半グレ(チー付与)

登録日:2024/09/21 Sat 15:42:00
更新日:2025/03/08 Sat 00:11:15
所要時間:約 38 分で読めます





もういいよ

息するように悪いことやってしまう ここにいる皆そうだろ──


半グレとは、一般的には日本で暴力団に所属せず犯罪を行う集団のことを指す。
「半グレ」の由来は「半」は堅気とヤクザの半分の中間的な存在であること、「グレ」はグレている・愚連隊・黒でも白でもない灰色(グレー)・グレーゾーンなど。
だが、本項目では小説家になろうにて連載されている 追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~には微塵も出てこないが、コミカライズ版には登場する同名の集団を解説する。



●目次


前提として


追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~長すぎるは六志麻あさによるWeb小説であり、書籍化もされている人気作品である。
内容は「役立たずと見做されて大手冒険者ギルド『王獣の牙』から追放された主人公のレインが隠れた『チート付与能力』を開花させて大成していき、その一方で追放した側は没落していく」といったもので、いわゆる「追放もの」のフォーマットに則った作風となっている。
魔剣やドラゴンが登場する中世ヨーロッパ風の世界で、主人公・レインが莫大な付与ポイントを保持する中で、新たに入ったギルド「青の水晶」や冒険先で知り合った仲間達を助け、信頼され、冒険者として名を上げていく単純明快な成功譚である。

だが、コミカライズ版においては、気が狂ったようなテンションのギャグが混じるなど初期から片鱗はあったが概ね上記あらすじの通りに進んでいたものの、作画の業務用餅による独自解釈によってどんどん原作から逸脱化
  • 中世ヨーロッパ風の世界観の中にパチンコ屋が平然と現れる
  • 見た目日本のステレオタイプなオカンの暗殺の母という冗談みたいな見た目のオリジナルキャラクターが作中屈指の実力者として物語に絡んでくる
  • 原作のなろう系ファンタジーの世界観や雰囲気が完全に消え、裏社会や公権力の思惑が入り混じるヤクザ映画やVシネみたいな作風となり、バトル描写も冒険者固有の魔法による駆け引きを描いたHUNTER×HUNTER呪術廻戦を思わせるものに変化する
……といった具合に原作とは全く別物と言って差し支えないものと化すのであった。
その辺の細かい説明に関しては本編記事も参照のこと。

前置きが長くなったが本項における半グレは、そんなコミカライズ版だけに登場するオリジナルの勢力であり、そしてコミカライズ版が原作から完全にかけ離れた象徴とも言える「半グレ編」におけるメインヴィランである。


概要


元は大陸5大冒険者ギルドの一角で、物語の主な舞台となるゼルージュ王国にある「王獣の牙」所属の冒険者たち。
「王獣の牙」はギルドマスターのバリオスが軽い気持ちで主人公のレインを追放した後、彼に報復としてそれまでギルド所蔵の武器に付与していた強化ポイントを回収されてしまったことで弱体化。
副ギルドマスターのグレンダ主導によるレインの拉致・監禁による再強化案も企てられたが、レインの暗殺を目論んでいた冒険者コーネリアスの雇った暗殺者ミラベルによってグレンダが殺害されてしまったことで頓挫。
グレンダは行方不明扱いとなったが、ただでさえ団員離れが続くギルドは事実上の内紛によって更なる打撃を受け、トップのバリオスも弱腰な人物ともあって見限る冒険者が続出。
「半グレ」は、その際に優柔不断な態度を取っていたバリオスに特に怒りを抱いていた親グレンダ派の「半分」という人物が仲間を引き連れて脱退して独立した勢力である。
呼び名の由来はグレンダを慕っていた『分』が率いるグループ」であることから。

「だいたい何が半グレだい!半分グレーって結局グレーだろーがそれはぁ~!!」
「半分グレンダだよバカヤロー!!」


元々冒険者自体が強大な魔力を持て余した荒くれ者揃いということもあり、リーダーの「半分」も含めた面々は正にチンピラといった言動や風貌。
半グレとなってからは「王獣の牙」やグレンダという縛りが外れたからか、冒険に出る気配すらなくなり、街での恐喝・詐欺・婦女暴行等の反社会的行動を始めた。
半分も無理にメンバーを縛りつけようとは思っておらず、統制から完全に外れた下っ端などはカタギに対する迷惑行為を平然と行うなど、ヤクザよりも数段質の悪い悪党と化している。

