コスモス姫のお戯れ

登録日:2024/09/19 Thu 00:25:49
更新日:2024/10/01 Tue 21:55:08
所要時間:約 6 分で読めます



【概要】

《コスモス姫のお戯れ》とは「遊戯王ラッシュデュエル」に登場するカードである。
2024年5月11日発売の「覚醒のバーストレックス」にて初収録。
レアリティは「ウルトラレア」「シークレットレア」「オーバーラッシュレア」の3種類が存在する。

【効果】

通常魔法
【条件】モンスター2体を含む手札3枚を墓地へ送って発動できる。
【効果】相手フィールドのカードを2枚まで選んで破壊する。
その後、相手フィールドにカードが2枚以上ある場合、自分は2枚ドローできる。

発動条件は手札コスト3枚(手札から発動した場合は実質4枚)と重い部類に入る。
ルールで毎ターン手札5枚以上でターンを始めることができるので、殆どのデッキで発動条件を満たすことはできる。
ただし、手札コストの内2枚はモンスターでなければいけないので、魔法カードと罠カードに比重が偏ったデッキに入れると事故要因になる。

コストが重い分効果は強力で相手フィールドのカードを2枚破壊することができる。
その上、破壊するカードにカードの分類や、表側か裏側か、モンスターであればレベルや攻撃力などのステータスも問わないため、破壊耐性を持ったカード以外は全て除去することが可能。*1
OCGと比べると特にモンスター除去がしにくいラッシュデュエルにおいて、非レジェンドカードとしては破格の除去性能を持ち合わせていると言っていい。

しかも、破壊効果の処理後に2枚ドローする効果もある。
そのため、発動に4枚使っても2枚除去と2枚ドローになるので等価交換は成立している。
事故札や不要札を切り落として墓地を肥やしつつ、2枚ドローでデッキを回転させることも可能。
ただし、ドローするためには相手のフィールドに2枚以上カードがなければならない点には注意が必要。

劣勢時の盤面の打開は勿論、優勢時に相手が伏せた《聖なるバリア −ミラーフォース−》《魔法の筒》などの罠カードを破壊して逆転の一手を潰したり、
延命に並べてきた壁モンスターを薙ぎ払って詰めに行くこともできる。
その際にドロー効果もついているため、ついでに手札を整えつつ発動コストで墓地を肥やせる。
つまり、ほぼどの状況においても腐ることがない。
まとめると、発動コストこそ重いが「モンスター除去」「魔法・罠カードの除去」「ドローによるデッキ回転」「墓地肥やし」の全てを1枚のカードでこなすことができる凄まじい汎用性を持つカードとなっている。
レジェンドカードの《最終戦争》は泣いていい。

とはいえ、このカードにも弱点は存在する。
1つは破壊耐性持ちには無力な点。
特に汎用性が高く破壊耐性を付与できるカードの範囲が広い《七宝神-良財》《サンセットリバース》は天敵で、狙ったカードを破壊できない事が起こり得る。
最悪盤面にカードさえ残っていれば破壊できなくてもドローはできるので、それ目的で発動することも考えられる。

2つ目に手札コストが重いこと。
2枚ドロー効果があるとはいえ手札から発動した場合は、発動後3枚になってしまい攻め手が作りにくい上に、攻め手を作れるかを2枚ドローに賭けることになってしまう。
可能であれば前のターンに伏せて発動して発動後手札4枚以上の状況を作るか、盤面に他のリソースを残しておきたい。
特に墓地を活用しつつ1枚で攻め手を作れる《ミラクル・フュージョン》《潜入開始》などと併用すると良いだろう。

3つ目にドロー効果を発動するには相手の盤面にカードが2枚以上残っている必要がある点。
相手の盤面が2枚以下ならドローはできないし、3枚以下であればドローを諦めて2枚除去するか1枚に留めて2枚ドローするかの選択を迫られる。
優勢時の詰めの状況であれば除去効果だけを使えれば良いこともあり気にならないこともあるが、基本的に2枚ドローができないと2枚のアド損となってしまう。

