ビルバイン

登録日:2010/09/12 Sun 08:50:03
更新日:2025/05/05 Mon 06:00:06
所要時間:約 4 分で読めます




※推奨BGM:「ダンバインとぶ」


ドレイク軍との決着をつけるために、
城を捨て、自ら戦火の中に飛び込むフォイゾン王。

援護に回るゼラーナとショウ。
だがその軍勢の前に、ダンバインは撃破されてしまう。

絶望の中で、ショウの前に現れる謎のオーラバトラー……

ビルバイン

人は、その威力に目を見張る。


聖戦士ダンバイン、次回。


ビルバイン出現


雷雲がショウを呼ぶ。



俺は人は殺さない!

その怨念を殺す!



ビルバインはアニメ『聖戦士ダンバイン』に登場する後半の主役ロボット。


スペック

分類:可変オーラバトラー
全高:8.8メット(m)
乾重量:8.6ルフトン(t)
オーラ係数:0.99
必要オーラ力:14オーラ
適正オーラ力:19.8オーラ
巡航速度:290リル
最高速度:360リル
装甲素材:強獣の甲羅
変形形態:ウィングキャリバー
所属:シーラ・エレ連合軍、ゼラーナ
主なパイロット:ショウ・ザマ
付き人:チャム・ファウ
メカニックデザイナー:湖川友謙


機体概要


ナの国が開発した新型オーラバトラー。
ナの国のボチューンダンバインの機能を取り入れた機体。
最大の特徴は変形する事によるウイングキャリバー形態(注:オーラバトラーを輸送する用途を持ったオーラマシンをウィングキャリバーと呼ぶ)で、高速飛行や他のオーラバトラーを搭乗させる事も可能。
自動操縦機能があり、搭乗者が疲れて寝てしまってもオートで切り替わる。
カラーリングはオーラバトラーとしては割と派手めな赤と白のツートーンで、終盤では紺とグレーの夜間迷彩塗装に変更された。

反ドレイク陣営の機体としては最新型に当たり、強力な武装と高い基本性能を誇るが、
低いオーラ係数と高い必要オーラ力というまるでダンバイン以前の初期型オーラマシンのような特性を持つ。
限界オーラ力はなくオーラマシンで唯一「適正オーラ力」なる数値が設定された、極限まで乗り手を選ぶ完全な聖戦士専用機として開発された。
これは、ドレイク軍の相次ぐ新型オーラバトラーの攻勢に対抗し劣勢を覆すための一騎当千を当初から期待されたため。
兵器としての安定性や扱いやすさより爆発力を求めた結果である。

女王シーラ・ラパーナより本機を賜ったショウ・ザマは、その期待通りの無双の戦果を挙げていく事になる。


コックピットは他のオーラバトラーと同様に胸部にあり、変形すると鳥の頭部を模した機首に位置する。

オーラバトラーとして極めて高性能であるだけでなく、多くの革新的要素を盛り込まれており、ショット・ウェポンに比肩しうる地上人が開発に携わっている可能性が示唆されている。




主な武装


  • オーラキャノン
背面に装備されたオーラバトラーでは珍しい大型レール式の二門の大砲。
原作でのメインウェポンであり、後述のオーラシュートを除けば本機の最大威力の攻撃である。
ハイパーレプラカーンへのトドメに用いられたほか、ワイヤークローで振り回して無防備にした敵機に直撃させる連携も多く見られた。



  • オーラソードライフル
上下連装型のオーラ・ショットとオーラ力を収束させたビーム状のエネルギー刃の2つの機能を併せ持った新兵器。
オーラ・ショットは火薬を使い実体弾を放つ射撃兵器だが、ダンバインのようなマガジン(弾倉)式ではないため弾数には制限があった。
また、オーラ力を直接変換するエネルギー刃は強力だが脆く、物理剣との鍔迫り合いで折れるなど所謂ビームサーベルとは異なる性質を持っていた。


  • ワイヤークロー
オーラバトラーの標準装備。強獣の爪にワイヤーを付け発射する。


  • オーラソード
オーラバトラーの標準装備で、ダンバインと同系。鞘は右オーラコンバーターに装備する。



必殺技

  • オーラ斬り
オーラ力を発揮しながら繰り出すオーラソードの斬撃。
技名の初出はTVアニメ19話で、ショウが搭乗するダンバインの斬撃に合わせてチャム・ファウが「必殺のオーラ斬りだぁ!」と叫んでいる。
TVアニメ25話でもチャムが「必殺!オーラ斬り!やっつけろっ!」と叫んでいる。
オーラ斬りと叫んでの斬撃はこの2回のみであり、どちらも機体はビルバイン登場前のダンバイン。
オーラ力を発揮しながら繰り出す斬撃自体はアニメ全編通じて使用されているが、機能として持つのはボチューンのみ。


  • ハイパーオーラ斬り
スーパーロボット大戦シリーズオリジナル技。
オーラ斬りと違い、こちらはTVアニメにおいて一切登場しない単語、技名である。
スーパーロボット大戦BX』では「ハイパー化の力を攻撃力に転用したオーラ斬り」であると設定されている。
原作ではショウとビルバイン(ダンバイン)は寸前までは行ったがハイパー化は行っていない。
初めてハイパー化現象を起こしたガラリアの姿と末路に危機感と恐怖を覚えていたため。