一応メンバー全員が常日頃から無法を働いているというワケではなく、特に半分や彼に近しいメンバーは一般的な社会常識や倫理を守る場合もある。例えば、
  • 配下が客人に暴力を振るって無理矢理連れてきた場合は激怒し、配下の方を殴って𠮟りつける
  • 指名手配されたことで飼育が困難になった犬をペットショップに預けて別れる
  • 暗殺の母を無力化した後、残ったその子供達には手を出さず「勉強頑張れよ!」の言葉をかけて去る
  • 指名手配中に立ち寄った飲食店で店主に気付かれても口封じも行わず、律儀に代金を残して静かに去る
このように仁義や情も理解した上で、ただそれでも息するようにどうしても悪いことをしてしまう。本当にどうしようもない悪党の寄る辺こそ半グレなのである。

全員見た目こそチンピラだが、元大手ギルドの構成員なだけに戦闘能力と知能は軒並み高い。ブランクがあるとはいえS級冒険者のリリィを当時名無しのモブだったエンディが出し抜いて一撃を加えるほど。
正真正銘の名無しのモブであっても、急襲したにも関わらず構成員34人の犠牲につき国王軍23人を死傷させて道連れにするレベルに集団としての練度も高い。
また、個人の交友関係でニッチな情報網を持ち、かつ知り得た情報は全て共有した上で臨機応変かつ即座に活動に移すフットワークの軽さも強み。

後のエピソードで「当時の王獣の牙でレインの強化付与の恩恵を受けていたのは中堅以下の構成員のみで、王獣の牙の中でも上澄み冒険者である『半分』達はレイン抜きでも一流の使い手」という事実が判明した。
つまりレインの役割は中堅以下の戦力を実践レベルまで底上げする事であり、居る恩恵は大きいが必須級の存在ではないという立ち位置なので*1、半グレの存在はこの手の追放モノで疑問に上がる「なぜ必須級のメンバーを軽々しく追放するのか」の回答にもなっている。

方針としては「来る物拒まず、去る者追わず」らしく、半グレが討伐対象となってから抜けるメンバーに対しても特に咎めもしないどころか、半分自ら「逃げたいやつ逃げろ」と言うほどに寛容*2
その反面、仲間に害を成す形で裏切った者に対しては容赦ない制裁行為を加え続けており、典型的な「身内にだけ優しい」組織である。

とは言え、半分の「孤独な奴の手は俺が取る」という思想自体は本物。
孤児や家庭環境に問題を抱えた人員を多く抱えており、孤独から救ってくれた半分への恩義から忠誠を誓ったり、仲間意識が強いメンバーも多い。
大半のメンバーの関係性も損得勘定ではなくお互いの強い信頼意識で結ばれた対等の仲間であり、半分のカリスマ性もあって一枚岩の集団である。

しかし、半分の方針は同時に弱点にもなっており、特に精査もしないまま仲間を増やし続けていくため余計な火種を抱え込みやすい。
半分の傍を居場所と定めたメンバーの結束は固いが、もしその一枚岩の強さを利用されることがあれば……
実際、王国側からスパイを潜り込まされていた上、半分にとっての親の仇であるミラベルをそうとは知らずに仲間に引き入れてしまったこともある。


読者の間では最初の方こそ「グレンダ」の名前から思いついたダジャレみたいな組織ということもあり、コミカライズ版特有のイカれた展開の中の一発ネタという認識だった。
しかし、物語が進むにつれて半分が持つ凄みと怖さ、悪党ではあるが身内同士の仲は良い魅力が注目されるようになり、構成員が固有能力を活かして頭脳戦を繰り広げるようになってからは、それこそ幻影旅団のような魅力的な悪の組織として人気を博すようになった。
半グレ編に入ってから能力の駆け引きとかの他に絵柄や演出もハンターに寄って行ったような気がする……


