レプラカーン(聖戦士ダンバイン)

登録日:2024/10/17(日) 10:17:00
更新日:2025/05/05 Mon 07:35:56
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レプラカーンには力がある!



レプラカーンとはアニメ『聖戦士ダンバイン』に登場するオーラバトラー(以下AB)の1つである。




スペック

分類∶オーラバトラー
全高∶8.8メット(m)
重量∶9.0ルフトン(t)
オーラ係数∶0.88
必要オーラ力∶9オーラ
限界オーラ力∶16オーラ
巡航速度∶290リル=約1,160km/h
最高速度∶200リル=約800km/h

装甲素材∶強獣の甲羅
所属∶アの国、クの国
主なパイロット∶バーン・バニングス、ジェリル・クチビ、フェイ・チェンカ、その他一般兵



機体概要


ショット・ウェポンがビランビーをベースに開発した試作オーラバトラー。
朱色をベースとしたカラーリングに、鋭く睨みつけるような黄色い眼があるいかにも悪役メカといった面構えが特徴的。

高機動タイプのABであるビランビーの武装強化型として設計され、機体内部に多数の銃火器や接近戦用武器を内蔵。その武装数は並のABを凌駕するものとなっている。

その他(TV版に登場した)ABの中では初めてと、左右独立式のオーラコンバーターを装備しているのも特徴。オーラコンバーターに関しては片側を潰されても残った1つを用いてある程度飛行する事が可能。

その後に開発された全てのAB(ドレイク陣営・反ドレイク陣営に関わらず)が同じ構造のコンバーターを装備しており、エポックメイキングな装備となっている。

このように意欲的な装備も多数盛り込まれた機体だったが、個々の火器の威力は低めで、装甲などの点においてバランスが悪いという欠点を持ち、コストも高いためドラムロやビランビー、そして開発時期が近いビアレス程多く生産されずに、1部の騎士に向けて少数生産されただけに留まった。

その後本機のコンセプト・設計思想は後発のライネックやズワァースにより洗練された形で受け継がれている。



武装


オーラ・ランチャーを除く当時のドレイク軍ABの使用する武装が全て装備されているのが特徴。

オーラソード

ABの標準装備であるブロードソード。左腕の盾に収納する。23話ではボゾンの物を奪って使用した事も。


左腕部シールド

左腕に装備されたシールドは、ソードの鞘を兼ねている他、内部にオーラ・ショットとワイヤークローを内蔵した多機能兵装になっている。
設定画では左腕に生えた爪で保持する仕様となっており、オーラ・ショットを爪に引っ掛けて発射するダンバインとの技術的関連性を伺わせる。


フレイ・ボム(火焔砲)

右腕に装備されたナパーム・ランチャー。登場初期話数では作画ミスか、左腕の盾からフレイ・ボムを、逆に右腕からオーラショットを発射しているような描写も見られた。


オーラ・バルカン

コンバーターに片側2門ずつ装備された射撃兵器。ウィング・キャリバーに搭乗したままでも使用できるフレキシブルさが魅力。その他頭部にも2門装備。


ボールマウント式単装オーラ・キャノン

ち○こ
股関部に装備されたボールマウント式キャノン砲。白兵戦で敵と密着した場合でも有効な装備であり、25話では至近距離からの発射でダンバインのキャノピーを破損させている。


有線ミサイル式手榴弾(グリネイド)

両脛の装甲内に1個ずつ内蔵された手榴弾
一撃でABも跡形もなく消し飛ばせる程の高い威力を持つが皮肉にもその威力は自分に向けて発揮されることに…(後述)

その他、口にある牙は可動式で、手首の手甲にはメリケンサックのようなスパイクが生えており、格闘戦での副武装として使用可能である。



劇中での活躍

第20話から初登場。

指揮官の座を更迭されたバーン・バニングスがテストを兼ねて出撃。その大火力を持ってゼラーナを損傷させ、マーベル搭乗のボゾンも圧倒するが、その性能を持ってしてもショウ搭乗のダンバインを倒すまでには至らず、第25話では双方剣を無くしたうえでの熾烈な力比べの末、オーラコンバーターを換装したダンバインとの両腕をもぎ取られ敗北してしまう。


その後第22話から、ジェリル、フェイら第二陣の聖戦士たちの3代目の乗機としても登場。*1


フェイ機は第23話で投擲したグリネイドをダンバインに打ち返され敢え無く大破してしまったが、ジェリル機は一度全損したことこそあれど第29話でフォイゾン王搭乗のボチューンを討ち取る大戦果を挙げている。

一般騎士用の量産型も登場するがその間にビルバイン、ズワァースなど後発の新型機も多数登場しており、その中で本機の存在感も相対的に薄れていくものと思われたが…








レプラカーンが…巨大になって見える⁉


ふふっ、敵が小さく見えるという事は、
あたしがダンバインにもビルバインにも、勝つという事だ!


