ホワイトスネイク(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2014/05/22 Thu 13:20:12
更新日:2025/04/11 Fri 12:05:55
所要時間:約 9 分で読めます





「敵意」……「敵意」には(パワー)が向カッテ来ル……

ヨリ強い(パワー)が「敵意」を必ずタタキにヤッテ来ル…

「敵意」はイツカ倒サレル。 実に単純ダ。



ゲームジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』の担当声優は桐本琢也。
ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』では増谷康紀
アニメ版では本体と同じく関智一

破壊力:?
スピード:D
射程距離:?
持続力:A
精密動作性:?
成長性:?


【概要】

塩基配列の描かれた包帯状のラインが全身に走り、顔の上半分や腰の辺りが紫色の装飾品で覆われている人型のスタンド。
自我があるようで、一人称「オレ」
スタンドでありながら拳銃を取り扱ったりプッチの命令に返答したり任務完了の報告をするシーンがある。
策士を気取るような言動を取り、初期はカタコトだったが連載が進むにつれ言葉遣いが流暢となっていった。
なお人格は高慢でプライドも高い激情家であり、「プランクトンごときがわたしに向かって得意顔に解説を入れるんじゃあないッ」「『スタープラチナ』が戻ってもお前の父親はただのデクの棒だッ!! 娘のおまえの事さえ思い出す事は決してないなあ───ッ」といったようにキレるときはジョジョの悪役の例に漏れず非常に下衆い言動をとる。
というか割とチンピラ臭い。ある意味「自身の計画に関わること以外全てを見下す」プッチの本性を正確に現していると言えるかもしれない。

名前の由来は元ディープ・パープルのデイヴィッド・カヴァデール率いるイングランドのロックバンド「ホワイトスネイク」。


【能力】


そのため、本体が誰なのか不明のまま話が進んだ序盤では謎に包まれた存在故か、
単行本3巻時点でのスタンドチャート紹介では「?」が大半を占めた。
後の単行本やファンブック等でも紹介されず最後まで詳しいパロメータは不明のまま。
だが、JOJOVELLERによれば、破壊力とスピード共にA相当らしい。ストーン・フリーには凄みで突破されたが。

能力は「人間の記憶やスタンド能力をDISC化する」
対象の記憶を「DISC」に変えて記憶を読んだり、スタンド能力を奪い取ることが出来る。

DISC化する方法は二つあり、
  • ①幻覚を見せる
スタンドから一定の範囲にいる者に任意の「幻覚」を見せ、
その間に対象者の心と肉体を「溶かす」ことによってDISCを得る。
対象から遠く離れた場所で安全に奪い取ることが出来る一方で、
DISCにするまで時間がかかり、対象が「幻覚」だと気付くと解除される欠点がある。

  • ②本体が直接触る
ホワイトスネイクが直接対象の頭に触れてDISCを抜き取る。
確実にDISCを得られる一方で、接近しなければいけないため正体がバレたり反撃を受ける欠点がある。

の2種類。
DISCは誰でも頭に挿して中身を見る事が可能。
スタンドDISCは適応さえすれば、他人のスタンド能力でも使える。

DISC自体は物理的に破壊されることはなくDISCを取り出した後に元の人間が死んでもDISCは消えないが、DISCが刺さった状態の人間が死ねばそのDISCも消える。
また、ある程度の攻撃を与えればDISCを取り出すことが可能。

何も入ってないDISCに命令を入れ相手の頭に挿入すると、その命令通りに相手を操れる。
更に、物理的に不可能な命令も可能だったり、「視力のDISC」を抜き取ることで盲目になったり*1と恐ろしい程に汎用性が高い。

ちなみに、音楽CDを入れると、人型のCDコンポになる。
グッチョは「ハイ」になったプッチのせいで瀕死の重傷を負わせられたにも拘らず、
メサイヤのCDを入れられて無理矢理賛美させられて死んだ。
合掌。
ところで、PlayStationとかのゲームのCD−ROMとか入れるとどうなるのか気になる……。警告メッセージが流れるのだろうか?同じディスク型のアレ入れたらわざを繰り出せるようになるのか…?