作中での動向


リーダーの「半分」自体の登場は早く3巻の時点で登場している。その際にグレンダが行方不明になったことで彼女が進めていた「レインの拉致・監禁」*3というギルドの方針を撤回したバリオスに怒りを直接ぶつけて取り巻きと共に脱退を表明した。
最もこの時点では名無しのモブであり、ただ単に「王獣の牙」からの脱退者が続出している背景を端的に説明するだけの出番に過ぎなかった。

彼が半グレを組織して本格的に物語に絡んでくるようになるのが続く4巻。
半グレが冒険者から外れた反社会的存在と化して社会問題となる頃には既に「王獣の牙」も解散しており、バリオスもキッチンカーの店主というセカンドライフを送っていたのだが、半グレは報復の為にバリオスを強襲して殺害
続いてグレンダを殺害したことをうっかり酒場で吹聴してしまったコーネリアスを浚って報復に及ぼうとするものの、コーネリアスが命惜しさに「そもそも『王獣の牙』崩壊の理由が強化付与魔術師であるレインの離脱にあること」「グレンダも捜していたレインの強化付与能力が規格外であること」を明かしたことで「レインの拉致」という方針を定める。
そのことを知ったミラベルやエルシーら「青の水晶」の面々が「レインは浚う価値があるほどの強化付与魔術師ではない」という偽情報を浸透させる情報操作や、暗殺の母率いる暗殺者ギルドを半グレと敵対させてかち合わせる工作を施すも、情報伝達の行き違いにより失敗。
却って状況は悪化し、半グレと暗殺の母が協力して「青の水晶」を潰しに向かうという最悪のタッグが組まれることとなる。

しかし、エルシーはゼルージュ王国への反逆行為を行ったことを自首する*4ことで反逆者として拘束され、「青の水晶」自体も捜査対象として国王軍の管理下に置かれるという奇手を放つ。
さしもの半グレも「国王軍の管理下に置かれた『青の水晶』に手を出す=王国全体を敵に回す」ことは出来ず、ひとまずレインを巡る一連の争いは小康状態となった。

それでも半グレ構成員による反社会行動が静まることはなかった。
そんな中、レインが半グレメンバーに襲われていた来来軒親子を助け、その縁から彼らを祖国のウラリス王国に帰すための護衛任務が発生。
半グレ側は「ナメられたら殺す」の精神もあり、ゼルージュ王国の法と権威が及ばないウラリス領の道中にて親子を襲う計画を立て実行。「青の水晶」の警備を出し抜き、構成員の一人エンディが来来軒親子の乗る自動車に攻撃を仕掛けて報復に成功……する筈だった。
エンディの攻撃はレインが咄嗟に親子の乗る自動車に強化付与を施したことで阻まれ、そのまま自動車は走り去ってしまう。
だが、それはレインの能力が「大量に強化付与できる」どころではなく「科学技術で作られたものは魔力に触れるとダメになる」というこの世界の常識を根本から覆す「魔科両立」を可能にするものだということの証明に他ならなかった。
手榴弾に強化付与すれば大都市すら一発で破壊できる程の、文字通り世界を変えられる力を前に半グレ達は勢い付き、不在の半分*5も含む仲間達にこの情報が共有されることになる。

しかし、ここで半グレを危険視する王国内の勢力により「(半グレが魔科両立を手に入れることで)王位を簒奪する動きがある」という報告が成されてしまう。
冒険者特権によりこれまでの無法も黙認されてきた半グレはここに来て一転「反逆者」となり、冒険者特権は剥奪され討伐対象に認定される。
これにより各地の拠点を王国軍や、半グレに面子を潰されていたヤクザ勢力等に襲われ半壊状態へと陥ってしまう。

王国内にいれば国王軍にヤクザ、賞金稼ぎに常に命を狙われ続け、かと言って国外に逃亡してもゼルージュ王国との軋轢を恐れる他国によって通報されるという四面楚歌の状態。
完全に「詰み」となった半グレだが、ここに来て半分が今後の方針を表明。