ハイパーレプラカーン





第37話にて登場。
ビルバイン、ダンバインの連携攻撃に追い詰められたジェリルだが、憎しみと怒りと驕りの心でオーラ力を肥大化させて、機体を象ったオーラバリアを数十倍にまで巨大化させた姿。
劇中で初めてのハイパー化の事例である。

その圧倒的な攻撃力でダンバインの左腕を叩き斬り、残るビルバインも握り潰そうとするが仲間の想いを受けたショウとチャムはジェリルの悪しきオーラを跳ね返して脱出に成功。


それとほぼ同時にジェリル自身も暴走したオーラの奔流を制御しきれなくなり、機体も耐えきれず自壊を始める。そのままビルバインのオーラキャノンがコックピットに直撃し、ハイパーレプラカーンも爆散した。*2




ハイパー化の発現、そして制御出来なかった故の自壊は敵味方双方に大きな衝撃を与えることになり、ショウやマーベルはハイパー化しない戦い方を心がける事となり、逆にトッドや黒騎士はハイパー化を戦術に取り入れ、ショウ達を倒そうとしていく。










ゲーム作品での活躍

スーパーロボット大戦シリーズ

ダンバインの参戦時にはドレイク軍勢の一般兵や、ジェリル、フェイらの機体として登場することが多い。

オーラバトラー系の機体としては武装の数が豊富で、射程も比較的長い傾向にあるのが特徴。またビランビーの登場回数が少ないためか、原作では乗らなかったアレンの機体として登場することもしばしば。

ダンバインのシナリオが再現される作品ではハイパー化のイベントが再現されることも多く、ボス敵としての存在感も強い。
逆に「これで対等」などとネタにされることもあるが、これは相手が悪い。

今のところ自軍で使用できる機会がある作品はEX、COMPACT。
変わり種として、BXのキャンペーンマップ「悪の華」ではジェリル機が自分で操作可能。なんとハイパーレプラカーンと対決させることもできる。

聖戦士伝説

PSで発売されたダンバイン単独でのゲーム作品、ジャンルはシミュレーション。
自軍で運用可能なABとして登場する。能力的には砲戦火力偏重の、手が長く足が短い機体となっている。
リの国では定番の青系のカラーリングが基本。通常の赤い機体はカオスルートでのみ入手可能(ロウルートではフェイ機すら青く塗られる)。
当然ながら敵機としても登場するのだが、特筆すべきは同作中で唯一のハイパー化するABという点。そのせいかジェリルが唯一の味方参入しない地上人になってしまった(トカマクやゼット・ライトすら仲間にできるのに)上に、ハイパーレプラカーン自体が戦闘後イベントの演出という寂しい扱いである。

パチンコシリーズ

サミーが開発したパチンコシリーズでも登場。
予告ではレプラカーンが出てくればチャンスで、さらに大チャンスのビルバインリーチでは相手のうちの1機に選ばれている。(もう1機はズワァース)
原作通りハイパー化してビルバインを握りつぶそうとしてくるのに対し、ショウが「南無三!」と振り払うことが出来れば大当たりとなる。
パチンコでは原作と違い、オーラキャノンを受けて爆散する際に断末魔の叫びをあげる。
さらに本シリーズの目玉であるSTのダンバインラッシュでも最初から対決相手として選択可能。

続く2作目でもリーチはあるのだが、本機とズワァース(黒騎士)との間にライネック(トッド)が新たに入ったことで大当たりの信頼度は前作より低くなってしまっている。

立体物

バンダイからの立体物として、
放送当時の1984年に72分の1スケールのプラモデルが発売された。
頭部など部分的な造形は良い部分も多いが、胴体や足が設定と比べるとやたら太いのが特徴。この時点でも翅部分はクリアパーツで造形されている。

その後2001年にHGABとして発売。
旧キットと比べると同じスケールながら大きめの縮尺となっている。よりアニメイメージに近いプロポーションに修正され、キャノピーがクリアパーツで造形されるなど、色分けや造形は旧キットより進化している。

完成品モデルとしては2015年10月にROBOT魂が発売。
造形面、可動面ともに良好なうえにグリネイドの収納ギミックも再現されており、TV版の立体としては決定版とも言える仕上がりとなっている。
その後プレミアムバンダイ限定でハイパー化Ver.も発売。(2016年9月発送)全身がクリア素材で成形+メタリック塗装で37話のハイパー化を再現したグッズになっており、ミニサイズのビルバインとダンバインのフィギュアも付属している。



また、アレンジが効いている立体物として、ロードオブバイストンウェルシリーズの4弾として発売された。

その他ガシャポンのHGシリーズとしてミニフィギュアも発売。



余談・その他


  • 名前の由来はアイルランドの妖精レプラコーン。これに限らずダンバインの固有名詞はファンタジー用語を一部弄ったものである事が多い。

  • デザインは出渕裕氏と湖川友謙氏の共同によるもの。ラフ画の一つでは脛部のグリネイドがミサイルランチャーになっているイラストも見られる。

  • 第37話 ハイパー・ジェリルの演出は今川泰宏氏、直接巨大化するというインパクトのある描写はダイナミックな演出は後に氏が監督するミスター味っ子などにも通じる破天荒な演出のはしりともいえる。その他バーン搭乗のレプラカーンの最後の出番である第25話の演出も担当しており、レプラカーンの活躍を語る上では欠かせない人物とも言える。

  • 本編では透過光で見づらくなっているが、よく見るとハイパー化から自壊する際に装甲がひび割れてオーラ・マルス(ABの筋肉部分)が露出した若干グロテスクな姿を見る事ができる。

  • 2023年に開催された聖戦士ダンバイン40周年記念展の限定商品として、「レプラカーンハイパー化エコバッグ」が発売。折り畳んだ状態では通常のレプラカーンの設定画が印刷されているが、展開すると37話のハイパーレプラカーンのキャプ画が表示される、ハイパー化を表現したグッズとなっている。



日本人に追記・修正させるかよ!
俺は、フェイ・チェンカなんだぜっ⁉

そうだ。俺は日本人だ。その俺が、追記・修正をしてはいけないのか…?

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最終更新:2025年05月05日 07:35

*1 最後の1人であるアレンはレプラカーンに搭乗せず。最期まで高機動タイプのビランビーで通している。

*2 レプラカーンが自壊を始めた時以降、ジェリルは一言も喋らず、既に亡くなっていたものと思われる描写ともなっている。