以上の点から汎用性は高いが、脳死で3枚入れられるカードという訳でもない。
とはいえ、これらの弱点を飲んででもデッキに投入する価値のあるカードなのだが。

採用率が高く効果の強烈さから理不尽な展開も目立ったためか、2024年10月1日のリミットレギュレーションで制限カードに指定された。
ウルトラレアでありながら143日というスピード規制となった。
とはいえ汎用性の高さは相変わらずのため、1枚採用のとりあえず入れとけ枠になる可能性が高い。
ちなみにこのカードの天敵となる《七宝神-良財》も同時に制限カードに指定されている。

【イラスト】

このカードを語る上で外せないのはイラスト。
効果もインパクトが大きいが、イラストも中々のインパクトがあるものとなっている。

イラストはコスモス姫と思われる女性が、ビー玉の様に指で惑星を弾く様子が描かれている。
もう一度言おう、指で惑星を弾いているのだ。
OCG含めても遊戯王最大レベルのサイズを持つキャラである。
設定画では全身イラストが公開されているが、カードイラストではあまりにも大きすぎるせいか上半身しか描かれていない。
カード名からするとこの行為はあくまで戯れであり、明らかに本気を出していない。

魔法カードの登場人物でありながら、公式のXのアカウントで設定画が公開されている。
それによると「星をぶつけて新たな星を作る女神様」とのこと。
設定画には「ホシの輪」という円形の図が描かれており、元ネタはおそらくスイカゲームだろう。
ちなみに、元ネタでいうところのスイカはブラック・ホールとなっている。レジェンドカードだしね。
カードの効果は2枚のカードを破壊することで、新たな2枚を作る(ドローする)ということなのだろうか。
お気に入りの星はアクセサリーにするらしい。

このコスモス姫は現時点ではこのカードのみの登場で、モンスターカードとしては登場していないのだが、登場したらどのような効果になるのだろうか。
スケールが大きすぎてモンスターカードとして登場できない可能性もありそうだが。


【余談】

汎用性の高さ及び効果の強力さから需要が高く、ラッシュデュエルの流通事情もあり非常に高騰したカード。
最低レアリティのウルトラレアでさえ1ボックス分に近い値段で取引されていた。
そのため、ラッシュデュエルで大会に出る際に高い壁として立ち塞がるカードとなっていた。
制限カードに指定された後は1枚購入で良くなった上に、値段も(他のカードに比べればかなり高額とはいえ)いくらか落ち着いたため、ある程度敷居は下がった。

ラッシュデュエルでは暴れまわったカードだが、仮にOCGにあった場合はどうなのかというと、
  • 毎ターンのドローは1枚かつ、手札枚数を稼ぎにくいゲームのためコストがラッシュデュエル以上に重い
  • その上効果無効や発動無効が蔓延する環境なので、コストが重さが足を引っ張る場面が多い
  • 特にほぼどのデッキにも採用されている《灰流うらら》に止められると、負けに等しい被害を受ける
  • サンダー・ボルト》、《ハーピィの羽根帚》、《ライトニング・ストーム》などのノーコスト全体除去が多数存在する
  • 後攻1ターン目以外ではほぼ腐る上に、その場合でも手札誘発を数枚発動し手札が減っていた場合には使えない可能性がある
魔法カードでカードの種別を選ばず2枚除去できるという個性はあるものの、やはり手札コストの重さ故に扱いにくさの方が目立つ。
除去カードが弱めにデザインされているカードプールの事情に加え、毎ターン手札が最低5枚になるようにドローするラッシュデュエルだからこそ強く使えるカードと言えるだろう。
仮にOCGに持ち込むとなると、ノーコストで全ハンデスを行う《手札活殺》という遥かにやばいカードがあったりする。


追記、修正は超新星を2つぶつけてブラックホールを作成してからでお願いします。


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最終更新:2024年10月01日 21:55

*1 ラッシュデュエルには対象に取られない耐性を持つカードはなく、そもそもカードを対象に取って発動するという概念がない。