「何すんの?」
「おもしれーことまだ何かあんのか!?」

「ああ お前ら俺に命預けろ」

「国王と戦って王座奪っちまおう」


それは完全に開き直った王座簒奪のクーデターであった。
その後、半グレは国王軍と戦いながら、国家転覆の鍵となる力を持つレインの拉致を本格的に開始。
ここに来て半グレの悪事は国家規模へと肥大化していくのであった。


「俺ら半グレならできる 勝って生き残るんだよ」


メンバー

リーダー


「半分」

「だから俺も同じようにしてる 孤独な奴の手は俺が取る」

「本物の人間なんて全然いねぇ 法律守ってさえいれば自分は人間だと思ってる偽物ばっかりだよォ~」

「俺らを待ってる仲間がいる 今はそれ以上に大事なことなんてねぇんだよ」

本名不明。半グレの創設者にしてリーダー。逆立った金髪が特徴的な男。
「俺の半分はグレンダでできている」と口癖のように語ったことで「半分」と呼ばれるようになった通り、グレンダへの思慕の念は深く「王獣の牙」末期にはとっくに彼女の実力を超えていたが、親の顔を立てたかったのか彼女の部下のままで居続けていた。

冒険者としての力量は非常に高く、「王獣の牙」でも三指に入る隊を率いたコーネリアスをして(なんだよこのバカでけえ魔力は…!?)と言わしめるほど。
魔法の他に体術や考察力も優れており、ブランクがあるとはいえS級冒険者のエルシーを相手に互角以上に立ち回って出し抜いている。
加えて冷静沈着な判断能力と大胆な行動力の両方を持ち合わせており、戦闘中であっても大局的な視点で物事を判断し瞬時に合理的な動きに移ることができる。
それでいて本来使用すれば魔力が落ちるはずの拳銃をためらいなく使う描写もあるなど、総じて底の知れない人物。

元々は身寄りもない孤児だったらしく、王国第三門という廃城を根城に生活。
その時から尋常ならざる魔力量と強力な能力は健在だったらしく、近づく冒険者に危害を加えるなどして突っ張っていた。
その実力を見込んだ「王獣の牙」の副ギルドマスターであるグレンダに誘われたことで孤独から救われ、以降は彼女を実の親のように慕うようになる。
その経験から恩義や信頼を重んじる一面を持っており、自身も同じように孤独な者に手を差し伸べることで仲間を増やしており、それが半グレの結束の強さとなっている。
喧嘩や冒険での怪我が常でよく入院する半グレ構成員に対してフルーツ持参の見舞いも欠かさないなど、仲間にとっては優しくマメな性格でもあり、劇中でもしょっちゅう見舞いに行っている。
仲間を優先する姿勢は徹底しており、例え自身の一番の仇敵であるミラベルを今すぐに殺せるような状況にあったとしても、仲間を生かすための逃走を優先して決着を保留にするほど。
しかし身内以外の人間や裏切り者への振る舞いは冷酷非道の一言で、必要とあらば笑って人を嬲り殺せる極悪人。

無神論者ではあるが、神学の本を読み耽って「統治のための宗教」の必要性を理解するなどインテリな側面がある。
また、時折人間の在り方等についても哲学的に語り出すことがあり「人間は皆罪人」と悲観的性悪説を唱えたりと、悪党としての美学も持ち合わせる。



反逆後の6人


半グレが王国の討伐対象となった後、大半のメンバーが離散する中で変わらず半分に付き従ったメンバー。
「王獣の牙」時代から一緒にチームを組むこともあり、特に半分との親交が深い面々で実質的な半グレの幹部である。

エンディ

「4.8秒あったろ!?反応と考察が遅ぇ!オマエ本当にS級かよ!?」

(俺ってプライド高ぇのか!?)

