濡れ女子(地獄先生ぬ~べ~)

登録日:2024/05/26 Sun 12:49:55
更新日:2025/01/14 Tue 21:36:57
所要時間:約 3 分で読めます




濡れ女子』は漫画『地獄先生ぬ~べ~』に登場する妖怪。
読みは「濡れ女子(おなご)」であり、「濡れ女子(じょし)」ではない。
単行本第16巻収載の「濡れ女子に恋した男の巻」に登場。


【妖怪としての濡れ女子】

濡れ女子とは、雨の降る日に水辺に現れるびしょ濡れの美女の姿をした妖怪。
道を歩く男に微笑みかけ、うっかり微笑み返すと彼女に家まで付きまとわれる(憑きまとわれるというべきか)。
そして、家はあまりの湿気により朽ち果て、しまいには憑かれた男も重い病気にかかり衰弱死してしまうという。(妖怪解説機・談)

濡れ女子は愛媛県に実際に伝わる妖怪で、伝承も上記のように作中で語られた通り。
一部地域では『毛先に鉤針がついておりその鉤針で男を捕らえる』とも言われ、水木しげる御大はその伝承をもとに「針女」という妖怪を創作*1
余談だが、ゲゲゲの鬼太郎ぬらりひょんの孫にも登場している。

《ぬ~べ~での設定》

外見は長く豊かな黒髪で片目隠れになった、黒い着物を纏ったスレンダー美女。
見た目だけならこの人この人に似てる
しかし伝承に違わず、かなりの湿気を発生させており、髪も着物も常に濡れ、カンカン照りの太陽の下でもその水気が収まる事は無い。
漫画表現として、常に「じめじめ」という効果音が付きまとうほど。
しかし、水気を失うことは生命(?)に関わるようで、大量の塩などで強制的に脱水させられると、激痛を伴いながら身体が溶け(妖怪としての)死に至ると思われる。なめくじなのだろうか?
塩はお祓いにも使われるため、妖怪との相性の悪さもあると思われる。

ただ、能力に反して、性格自体は決して湿度の高い感じではない。
作中では、べそべそと泣いている場面も多いが、境遇を考えると致し方ないであろう。
一応、作中では自身のことを「陰湿妖怪」などと述べているが・・・。

その憑りつく能力(妖力)は極めて強力で、ぬ~べ~にすら「すごい妖気」「たちの悪いのに憑りつかれ」た、などと言わしめさせるレベル。
作中では、ぬ~べ~たちが両者を思い切り引っ張って引き離そうとするも、まるで磁石のようにくっついて離れなかった
自分で取り消せないのかよ。
それどころか、憑りついた男が高所から落下などをすると、自分もつられて落ちてしまう、などの欠点も存在する。
また、その体質以外はこれといった能力を持たず、身体能力も常人程度しかない。
病気にして衰弱死させるのも湿気で住環境を悪化させることによる間接的なものである。

このようにれっきとした邪悪な妖怪ではあるのだが……


【人間関係】

鵺野鳴介

ご存じぬ~べ~。
話は、彼の下に濡れ女と、彼女に憑りつかれてしまった男が訪ねてくるところから始まる。
だが、残念ながら、濡れ女の妖力はぬ~べ~をもってしても、一朝一夕では解除はできないほど強力であった。
というか、最後まで何もできなかった。

・濡れ女に憑りつかれた男性

本名は不明。
小太り丸メガネで、言ってしまえば冴えないオタクの風体。
趣味嗜好も見た目通りで、交友関係もほぼなく、安アパートでずっとゲームに興じ続けるような独り暮らしをしている。
ある雨の日に濡れ女子に出逢い、笑い返してしまう。

+ その結果が・・・
おねがいです!この男を引き離してください!


実は、ゴミだらけの汚部屋に住み風呂の水も3か月に1回しか変えないような無精者。
カビパンを平気で食べ、風呂には当然ボウフラが浮き、キノコの生えた布団でやゲジゲジと同衾する。
彼女に取り憑かれずとも不健康で先は長くないのでは……と思いそうだが、非常にタフで、こんな生活でも体調一つ崩さないらしい。
同じ雑誌に掲載されている巡査長でもここまでではなかろう。

また、かなりの汗かきで、その汗の量は常に濡れている濡れ女子が一瞬たじろぐレベル。
濡れ女子に取り憑かれても大して変わらないんじゃないかという感じである。

趣味の方もなかなかに変態的で、濡れ女子に対して着衣はおむつ一枚にウサ耳とよだれかけの格好を強要してくる筋金入りのキモヲタ。
この濡れ女子のイラストで何かが目覚めた小学生男子も多かったことであろう…

なので、童守小の校長を介してぬ~べ~に引き離してもらうよう依頼してきたのであった。
もちろん、濡れ女子の方男を除霊するように、である。
(ぬ~べ~は当初男性からの依頼だと思っていた。そりゃそうである)


辟易した濡れ女子は悪の妖怪らしく男を直に殺そうとするのだが、最後は思いもよらぬ顛末が待っていた。
是非漫画を読んで確かめて欲しい。


【余談】

  • 妖怪と人間の男女の組合せ、という意味ではぬ~べ~とゆきめにも通ずるものがあり、しかもゆきめが復活してから童守町に帰ってきていない時期だったので、彼女のことを思い起こすシーンがある。
    • ちなみにゆきめはこのエピソードの3話後に童守町に帰ってきた。
    • 後に、この二人はぬ~べ~とゆきめの結婚式にも出席している。台詞こそ無かったが、妖怪と人間の組合せの先輩だけに感慨深い。
    • なお、ぬ~べ~がゆきめを思い起こす妖怪と出会うというエピソードは他にも「女郎蜘蛛の巻」が存在するが、こちらはゆきめが死亡していた時期のエピソードだったため、「濡れ女子に恋した男の巻」とは結末が真逆になってしまった。
  • 不細工な人間の男性と、絶世の美女な妖怪女性の組み合わせは、夢魔(サキュバス)とその伴侶という例も存在する*2
    こちらは、ぬ~べ~がイライラしてしまうほどのバカップルっぷりを見せつけた。
    ただし、話の主軸は彼らの息子であり娘の「夢々」である。
  • この話が描かれたのは電車男の10年前で、オタクはまだまだ社会的地位が高くない状態であった。
    真倉翔先生は先見の明があると言えるかも?
  • 金霊の話もそうだが、事故を起こしたトラック運転手については一切フォローがなくどうなったかは不明となっている。
  • 吸血鬼すぐ死ぬ』に登場する月光院希美とアダムの馴れ初めエピソードはこの話によく似ている。

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最終更新:2025年01月14日 21:36

*1 水木先生は濡れ女子の絵も別に描いている

*2 第223話「サキュバスとインキュバス」に登場