DISC自体は折り曲げた程度では全く影響なく元の形に戻る弾性がある。


作中に出てきたDISC、及びスタンド


○水を熱湯に変えるスタンド
FFを始末するために使われた。
詳細は不明だが、水にDISCが触れると瞬時に沸騰する。

○10m飛んで破裂するDISC
逃げ惑う看守を引き寄せるために落ちてくるヤドクガエルに使用。

承太郎の記憶とスタンドのDISC
このDISCを巡ってプッチと徐倫が戦闘するのが6部の大すじ。

ウェザー・リポート
ウェザーが死ぬ直前にあえて自分のスタンドをDISC化。
これが逆転の一手となる。

○ヘビー・ウェザー
ウェザーの真の能力。
正確には能力ではなく本人の記憶。


だが、終盤にDIOの骨から生まれた「緑色の赤ちゃん」との合体後にスタンドが変化して消滅
少なくともVSヴェルサスの時点ではまだホワイトスネイクの能力が使えた。



C-MOON(シー・ムーン)


この地でわたしは……これからどこへ行くのかッ!?
これから何が起こるのか……!!

このわたしの肉体と精神の中に!!

そして全ての終わりにも……!!

始末シニキタ 2日待テナイノナラ…

空条(CUJO)……徐倫(JOLYNE)


破壊力:0(ゼロ)
スピード:B
射程距離:約3km四方
持続力:?
精密動作性:?
成長性:?

ホワイトスネイクが新生した姿。体の至る所の矢印がついた人型の遠隔操作型スタンド。
なおホワイトスネイクの頃と同様にこの姿になっても自我を有して活動しているような素振りを見せている。

能力は重力逆転
本体のプッチ神父の周囲3kmにおいて、プッチ神父が「上」になるように重力が逆転する。
この効果は神父に近づくほど強まる。神父の近くでは神父の真上目掛けて物質は落下するが、逆に離れるほど影響は弱まって物体は地面に対し水平に落ちていく。
ただし射程の3kmを越えると重力は正常に戻る。
結果ただの直線の道路は断崖絶壁の崖となり、上空から近づいたヘリコプターが上下が逆転したことで感覚が狂い墜落した。
更にプッチに近づくと空中に固定されてしまう。これだけでも、実質的に足場が封殺されるため十分厄介だが、もう一つの能力がさらに凶悪。

それは、生物無生物問わず、C-MOONの手が触れた対象の表と裏、内と外を反転させる(裏返す)こと。
簡単に裏返せる構造のものならまだしも、人体のような容易には裏返せないものは強引に裏返されるために強烈な損傷が伴う。
純粋な戦闘力は皆無だが「裏返す」力と破壊は驚異的であり、並の近距離パワースタンドを凌駕する。
単純なパワーでの攻撃ではないため、遠隔操作型でありながら高い破壊力を維持している。
更に、プッチ本体は破壊なしで自由に裏返しすることも可能なようで、アナスイの攻撃を「自分を裏返す」ことで回避した。
無生物に対して使用した場合も裏返った反動を利用して周囲のオブジェクトを飛ばして攻撃したり、ただでさえ重力逆転の影響で満足に動けない敵の足場を奪って動きを更に制限させる事も可能。

但し、裏返しの効果は拳にしか付与されないため殴れない状況では満足な戦闘力は発揮できない。
何より「二回C-MOONの打撃を受ける」と「裏返った物が再度裏返って直る」ため無効化される弱点がある。*2
更に、表裏の概念が無い物には通用しない。空条徐倫は自分の体を糸状にして「メビウスの輪」を作り出したことで無効化した。
他にもC-MOON自体のパワーはEどころかゼロと全くの皆無なので、重力操作が通用しない純粋なパワーを要求されるような状況に陥ると途端に不利に追い込まれてしまう点も明確な欠点。

名前の由来は「ポール・マッカートニー&ウイングス」の同名の楽曲。ちなみにプッチの誕生した1972年の曲。



メイド・イン・ヘブン


おまえたちには計り知れない事だろうが

最後にひとつ言っておく『時は加速』する

名を冠するなら「メイド・イン・ヘブン」

おまえたちと決着をつけるのは未来のためだ

破壊力:B
スピード:∞(無限大)
射程距離:C
持続力:A
精密動作性:C
成長性:A

通称「MIH」
C-MOONが更なる進化を遂げた、プッチ神父のスタンドの最終進化形態。
尚、ジャンプ連載時はステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)という名前だった。

スタンド像は下半身が「前半身だけの」、
上半身が首に羽飾りを着けた人間で、顔の中央と全身各所に時計や計器が付いている。

能力は「時を際限なく加速させる」こと。
MIHによって加速された世界では、生物以外の全ての物体・現象は加速された時間と同様に時を経るが、生物だけはそれについていく事が出来ない。
そのため、生物が体感時間で1~2分の間に時計が1時間を刻むと言った事が起こる。