スキンヘッドに黒のタンクトップと分かりやすいチンピラ風の男。
見た目に似合わず頭の回転が速く、他の半グレメンバーと同様冒険者としては高い実力を持つ。
反面、仲間内で直々に指摘されるほどプライドが高く、それを傷つけられるようなことがあると冷静さを失い優先順位を間違えるところが欠点。また、本人はプライドが高いという自覚がない。
もしもその「異常なプライドを自覚し、あえて捨てる選択肢」を取ることができれば、この上なく厄介な敵になるかもしれない。


タケ

「絶対死なない状況で生きてもつまんねーだろ!」

「次は俺が暴れてお前が逃げる番!!な!!?」

半グレの構成員。ファーのついたマントを羽織った褐色肌と金髪の男。
初登場のシーンではいかにもなモブ顔だったがその後話が進むにつれイケメン化が進んでいる。
半グレの中でもかなり粗暴かつ刹那的な性格で暴れることが大好き。
よく理由もなく喧嘩をしたり、自分達が危機に陥りかねない悪ふざけをしているため、仲間内からも長生きはできないと言われている。
半グレメンバーでは唯一フルネームが設定されており、本名は「タケ=プラムパイン」*10


コージ

「クスリの話やめてくれよ…オヤジのこと思い出すじゃん…」

「使えないなぁあお前はああ────っ!!!!」

センターパートのボブと垂れ目が特徴の半グレ構成員。
気だるげでやる気のない言動で、本人曰く満員電車が嫌で冒険者になったらしい。
父親がドラッグを乱用しているらしく、仲間達との軽口とはいえ「殺したい」と言い放つほど険悪な仲の模様。
基本的にダウナーだが、優しく接して懐柔したかと思えば、自分の思い通りにならなければ突如豹変して喚き立てるなど情緒不安定な側面がある。
激昂時に「女しか殴れないカスと思ってる!?」と発言していることから基本的にDV彼氏気質なのだろう。
また、結構な煽り屋でもあり、面白半分でメンバー間を焚き付けるので半分にも苦言を呈されている。
とは言え、基本的には仲間想いであり、仲間の為なら自分の命を捨てることも厭わない覚悟を持っているのは他のメンバーと同様。
エンディ曰く「人間を破壊する能力」を持っているらしいが……?


ソウタ

「エンディくん 屋久杉ってなんで長生きか知ってる?」

「なんだろ…でも未来考えたら死ぬの怖くなりそうなんだよね」

半グレの構成員。金髪モヒカンの男。
メンバー最年少の12歳だが、とてもそうは見えず、仲間内で老けすぎな外見を弄られている。
見た目不相応にまだあどけなさの残る性格で、よく軽口を叩きながらもメンバー全員から可愛がられている。
植物についての知識が豊富らしく、仲間内でよく雑学を披露している。


ミノル

「神は今日俺に好意的らしい」

「誰でもいい!さあっ俺とやろうぜ!」

半グレの構成員。天然パーマ気味の金髪で黒いファーのついたマントを身に付ける。
この世界における何らかの「神」を信奉しているらしいが、あくまで自分の信仰に基づく範囲であり、他の神に関しては管轄外として興味も持たない。
服を脱げば力士型の太マッチョであり、魔力を込めた格闘術での戦いに自信を持つ。
あくまで本人の言によるものだが、育ちはそこまで悪くないらしく女性を殴ることにも抵抗があるらしい。


コゲ

「どれに吐いたらいいんだよお~~~」

(行っちゃだめだ)

半グレの構成員。黒髪モヒカンのゴツイ男。
メンバーの中では大人しい方で、髪型をバカにされてもすぐにはキレず「人のことそんなふうに言うのよくないだろ」と諭すほど。
見た目に反して情報収集に長けた後方支援要員であり、仲間のためなら自分の身を犠牲にすることも厭わない。



その他構成メンバー


ケンジ

「な!?女遊びも役に立つだろ!?」

「なに言ってんの?全員さらって死体消せばそもそも事件が起きたことにもならねーじゃん!」

プリン気味の金髪にサスペンダー姿の構成員。
女好きで王子の屋敷の女中にまで手を出している遊び人。
しかし、付き合っている女性を通した情報網は広く、また運も良いとされているため、エルシーが所持していた隠し家をたまたま見つけ出した。

色黒の半グレ

「ミラベル…グレンダ殺したのってオマエ?」

「でも羊羹食っちまったしなあ…」

暗殺の母の「サックマイファッキンディックメリークリスマス号」による襲撃時に重症を負い入院していた構成員。
半グレがいつも持ってくる見舞いの品とは違う物を持ってきたという些細な違和感からスパイとして潜入していたミラベルの正体を見破った上に、彼女が譲ってくれた羊羹に口をつけてしまったから羊羹を食べている間だけは見逃すと言ったりなど、到底モブとは思えないような大物感を醸し出していた。