  • ツインオーラアタック
こちらもスパロボオリジナル技で、他のオーラバトラーとの合体攻撃。
スーパーロボット大戦UX』ではダンバインと共に繰り出すものが「ツインオーラアタック(ダ)」となっていたため、ナナジンとの合体攻撃「ツインオーラアタック(ナ)」が追加される…かと思いきや、
ナナジンの方はオウカオーとのツインオーラアタックが存在し、待っていたのはまさかのバーン自軍入りと「ツインオーラアタック(ズ)」であった。
また、『BX』ではトッドとの「ツインオーラアタック(ラ)」も追加。トッド参入はチャムの中の人が発売前に「バーンやトッドとの掛け合いボイスを録った」とぶっちゃけたスパロボの伝統なので想像通りであった。
(ちなみに、トッドが声優の都合でボイスが新規収録されていないため少ない台詞で遣り繰りしている)
『BX』ではサーバインの方が基本性能は高いものの、地形適応オールSで高い威力を持つこちらのためにビルバインを使い続けるのも十分選択肢となる。


  • オーラシュート
スーパーロボット大戦X』にて初登場した新必殺技でショウ専用。
作中でハイパーライネックを倒した攻撃の再現。命名はOP歌詞の一節からだろう。
オーラビームソードとオーラソードをクロスさせ、オーラ力の奔流をぶつけるというシンプルな技だが、威力はハイパーオーラ斬り以上。




立体化


現在は
  • IN ACTION!! OFFSHOOT ビルバイン聖戦士ダンバイン 1/48 ビルバイン
  • 聖戦士ダンバイン HGAB 1/72 ビルバイン
  • ROBOT魂 ビルバイン
辺りが比較的入手しやすい。
IAOはかつて発売されたオーラバトラーインアクションの改良仕様。
HGはプラキットなので組み立てが必要だが、値段は安い。
ROBOT魂は通常カラーと夜間迷彩カラーが両方発売されており、同ブランドでは割と珍しく変形機構も再現されている。



余談


  • 放映当時、『ザンボット3』放映時からスポンサーとしておもちゃを販売していたクローバーから変形する玩具が発売される予定だった……が
    ダンバイン放映中にクローバーが倒産。紆余曲折の末にトミー(現タカラトミー)から販売された。
    でかいサイズのデラックス版、小さいスタンダード版の二つがあるが、後者にはメーカー不詳の海賊版が存在する。

  • ネット上ではスポンサーのテコ入れで登場し、他のオーラバトラーと比べるとメカメカしく浮いたデザインが原因で人気が無かったと言われる事が多いが実際の所これはネット上で誇張された話であり、当時の関係者の話によると実際には後半を盛り上げるためにサンライズ側の考案により登場が決定し、プラモの売れ行きも中々好調だったとの事。
    スポンサーからの要望はできる限り立体化しやすいデザインにする事ぐらいだったらしい。
    前述の通りプラモの売れ行きも好調だったのに何故かネット上では当時から人気がなかったかのように語られる事が多く、関係者を困惑させている。ネット上での意見がファンの総意ではないという良い見本だろう。

  • リアルタイムで見ていたスーパーロボット大戦シリーズのプロデューサーだった寺田貴信氏はこの辺りの当時の評価の事を「当時の自分のような中学生くらいの年齢の視聴者からは子供っぽくないかと初見では不評だった」「開田裕治氏の描いたプラモのパッケージイラストでビルバインってカッコいいと思うようになった」とむしろプラモがビルバインの評価に影響を与えていたらしい事を語っている。が、これもあくまで当時の氏の周辺コミュニティでの評判に過ぎない。

  • 因みに監督の富野由悠季氏はビルバインのデザインに関わっていなかったようで様々な媒体でデザイン、特にカラーリングに対してボロクソに貶しており、40周年を迎えて再び観直した際もインタビューで「バカなことをやらされそうになりつつも、その部分を必死に塗りつぶしたという気配が感じられない」として後悔を見せていた。
    因みにそのインタビューでビルバインは人気があるという事を聞かされた際には非常に驚いていた。

  • 21年に某アンケートサイトで行われたオーラバトラー人気投票でもズワァースやダンバインを下して堂々の一位に輝いている。




関連機体


ヴェルビン

MSVならぬABVとも言うべきメカニック企画『オーラファンタズム』において出渕裕氏によってデザインされた、ビルバインのリファイン機。
可変機構やオーラキャノンといったメカ的な要素を廃し、他のオーラバトラー同様の生物的なデザインとなっている。
カラーリングは夜間迷彩時のようなグリーンだが、ナの国の親衛隊仕様の機体は通常のビルバイン同様のレッドとホワイトとなっている。

デザイン企画のみの幻の機体であったが、2017年12月にrobot魂が発売され、2019年には『スーパーロボット大戦T』にサプライズ参戦。
明確な設定が無いためかロボット大図鑑の記述は「すべてが謎に包まれたオーラバトラー。ダンバインから連なる高機動型オーラバトラーの究極系」と非常に簡潔になっている。
性能は盾が無い代わりに基本性能を向上させたサーバインといった感じ。
(ちなみにPVではシオンが搭乗していたが、実際のゲーム中ではショウでないとハイパーオーラ斬りが使えず、シナリオ上でもショウのために用意された機体となっている。軽いPV詐欺である)



追記、修正は聖戦士の方がお願いします。


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最終更新:2025年05月05日 06:00