他にも
  • 雨が直ぐに止んで服が乾く
  • 朝になって直ぐに夜になる
  • 食べ物が瞬時に腐敗*3
  • グラスを落とせば一瞬のうちで粉々に割れたグラスが床に落ちている
  • 野球のボールとかを投げればかなりの“豪速球”となり、もし体に直撃したら重傷を負うような威力になる
  • 埃はあっという間にたまり、いくら掃除しても追いつかない
  • 鉄はあっという間にサビができたりと、劣化する物はかなりの速度で劣化が進む
  • 乗り物に乗っていればものすごい速度で動くようになり、交通事故が相次ぐ
  • ラジカセや、ビデオとかの録音・録画したメディア機器の再生速度も常に早送りになる。
  • インクに漬けたペン先がすぐに乾き、岸辺露伴を除いてペンで物を書くことができなくなる
などといった現象が起きる。
但しMIHの本体のプッチだけは例外で、加速した世界で行動できるので、傍目からすれば物凄い速度で移動したように見える。

純粋なスピードではの速度を超え時間を止める星の白金が上だが、決戦当時は
  • 全盛期と同じ「5秒だけ」しか時間を止められなかったこと
  • 再発動には時間がかかること
  • 「5秒」が世界の速度から見た相対時間であること
を利用してプッチは
時間停止前に遠くに移動→時間停止→射程距離外なので攻撃不可→時間停止解除→その隙に近付いて攻撃
という斬新な力技で時間停止を打ち破った。


ただし、この能力には結構な落とし穴がある。
それは、「加速するのはあくまで時の流れであって、プッチは唯一それに付いていけるだけ」であること。

プッチ視点では、他の人間は「異常なまでに鈍い癖に運動エネルギーは減少しない」奇妙な状態ではあるが、
相手の動きが超スローモーションになる中を自分だけ普通に動ける能力に過ぎない。
よって、プッチからすればあくまでも普段通りの時の流れの中で普段通りに動いているだけなので、彼やそのスタンドが拳を振ったとしても、超加速した拳打の威力が激増して衝撃波が発生……なんて現象は起こらない。スタンドの攻撃はあくまでもパワーBのまま。

そのため、時が加速している間は周囲からは目にも映らぬ超高速で飛び回る怪物のように見えても、敵と交戦する場合は普段通りに至近距離に近付いて攻撃を仕掛けなければならない。
パワーBもあれば殺傷力は十分ではあるが、一度でも加速を中断させられると窮地に陥る弱点もある。


また、時が加速している最中であっても、プッチ神父はあくまで生身の人間である以上はできることには限度がある。

例えば、100メートル離れた相手にプッチが攻撃する場合、他者からはプッチは超スピードで向かってくるようにみえる。
だが、プッチの主観では動かない相手に向かって普通に100メートル走っている状態にある。
当然その分の疲れもでるし、もし相手が10キロ先、100キロ先にいるとしたらプッチ自身のスタミナが問題になる。
もし相手が相打ち覚悟で部屋中に毒物を充満させ、その中を加速してしまったとしたら自分の方に早く毒が周って行動不能に陥るといったことにもなり得る。
作中ではエンポリオが発動させたウェザー・リポートで「密閉空間内に純粋酸素を集める」という捨て身の作戦に見事にはまり、そのまま敗北する結果となった。
他の部のスタンドだとプロシュートのザ・グレイトフル・デッド、ギアッチョのホワイトアルバム辺りとの相性も悪そうである。
ゲーム『オールスターバトルR』だと、ワンダー・オブ・Uの放ってくる厄災を超えられず普通に物が当たったりしている。

事実、作中でイルカに掴まった徐倫とエンポリオに追いつけなかったのも、「プッチ自身の力で泳がないといけない」状況だったため。
一度距離をとられてしまうと、その距離を神父は体一つで追いかけねばならず、距離を保った状態でスタミナ勝負に持ち込まれると追尾は困難。
そのまま見失ってしまえば、プッチは自力で探し出すしか無くなってしまう。

もっとも、「加速『だけ』」でも十分に強いので、徐倫が決死の足止めをしなければエンポリオが殺され「第6部完!」になっていたが。


そして、MIHには時を加速させる事によりもう一つ、プッチ神父からすれば本命といえる能力がある。

『時の加速』により『加速』の行きつく究極の所!
『宇宙』は一巡したッ!
『新しい世界』だッ!

人類は一つの終点に到着し
「夜明け」を迎えたのだッ!