その一連の行動から読者からの人気は非常に高いが、暗殺の母の強襲から半グレ全員が賞金首になるまでの期間が短く、また生き残りの集合シーンでも登場していないため、入院中に襲撃され殺害された可能性が高い。

ワダチー

「毎日悪いことしてっと24時間逃げ続けてる気分なんだよなあ…これってやっぱ俺がすげえマジメってことだよな~」

「半分…みんな…悪い…俺が不用意なこと言ったせいで…」

半グレの構成員。黒髪の天然パーマ気味の男。
王位の簒奪を仄めかすような発言をしてしまい、半グレの冒険者特権剥奪と指名手配の原因を作ってしまう。
どうやらかなりのお調子者であるが故にどこででも嫌われてしまい、最終的に半グレにしか居場所がなくなってしまったらしい。



関係者


グレンダ

「一緒に来い!私にはお前が必要だ」

「王獣の牙」の副ギルドマスターであり、半分の恩人。
幼いながら能力を使う半分の情報をどこからか聞きつけたのか、初対面でその実力を認めながら「私にはお前が必要だ」とスカウトした。
その経験と恩義が半分の仲間の為の活動指針となっているが、半グレメンバーの中にはグレンダと直接面識がない者もいる。
レインの追放によって「王獣の牙」が弱体化した際は、レインを拉致・監禁しての組織の再編を謀り半分にもその準備をさせていたが、この方針は期せずして半分に引き継がれることとなった。

原作では生存はしているものの、ギルドの転落劇に巻き込まれた幹部その①くらいの扱いであり、死後存在感を示すことになったコミカライズ版の扱いは大出世と言っても良い。
というか、彼女の名前がグレンダじゃなかったら半グレも生まれなかったのだから本当に何がなんだか……

コーネリアス

(今となっては立場の選択がどうとかどうでもいい 全てはもう遅い──)

「王獣の牙」の冒険者。
ギルド時代はレイン曰くギルド内でも三指に入る隊を率いる隊長クラスだったらしいが、半分との上下関係は不明。少なくともコーネリアスは半分の能力を知らない上、決死の奇襲も簡単に防がれているため実力の面では大きく水を開けられていた模様。
酒場でうっかり自分がグレンダ殺しを命じたことを口走ってしまったため、半分に命を狙われるようになり捕らえられてしまう。
その際、命惜しさにレインの強化付与能力を提示して、その「情報源」として振る舞うことで捕虜として命を長らえた。
しかし、ミラベルが半グレに潜入したことで「グレンダを殺したのはミラベル」という情報を明かすことと「余計な情報を明かせばミラベルに殺される」という恐れ、「余計なことを喋らず現状の『情報源』の立場を守る」という保身の板挟みとなる。
それでもなお巧く立ち回ろうと試みるも、悉く裏目に出て立場を危うくしてしまい、最終的に「ミラベルはレインのスパイ」という推測を口にするも、ミラベルを信用した半分により拳銃で射殺される最期を迎えることになる。

ミラベル

「仲間は別に…いら…ない…」

コーネリアスの依頼でグレンダを直接殺した張本人。
なのだが、当初半分は下手人がミラベルだと把握していなかった
事情を知るコーネリアスもミラベルの離反に遭った際に「口外すれば私はお前を許さない」と脅されていたため、迂闊にこの情報を明かすことができなかった。
レインが半グレの的にかけられていることを知ったミラベルは「青の水晶」を離脱し、コーネリアスが余計なことを喋らないよう監視して隙を見て連れて出ること、情報アドバンテージを駆使して「レインの強化付与能力は実は大したことがない」という虚報を広めることを目的として半グレに接触。
しかし半グレに接近するにあたって「レインに恨みがある」と偽ったことから、半分に「救いが必要な孤独な者」と本心から同情されてしまい、ミラベルの服に強化付与がされておらず*12スパイでないことが証明されたこともあって半グレに加入させられてしまう。
以降はミラベルの真意を察したエルシーと密会し、残りの情報操作をエルシーが進めつつミラベルは半グレ脱退の機会を窺うことになる。
しかし、半分が暗殺の母と接触したことで「ミラベルこそグレンダ殺害の真犯人」という真実が露見。
一転して追われる身となったが、同時期に真実を知ったエルシー決死の奇策によって半グレから足抜けすることに成功した。

