過冬

登録日:2025/05/30 Fri 14:26:00
更新日:2025/06/01 Sun 02:52:53
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「過冬」とは『ニンジャスレイヤー』第4部シーズン2における敵組織。読みは「カトー」。
アラスカの都市シトカ*1を根城とするロシア系ヤクザクラン。
トップはシンウインター
不思議な力を持つ少女「ゾーイ」をめぐり彼女とニンジャスレイヤーをつけ狙う。
同時期に登場するケイト―・ニンジャ*2とは関係ない...はず。

◆沿革◆

10年前、ニンジャスレイヤーによる月破砕後、ヤクザクランの末端ニンジャであったシンウインターがゲコクジョ(下剋上)を実施、当時のオヤブンの一族郎党を皆殺しにしたことで発足。
当時は人口1万人程度の港町シトカの田舎ヤクザに過ぎなかったが、第三部アマクダリ・セクトの再定義の余波で産出するようになった鉱石エメツにより急速に発展。
都市自体が10年で300万人都市にまで急拡大・急発展するに伴い、ヤクザのシノギである非合法ビジネスもそれ以上に拡大、組織規模が巨大化した。
また、シンウインター自身も類稀なるカラテで周辺のヤクザを併呑、急速に拡大した。

シンウインターを頂点とし、その下に幹部級ニンジャ「ワイズマン」、その下に下部ニンジャがいる構造の組織。
実際のところ、組織としては『ただ極めて強いだけの田舎ヤクザ』であり、ソウカイヤやザイバツ、アマクダリのような世界的野望を持っているわけではない。

◆構成員◆

首領

  • シンウインター
他所者風情が……!俺はシトカだ……俺が世界だ!

本名「アドリアン・メギルヴィッチ・イオロフ」。
10年前の時点では末端ロシアヤクザにすぎなかったが、下剋上により成りあがった。
心に欠落があり、圧倒的なまでの所有欲を有する。手に入れたものには執着しないが、それが手元から失われることは極度に憎む。
身長200cm以上の巨漢、外見年齢は40代半ば。

憑依したソウルはユミル・ニンジャ
さらに本拠地にはユミル・ニンジャの化石を所持しており、触れればソウルと肉体が揃うことで神話級ニンジャ生前のジツを行使することが可能。

単純なカラテ戦闘力だけで言っても作中屈指。戦闘スタイルに特徴があったり特異なワザを使うわけでもないのに、ニンジャスレイヤーと互角以上に戦える戦闘技術にジキ・ツキを平然と耐える耐久力、果てはニューロン攻撃への耐性まで持ち合わせている。
有するジツはオーロラ・ジツ。オーロラ状のオーラを拳に纏い破壊力と防御力を上げる。
また、「オーディンの軍勢」と呼ばれる、オーロラ障壁を用いて町一つを覆い脱出を不可能とする力の行使すら可能。
単純な物理的障壁ではなく、脱出しようとするとオーロラの中に閉じ込められてニューロンに大きなダメージを与える。作中ではゾーイの安全を確保しようとしたニンジャスレイヤーも脱出を完全に断念せざるを得なかった。
同様の能力で、自身の周囲に障壁を展開して敵を分断するといった運用もできる。
とはいえ直接戦闘においては『硬いオーラを展開する能力』に過ぎず、単なるエンハンスメントと大差ない。シンウインターの強さの大半はそのカラテであり、ジツはカラテを補助するものに過ぎない。

+ 終盤では
シーズン2終盤ではサツガイとの契約によりカイデン。神話級であるユミル・ニンジャの力を完全に吸い取り、リアルニンジャ「シトカ・ニンジャ」となった。
サツバツナイト、スーサイド、ガーランドの主役格ニンジャ3人を相手に1人で戦い、互角どころか3人を戦闘不能に追い込む凄まじいワザマエを見せつけたが直後にザルニーツァを退けたニンジャスレイヤーとのイクサに敗れ爆発四散した。