それは自身を含めた全人類の運命を予知させる
どういう事かと言うと、MIHの時を加速させる能力により世界を一巡させることで、全ての生物に未来で自分に何が起きるかを体験させ、一巡後の世界ではその体験した出来事を自身は予知するようになる。
そしてその運命には絶対に逆らえず、例えば「自分は転ぶ」と頭の中でわかっていて回避しようとしても、結局は違う物のせいで転んでしまう。
ただしプッチ神父のみ例外で、一巡後の世界の完成前に限りその変えられない運命を変える事ができる*4
プッチ神父曰く「例え絶望の未来を見ても覚悟すれば絶望を吹き飛ばせる。覚悟することは幸福である」という事らしいが、
ジョジョで主人公張れるレベルの精神力の持ち主ならともかく、その他一般人にしてみれば運命の奴隷に成り下がるという地獄でしかない。
更に言えば多方面に不幸をばら撒きながら他人に信念の押し付けをしているプッチ神父自身、自分については完全に棚上げしているという有り様。覚悟があろうが別にメリットがあるわけではないし…。
時の加速についていけない生物という効果についても度外視である。それまでの所業といい本当に自分以外の全方面にいい迷惑としか言いようがない。
時間加速の最中に死亡した人間は一巡後の世界には存在せず、「よく似た人物」がその役割を果たし、一巡前の人物と同じ運命をたどる。
一巡後の世界の時間加速の日時前に本体であるプッチ神父が死亡した場合はその一巡後の世界は消え去り、再構築された「新たな世界」が誕生することになる。
そしてメイド・イン・ヘブンによって弾かれていた承太郎、徐倫、エルメェス、アナスイの魂は一巡後の世界に戻ってきて、プッチを押し上げる邪悪な重力が無くなったためか、エルメェスはスポーツマックスに姉を殺されることなく姉妹仲良くしている様子が見え、ウェザーは己の運命を呪うことなくヒッチハイカーでアメリカを旅し、徐倫とアナスイは承太郎に祝福してもらおうとしていた。一巡前の世界の彼らではないが彼らの魂は幸福な道を辿り、その先行きを祝福するような虹がケープ・カナベラルへと続いていた。

作中では承太郎でさえ成す術も無い圧倒的攻勢だったことから、「メイド・イン・ヘブンこそが最強のスタンド」と評する読者も少なくないが、作者当人は最強のスタンドには星の白金を挙げている。
このギャップは、作中にてプッチが承太郎にも確実に勝利する為に、しばらく距離をとってかなり加速してから戦闘に入る戦術をとったことによる影響が大きい。
そして、時の世界に踏み込めない仲間が複数居た点も重要であろう。
承太郎とプッチ神父の二人だけであれば、承太郎自身のみに意識を集中して攻撃される瞬間を勘で計って時間を止めたり捨身の反撃を仕掛ける、といった博打に臨むのも不可能では無かった。
しかし、勝利の為に捨て置けない仲間達が居る以上は意識を分散させなければならず、普段は頼もしい彼等もこの時ばかりはリスク要因にもなってしまったばかりか、同士討ちまで起こさせられてしまっていた。*5
まあ冷静に考えて「初見で相手の能力が全く分からない承太郎」「敵の能力を徹底的に分析してガチガチの対策を立てたプッチ」を比べればどちらが有利かは火を見るよりも明らかであろう。

ジョジョの世界観では基本的に無いが、全く同じ条件、
例えばゴング付きのリングのような場所でタイマンでもした場合には過程と結果は全く違うものになるだろう。
プッチに言わせると「最強になるための能力ではなく「天国」にいく方法を実現するための能力」とのことなので、戦闘能力は彼にとってはオマケなのかも知れない。

なお、原作では攻撃したダイバー・ダウンの腕の中から出現するという謎の登場を果たしたが、
ゲーム『オールスターバトル』では超演出を見せている。

名前の由来は「クイーン」のアルバムもしくは楽曲。雑誌掲載時のは「レッド・ツェッペリン」の楽曲。
プッチのスタンドは全てイングランド出身のバンドということになる。


イイゾ……スデニ。
追記・修正デキテイタナ……。

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最終更新:2025年04月11日 12:05

*1 その時のサイズは通常DISCより小さく複数枚出現する。

*2 ただしあくまで「裏返った状態から元に戻る」だけで、裏返しの時に受けた損傷はそのままではある。

*3 「腐敗に関わる微生物もついていけないのでは?」と度々議論になる

*4 作中ではこの点を利用され、反撃されてしまった

*5 万に一つ、徐倫を見捨てたら勝てたと言われても、運命はプッチに味方していたので、ポルナレフ並の耐久性をプッチが発揮し結局返り討ち、になってただろう