入手しており、父や母と共にその棋譜を並べて過ごしていた。
父は「棋士の才能が有ったのなら娘に八一の弟子になってもらいたい」と幼い頃の八一や娘に言っており、天衣は八一に似た棋風を身につけている。
あいからは
ライバルとして認められ憧れられている一方で、天衣の方は長年地道に続けた自分と違って将棋をはじめてわずか数ヶ月で自分に比肩するまでに成長したあいの天才性に脅威や羨望を感じてもいる。
【来歴】
実家は将棋界を支援している大実業家。
父親は元アマチュア名人で母親も元将棋部という将棋一家に生まれたが、両親とは数年前に事故で死別している。
そのため、「両親と唯一つながれるもの」として将棋の道を志す。
元々月光門下になる予定だったが、月光の希望と「あいには
ライバルが必要」と考えた八一の望みが一致し、八一が将棋の家庭教師として天衣の面倒を見ることに。
天衣自身、「師匠にはA級棋士かタイトルホルダー」と無理難題を言うことで、遠回しに八一を指名していた。
その後、八一自身が天衣の父との約束を思い出したことなどもあり、天衣が両親を失った悲しみを乗り越えていつかは笑顔を取り戻してほしいと思った八一が「
師弟になってほしい」と天衣を誘い、彼の正式な弟子となった。
第6巻で誕生日の差もあって姉弟子の
雛鶴あいを超えて史上最年少で女流棋士になる。
10歳0ヶ月という史上最年少でマイナビ本選ベスト8に入っての女流2級ということで、マスコミにも注目されて
『神戸のシンデレラ』という仇名を付けられた。
マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦に進出しており、8巻時点で女流初段。
9巻では供御飯万智を挑戦者決定戦で下し女流二段。
空銀子との5番勝負に挑む。
対局自体は3戦3敗1
千日手指し直しでタイトル獲得はならなかったものの、人間的に大きく成長する結果となった。
銀子との対局の最中に自信を喪失してしまうが、八一が自分の両親の墓前にて天衣の棋譜をいつも報告してくれていたことを知り、
八一が公式の対局でわざわざ独特な手を指して「自分の将棋を信じること」「天衣一人のために今日は指した」とメッセージを送ったことで、自分を信じ、支え続けてくれている八一の存在に改めて気づく。
父と学んだ八一の将棋を通じて育んだ自分の将棋を信じてスランプを脱し、同時に八一への恋心を自覚した。
12巻では八一争奪戦に名乗りを上げた。14巻であいが九頭竜の内弟子を解消し関東に移籍したことを受け、九頭竜のアパートを買取り再開発を名目に取り壊し、神戸の自社物件を売りつけ(約4億!)そこに住むようになった。
…そして17.5巻と17巻では、人工知能の研究をしていた亡き両親と無自覚の内に重ねるように、親の遺構を生かしかつ将棋考察に特化したスーパーコンピュータ「淡路」を実家の財力で開発。
八一にあえて自分が知ったモノから情報量を制限し偏らせた形での「淡路が予測した将棋の未来」を突き付け彼を揺らし、17巻ラストではその少し前銀子との再会である衝撃を受けていた彼に電子上で再現したバーチャル銀子と対局させ、
結果彼から(一時的にではあるが)銀子に関する悩みを振り切らせると共に、二人で共に人間性を捨てたスパコンと将棋の申し子の道を進んでいくように誘導。
18巻ではその勢いでかつて銀子を撃破した女流帝位祭見雷との対局時人間スパコンな雷の脳を挑発でハングアップさせて流血昏倒のリタイヤに追い込む等、「淡路」によって見つけた「将棋対戦における死亡フラグ」を実戦に活かす事で、瞬く間に銀子がプロ転向時手放した2冠も含め女流三冠を達成。
また神鍋歩夢戦での敗北でスパコンの見せた魔力と絶望から目が覚めた八一に対し、電話越しに「勝ちたくないのか」という誘惑発言とあいや名人等八一に関わる棋士全ての粉砕宣言を行い、結果的にバーチャル対戦してもなお生身の銀子との関係性に悩む彼に更なる追い打ちをかけ真なる絶望に追い込んだ。
だがもはや魔王すら屈服させる修羅の夜叉と化し、悠々と乗り込んだあいとの初公式対局でソフトだけではない将棋の在り方を見せつけられ、暴走していた彼女の心に変化が訪れることになる。
【余談】
番外編『関ケ原人間将棋(リハ)』では
歴女と判明。
大谷吉継を「様」づけで呼ぶほどに敬愛している(ただしその反動で
徳川家康に殺意を向けていたり、
石田三成との友情を衆道扱いして不純な目で見ると激怒する)。
天衣という名前は、現将棋連盟会長 佐藤康光九段の棋風およびよく揮毫する言葉『天衣無縫』から、そして名前の読みは
雛鶴あい共々「AI(人工知能)」から取られている(18巻後書きより)。
「神戸のシンデレラ」の異名のモデルはアマチュアとしてマイナビ女子オープンに参加し、一気に挑戦者にまでなった長谷川優貴女流二段からだと思われる。
追記・修正お願いします。
- 実は自転車に乗れない -- 名無しさん (2023-10-30 20:13:03)
- 俺はアニメしか見てないが、なんでこんなぶっ壊れになったんだ、この子。 -- 名無しさん (2024-02-08 18:40:17)
最終更新:2024年09月25日 02:25