シンウインターの特徴は「強いボスであり、組織の誰も彼に逆らうことができない」というものであり、深みなどはない。むしろ、「深みがないのにただただ強い。だから恐ろしい」ことが意図して造形されたボスと言える。

Sin=罪=過ちと解釈すると、「(Sin)(Winter)」となる。


ワイズマン

  • カークィウス
このシトカは真のニンジャの地だ。冒せばそれなりの代償を強いる

ワイズマン統率にして、シンウインターの最側近のニンジャ。
ドルイド・ニンジャクランのグレーターニンジャソウル憑依者。
オウムを自身の分身に変化させる」ジツを持ち、
  • 本体より弱体化するがそれでも手練れのニンジャ並みのカラテを振るえる分身を複数体操る、倒されても本体は無傷
  • オウムの羽を鋭利なスリケンとして飛ばし遠隔操作する
  • 自身の腕に変化させて欠損部位を補填する
  • 自身にオウムを接合することで有翼のニンジャとして自在に飛行する
など、極めて多彩な能力を持つ。
ただし、手塩にかけて育てたオウムを用いる必要があり、損耗を伴うため弾数に限りがあるのが欠点。
また、分身の操作中は自身の視聴覚がオフになるほか、十全なカラテを振るうには分身と距離を置くことも難しいため、居場所を看破されて本体を叩かれることも弱点。
とはいえ、前述の通り本体のカラテはかなり強いため、居場所を明らかにしたところで凡百のニンジャであれば返り討ちになるであろう。

  • サイグナス
過冬は、期待する。そして、期待に応える者たちを愛するぞ

コルガ・ニンジャの憑依者にして、「ブンシン・ジツ」の卓越した使い手。
分身の術は忍者の術としてはポピュラーだが、ニンジャスレイヤー世界においてブンシンはきわめて習得難易度が高いジツである。そのため、純正のブンシン・ジツを用いるものとしては2人目、実体分身を用いるものとしては初となるニンジャ。*3
彼の分身は最大5体で、自身と同時にカラテを扱い波状攻撃を仕掛けることが可能、さらに分身と本体の入れ替えが可能と、油断も隙もない性能。加えて本人のカラテがニンジャスレイヤー級という凄まじい手練れなのも併せて油断も隙もない実力。
ヒサツ・ワザとして相手の前後から同時攻撃を仕掛ける「カガミ・ビラキ」を持つが、分身が実体を持つがゆえに分身同士をぶつけられると大きな隙が生まれる弱点を持つ。

カラテ実力者以外にも他のヤクザクランとの外交役としての出番も描かれた。ただし、相手側のスタンスが気に入らなかったため*4、本人の独断で敵対、相手クランの捕虜を解放するなど独自の行動を取れるぐらいの権利を有し、同時にそのような行動を取る程度の個人的なヤクザクラン運営の美学を持っているようでもある。
同じ幹部であるザルニーツァに対してもなにか思うところがあったようだ。


  • ザルニーツァ
この地は保障する。お前は処刑する

ワイズマンの紅一点にして、冷静沈着な女性ニンジャ。
ニンジャ専用外骨格「イサライトアーマー」、AI搭載で時速666㎞のモンスターバイク「シグルーン」、両手には高熱を持ち電磁力で射出と回収が自在の「プラズマ・クナイ」を持つハイテク兵装スタイリッシュロマンニンジャ。

+ その正体
その正体はシンウインターの一人娘、オリガ
さらに、その母は鷲の一族の一人、ユーリア。
すなわち、ラオモト・チバの異父妹であり、アマクダリ・セクトの遺産、ひいてはその母体となったメガトリイ社の遺産にアクセスできる血統を持つ。
これにより、チバ率いる新生ソウカイヤの重要殺忍対象となっている。