クッキー

半分が飼育している犬。
半分とはよく一緒に散歩やキャンプに出掛けており、どんぐりほどではないが犬種が判らなくなるほどの深刻な作画崩壊を起こしているため懐いている様子*13
半分も散歩の際にはエチケット袋を準備していたりと飼い主としては割と立派だった模様。
半グレが討伐対象となり、追われる身になってからは飼育が困難になったためペットショップに引き取られる事となった。


顛末


レインの身柄を手に入れることで、ついでにゼルージュ王国を転覆させる計画を立てた半グレ。
だが、王国も彼らを討伐すべく早々に本腰を入れて動き出してしまい、「国」VS「半グレ」という字面からして絶望的な構図が始まる。

冒険者権限が剥奪され討伐対象となった半グレは、国王軍や冒険者ギルドは勿論のこと賞金稼ぎや暴力団といったウラ側の組織すら牙を向けられる。半グレの首を狙う者の中にはかつて共闘した暗殺の母の姿すらあった。
誇張でもなんでもなく国の全てが敵となった半グレに未来はなかった。

各地で繰り広げられる交戦を何度も退けるが、その度に能力の情報が割れていき、徐々に確実に破滅へと歩みを進めていく。

レイン拉致作戦が開始されたと同時に半グレ討伐戦は佳境に入る。王国に完全包囲された反逆者達は一人また一人と命を狩られていき――



「じゃいーや 行くぞぉ!!!」
「まかせろお!!!」
「ハハハッ」
「やれえええええ」

「追記・修正してまた会おう!!!」


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  • 冒険者
  • 王獣の牙
  • 時代の敗北者
  • 反逆者
  • 強敵
  • 指名手配犯
最終更新:2025年03月08日 00:11

*1 実際、半分はグレンダがレインを追っている話を聞いてはいたが、その詳細は「業務の系統が違う」ということで把握していなかった。そのため、レインの強化付与能力のチートさも当初は理解しておらず重要視さえしていなかった。

*2 最も半グレを抜けたとしても賞金稼ぎに一生追われる身であることは変わらず、半分自身も「どっちみちすぐ誰かに殺されるよォ~」とドライな反応を示している。

*3 どうやら元々グレンダ経由で半分らが拉致の準備を進めていたらしい。

*4 レインの付与魔術が明るみに出て身を狙われることのないよう、彼の活躍を伏せる形で虚偽報告を行なっていた。

*5 愛犬と共にキャンプ中だった。

*6 ゼルージュ王国を相手に宣戦布告を行った際には砂嵐が巻き起こり王国軍を混乱させているが、これも半分の空気を操って風を巻き起こす能力の応用と思われる。

*7 上で触れた通り拳銃を発砲しても魔力が落ちなかったのは、おそらく同様の方法で魔法を銃撃に見せかけていたものと思われる。

*8 半グレ構成員でも大口径の銃(マシンガン)の連射の前では成す術なく射殺されている。

*9 糸電話や聴診器に近い。

*10 苗字は直訳で「梅松」……つまり「松竹梅」である。

*11 ただしリリィは「もっと都合の良い条件で脱出するにはより過酷でリスキーな勝負に勝つ必要があり魔力消費量も莫大だった」と考察している。真実はそれこそ神のみぞ知る…だろう。

*12 ミラベルが「青の水晶」の離脱を宣言したことで、エルシーの指示を受けたレインが+2の強化ポイントのみ残して解除していた。

*13 何を言ってるかわからないとは思うが、この世界の犬は「飼い主と心の距離ができるとリアル調の絵柄になる」性質を持っているため、懐いているほどラクガキに近い姿になるのだ。何を言ってるんだろう……