+ そして
  • ソナエの鎧
4部シーズン2終盤において、サツガイから付与された新たな力。
かつて、ソナエ・ニンジャの憑依者リンボが用いた、赤熱する鎧を生成するジツ。
作中でも屈指の防御性能を持ち、鎧の外側からの攻撃は完全にシャットアウト。引き剥がすことは可能だが、剥がしてもすぐに鎧が自己再生をはじめる。
さらに、赤熱を外部に放出することでの攻撃や踵からのジェット噴射が可能であり、周辺の大気からエテルを取り込むため消費無しで常時発動。それどころか食事や排泄すら必要なくなるという驚異の防御能力。

……重大な欠点として、自身の意思による解除が不能。外的要因により剥がしても即座に鎧が再生するなど、呪われた装備そのもののジツ。


  • カシマール
闇の相が巡っておりまする……暖かいですぞ

絶えずうずくまりうわごとを述べる、怪しげなニンジャ。
ハデス・ニンジャクランのソウル憑依者であり、「自身の影を遠隔で投影する」「遠隔で他者の状況を把握する」「他者の影の中にテレポートする」「影を介してニンジャを操る」など、極めて多彩なジツを有する。

+ そして
その正体は、サツガイから力を得たサツガイ接触者のひとり。
これがハデス・ニンジャクランの禁忌であったことから、現在はシャドウウィーヴに追われる立場にある。
  • 墓暴きの虫
かつてサツガイから付与された力。
黒いカビのようなエネルギーを死体に付与して操る能力。
厳密には死体ではなく非生物ならなんでもよいようで、作中では機械を操る描写もあった。

  • ダイジャ・バイト
4部シーズン2終盤において、サツガイから付与された2つ目の力。
主に腕を大蛇に変化させ嚙みつく能力であるが、過去の使用者はサイバネでヘビを移植して扱ったり、あるいは股間をヘビに変化させるなどの使い道も行っていた。
それらの中でもカシマールのそれは強力であり、腕から8本のヘビを生み出したり、全身からヘビを溢れさせ攻撃するなども可能となっていた。

もともと持つジツに加えて2つのジツ、しかもダイジャ・バイトにはジツだけでなくヘビ・ニンジャクランのソウルごと付与されてしまったことで、制御不能状態に陥り暴走してしまった。


  • オーガフィスト
のう。潔く受け入れんかい。ソウカイ・シンジケートの 死ぬ運命を

身長159㎝、低身長でありながら筋骨隆々のニンジャ。
部下からは「オニイサン」と呼ばれているが、たぶんヤクザの「兄貴」的なやつ。
サソリ・ニンジャクランのレッサーニンジャソウル憑依者でジツの類は持たないが、ボクシング由来の「ボックス・カラテ」の腕前だけでワイズマンに上り詰めた強者。

  • サキュバス
裸がお好き?

過冬最強の電脳ニンジャ。
インターネットコトダマ空間上では性的なアバターを用いるが、その正体は精悍な男性
ターゲットの隙をついて「スケベ・ドミネイター」「ダムネイション」「撲殺」「ソースカツ丼」といった危険すぎて禁止されたウィルスを差し込む。
やたら胡乱な要素が多いわりに本人は至ってシリアスな仕事人であり、おまけに電脳ニンジャでありながら珍しく現実のカラテでもニンジャスレイヤーとまともに渡り合えるほどの実力を持つ優秀なニンジャ。

  • キンジャール
そのカラテに釣り合わぬ。短期間のうちに経験を積んだタイプか。油断ならんな

2本のクナイ「マガ・ツメ」「マガ・キバ」の二刀流で戦う油断ならないニンジャ戦士。
さらに、爆発四散してなお粒子として相手に付着、そこから相手の体を乗っ取って再臨するトビマッタキという奇怪かつ凶悪なジツも有する、油断ならぬニンジャ。

  • スノーマン
じきに殺してやる。お前が消されるより早く、俺にその機会が与えられればの話ではあるが

身長3m強のビッグニンジャ。見た目の情報は少ないがファンアートではもっぱらミシュランマンめいた姿で描かれがち。
ビッグニンジャには粗暴なものが多いが、スノーマンは感情の起伏が薄く冷静で知的である。
有するジツは自身をスライム化するスイトン・ジツの一種アメナガレ・ジツ
本来は人型を失い流体化する潜入と拘束に特化したジツだが、カタナ・オブ・リバプール社の先端テクノロジーを用いたナノ装束によって流体化しつつも人の輪郭を保つことが可能となり、自然系悪魔の実めいた無敵性を獲得した。


その他末端ニンジャ一部

  • アイアングリル
僕は可愛い女の子が、だあい好き

幼稚な言動の病的な生クリームジャンキーのクリームデブにしてロリコンというとんでもない変態ニンジャ。
後述のブルハウンドやラピッドファイアと共にニンジャスレイヤーを迎え撃つがラピッドファイアが殺されるや否や逃走。その先は...
生クリーム缶もない。生命の危険もある。こんなのは御免だ。もはや成すべき事は一つだった。つまり、欲望を満たす!
ゾーイをファックしようと企んだがものすごいスピードで階段を駆け上がってきたニンジャスレイヤーに一撃で殺された。

  • ブルハウンド
いちいち非ニンジャのクズどもを威嚇するな。面倒くせえ!

胴体に格納したサイバネ犬を展開し連携で仕留めるニンジャ。イジェークト!
なのだが、このサイバネ犬が破壊されると戦闘力は六割以下にまで落ちるらしい。
サイバネとはいえ犬相応の強さでしかないため、ニンジャなのに本体の強さが犬と大差ない程度という情けない計算で、実際本人が戦っている時の印象もたかが知れたものなので否定しづらいというツッコミどころ満載のサンシタ。

アイアングリルらの制止役も兼ねてニンジャスレイヤーと交戦するがニンジャスレイヤーがアイアングリルを追い偶然にもゾーイを発見したため見逃された。
その後もニンジャスレイヤーと交戦するがクランマネーをオイランに注いでいたことがばれスーサイドに彼の裏切りを隠蔽する役を押し付けられてしまう。
案の定その後制裁を食らっていたがソウカイヤに偶然助けられ過冬を離脱、以降はソウカイヤのニンジャとなった。

  • スーサイド
生まれは……キョート 棲家はシトカ 忘れた事はねえ。テメェがやった事はよ

1~3部にも登場したニンジャ。
3部でつるんでいたサークル・シマナガシのメンバーと別れた後、世界各地でビジネスを展開するがシンウインターに敗北し友人のヘイゼルと舎弟のヤンを殺され彼の下僕となってしまう。
シンウィンターの命でニンジャスレイヤーを襲撃するが敗北。しかしこのイクサによってスーサイドはかつての反抗心を取り戻し、シンウインターへの反逆を決意する。
シンウィンターとのイクサこそ全敗に終わったものの一命を取り留めシーズン2最終章でニンジャスレイヤーがシンウインターとのイクサを制し相棒と舎弟の仇が遂に討たれたことで人々のために生きる力を取り戻した。


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最終更新:2025年06月01日 02:52

*1 アラスカ沿岸の実在の都市。ニンジャスレイヤー1~3部迄は現実と同様1万人足らずの人口の港町であったが、4部時点では3部終了時から産出するようになった特殊鉱石「エメツ」と過冬による非合法産業により、10年で300万都市にまで急激に成長している。

*2 「ケイトー」の由来は加藤段蔵とみられている。

*3 1人目のブンシン使いであるコンジャラーは非実体のホログラムめいたブンシン・ジツを扱う。その他、アガメムノンやシャドウウィーヴのような神話級ソウルの憑依者がユニーク・ジツの延長で用いるものや、ソーサラーのように自身のサイバネを分離するバラバラの実めいた挙動の「サイバネ・ブンシン・ジツ」も存在する。

*4 この時相手にしたヤクザ組織のエル・キケンは、刹那的な薬物中毒による狭い支配を目論んでおり、ボスであるデッドマンも典型的なニンジャの力による支配を目論むタイプであるなど「ああいう手合いには未来は無い」として見限っていた。